勉強をした量と時間、1回で受かる!という強い気持ちは自分を裏切りません。

  • 投稿者:きゃりーさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 簿記検定を受けようと思ったきっかけは、会社内で一般事務から総合職への転換があったことでした。

 総合職へ転換したものの、今まで会計関係に関わったことがなく予備知識はゼロ。このままでは不安があったので、まずは3級のみに申し込みをしました。

 その後、勉強を進めていくうちに2級にも挑戦できる気がしてきたので、2級・3級の併願に変更しました。

使用した教材・電卓

  • 簿記3級
    • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商3級(TAC出版)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記3級(TAC出版)
  • 簿記2級
    • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記(TAC出版)
    • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記(TAC出版)
    • 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC出版)
    • 第148回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC出版)
  • 電卓
    • SHARP EL-N942
  • その他
    • 簿記検定ナビの無料予想問題

 テキストに関しては、同じTAC出版の「スッキリシリーズ」も検討しましたが、こちらは私に合わず内容が全く頭に入ってこなかったので購入を見送りました。

 過去問題集には、第1部「TAC式出題別攻略テクニック編」と題した演習問題が、各問1~5に対して数問ずつ記載されています。今回、第148回2級の問3に関しては、この部分に大変助けられました。

 予想問題集は試験2週間前に購入しました。過去問より難しく作ってあるのか1回目は大撃沈。心が折れます。しかし、これを解くことによって本番で多少難しい問題が出ても「焦ることがなくなる」という強さを手に入れることができます。

 電卓に関しては他を使用していないので比較はできませんが、ボタンの間隔が空いているので使用しやすかったです。

勉強時間

 勉強時間は平均して平日1時間、休日3時間ほどでした。

 あくまで仕事に影響の出ない範囲で、自分に合ったペースで進めていきましたが、10分しか勉強しない日もあれば5時間勉強する日もありました。ただ、全く勉強をしないという日は1日も作りませんでした。

勉強方法

 仕訳は通勤時間などのスキマ時間を使って、徹底的にやり尽くしました。

12月上旬

 まずはテキスト(3級)を読み、各章ごとの基礎問題を解きました。最初は勘定科目に慣れて全体の流れをつかむことを目標としました。

12月中旬

 過去問(3級)に取り掛かりました。最初は問1の仕訳問題も危うく、問2~5にいたってはほぼ解けませんでした。

 間違えたところは解説を見て復習し、裏紙に書き出すなどをして徹底的に頭に叩き込みました。これを繰り返すことによって、3級の過去問題集に載っている全ての回で8割~9割が取れるようになりました。

 この時点で2級にも挑戦できる気がしてきたので、2級・3級の併願に変更しました。

12月下旬

 2級の勉強もテキストを読むことから始めました。商業簿記に関しては3級の延長だと感じたところが多く、知識ゼロで取り組み始めた3級よりも時間をかけずに理解することができました。

 しかし、連結に関しては別でした。何度読んでも理解できず、章末の基礎問題も解答できず…。とりあえず、一旦理解するのは諦めて工業簿記のテキストに取り掛かりました。

1月上旬

 過去問(2級)に取り掛かると、商業簿記は間違えるものの3級と同じ方法で再確認・復習をすれば何とかなりそうだということ、逆に、工業簿記は壊滅的に理解できていない…ということに気が付きました。

 そこで、工業簿記に関しては間違いノートを作ることにしました。通勤時間や休憩時間などのスキマ時間に間違いノートを確認して、理解を深めるようにしました。

間違いノート
間違いノート

1月中旬

 連結に取り掛かりました。過去問題集に載っている演習問題の連結の部分をつかい、実際に問題を解いていく形に勉強方法を変更しました。解き方の解説やポイントなども詳しく書いてあるので、こちらの方が理解しやすいと感じました。

 連結に関しては、まずタイムテーブルを書きだす→必要な7つの仕訳を先に書いておく(①開始仕訳②のれん③当期純利益④配当金⑤相殺消去⑥貸倒引当金⑦未実現利益)→不要な仕訳に×印を書き入れる(配当金がなければ④に×等)→仕訳をする→連結精算表・財務諸表の修正消去欄に書き込む…という手順を徹底しました。

1月下旬

 繰り返し解いている問題では7割~8割の点数が取れるようになってきたものの、初見の問題は6割前後しか取れないという状態に陥っていました。

 やはり点数がとれないところは工業簿記でしたので、工業簿記の問題ばかりを集めて休日に徹底的にやりこみました。それに加えて有価証券の処理が苦手だということも判明したので、間違いノートに各有価証券の処理方法を書き込み、スキマ時間に復習をしました。

2月上旬

 過去問に関しては平均して8割前後が解けるようになり、連結に関してもスムーズに解けるようになっていたので、少し気が緩んでいた時期でした。

 簿記検定ナビの無料予想問題を解き、満を持して「あてるシリーズ」を購入。意気揚々とチャレンジするも…大撃沈。おかげで再び気を引き締めることができました。

2月中旬~試験まで

 「あてるシリーズ」の難易度の高さに1順目は4割~5割と全く振るわない点数を取り、危機感を感じ黙々と淡々と問題を確認、復習を繰り返しました。全部で4回繰り返し解き、最終的には全ての回で9割以上の点数が取れるようになりました。

 それと並行して、簿記検定ナビの試験問題予想ページで紹介されていた「絶対解いておくべき過去問」をやりこみました。ただ、点数が取れるようになったとはいうものの同じ問題ばかり解いていたので、本当に大丈夫かな…と不安なまま試験当日を迎えました。

試験日1日の流れ

7:00 起床

 緊張で浅い眠りしか取れず、ぼーっとしたまま支度を始めました。いつも通りに朝食をとり、忘れ物がないか最終チェックをしてから家を出ました。

8:00~8:30 試験会場へ移動

 試験会場に着いてからはトイレに行ったり、持っていったチョコレートを食べたり、できる限り緊張をほぐすように過ごしました。試験開始まで、予想問題集に付いていた2級の仕訳カードをめくっていました。

9:00 説明と問題配布

 試験官の方の丁寧な説明を聞き、指示に従って解答用紙に受験番号を書きました。この時に解答用紙から出題内容がざっと把握ができたので、「1→4→5→3→2」の順番で解いていくことに。

9:20 試験開始(3級)

 問1~問5まで引っかかるところがなく、すらすらと解けました。

 初めて見るような問題文でも、珍しい処理だなあ…と思うことができるほどの余裕がありました。また問3・問5に関しては借方・貸方の合計が一発で合ったので、緊張もほぐれました。

 見直しをしつつ、答案用紙に解答を全て写し終えて時計を見ると10:15でした。試験終了までまだ1時間以上あることに驚きつつ、もう一度だけ見直しをして受験番号・氏名の確認をしてから10:30頃に途中退室をしました。

11:00 昼食

 午後の試験に備えて、試験会場近くの飲食店で早めの昼食をとりました。

 昼食後はカフェでコーヒーを飲みつつ、各社が出している解答速報で自己採点をしました。問1は満点、その他もだいだい大丈夫だろうと確信が持てたところで再び試験会場に向かいました。

12:45 試験会場へ

 午前中の試験と同じようにトイレに行ったり、チョコレートを食べたりして緊張をほぐすようにしました。また3級試験の時よりも空席が目立っていました。申し込みだけして、受験を取り止める方が意外と多いと感じました。試験開始までは間違いノートを確認していました。

13:30 説明と問題配布

 3級の時と同じ試験官の方が説明をしてくださいました。また2級も指示に従って解答用紙に受験番号を書きこみます。解答用紙の問3に「S社株式」の文字を発見し、連結精算表だ…と嫌な汗がでました。この時点で、「1→5→4→3→2」の順で解いていくことに。

13:45 試験開始

 最初から最後まで問題をざっと見て、問3は今まで演習問題や練習問題でも見たことがない形式だと思い、解く順番を「1→5→4→2→3」に変更。問1・4・5はすんなり解くことができました。

 問2もあまり得意ではない有価証券でしたので、かなり構えて取り掛かりましたが、過去問(141回)の処理より簡単だったので、過去問対策をきちんとやっていてよかった…と思いました。

 問3ですが、解答用紙に貸方の金額にカッコがついていなかったので悩みました。また、利益剰余金の算出方法がわからなかったので一旦諦め、確実に解答できるのれんの処理等に取り掛かりました。

 ひととおり解き終わり時間を確認すると15:10でした。一度落ち着こうと思い、問1から順番に見直しと、解答を問題用紙に書き写して15:25。残りの時間をもう一度問3に使おうと思い、再度、計算用紙に書きだしました。

 この2度目のチャレンジで、土地の処理方法が間違っている事に気が付けたのは大きかったです。結局、利益剰余金の算出方法は最後までわからないままでした。

17:00

 帰宅後、解答速報で3級・2級ともに自己採点。解答速報の採点だと3級・2級ともに合格点は超えていました。仮に2級の問3が全滅していたとしても、なんとか大丈夫そう…という感覚でした。

終わりに

 3級は86点で合格、2級は90点での合格でした。この結果に心から安堵しました。

 簿記検定を受けるうえで私が心掛けたのは「わからない問題・間違えた問題をそのままにしない」ということでした。どこをどう間違えたのか、何がわからなかったのかを分析し、理解ができるまで繰り返しました。

 私は「苦手分野を減らす=合格に近付く」と思います。今回の試験も、苦手な工業簿記をそのままにしていたら合格はなかったように思います。

 勉強をした量と時間、絶対受かるぞ!という強い気持ちは自分を裏切りません。この合格体験記が少しでもお役に立てば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

管理人からきゃりーさんへ追加の質問

 間違いノートの作り方・良かった点やイマイチだった点などを教えてください。
【良かった点】
 間違えた問題の解説を書き込んだものなので、自分の苦手としている問題傾向が一目でわかるようになったことです。
 また、自分がわかりやすいように補足や手順を書いているので、自分にとってわかりやすい解説書が手元にできた点がとてもよかったと思います。このノートを見るだけで、解き方の確認ができました。

【イマイチだった点】
 解説を書き込んだだけでしたので、過去問や問題集を開いて問題と照らし合わせる必要がありました。この点に関しては、問題をコピーして貼り付けるなどの工夫をしてもよかったのかなあ…と思います。

 3級2級ともに「簿記の教科書」を購入されていますが、(スッキリ以外にも選択肢がたくさんある中で)こちらの教材を選んだ理由があれば教えてください。また、この教材は他の受験生にもおすすめできますか?
 本屋さんで簿記のテキストを数冊読んでみたときに、私に一番合っている!と思いこちらを購入しました。その理由として、フルカラーで公式や図形が頭に残り易かったこと。テキストの本文が非常に易しく書かれていたことの2点があげられます。

 私のように今まで全く簿記に触れていない人にとって、その他のテキストは専門用語が多く内容を理解するために用語を調べなければならない、という二段階の学習が必要でした。

 しかし、こちらは全体が非常に易しい文章で構成されていましたので、このテキストだけで十分にカバーできるように感じ購入に至りました。

 今まで全く簿記に触れたことがない方にはおすすめが出来ますが、すでに簿記をかじったことがある方にとったら少し物足りなく感じるかもしれません。

 「簿記の教科書」とセットになっている「簿記の問題集」を購入しなかった理由があれば教えてください。
 過去問に力を入れることによって本試験に対応できるだろう、という考えと、2級・3級の過去問+問題集を解く時間を確保できる自信がない、ということで問題集は購入しませんでした。
 勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 常に「絶対に受かるぞ!」という気持ちが非常に強くありました。最初の頃は、今日勉強しなかったら受からないかも…とか、今日面倒になってやめたことが試験にでたらどうするの?といった、マイナスモチベーションが大きかったように思います。

 次第に、出来なかったことが出来るようになっていく喜びがでてきました。問題を解くことがゲームみたいで面白い!と感じ、出来ないところをクリアしていくことが楽しく感じられたので約3ヶ月の間、モチベーションを落とすことなく勉強を続けられたのだと思います。

管理人コメント

 きゃりーさん、簿記3級・2級のダブル合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 まず、苦手な連結会計に関しては解き方をパターン化して対応されていますが、こちらはぜひ、きゃりーさんの方法を参考にしていただきたいです。

 きちんと理解できないからといって避けていては力が付きません。理解に固執せずに解き方をパターン化して覚えてしまうのもひとつの手です。簿記2級の連結であればこの方法でじゅうぶん対応できます。

 また、苦手論点を克服するためにまとめ解きを行っている点もぜひ見習ってください。

 まとめ解きに関しては、同一論点の問題を集めて短期間で一気に解きましょう。一気に解くことで、だいたい同じようなところでひっかかっていることに気づいたり、出題パターンを把握することができます。

 苦手論点が足を引っ張って点数が伸び悩んでいる方は、ぜひこの「まとめ解き」に取り組んでいただき、苦手論点を得意論点に変えて得点源にしましょう。

 あとは、2級の試験時に臨機応変に解答順序を変更している点もぜひ参考にしてください。パット見では簡単そうに見えた問題でも、いざ解きはじめてみると意外に難しいことはよくありますよね。もちろんこの逆もあります。

 そういった問題に遭遇したさいは、予め決めておいた解答順序・時間配分を見直す必要が出てきます。最初に決めた解答順序・時間配分に縛られる必要は全くありませんので、臨機応変に対応できるように心の準備をしておきましょう。

きゃりーさんが使われた教材や電卓のまとめ