商業簿記は仕訳問題を得意とすることが点数を伸ばすカギになります!

  • 投稿者:さださん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約8か月

はじめに

 私は、高校を卒業してすぐに地元の製造工場に就職しました。2年が経過して、前から興味のあった事務系の仕事に転職したいと思うようになり、そのために簿記2級の資格を取ろうと決めました。

 簿記の知識は高校生の頃に全商簿記3級を取得し、なんとなくですが理解していたので、日商簿記3級は受験しませんでした。

 3級はスマートフォンのアプリなどで簡単に勉強できるため、いきなり2級を受験しようか迷っている方に、私の体験記を読んで参考にして頂ければと思います。

使用したテキスト・電卓

  1. スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記(TAC出版)
  2. スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記(TAC出版)
  3. みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 商業簿記(TAC出版)
  4. みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商2級 工業簿記(TAC出版)
  5. 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC出版)
  6. CASIO DS-1WT

 勉強するテキストは全てTAC出版にしました。理由は今まで独学した方からの評価が高かったから、また私が本屋で立ち読みして分かりやすいと思ったからです。


 1.と2.の「スッキリわかる~」は100点です。猫のイラストで物語のように、簡単な数字の例題を読んで毎回問題を解くことで、基本的な知識が定着していきます。

 また、参考という形で実際の試験で出るような応用問題の説明もきちんと書いてあるので、この一冊でかなり勉強できました。私は商業簿記、工業簿記ともに2回読み返しました。


 3.と4.の「みんなが欲しかった~」は80点です。過去問レベルの問題に慣れるために購入しました。模擬試験問題が6回分(商業3回分、工業3回分)も付いている点は良かったですが、もう少し解説がわかりやすく書いてあると良かったと感じました。

 「スッキリわかる~」の次に取り組みましたが、いきなり難しくなったため最初はほとんど間違えてしまいました。ただ、「スッキリわかる~」に戻ってきちんと確認してから2回、3回やると全部解けるようになりました。


 5.の「合格するための過去問題集」は100点です。過去問だけでなく厳選問題がたくさん掲載されていること、問題を解く順番や、大問ごとに目標タイムなどが実際の試験で役に立つこと、解説がとても詳しく書かれてあることなどがとても良かったです。

 「みんなが欲しかった~」と似たような問題が何回か出ていたので、解けなかったものに印をつけて何度も解きました。また、仕訳問題は全て2回解きました。


 6.の電卓「CASIO DS-1WT」は、父が使っていたものを譲り受けました。サイズが大きいので、画面が見やすくキーも打ちやすくてオススメです。

勉強の流れ

 スッキリわかる~は商業簿記、工業簿記合わせて2ヶ月かけました。

 このテキストは仕事の休憩時間、通勤時間など短い時間を使って読み、自宅に帰ってから紙に書いて用語を覚えたり、問題を解きました。

 一度さらっと読んでイマイチ理解できないことも、その後で机に向かって書いてみると分かってくるのでオススメです。仕訳問題は紙には書かず、頭の中で考えて答えを出すと勘定科目も浮かぶようになりスピードも上がりました。

 工業簿記はひたすらボックス図を紙に書いて覚えると、ほとんどの問題が解けるようになりました。テキストを2周してかなり理解できたところで、付属のチェックテストに取り組みました。

 しかし、応用問題ばかりで点数が取れませんでした。この時点で「スッキリわかる~」の問題だけでは限界があると感じたので、「みんなが欲しかった~」の問題集に進むことにしました。


 みんなが欲しかった~の問題集は商業簿記、工業簿記合わせて3ヶ月ほどかけました。

 はじめに解いたときに、完全に解けたら、全く解けなかった問題は×、計算ミスは、解けたけど少しあやしいと思ったらなどと印をつけました。

 そして印をつけた問題をまとめて解き、全て○印になるまで何度も解きました。全て○印になったら全部もう一度解きます。また解けない問題が出たら印をつける…を繰り返しました。

 時間はかかりますが、この方法で本試験レベルの問題に慣れたと思います。付属の模擬試験問題も合格点を超えました。こちらも間違えた問題は解けるまで何度もやりました。

問題ごとに付けた○×△の印
問題ごとに付けた○×△☆の印

まとめノート(商業簿記)
まとめノート(商業簿記)

まとめノート(工業簿記1)
まとめノート(工業簿記1)

まとめノート(商業簿記2)
まとめノート(商業簿記2)


 合格するための過去問題集は3ヶ月ほどかけました。厳選問題は苦手をなくすために、大問ごとにまとめて解きました。これが全部終わってから過去問にいきました。

 過去問で解説を読んでも理解できない問題があり、ネットで解き方を検索していたところ簿記検定ナビさんの過去問分析にたどり着き、詳しく理解できるようになりました。

 簿記検定ナビさんの仕訳類題を通勤時間に解いたり、148回の試験予想問題などたくさん活用させていただき、本当にお世話になりました。予想問題集を買おうか迷いましたが、どの問題が出ても解けるように勉強してきたので結局買いませんでした。

試験日1日の流れ

8:00 起床

 朝食をとり、過去問の間違えた問題を復習しました。

12:30 出発

 会場に行くまでは簿記検定ナビさんの仕訳類題を解きました。

13:00 到着

 会場に入り、朝にやった問題の解説を読んでいました。試験時間が近づき他の受験生が席についてきましたが、来ていない方が何名かいたのが目につきました。

13:40 試験開始

 今までにないような緊張で手が震えました。深呼吸をして心を落ち着かせ、問題をざっと見て「1→4→5→2→3」の順に解こうと決めました。

 第1問の仕訳問題は大事な部分に下線をして目立たせ、勘定科目を間違えないようにその都度選択肢から確認しました。3番目は初めて見る問題でしたが、今までの勉強から考えて解き、他は普通レベルの問題だったため15分ほどで終えました。

 次に工業簿記に取り掛かり、第4問は個別原価計算の仕訳問題でした。これは「みんなが欲しかった~」の問題と似ていてラッキーでした。こちらも勘定科目に気をつけて書き、10分ほどで終えたと思います。

 第5問は組別総合原価計算で、加工費を自分で計算するのですが、ここでミスをしました。直接作業時間で予定配賦するところを生産データのkgで計算して解き、時間を使ってしまいました。

 問3の完成品単位原価を計算したときに割り切れなかったため、間違いに気づきました。焦ってしまい、最初から解き直したので、30分ほどかかりました。

 急いで第2問へ、こちらも問題集で見たような有価証券の問題だったので安心しました。取引が複雑だったので仕訳を紙に書き、利息の計算に気をつけ、25分ほどで終えました。

 第3問は問題集では見たことがない連結精算表の問題でした。とりあえず埋めていこうと思い書き込んでいきましたが、答えが合っている自信が全くありませんでした。

 これは時間をかけても無理だと判断し、20分ほどで区切りをつけて見直しに時間を使いました。

 本試験なので、誤字・脱字や計算ミスがないか普段より念入りにチェックしたところで2時間が過ぎ、試験が終了しました。

自己採点の結果

  • 第1問:20点
  • 第2問:14点
  • 第3問:4~10点
  • 第4問:20点
  • 第5問:20点
    • 合計:78~84点

 第2問は満期保有目的債権の償却原価法を会計期間3月末までと思って計算してしまい、他の問題にも影響して6点減でした。第3問はところどころ合っていたので、分からなくても空欄を埋めることは大事だと思いました。

おわりに

合格証書
合格証書

 商業簿記は仕訳問題を得意とすることが点数を伸ばすカギになると思うので、毎日5問でも勉強すると良いと思います。簿記検定ナビさんの仕訳類題をスキマ時間で解くのがオススメです。

 教材について私はTAC出版で揃えましたが、問題集と過去問の厳選問題でほとんど同じような問題が何問かあり少し無駄に感じたので、本屋さんで立ち読みして確認したら良かったと思いました。

管理人からさださんへ追加の質問

 さださんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は工業簿記全般です。図や公式を覚えると応用問題も解けるようになるからです。

 苦手な論点は財務諸表作成問題です。特に貸借対照表がいつも未払法人税と繰越利益剰余金の金額が合わなかったので、毎日1回は財務諸表の問題を解いて慣れることが苦手克服につながったと思います。

 勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 平成30年度からまた新たな論点(税効果など)が加わり難しくなると思ったので、絶対にその前に絶対合格しようと決めていました。

 ただ、仕事で疲れている日など勉強する気が起きないときは、仕訳問題を20分ほど勉強するだけにして無理をしないようにしました。

 ツライと思いながらやると頭に入らないし、だんだいやりたくないと思うようになると思ったからです。このおかげで長期間の勉強も続けられました。

管理人コメント

 さださん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 「試験日1日の流れ」のところで、「(第3問について)これは時間をかけても無理だと判断し、20分ほどで区切りをつけて見直しに時間を使いました。」と書いていただきましたが、試験中の頭の切り替えはとても重要です。

 手応えがないのに固執するとドツボにはまってしまう可能性がありますので、手応えがない場合はさださんのようにある程度の時間で見切りをつけて、他の問題の見直しに時間を使うことをおすすめします。

 また、「自己採点の結果」のところで「分からなくても空欄を埋めることは大事」と書いていただきましたが、こちらもぜひ参考にしてください。

 解いている最中は全く手応えがなくても、とにかく自分の知識を総動員して空欄を埋めていくと、結果的に意外と点数が取れていた…という話しはよくあります。

 簿記2級は難しい問題ほど配点が甘くなる傾向が顕著です。すぐに諦めてしまわずに、突破口を探して部分点を取りにいきましょう。

さださんが使われた教材や電卓のまとめ