インプットの時間よりもアウトプットの時間をたくさん取りましょう!

  • 投稿者:さいとうさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

受験するきっかけ

 私は簿記に関する仕事をしているわけでもなく、学校で専門的に勉強したわけでもありません。ただなんとなく、暇な時間をみつけて勉強がしてみたいという漠然とした思いから、簿記の勉強をはじめました。

使用した教材

サクッとうかる日商3級商業簿記 テキスト+問題集

 簿記に関する知識が全くない私でも理解できるほど、わかりやすかったです。

サクッとうかる日商3級商業簿記 本質理解問題集

 テキストと連動しているため、わからないところがあればテキストに戻って確認できるのでとてもよかったです。解答解説も答えだけ載っているのではなく、細かい説明や具体的な解き方も載っているので理解しやすかったです。

第146回をあてる TAC直前予想 日商簿記3級

 下書きまで載っているのでどうやって試験時間内に試験問題を解いたらいいのかがなんとなくつかめました。また、付録の仕訳カードを持ち歩いて、スキマ時間に勉強ができるのがとてもよかったです。

単語帳アプリ

 勘定科目が資産・負債・純資産・費用・収益のどの項目になるのかを覚えるために使用しました。「現金→資産」「支払手形→負債」「仕入→費用」のように、3級で出てくる勘定科目全てを登録し、移動中電車の中などで確認をしていました。

 ちなみに、私が使用した単語帳アプリは「単語帳メーカー」というアプリです。

 任意の単語とその答えを1セットで登録し、タップで裏面、フリックで次のセット、というふうに本物の単語帳のように閲覧できるアプリです。英単語や漢字の学習に使われることが多いのですが、今回簿記の勉強にも応用させていただきました。

単語帳アプリ1
単語帳アプリ1

単語帳アプリ2
単語帳アプリ2

勉強方法

1か月目「インプット」

 まずはテキストを読み、章ごとの練習問題を解きました。なにしろ右も左もわからないので、知らない単語や、勘定科目のホームポジションに慣れるところからはじめました。

 わかりくいところは音読してみたり、本文をノートに丸写ししてみたりと、いろいろな方法でテキストの内容を覚えました。テキストを2週したあたりから巻末の問題集を解き始めました。

2か月目「アウトプット」

 本質理解問題集を使い、アウトプットの勉強をはじめました。とにかく問題を解いて覚えたことを思い出す作業をしました。

3か月目「試験対策」

 あてるTAC直前予想と簿記ナビ模試、友人からもらった143~145回の過去問を何度も使ってひたすら本試験どおりに問題を解いていました。解答用紙だけでなく問題用紙もコピーし、問題用紙に直接書き込んでもいいように工夫していました。

 また、試験会場の雰囲気に慣れるために、大原の無料模試有料模試に参加しました。解いた結果を問題ごとに表にまとめ、自分は何問目が苦手なのか、どういった分野が得意なのかを把握することもしました。

無料模試

 事前にインターネットで申し込みをし、当日直接会場へ向かいました。

 体育館のような大きな会場で本試験と同じように時間を計り、一斉に試験を受けます。試験会場独特の緊張感を味わうことができるので本試験で緊張しないようにするためにはちょうどいいと思いました。

 試験時間が終わると、休憩時間を挟んだ後に、模範回答が配られ簡単な解説をしてくれます。

 この時、大きい黒板に板書をしながら解説をしてくれるのですが、なにしろ広い会場なので後ろの席の方に座ると何を書いているのか見えにくいと思いました。なるべく早めに会場について、前の方の席を取ることをお勧めします。

有料模試(2,000円ぐらい)

 こちらも事前にインターネットで申し込みと支払いを済ませ、当日直接会場へ向かいました。

 会場はオフィスビルの一角で行われているもので、比較的小さい会場でした。無料模試と違う点は、試験終了後に解答用紙を回収し、試験官が直接採点してくれるという点です。

 採点された解答用紙が手元に戻ってくるということはあまりないので、モチベーションの維持にも繋がるかなと感じました。

試験日1日の流れ

試験前日

 普段通り勉強をしました。明日に備えて早めに就寝。

試験当日

6時30分

 起床、普段通り朝食をとり、昨日解いた問題で間違えたところの確認。

7時

 大原の有料模試でもらった「簿記3級検定試験受験上の確認事項」という紙を熟読しながら出かける支度を始める。自宅から試験会場まで近かったので生活のリズムを崩さなくて済んだのがよかったです。

8時

 試験会場へ出発。途中コンビニでお茶とグミを買いました。電車はそんなに混んでいなかったので単語帳アプリで勘定科目の確認をしながら試験会場の最寄り駅まで移動できました。

8時30分

 試験会場の教室へ到着。思ったより人が少なくて集中できそうだなあと思いました。早めにお手洗いを済ませ、試験時間まで仕分けカードで仕分けの確認をしていました。

9時

 試験開始。人によって問題を解く順番を変えて解いているようですが、私は1~5問を順番通りに解きました。

  • 第1問:仕訳問題。指定された勘定科目をしっかり確認しながら解く。
  • 第2問:補助簿の選択。問題文と選択肢をよく確認しながら解く。苦手な分野なのであまり悩まずにサッと解きました。
  • 第3問:合計残高試算表。どうしても左右の合計値が合わず、途中で後回しへ。
  • 第4問:伝票式会計。これもあまり得意ではないのでゆっくり確認しながらあまり深く考えずに解きました。
  • 第5問:財務諸表。勘定科目と表示科目が異なる部分に気をつけながら(よく間違えていた)解きました。これもどうしても計算が合わず、後回しへ。
  • 見直し:2問と4問の見直しを手早く済ませ、3問と5問の解き直しをはじめました。下書き用紙に書いた仕訳を確認するのではなく、イチから解き直しました。その結果3問に計算ミスが発覚、急いで修正。5問は最後まで計算が合わず、部分点狙いで諦めました。2度目の見直しを済ませても試験時間が25分ほど余っていたので、早めに提出をし、試験会場を後にしました。

試験終了後

 同じ日に別会場で3級を受けていた友人と合流し、お昼を食べながらお疲れ様会を開きました。試験問題についてのあれこれや、2級の勉強などを話し、夕方頃に解散しました。

試験結果

 インターネット合否速報で合格を知りました。合格の嬉しさよりも安心感が勝ってしまい、思わずため息が漏れてしまいました。

 後日届いた成績表では、合計90点という高得点が取れていたことを知り、とても嬉しくなると同時に、間違えた箇所を思い出し、悔しい思いもしました。

  • 合計90点/100点
    • 第1問20点/20点
    • 第2問10点/10点
    • 第3問30点/30点
    • 第4問6点/10点
    • 第5問24点/30点

 また、同封されていた合格証書がかなりしっかりしたもので驚きました。合格してひと月以上経ってもたまに取り出してはニヤニヤしてしまいます笑。

管理人からさいとうさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CASIOのDF-120GTという機種です。

 ACと0のボタンが離れているので使いやすいのですが、カチャカチャうるさいので、もう少し消音タイプの電卓にすればよかったと後悔しています。

 さいとうさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な分野は仕訳日計表や精算表、貸借対照表と損益計算書など主に3問5問で出てくる分野です。

 苦手な分野は、補助簿の選択、語群選択など言葉の意味を問われる問題で、主に2問4問で出てくる分野です。選択問題などは考えすぎて間違えてしまうということが多いので、なるべく直感で選ぶようにしています。

 苦手を克服するためにはとりあえず丸暗記をしてから、その問題の意味や背景を考えながら解き直すということを繰り返していました。

 さいとうさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 家族や友人に「今簿記の勉強をしているんだ」と宣言することです。宣言することで、もう後には引けないという状況を作り、「勉強しなきゃ!」と思えるようになりました。

 また、苦手分野で勉強の歩みが遅くなった時は、自分が得意だった分野の問題を解き直したりしてモチベーションを維持していました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 インプットの時間よりもアウトプットの時間をたくさん取り、早めに試験対策を始めたことがよかったと思います。もちろん基礎も大切ですが、何度も試験問題を解くことも大切だと思います。

 この体験記がこれから受験する方の参考になればいいと思いますが、私のような簿記に全く関係のない人間でも独学で合格することができるので、どうか頑張って下さい!

管理人コメント

 さいとうさん、簿記3級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 さいとうさんは総合問題を解くさいに答案用紙だけでなく予め問題用紙もコピーされていますが、この点はぜひ受験生の方に見習っていただきたいです。

 問題用紙を使いまわそうと考えると、後で消すのが面倒…ということで、本来問題を解くのに必要な書き込みをせずに無理に解いてしまいがちです。ただ、それでは「問題用紙の上手な使い方」がなかなか身につきません。

 コピー代と手間が少々かかってしまいますが、合格するために必要な経費と割り切って問題用紙・答案用紙の両方をコピーして使うことをおすすめします。

 また、追加の質問のところで回答いただいた「家族や友人に簿記の勉強をしていると宣言すること」もぜひ参考にしてください。

 学生の頃の勉強と違って、社会人になったあとの勉強は止めるのが非常に簡単なので、適度に自分自身にプレッシャーを与えると良いと思います。

 さいとうさんのように家族や友人に宣言したり、私のようにTwitterや勉強専用のSNS(Studyplusなど)などをうまく使うことをおすすめします。

さいとうさんが使われた教材や電卓のまとめ