簿記3級の合格のカギは「過去問対策」と「仕訳対策」にあり!

  • 投稿者:あおみさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月(今回)

はじめに

 簿記に挑戦するのは2回目です。数年前に2級の一発合格を目指したのですが、勉強時間をあまり確保できずに見事に散りました…。

 前回の3級の勉強はテキストを一回読んだだけで(4日ほど)、すぐに2級の勉強に取り組みましたので、今回は薄っすら簿記の知識がある状態で勉強を再開しました。

 今回は勉強期間2ヶ月で2級・3級を併願予定でしたが、試験1週間前に2級を諦めて3級に集中することにしました。そのため、3級の勉強時間は合計で1ヶ月ほどです。

使用した教材・電卓

  1. 簿記の教科書 日商3級
  2. 簿記の問題集 日商3級
  3. 合格するための過去問題集 日商簿記3級
  4. 学校用電卓 SHARP EL-G37

 前回は「スッキリシリーズ」を使用しましたが、全体的に説明が不足しているように感じたので、今回はもう少し詳しく説明されているものを選ぼうと思い、「簿記の教科書・問題集シリーズ」にしました。「スッキリシリーズ」よりも説明が細かく良く理解できました。

 過去問題集は、各大問ごとの出題傾向や解法が分かりやすくまとめてあって良かったです。問題を解き始める前に、内容をひととおり確認して解法をマスターすることをおすすめします。

 電卓は簿記検定ナビで紹介されていたSHARPの学校用電卓「EL-G37」を使用しました。これしか使っていないので比較はできませんが、ボタンも大きくて使いやすかったです。

勉強法

 まず、簿記の教科書を1回読みました。単元ごとの問題もその都度やりましたが、後半の精算表などは過去問演習でやるだろうと思い、思い切って飛ばしました。1日1時間ほどで約2週間かかりました。

 次に、過去問に取り掛かりました。使用したのは最新版の2017年11月対策用ですので、135回から146回までの問題が収録されていました。

 さっそく問題を解いてみたところ…初見では大問1の仕訳くらいしか解けず、簿記の教科書で問題を真面目にやらなかったツケがいきなり回ってきました。

 そのため、大問1だけは自力で、それ以外の問題は答えを見ることから始め、一気に140回まで進めました。解答を見てから解いた135回は60点台でしたが、136回で70点を超えたため、2級の勉強に進みました。

 このあと、先述のとおり試験1週間前に2級を諦めて3級の過去問に戻ってきました。今回は137回から146回まで解答を見ずに自力で解きました。140回あたりまでは70点を超えたり超えなかったりしていましたが、141回以降は確実に70点を超えるようになりました。

 簿記検定ナビの予想問題(簿記ナビ模試)にも取り組み、こちらも初見で70点以上を取れました。最後の1週間は1日4時間ほど勉強し、大まかですが合計で約60時間ほど勉強しました。

勉強のコツ

テキストより過去問

 テキストは何回も読むものではないかもしれません。多くとも2回でじゅうぶんだと思います。それよりも過去問に手をつけるべきです。

過去問は読み物

 テキストからいきなり過去問に行ってつまずいても大丈夫です。もはや過去問は読み物です。ある程度、回数を重ねることにより、また何度も解答を見ることにより自然に解けるようになります。

仕訳を完璧に

 勘定科目一覧表をコピーして勉強中いつでも見られるようにしました(簿記の教科書の最後のほうのページにあるものです。TACの解答用紙サイトから印刷できます。)

 時間に余裕のある方は簿記検定ナビの仕訳問題対策に取り組むと良いと思います。

簿記検定ナビを活用しよう

 試験予想をみたり、過去問の解答でよくわからないときは過去問分析を見て理解を深めていました。「しーくりくりしー」や「うくうしくう」などの語呂暗記はとても為になりました。

試験日1日の流れ

 朝は7時に起きました。ご飯を食べてから、試験会場(地元の大学)へ。8時30分ぐらいに着きました。

 勉強道具はコピーした勘定科目一覧表と一応持ってきた過去問題集のみでしたので、勘定科目一覧表を眺めながら、頭の中で「しーくりくりしー」「うくうしくう」「くまのみみ」などの語呂を頭に浮かべて復習しました。

 ちなみに、隣の席の女性は見越し繰延べをまとめた自作の紙を見ていました。通路を挟んだ反対側の席の男性は予想問題集(あてる)を解いていました。直前の時間の使い方は人それぞれだと思います。

試験開始!

 問題は、1→2→3→4→5の順で取り組む予定でしたが、大問3がややこしそうだったので、すぐに大問4に移りました。大問5がひねりのない簡単な精算表で心が軽くなり、余裕を持って大問3に戻りました。

 大問3は仕訳をひとつミスしていたため、左右の合計が合わずに動揺しましたが、なんとか仕訳のミスに気づき無事に合計を合わせることができました。

 試験開始後、1時間20分ほどでひととおり解き終えたので、残りの時間は解答のすべてをメモ用紙に書き写すことに費やしました。配られたメモ用紙の表は仕訳や計算用に、裏は解答のメモ用に使いました。

 試験が終わった後に解答速報をネットで見て、書き写した自分の解答と全く同じだったため、心の中でガッツポーズ!無事3級に合格することができました。

 合格証書を受け取りに行った際に点数を聞いたところ、100点満点だと判明しました。本当にうれしかったです。

終わりに

 簿記検定ナビさんにはとてもお世話になりました。ありがとうございました。2級にチャレンジするさいにもお世話になります!

管理人からあおみさんへ追加の質問

 あおみさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
【得意な論点:商品有高帳
 パズルを解くような感覚で解けるので好きでした。

【苦手な論点:勘定記入(決算仕訳)と見越し繰延べ
 勘定記入は、支払家賃と前払家賃、受取利息と未収利息など、穴埋め式の問題が苦手でしたが、問題文を読んでしっかり仕訳することで全体像が見えるようになり、最終的には克服できました。

 また、見越し繰延べも、どちらが増やすのか・減らすのかを正確に理解するように意識して取り組んだところ克服できました。

 例えば、費用の見越しなら「見越しは増やすから費用(左)を増やせば良い、まだ払ってないから未払費用、未払費用は負債だから右」といった感じです。また、(支払◯◯)(未払◯◯)と仕訳の形でも覚えるようにしました。

 どの論点でも思ったことですが、勘定科目が右なのか左なのか、資産・負債(と純資産)か収益・費用のどれなのかをしっかり把握することが基礎になると思います。

 問題に取り組んで、わからなくても解答を見て理解する、そしてまた問題に取り組む…を何度も繰り返すことが大事だと思います。

 勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 2回目の挑戦でしたので、教材費や受験料などお金がかかっていたことから、今回で合格したいという気持ちがありました。

 そのため、とにかく気が進まなくても時間が短くても毎日勉強しようと決めました。また、勉強するうちに簿記の楽しさ(3級に限る・笑)に目覚めたことがモチベーションの維持に繋がりました。

 最後の1週間は「2級を諦めたのだから絶対に3級を取らなくてはならない、取れなかったらこの2ヶ月間が無駄になる」と強迫観念に襲われながら勉強しました。人間、切羽詰まるとがんばれるのだと思います。

管理人コメント

 あおみさん、簿記3級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 あおみさんにもご紹介いただきましたが、簿記の語呂は非常に便利です。中でも「浮く牛食う(うくうしくう)」や2級で使う「ひじき、倉庫豹変よ(ひじきそうこひょうへんよ)」は絶対押さえておくべき語呂になりますので、知らない方はこの機会に押さえておきましょう。

 また、追加の質問の「モチベーションの維持方法」の欄に書いていただきましたが、気が進まなくても時間が短くても毎日勉強することはとても大事だと思います。

 税理士試験や会計士試験など、勉強期間が複数年にわたる場合は適度に休憩する必要がありますが、簿記3級のように数ヶ月の勉強期間であれば、一気に駆け抜けてしまったほうが効率が良いです。気分が乗らない日は5分でも構いませんので、毎日勉強する習慣を身につけましょう。

あおみさんが使われた教材や電卓のまとめ