独学受験生は補助教材としてYouTubeの解説動画を有効活用しましょう!

  • 投稿者:50歳のおっさんさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 生産部門から管理部門へ異動となり、部下への取得を促進するため、まずは自分で取得することとしました。50歳のおっさんのため記憶力の低下が激しく勉強は苦労しました。

 また、試験会場では若い方が多く”あまりの場違い”で戸惑いました。私の体験は、簿記受験を考えている中高年の皆さんの一助になれば幸いです。

2級受験までの流れ

 業務の基礎知識を高めるために資格を取得することとしました。理系/工場勤務で工業系の資格はたくさん持っていますが、簿記会計の知識は無く、一念発起で受験することにしました。

 まずは、153回の簿記3級を1か月半の独学で一発合格し、試験後からすぐに154回の簿記2級の勉強を始めて3か月の独学で一発合格しました。154回は比較的簡単な問題でしたので、運が良かったと思います。

教材

使用テキスト

テキスト
テキスト

 3級から使っているスッキリシリーズで独学しました。過去問題に加えて、最近2回分は資格予備校から取り寄せて、計5回解くことを目標としました。

 テキストはいろいろな種類があり好みが分かれますので、自ら書店で内容を確認してから購入することをお勧めします。また、TAC出版の答案用紙のダウンロードサービスは便利で重宝しました。

  • スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記(TAC):80点
  • スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記(TAC) :80点
  • スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集(TAC) :70点

 他の問題集は使用しませんでした。とにかく、基礎知識を叩き込んで、そのあと過去問を繰り返し解き、”知識と問題解答へのつながり”を意識しました。

 また、予想問題は3級の時に難しくて自信を無くしただけでしたので、2級では一切解きませんでした。その代わり、テキストは何度も読み返しました。

補助テキスト

 簿記検定ナビの仕訳対策教材(重要仕訳TOP100)にはたいへんお世話になりました。

 3級、2級ともにPDF版を印刷して通勤時間や昼休みにAランク50問/Bランク50問を通して5回ほど解きました。Web版で解説をよく読んで理解したあとに、繰り返し解くことをお勧めします。

補助ノート

 補助ノートは作成しませんでした。テキストへの書き込みも行わず、学習内容を計算用紙に手書きすることで覚えていきました。

電卓

 Canon HS-1220TUGを使用しました。また、通勤時間の携帯用電卓として無印良品の小型電卓を使用していました。

 私が受験した会場では、”電卓使用不可”で退出した方が1名いました。せっかくの努力が無駄となりますので、これから受験する皆さんは、受験に使える電卓をきちんと選ぶことをお勧めします。

 また、電卓がないとどうしようもないので、前日に電池を交換する等、万全の準備で臨みました。可能であれば、スペアの電卓を持参するとよいと思います。

その他(YouTube)

 補助教材としてYoutubeの簿記チャンネル(合格TVとふくしままさゆきさんのチャンネル)をよく利用しました。

 合格TVは計30hを超える内容でしたが、質問はできないもののレジメを見ながらゆっくりと進行するので、基礎知識の習得につながりました。

 また、ふくしままさゆきさんの動画は大変わかりやすく、すんなり理解できました。50歳のおっさんとしては、このように無料で勉強できる環境があることに、時代の変化を強く感じました。

学習の流れ

 まずは基本知識を学習し、その後は過去問を解くことにより「点数を取れる」学習に切り替えていきました。

11月中旬から12月中旬

 3級の試験後、すぐに2級の勉強を始めました。まずは、YouTubeの合格TV(商業/工業)を勉強しました。

12月中旬から2月上旬

 スッキリシリーズのテキストで読む/書く/付属問題を解くことを繰り返しました。

1月上旬から2月中旬

 過去問に取り掛かりました。問題集の6回分に加えて、今年度の本試験2回分(152回・153回)の計5回分を解くことを目標に解き始めました。

  • 1回目(20~50点):問題の傾向をつかむ、テキストを見て解く、時間を気にしない
  • 2回目(60~70点):できるだけ自力で解く、時間を気にしない
  • 3回目(65~75点):時間を計りながら解く
  • 4回目(70~90点):難しい問題はやり直す
  • 5回目(85~95点):過去5回分を90分で解くことを繰り返す、本番と同様に”見直し”に力を入れる
点数の記録
点数の記録

試験直前

 出題範囲が広いこともあり、部分点狙いでギリギリ合格を目標としました。しかし、一週間前にカゼで体調を崩したため、試験前日は過去問の苦手問題を解き、ぼんやり寝て過ごして体調の回復に努めました。

 Covid-19の影響で試験実施が危ぶまれましたが、前日と当日にホームページ上に「予定通り実施します」と告知されていました。

試験日1日の流れ

 いつも通り5時に起床し、朝食をとりましたが、体調がイマイチでしたので、飲み薬を服用して11時まで布団で寝てました。

 起床後も体調不良と緊張で食欲が無かったので、昼食はチョコレートで糖分を補給する程度に抑えました。

 家族に自動車で会場まで送ってもらい、余裕をもって試験開始時刻の45分前に会場へ到着しました。簿記3級の会場とまったく同じ大学で教室まで一緒でした。

 着席した後は、心の安寧のため持参した参考書は一切見ずに、試験準備の後はぼんやりしていました。事前注意事項として、筆記用具、身分証明書、受験票以外のものはすべてしまうように指示があり、マスク着用はOKでしたがシャーペン芯ケースやティッシュは不可でした。

 使用できる電卓の注意をしつこいくらいしていた中で、1名の女性が電卓使用不可で退場されました。係員からは「試験開始後30分以内であれば受験可能」と言われ、コンビニの場所を聞いていましたが、結局戻ってきませんでした。

 その後は、トイレと給水、深呼吸でぼんやりと開始時刻を待ちました。Covid-19の影響か、試験会場は空席が目立ち、受験率は60%程でした。なお、開始5分前に入場する強者がいて驚きました。教室内で制服姿の女子高校生を見つけ、50歳のおっさんとして「落ちるわけにはいかない」と緊張しました。

試験開始!

 最初に配布されたA4計算用紙1枚を1/4に折って、試験開始を待ちました。問題の配布や説明があり、15分遅れの13:45スタートでした。

 第1問→第5問→第4問の順で予定通り60分を使い、余裕を持って第2問→第3問を取り組みました。予想以上に第2問に時間を消費してしまったため、第3問は時間が無く部分点狙いへ切り替えました。残りの5分は深呼吸とざっとした見直しに費やし、試験が終了しました。

 私が受験した教室には120名ほどいましたが、途中退席は1名だけでした。また、3級の時は電卓の打撃音が激しい方が近くにいてすごく気になりましたが、2級では、そこまで打撃音が激しい方はいませんでした。音が気になる方は、許可を得たうえで耳栓を着用したほうがよいと思います。

帰宅後

 予備校の模範解答で自己採点したところ、80点前後でした。前回よりも多少簡単だった気がしました。また、試験当日の夕方に模範解答が出る速さに驚きました。

  • 第1問:16点
  • 第2問:12点~14点
  • 第3問:12点
  • 第4問:16点
  • 第5問:20点
    • 合計:76点~78点

結果

合格発表
合格発表

合格証書
合格証書

 問題が簡単と感じた割には、82点でした。時間配分のミスが響いたと思います。

今後受験する皆さんへ

基礎である”仕訳”をできることが大切

 2級は範囲が広く、第1問の仕訳ですら難問です。簿記検定ナビの仕訳対策教材を暗記するぐらい何度も解くことをお勧めします。

過去問を何度も解く

 基礎学習はすぐには試験の得点アップに繋がりません。出題傾向がありますので、何度も過去問を解いて、傾向を掴むことをお勧めします。また、解説をよく読んで解き方を覚えることも重要です。

本番では、解く順番や時間配分を事前に決めておく

 「実務で生かすこと」と「試験に合格すること」は大きく違います。合格を目標としての受験ですので、どのように合格点を取るかを自分で考えておくべきです。

 「自分の得意な得点源から解いて、難問は部分点でよい」等の戦略を持ち、あらかじめ時間配分を決めておくことをお勧めします。割り切りと落ち着きが必要だと思います。

問題をよく読む

 ケアレスミスを無くすためには、問題をよく読むことが重要です。特に決算期(4月~3月、1月~12月)を間違えるとすべて不正解となりますので、落ち着いて問題をよく読むクセをつけることをお勧めします。ケアレスミスが無くなれば確実に点数がアップします。

勉強時間

 平日は通勤時間の30分(仕訳、テキスト読み)+動画視聴の30分(YouTube)程度でした。土日は過去問を中心に1日3~4時間(過去問2回分/休日)でした。

 特に50歳のおっさんの記憶力は格段に低下していますので、手を動かして記憶するようにしました。自学ではボールペン2本分を使いました。

やる気の維持

 3級の受験動機は「部下に資格取得を推奨する」ことでした。中堅の部下からは「業務には2級の知識が必要」との助言があり、畑違いでしたが何とかやる気を維持しました。ただし、たまの息抜きも必要と思います。

 一方、簿記2級は「高校卒業程度」の資格であり、50歳のおっさんには別の緊張感「落ちるわけにはいかない」がありました。また、”書いて理解すること”を重視していたので、ボールペンを何本使い切るか?をモチベーションとしていました(昭和の感覚ですね)。

独学に拘りたい方へ

 YouTubeに無料動画がたくさん投稿されています。ほとんどの資格予備校は専用チャンネルを持ち、広告のため無料の動画をたくさん掲載しています。

 自分に合うチャンネルや講師を見つけて、自学の補助にされると良いと思います。目からうろこの解き方が見つかるときもあります。私は、連結会計の過去問解説が参考になりました。

管理人から50歳のおっさんさんへ追加の質問

 電卓使用不可で退出させられた方がいらっしゃったとのことですが、もし不可の理由が分かりましたら教えてください。
 試験監視員はMUボタン(mark up)の有無を確認していました。退出された方はゴツ目の旧式計算機を使用されていました。

管理人のひとことコメント

 50歳のおっさんさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、素敵な合格体験記をご投稿いただきありがとうございます。

 試験で使用不可能な電卓を持ち込んだ方が退席させられたとのことですが、これから受験する方の不安を解消するために、こちらの情報を一度整理しておきましょう。

 まずは、日本商工会議所が試験科目・注意事項ページで公表している「電卓にかかる注意事項」を確認しましょう。

計算器具(そろばん、電卓)を使用しても構いません。ただし、電卓は、計算機能(四則演算)のみのものに限り、例えば、以下の機能があるものは持ち込みできません。・印刷(出力)機能・メロディー(音の出る)機能・プログラム機能(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)・辞書機能(文字入力を含む)(注)ただし、次のような機能は、プログラム機能に該当しないものとして、試験会場での使用を可とします。日数計算、時間計算、換算、税計算、検算 (音の出ないものに限る)

 追加の質問のところで「試験監視員はMUボタン(mark up)の有無を確認していました」と回答いただきましたが、このMUボタンというのが上記の規定の売価計算・原価計算等の公式の記憶機能に該当します。

MUボタン付きの電卓
MUボタン付きの電卓

 試験官は(チェックする時間的・人員的な余裕がないため)電卓について細かくチェックしないケースが多いです。私は毎回、3級・2級を受験していますが、使用できないと明確に規定されている「関数電卓」で普通に受験している人を何回か見かけました。

 ただ、それはあくまでも運が良かっただけで、今回のように規定通り細かくチェックされるケースもあります。せっかく勉強したのに電卓が原因で受験できないのは悲しいので、必ず規定に沿った電卓を用意してください。

50歳のおっさんさんが使われた教材や電卓のまとめ