本試験と練習は別物。直前期は本試験を想定した勉強に力を入れましょう!

  • 投稿者:宏海さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約6か月

はじめに

 私は小学生の子供が2人いる主婦です。仕事の選択肢を広げられたらと思い簿記の勉強を始めました。

簿記3級について

 簿記3級については受験していません。スッキリわかる3級と簿記ナビの仕訳問題、スッキリとける過去問題集をひととおりこなし、試算表や精算表の問題を解いたさいに3級の範囲は完全に理解できたと確信できました。

 2020年6月の第155回の試験があれば受験していたと思うのですが、(コロナの影響で中止になってしまったため)11月まで3級を引っ張るよりも2級にチャレンジしたい気持ちが大きかったので、3級を飛ばして2級を受験する決意をしました。

 なお、3級の勉強時間は約68.5時間です。

簿記2級の教材・電卓

  • テキスト
    • スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記(TAC)
    • スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記(TAC)
    • スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集(TAC)
    • 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集(TAC)

 スッキリわかるテキストで勉強するつど、テキストの問題と仕訳対策教材の重要仕訳を項目別に解き進めていきました。過去問を解き始めた頃には、仕訳問題はスムーズに解けるようになっていました。

 スッキリとける・わかるシリーズは、ネコのイラストが可愛いくて取り組みやすい印象です。ただ、テキストと過去問の難易度の差が大きいので、テキストはサクサク進めて早い段階で過去問に取り組んだほうが良いと思います。

 網羅型完全予想問題集は、難しいという評判だったので恐る恐る挑戦しましたが、初級・標準・上級とレベル別に問題が分けられているので、たくさん問題を解きたい方におススメです。ただ、解答の解説はスッキリとける過去+予想問題集のほうが丁寧で分かりやすいです。

 また、直前期には出題パターン対応表を重宝しました。2問・3問対策として、同じ論点の問題をまとめて解きました。4問・5問対策もスムーズにできるのでスッキリとける過去+予想問題集にも出題パターン対応表を入れて欲しかったです。

  • 電卓
    • SHARP EL-G37

 SHARPの電卓は8月に購入しました。日数計算が一瞬で計算でき、正答率もUPしました。

 ずっとCASIOの電卓を使用していたので、最初は打ち慣れず計算ミスも多かったのですが、精算表やB/S、P/Lの問題に入る前に購入しておいてよかったと思います。M+やM-などの機能は使えていませんが、日数計算が使えるだけでも心強いです。

ミスノート

 過去問に取り組みだした頃から、ミスノートの作成を始めました。

 間違えた問題・解答を書き込むだけです。第2問・第3問は問題を解いた際の解答用紙に間違えたところに赤ペンでチェックをいれて貼り付け、細切れ時間に振り返って確認しました。

 試験当日の午前中にミスノートを確認していたら、同じ仕訳問題(117回の1、不渡手形)が3回も書いてあり苦笑しました…。

ミスノート1
ミスノート1

ミスノート2
ミスノート2

ミスノート3
ミスノート3

簿記の勉強に役に立ったもの

 2級の勉強では、商業簿記の税効果・連結と工業簿記のシュラッター図の理解に苦しみました。つまづいたときは簿記ナビの合格体験記を読んだり、ネットで調べたり、Youtubeでふくしまさんの動画を観たりしました。

 中でもシュラッター図には1週間程つまづいていたのですが、ふくしまさんの動画でストンと理解することができ、以後大好きな問題になりました。テキストだけで強引に進めていたらいまだに悩んでいたかもしれません。

 Twitterでは田口さんやフクシマさんのつぶやきを眺めたり、他の受験生の頑張る発言が良い刺激となりました。

試験日1日の流れ

 試験の開始時刻は13時30分でしたので、普段の土日と変わらない時間に起床しました。

 午前中にひととおりの家事をすまし、簿記検定ナビの仕訳対策教材の過去問類題を解き、原価計算とCVP分析の問題を解きました。

 早めに家族とお昼ご飯を食べて、検温(2回目)をしてから家を出発。試験会場の近くまで夫が車で送ってくれました。

 日頃、子供たちがゲームしたり騒いでいる中で問題演習を行ってきたので、試験会場の雰囲気に圧倒されることはありませんでした。試験開始まで落ち着いて、ミスノートを確認したりしていました。

試験開始

 1→4→5→2→3の順番で問題を解き進めましたが、4問、5問あたりを解いているさいに大きめの計算ミスをして時間をロスしてしまい、かなり気持ちが焦りました。とにかく必死に問題を解ききり、残り10分でケアレスミスがないかだけチェックしました。

 直前期はとにかくスコアを1点でも多く取りたい一心で、項目別に問題を解いていたのですが、試験と同じ流れと時間でもっと問題演習をしておくべきだったと思いました。試験会場で2時間、緊張しながら問題解くのと自宅で細切れで問題を解くのとでは全く違うからです。

 また、あきらめそうになったり、くじけそうになった時に気持ちを入れ替えるのは大事だなと思いました。私にとっては今回まさに安西先生の名言でした。「あきらめたらそこで試合終了ですよ…。」

試験終了後

 ざっと答え合わせをして自己採点では65~75点くらいと予測していました。

 ケアレスミスが3か所もあって完全に落ちたと思ったのですが、何となくやる気がでなかったので、合格発表までは「財務3表一体分析法」を完読と、決算書をパラパラ眺めていました。

 合格・不合格ギリギリのボーダーラインではなく、余裕で合格したなと思えるラインを目指して勉強をしていたので、あと1か月ぐらい時間が欲しかったなと思いました。

合格発表

 9時にネットで発表されるとのことでしたが、きっと落ちてるはずだからすぐ見なくても…と思いつつ、9時5分にはネットで確認してしまいました。結果は以下のとおりです。

  • 合計:77点
    • 問1:16点
    • 問2:14点
    • 問3:12点
    • 問4:16点
    • 問5:19点

 合格後、夫に報告したところ「良かったね。ネットで難しいって話題になってたね」と言ってくれました。また試験前に「次があるなんて考えちゃいけないですよ。今回合格しようと思って行かないと」と励まして下さった方に報告すると「おめでとう。次は1級だね!」と言ってもらいました。

 余談ですが、現在独学で1級に挑戦中です。まだ40時間を経過したぐらいなので何とも言えませんが、やっぱり1,000時間位勉強しないと何も見えないですよね。工業簿記から開始しておりますが、2級よりさらに複雑な計算が増えて奥が深く、面白いなと感じています。

管理人から宏海さんへ追加の質問

 宏海さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は総合原価計算・標準原価計算です。苦手な論点は連結・費目別計算です。

 問題を解いたさいに日付と点数を記録し、8割以上取れない問題は点数が取れるようになるまで繰り返し解き続けました。また苦手論点や点数が低めの論点については、同じような問題を集中的に解きました。

 連結はまとまった時間をとって演習を重ねましたが、他の問題と違い20点満点を取れたことがなかったので、部分点狙いに切り替えて基本部分の対策に注力しました。本試験では12点でした。

 宏海さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
・方眼ノートに勉強した時間を塗りつぶして、勉強時間を把握する。
(東大生でやっていた人がいたのでマネをしました。簿記の勉強は初めてだったので効率的な勉強はできませんでしたが、勉強をする経験を重ねる事でより上手く勉強できるようになると思ったので、勉強時間は常に意識していました。)

・毎週月曜日に改めて勉強方針を練る。
(ざっくりとした学習計画はありましたが、シュラッター図や連結でつまづき、予想以上に時間をとってしまうこともあったので、週明けに現状を見てプランを立て直しました。)

・気晴らしにやる気がでるアニメをみる。
(アマプラでスラムダンクと鬼滅を見てました!私は仙道が好きです!)

管理人のひとことコメント

 宏海さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、素敵な合格体験記をご投稿いただきありがとうございます。

 仕事も勉強も「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」のサイクルを繰り返し行うことが重要ですが、当初の計画をそのまま実行できる可能性は低いため、宏海さんのように定期的に計画を見直す必要があります。

 また、勉強時間を記録しておくと計画の見直し時に役立ちますし、モチベーションの維持につながります。宏海さんのように方眼ノートに記入してもいいですし、スマホの勉強管理アプリなどを使うのもおすすめです。いろんな方法を試して、自分に一番しっくりくるスタイルを見つけてください。

宏海さんが使われた教材・電卓のまとめ