Studyplusで勉強時間を管理・可視化すると、計画が立てやすくなります!

  • 投稿者:mustさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:3回
  • 勉強期間:約1年

はじめに

 簿記2級が大学卒業後の就職に必要不可欠な資格であることを知り、半ば強制的に勉強をはじめました。

 経済・商業系の学部生でありながら、会計系の講義を避けてきたので簿記の知識は皆無でした。そのため、簿記3級の勉強から始めました。

 会計の知識が皆無の状態から独学で2級合格レベルまでたどり着くことができたので、その過程について一度整理してみたいと思います。また、同じような学生に対して参考になれば幸いです。

受験履歴

  • 第150回日商簿記検定2級:不合格(68点)
  • 第151回日商簿記検定2級:不合格(68点)
  • 第152回日商簿記検定2級:合格(84点)

 2018年11月に行われた第150回試験は、圧倒的な勉強不足でした。この時点では、テキストと問題集を1周済ませた程度だったと思います。

 2019年2月に行われた第151回試験では、例の第3問(連結精算表)に1時間も使ってしまいました。時間配分に気をつけていれば合格水準に達していたと、後悔の念が拭いきれません。

使用したテキスト

  • みんなが欲しかった簿記の教科書 日商3級 商業簿記
  • みんなが欲しかった簿記の教科書 日商2級 商業簿記
  • みんなが欲しかった簿記の教科書 日商2級 工業簿記
  • みんなが欲しかった簿記の問題集 日商2級 商業簿記
  • みんなが欲しかった簿記の問題集 日商2級 工業簿記
  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級
  • 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集
  • 簿記検定ナビ 仕訳問題
  • 簿記検定ナビ 簿記ナビ模試

 簿記3級のテキストは付属の基本問題を1周といて終わりにしました。3級を受ける予定はなかったので、理解すればいいものであると思っていました。

 しかし、後々勘定記入や残高試算表の理解に苦しむことになるので、余力があるならば3級の問題集まで普通にやったほうがいいと思います。私は結局戻りました。


 今回の勉強でメインにしたのは、簿記の教科書シリーズです。何周したかは特に数えていませんが、理解できるまで何度も読み込みました。

 その後、問題集の答えを覚えてしまった頃に過去問題集に進みました。こちらは3周みっちりと100点が完璧に出せるようにしていました。

 また、本来は手をつける予定はなかったのですが、やる問題がなくなってしまったのと、151回のように見たことのない問題に対しての耐性をつけたかったので、網羅型完全予想問題集に進みました。こちらは1~2周。

 簿記検定ナビの問題集は直前模試のような位置付けで解きました。一方、簿記検定ナビの仕訳問題は3周はしたと思います。条件反射的に仕訳ができるまで何度もやりました。

学習の進め方

全体的な学習の進め方

  1. 簿記の教科書によるインプット
    • 簿記の教科書は講義→基本問題の順になっているので、その通りに解く。
  2. 簿記の問題集によるアウトプット
    • 1から解いていき、間違えたら教科書に戻る。基本問題を押さえたところで解き直す。
    • 簿記の問題集を2周終えたところで、問題集付属の模試を解く。間違えた論点を復習し、教科書→問題集の順に戻り確認する。これを2~3周。
  3. 合格するための過去問題集 日商簿記2級
    • 1日1問ペースで時間内に解く。間違えた論点を復習し、教科書→問題集の順に戻り確認する。この辺りから、なぜ間違えたのかについて自分で説明できるようになっていたので、教科書に戻るときはよっぽど定着していない論点に限っていました。これを2周。
  4. 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集
    • 上記の過去問題集の2周目と並行して、網羅型予想問題集の新しい問題に取り組む。間違えた論点を復習し、教科書→過去問の順に戻り確認する。これを1~2周。

 基本問題→問題集→分からなかったらすぐに教科書に戻るという正攻法で進めました。また、いくらテキストを読み込んだところでアウトプットしないと理解できたことにはならないので、理解とアウトプットを意識して常に取り組みました。

1日の流れ

  1. 簿記検定ナビの仕訳問題類題
    • 5回分を1回ごとに確認しつつ解く。分からないところは教科書に戻って復習。
  2. 過去に解いたことがある問題を再び解く
    • 一度手をつけたことのある問題を中心に解く。分からないところは教科書に戻って復習。
  3. 過去に一度も解いたことがない問題を解く
    • 肩慣らしが終わった後に新しい問題にチャレンジ。分からないところは教科書に戻って復習。

 上記の1→2→3の流れで日々勉強していました。

 また、勉強に取り組んだ方ならお分かり頂けるかと思いますが、仕訳は英語で言う単語のようなもので、仕訳ができないと話しにならないので、簿記検定ナビの仕訳問題を条件反射的に解答できるまで徹底的に反復練習しました。

 間違いノートはStudyplusというアプリの勉強時間記録を用いて、間違えた箇所とその説明を日記感覚で毎日記録するようにしていました。

Studyplusのキャプチャ1
Studyplusのキャプチャ1

Studyplusのキャプチャ2
Studyplusのキャプチャ2

Studyplusのキャプチャ3
Studyplusのキャプチャ3

Studyplusのキャプチャ4
Studyplusのキャプチャ4

試験日1日の流れ

8時00分 起床

 いつも通り朝ごはんを食べる。

9時00分 試験会場着

 試験会場は以前にも行ったことのある学校。到着後に以下の3つの作業を行ったあと、アルフォートを食べてリラックスする。

  • 仕訳の確認(連結修正仕訳も含む)。
  • 個別原価計算における材料の途中投入について仕損の処理も含め確認。
  • 全部原価計算と直接原価計算の同時処理について確認。

13時00分 試験教室入り

 教室に入ってからは今までやってきたことや、前回の試験で失敗した時間配分について頭の中でシュミレーション。ペンと受験票の位置を決めたあとは特に何もしませんでした。

13時40分 試験開始

 試験問題をざっと確認して、これなら全部解けると確信しました。個人的には、第2問が銀行勘定調整表だったのが嬉しかったです。解く順番は「1-4-5-2-3(3-2)」と決めていたので、その順番通りに解いていくことにしました。

第1問:所要時間15分

 仕訳問題。特に焦ることもなく終了。かなり丁寧にやったので大丈夫だと確信。

第4問:所要時間5分

 2回連続で部門別原価計算が出ることもあるんだ…と思いながら、前日に第151回試験の復習していてよかったなと思いながら解く。思った以上に簡単だったのでサクッと次へ。

第5問:所要時間20分

 標準原価計算は嫌になるほど問題を解いてきたので自信ががあったが、今回の問題は今までに見たことのない形式であったため、まずはしっかりと問題文を読む。さらに、手を動かして図表化して情報を整理。

 練習問題や過去問では見かけたことがない「実際操業度>基準操業度」となる珍しい問題だったが、解答手続きを確認してこれしかないと確信できたので、自信を持って解答。

第2問:所要時間20分

 パズル問題が来た!と思って気を楽にして解こうと思ったが、途中で計算が合わないことが発覚。少し時間を取られてしまった。

第3問:所要時間23分

 ついに税効果会計が来たか…と思いつつ、いつもの手順で1つ1つ仕訳をして慎重に解き進めた。

 ひととおり解き終えた時点で残り37分。まずは「実際操業度>基準操業度」が不安だった第5問の解き直しから。

 その後に第4問を経由して、配点が大きくミスができない第1問へ。さらに、第2問について企業残高基準か銀行残高基準かを慎重に確認したあと、最後に第3問の各仕訳を確認した。

 試験終了の合図を聞いたとき、今の自分にやれることは全部やりきれたと思えた。

試験後

  • 自己採点(合計:76点~84点)
    • 第1問:20点
    • 第2問:16点~18点
    • 第3問:10点~12点
    • 第4問:16点
    • 第5問:14点~20点

 なぜこんなに点数がブレているかというと、最大限誤字したかもしれないと思う箇所やもしかしたら記入ミスしていたかもしれないともう箇所を考慮して最高点と最低点を算出したからです。

  • 実際の点数(合計:84点
    • 第1問:20点
    • 第2問:16点
    • 第3問:12点
    • 第4問:16点
    • 第5問:20点

 自己採点通りであった。

最後に

 友人の中には、簿記2級を1ヶ月でとったという人もいれば4ヶ月でとったという人もいました。

 自分のように1年もかけて勉強する資格ではないんだよなと思いつつ問題を解くのが苦痛な時期もありましたが、「過去2回試験で徹底的に準備をできたか?やり残したことはないのか?」と自分に問いかけることによって、気持ちを奮い立たせて乗り切りました。

 合格後に振り返って感じるのは…正直、過去2回の試験は準備不足だったと言えます。いくら難易度が高いとはいえ、手も足も出ないような問題であったかと言われればそうではないからです。

 3回目の挑戦にあたり、言い訳せずに徹底的に問題を解こうと決意した執念が合格に繋がったと思います。

余談

 簿記2級合格後、実際の財務諸表や入門書を読んだときの感動は素晴らしかったです。

 仕訳が説明されてなくても意味が分かったり、今までぼんやりしていた財務諸表の動きや繋がりが理解できるようになりました。

管理人からmustさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数を付けると100点満点で何点になりますか?簡単な感想もお聞かせください。
 85点です。図解が多く、直感的に理解できる構成となっている点、カラー印刷でどこが大事なのかがわかりやすい点、 財務諸表が作成される順序に沿って理解できるように構成されている点については本当に助かりました。

 内容については、基本的な論点について抑えられているものの、実際の試験のレベルと乖離しているように思えました。また、あまり出題頻度が多くない論点については巻末の方でまとめて記載されているのですが、実際にはその部分からの出題が多かったような気がします。

 この教科書シリーズは効率よく最低合格ラインを目指したい人にお勧めできるものだと思います。詳しく理解して進めたい方は(より教科書チックな)合格テキストシリーズを購入したほうが良いと思います。

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、その電卓は他の方にもおすすめできますか?
 「CASIO MW-12A」です。値段相応の電卓だと思います。

 勉強開始当初は、そこまで本格的に簿記にのめり込む必要はないと考えていたため、12桁・画面が大きい・(手が大きくないため)手の収まりが良くタッチしやすそうなものと言う基準で選びました。

 「最低限の機能だけ欲しい」と言う方は値段も安いのでこれで十分だと思います。

 ちなみに、日数計算機能は付いていませんが、仮に付いていたとしても結局は手で数えたり文字に起こして確認する作業が必要だと思うので、そこまで気になりませんでした。

 得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
得意論点:固定資産の減価償却・有価証券の売買・直接原価計算(CVP分析)・標準原価計算
苦手論点:連結財務諸表・本支店会計

 固定資産の減価償却、有価証券の売買については、頻出論点すぎて得意にならざるを得なかったと言う感じです。簿記検定ナビの仕訳問題でも毎回出てきますし、端数利息の計上と日数計算についてはどの問題集どの問題でも出てきますから、間違えすぎて間違えることがなくなりました。

 苦手論点についても、上記のように何回も間違えて何回も解き直すことが正攻法だと思いますが、その一助として、パブロフ簿記さんの連結会計問題と本支店会計問題を参考にしました。

 勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 私は就職先で必要だったのでモチベーションも何も「やるしか道がなかった」が答えで参考になるかは不明ですが、必ず図書館で勉強するようにしていました。

 周りを見渡すと、自分以外にもこんなにも勉強している人がいて、自分よりも難しい問題や資格にチャレンジしている人がたくさんいる環境が心地よく、もっと頑張らないとなと思えたからです。

 独学で集中できない、と言う方は本気で勉強されている方が多くいらっしゃる環境に身を置くのがいいと思います。みなさんとても勉強しています。

 あとはベタですが、受験票を壁紙にしたり受験番号を模試をするたびに書くなど、常に本番を意識するようにしていました。

 Studyplusを利用されていますが、良かったところとイマイチだったところがあれば教えてください。他の方にもおすすめできますか?
良かった点
1.勉強時間が可視化される
2.目標が設定できる
3.勉強時間の記録とともにメモが掲載できる
4.週間レポートがメールで送られてくる
5.参考書ごとの勉強時間がグラフ化される

イマイチだった点
1.メインサービスがアプリであり、webの使い心地はあまり良くない点
2.大学受験までの高校生がメインのターゲットとなっており、他の資格受験者が多くいる環境でなかったと思われる点

 良かった点だけでも使う価値があると思うので、他の方にはぜひ使っていただければと思います。自分の勉強時間を記録してみて、数字として把握することで目標や計画が立てやすくなるのかなと思います。

管理人コメント

 mustさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 私もスマホアプリの「study plus」を使っていますが、自分の勉強記録にいいねがもらえたり、他の受験生の勉強記録を見るとモチベーションが上がります。

 良い意味で他人の目を意識しながら勉強できますし、mustさんがおっしゃっているように勉強時間・内容をを可視化するメリットも大きいので、独学受験生に特におすすめします(※無料で使えます)。

 また、mustさんは大学の図書館で勉強されたとのことですが、真剣に勉強している人たちの空間にいると自然にモチベーションが上がるので、学生さんはぜひ学校の図書館(図書室)を有効活用してください。

 社会人の方は有料の自習スペースや、TACや大原などの通学講座などを有効活用しましょう。

mustさんが使われた教材や電卓のまとめ