仕訳を完璧にすること、苦手部分を見つけることが合格のポイントです!

  • 投稿者:おにぎりさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月

はじめに

 事務職の仕事をしており、経理は未経験。会社のお金の流れが理解できるし、興味があったので受験を決めました。ゼロからのスタートなので聞いたことがない用語がいっぱいで初めは大変でしたが、根気よく1つずつやっていくと理解することが楽しくなってきました。

 試験までに時間がなかったので、勉強法はテキストを一通りやってから、問題をトコトンやるスタイル。どんな問題も結局は仕訳につながるので、基本の仕訳を完璧にすることと、自分の苦手部分を見つけることがポイントだと思いました。

使用したテキスト等

  • スッキリわかる 日商簿記3級 [テキスト&問題集]
  • 日商簿記3級 網羅型完全予想問題集
  • 「簿記3級 無料学習サイト 【Study Pro】」の完全予想模試2回分
  • 「パブロフ簿記のブログ」の実績問題
  • 「東京CPA会計学院」の過去問・練習問題
  • 日商簿記3級仕訳問題 きおっくす装置(※通勤などの移動時間のみ)

使用した電卓

  • CANON HS-1210TU(※会社でいつも使用している使い慣れたものです。)

学習方法

スッキリわかる 日商簿記3級のテキスト

  1. テキストを読む(項目ごとの問題を解く)
  2. 最後のまとめの問題をする
  3. 付属の本試験問題をやってみる
  4. 間違えたところの復習

 このテキストで7~8割程度理解出来れば、あとはひたすら問題を解いて理解していく。

日商簿記3級 網羅型完全予想問題集

 初めの3回分ぐらいの問題は、ところどころ解答・解説を見ながら解く。それでも分かりにくい部分のみテキストを再度読んで確認。この辺で9割以上は理解できるようにする。

 それ以降の問題は時間を計って解く。2時間を通しで取るのが難しい場合は、1問ずつ時間を計って解く。答え合わせは、1問ずつ答え合わせすると時間がかかるので、基本は全問終わってからやっていました。

 集中力が切れそうなときや、分からなくて心折れそうな時だけ、1問ずつ答え合わせをしてマルをつけることでモチベーションを上げていました。

試験問題を解くにあたって

 ネットで調べたところ、2問と4問の配点が低いので、1問→3問→5問→2問・4問で解く方が多いようです。私も基本的にこの順番で解いていました。また、時間配分は大体下記を心がけました。

  • 第1問:20分
  • 第2問:10分
  • 第3問:40分
  • 第4問:10分
  • 第5問:30分
  • 見直し:10分

 問題をざっと見て、2問・4問がすぐに終わりそうなら先に解くことも。また、難しそうな問題は後回しにするなど臨機応変に対応することを心がけました。

 なお、3問と5問は特に時間がかかりますが、焦らずじっくり時間をかけて下さい。借方と貸方の合計金額が合わないと、どこからやり直せばいいのか…パニックになって焦ってしまいます。なので1つ1つ確実に!!が重要です。

 また、万が一合わなかった場合の為に、現金・当座預金など、勘定科目ごとの合計を書いて残しておくと便利です。

勉強法の感想

良かった点

 最初はテキストを読み、ノートにまとめていたけど、時間がかかりすぎるのと、丁寧に書き分かりやすくまとめる事に満足しちゃう傾向にあるので途中で廃止。

 テキストの項目問題を解いていくことで理解のスピードが早まり、その分問題集を解く時を増やすことが出来た。自分に合った勉強法をやりながら見つけて行くのが大事だと感じました。

 網羅型完全予想問題集の問題の難易度が高く、当日の試験問題が簡単に感じたこと。この問題集のおかげで力がついていたんだと実感しました。

 試算表や精算表などややこしいと思っていたけど、仕訳を完璧にすれば大丈夫と気づき、苦手意識を克服できたこと。

悪かった点

 同じ会社のテキストや問題集は同じような問題が掲載されている傾向にあるので、他の会社の問題集か、過去問題集をもう1冊ぐらいやっても良かったのかなと思いました。

試験日1日の流れ

6:30 起床しシャワーを浴びる

7:15 朝食をとり、持ち物を再度確認

8:10 出発

8:45 到着

  • トイレを済ませる
  • 試験に必要なものをすべて準備(シャーペンの芯が入っているか等の確認も)
  • 間違えやすい問題を確認(※合計試算表・合計残高試算表・残高試算表の違いなど)

 私の場合、周りの受験者の方を見たり中途半端にテキストを復習すると、焦ったり余計に緊張してしまうので、テキストの読み込みなどはせずに心を落ち着かせることに徹していました。

 上記の理由から、会場に入るのは少し時間に余裕がある程度にしました。しっかりと確認したい方は、時間に余裕を持って会場入りするのがいいと思います。この辺はご自分に合った方法で。

9:00 試験の説明、問題配布、解答用紙に受験番号・名前を書く

9:10 試験開始!

11:10 試験終了

12:00 帰宅。徐々に公開されてる解答速報を見る。

試験の感想

 今回の試験で出題された問題は以下の通りです。

  • 第1問:仕訳
  • 第2問:総勘定元帳
  • 第3問:合計試算表
  • 第4問:文章穴埋め問題
  • 第5問:精算表

 網羅型完全予想問題集の方が難易度が高く、今回の試験問題は全体的に易しいと感じることが出来て余裕が生まれました。

 初めにざっと問題を見たところ、2問・4問がすぐに解けそうな問題だったので、順番通り1→2→3→4→5と解いていきましたが、3問と5問は時間がかかる問題だったので、今考えてみると1→2→4→3→5の順番の方がより良かったかもしれないです。

 3問は仕訳が多く、合計金額も数字が大きくなる問題だったので、桁を間違えないよう気をつけました。

 5問は、最後に当期純損益を求める際、問題集ではほとんど利益だったのに対し、損失になったので焦りましたが、今までやってきたことを信じて、解きました。問題集では当座預金だったのに対し、本試験は普通預金だったのにもびっくりしました。

 落ち着いてやることで時間もだいぶ余裕が出て、見直す時間もありました。また解答速報と照らし合わせたかったので、持ち帰りのできる下書用紙と問題用紙に、ある程度自分の解答を書き込みました。

管理人からおにぎりさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
■スッキリわかる 日商簿記3級 [テキスト&問題集] → 80点

 とても丁寧に説明されていて、簡単で分かりやすかった。イラスト付きなので、読むのが嫌にならずおすすめです。1つ1つものすごく丁寧に説明されているので、全く知識のない初心者の方向けだと思います。

 少し知識があったり、仕事で携わってたりする方は、丁寧すぎて逆に分かりにくいかもしれません。ゼロからスタートの私には合っていました。

■日商簿記3級 網羅型完全予想問題集 → 80点

 試験10回分の問題がついているので、これ1冊完璧にすればだいぶ力がつくと思います。実際の試験問題と紙まで同じ様に作っているので、徹底されているなと思いました。実際の試験を受けてみて、問題集の難易度の方が高めだった気がします。

 ただ、最初はさっぱり分からなかったので、もう1冊簡単な問題集をやってからの方がより良いかもしれないです。

■「簿記3級 無料学習サイト 【Study Pro】」の完全予想模試2回分 → 75点

 基本的な問題が掲載されているので力試しに解いてみるのに良かった。解答解説もとても分かりやすく書いてくれています。間違えた部分や苦手な部分も項目ごとに勉強できるようになっているサイトなのでおすすめです。

■「パブロフ簿記のブログ」の実績問題 → 70点

 基本的な問題が掲載されているので力試しに解いてみるのに良かった。

■「東京CPA会計学院」の過去問・練習問題 → 70点

 1問だけですが、無料で過去問がダウンロードできます。力試しに解いてみるのに良かった。

■日商簿記3級仕訳問題 きおっくす装置 → 85点

 勘定科目をスクロールして選択するもので、移動時間や合間に簡単に仕訳が確認出来るのでとても便利です。テキストを持ち歩いて読むよりも、効率的でおすすめです。

 今回、勉強に使われた電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 電卓は使い慣れたものが1番だと思いますが、この電卓は画面もボタンも大きめで、見やすく押しやすいので、とてもおすすめです。
 おにぎりさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
【得意な論点】
・仕訳
・商品有高帳の先入先出法と移動平均法

 仕訳はたくさんの問題を繰り返しやることで得意になりました。商品有高帳は商品の動きのイメージがしやすく得意でした。

【苦手な論点】
・精算表の決算事項と損益計算書・貸借対照表への記入
・帳簿の締め切り

 精算表の決算事項は、特に費用の見越し計上・繰り延べが苦手でした。克服方法は、何度も問題をやることと、時間を掛けてでも1つ1つ日付けを紙に書き、理解しながら解きました。(例えば、「○月○日に向こう何カ月分支払ってる。その金額が○○で、○月が決算だから…○ヶ月分繰り延べ。ってことは○○を△で割って…」みたいな感じです。)

 いろんな問題を何度もや っているうちにパターンも分かって来て、解けるようになりました。損益計算書・貸借対照表への記入は、損益・貸借のどちらに書けばいいのかが最初は分からず、つまずきました。仕訳は間違えることなく解ける様になっていたのですが、勘定科目の分類は完璧に暗記してなかったからだと思います。

 私の場合は全て暗記の方法だと逆に理解しづらくなると思い、自分なりのルールを探し出しました。貸借対照表に記入するのは「次期に繰り越されるもの」だと気付き、理解することが出来るようになりました。

 帳簿の締め切りは、損益勘定の振り替えが苦手でした。収益・費用も同じ勘定科目に振り替えるという意味が分からず苦労しました。

 意味を理解するのは難しかったので、利益・損失を算出するための方程式のようなものだと考え、あとは練習問題をこなしたことで間違えることがなくなりました。

 おにぎりさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 難しい項目で頭が混乱したときは、とりあえず一旦やめる。混乱した中で勉強し続けると嫌になるので、仕訳など基礎の問題に戻って解く。簡単な問題に戻って正解してマルがつくと、基礎は理解できてるんだと自信になり、また頑張ることが出来た。

 仕事と家事をしながらなので、あまり根を詰めないようにした。集中出来るときは集中する。眠いときは寝る。疲れた時は休む。コーヒー飲みながらする時もあるし、自分の体調に合わせて無理をしない事を心掛けた。

管理人コメント

 おにぎりさん、簿記3級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 おにぎりさんもおっしゃっていますが、試算表も精算表も「期中(+決算期末)の仕訳をまとめたもの」にすぎませんので、各問の仕訳を確実に処理することが一番のポイントになります。

 総合問題を解くたびに間違えた仕訳をメモっておき、細切れの時間等を有効活用してこまめに復習しましょう。地味な作業ですが、必ず力がつきます。

 なお、問題を解く順番や時間配分には、絶対的に正しい答え(順番・数字)はありませんが、試験本番でいきなりあれこれやろうと思ってもうまく出来ませんので、練習段階から目的意識をもっていろんな形を試してみましょう。

おにぎりさんが使われた教材や電卓のまとめ