簿記3級は基本が大事。仕訳対策はなるべく早めに始めましょう!

  • 投稿者:葉月さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月

はじめに

 私はとある公立高校で教員をしています。今回二つの理由で簿記3級に挑戦しました。

 ひとつは新しいことを学び続けるためです。普段は高校で勉強を教える仕事をしています。生徒は常に新しいことを学び続けています。そんな生徒を見て、私自身も知らないことを知る喜びと苦しみを忘れないようにするために色々な資格にチャレンジしており、今回もその一環になります。

 もうひとつはお金の流れを勉強する必要があると思ったからです。教員の世界においてはお金のことは基本的に事務室が担当しています。また、人を育てるということは際限がありません。人的コストなどを度外視して自分がやればいいという発想になりがちです。

 しかし、私が教えている生徒の多くは民間企業に就職していきます。教える教員がお金の流れを理解していないのはマズイと思うようになり、何かいい勉強はないかと思い辿り着いたのが簿記でした。

 以上の理由から簿記3級に挑戦することを決め、学習を開始しました。

使用教材等

みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商3級 商業簿記(TAC出版)

 ネット等を検索すると本教材とスッキリわかるシリーズの二つが人気のようでした。

 書店へ行って実物を比較しましたが、みんなが欲しかったシリーズの方が細かなことまで説明されているように感じました。

 授業を聞きながら使用するならスッキリわかるシリーズを選んだかもしれませんが、私は独学の予定だったので読みながら授業を受けているように感じられた本教材を選択しました。

合格するための過去問題集 日商簿記3級(TAC出版)

 学習の基本は過去問にあると考えています。作問者の意図や出題傾向を学ぶためにも過去問は必須です。最新のものから遡って10回分ほど解きました。

簿記検定ナビ 仕訳問題対策

 インプットが終わりアウトプットの段階になって分かったことは、仕訳が出来なければ何も出来ないということです。

 過去問は10回分で済ませましたが、仕訳だけは簿記検定ナビさんで公開されている50回分を2周り+間違えた問題をやりました。その結果、合格できる!という手応えと自信を持つことが出来ました。

簿記検定ナビ 合格体験記

 専門学校等に通っていれば様々な情報が入ってきますが、独学では自分から情報収集する必要があります。その中でも合格者の言葉は非常に貴重なものでした。悩んだ時はいつも読み返して勇気を貰いました。

study plus(スマホアプリ)

 毎日の学習状況を記録することで、独学にありがちな偏りを無くすことが出来ました。

みんチャレ(スマホアプリ)

 一人だと面倒だと思っても、同じ目標に向かって頑張っている人がいるだけで人間頑張れるものです。同じ悩みを共有することで前向きに頑張ることが出来ました。

使用電卓

JS-20WK(CASIO)

 大学生の時のアルバイト先が閉店する時に格安で手に入れたものです。後で調べると非常にいい電卓だということが分かり、そのまま使用しています。一度、荷物を減らすために100均で小さな電卓を買って使用してみましたが、あまりの差に愕然としました。

学習の流れ

  • 学習時間合計:62時間
    • 教科書:27時間
    • 過去問等:26時間
    • 仕訳問題:9時間

1週目

 教科書を約20時間かけて通読しました。問題は教科書に付いている例題や章末問題を解いたくらいです。例題はすぐ下に答えが載っていますが、出来るだけ見ないように手で隠して自力で解くようにすることでアウトプットの量を確保しました。

 週の後半からは仕訳問題を始めました。1週目が終わる直前に始めたことで、早めに仕訳の重要性に気づくことできたと思います。

2週目

 1週目で理解が浅かった部分を中心に教科書を読み直しました。それと並行して仕訳問題の1週目を終わらせました。数をこなすことで傾向が掴めてきたことと、勘定科目を頭で考えなくても勝手に手が動くようになってきました。

3週目

 一日一回分の過去問を解き始めました。最初の過去問は46点で不合格でしたが、この問題を使って解答の流れや、時間の配分などを自分なりに分析することが出来ました。また、前週からの続きで教科書の2週目も終わらせ、いよいよアウトプット中心の学習に移行しました。

4週目

 前週から続けて7回過去問で合格点を取ることができ、簿記検定ナビさんの予想問題に挑戦しました。

 予想問題や模擬試験は通常難しめに作られていることは分かった上で解きましたが、69点で不合格となってしまいました。問題の難易度は普通程度でしたが、敢えて普段の過去問では出てこない処理や勘定科目をふんだんに使用した内容となっており、伸びかかっていた鼻をぽっきりと折ってくれました。

 教科書では余裕があれば学習してくださいと書いてあった部分を再度読み直し、学び漏れが無いように再確認しました。

学習上の注意点

出来るだけ手を動かす

 教科書を通読する際、出来るだけ要点をまとめ、ノートに書きながら読み進めました。ただ、決して綺麗にまとめたものではなく、自分が読めればいい程度です。

 本当ならさらに言葉にして独り言を言いながらやりたいところですが、喫茶店では出来なかったので諦めました。読むだけだと気分だけ分かった気になりがちですが、要点を掴み、記号などを使ってまとめるには本当の意味で理解が必要です。

 例えば、10行近い長文で説明されているところでも、ポイントを掴んでまとめると数行になることがよくあります。説明を読みながら「要するに〇〇」と言った要領でまとめると良いと思います。私は自分ならこう板書するなと考えながら進めました。

勘定科目

 仕訳をする際、時間を短縮するために勘定科目を省略しますが(現金→げ など)、私は過去問を始めるまでは省略せずに全て勘定科目を記述していました。

 これは手を動かすことと同じで、きちんと正しい勘定科目を頭に叩き込まなければ本番であやふやになり、困ってしまうと考えたからです。

 20~30時間ぐらいの勉強時間で挑戦する場合は仕方ないかもしれませんが、基礎を疎かにしても良い事はあまりありません。確実に勘定科目を習得してから省略に移る方が遠回りのようで近道だと思います。

解答順について

 時間に余裕が無ければ解きやすい問題から解いてもいいと思いますが、私は最後の過去問で30分以上時間が余っていたので素直に1から順に解きました。

試験日1日の流れ

6:00 起床

 いつもと同じ時間に起きました。特別なことはせずいつも通りの食事をしました。

8:00 出発

 試験会場は車で30分ほどの地元の大学でした。

 教室に入る前に受験票の確認があり、いよいよ試験だと思い、気を引き締めました。空席はほとんどなかったように思います。受験者も10代から60代と思われる方まで様々です。

 周囲の方々は問題を解いたりされていましたが、私はリラックスのため特に何もせず、試験が始まるまでゆったりと過ごしました。

9:10 試験開始

 説明等があるため待ち時間が思ったよりも長かったです。答案用紙はミシン目に沿って切るなど、本番じゃないと分からないこともありましたが特に困る事はなかったです。

 試験開始後1時間で退出許可が出ましたが、誰も退出しませんでした。私は1時間20分ほどで解き終わったので退出しました。

帰宅後

 専門学校の解答速報で自己採点したところ90点取れていたので、ほっと一安心しました。でも自分のことよりもその後の2級の連結決算問題事件の方がインパクトがあったりなかったり…。

反省等

学習時間

 簿記自体が初めてだったのでかなり余裕を持って学習を進めましたが、恐らく50時間あれば十分だったかもしれません。私はこの後2級の受験も視野に入れているため、基礎の定着を図るために、合格を意識してからも学習を続けました。

Tフォーム

 Tフォームを知った時は余裕がなかったのでやりませんでしたが、可能なら練習しておいた方がいいです。私は全て力技で仕訳して解いていましたが、ミスを見つけるのに時間がかかってしまいます。余裕がある方は是非Tフォームの練習をしてください。

花粉症は突然に

 試験当日、会場に着いたら急に目が痒くなり鼻水が止まらなくなりました。そうです。花粉症です。いつも3月から症状が出るため、完全に油断していました。

 ティッシュがないため口で息をする羽目になり、頭がぼーっとする中の試験になってしまいました。何事も油断せず、しっかりと準備が必要であることを学びました。

謝辞

 簿記検定ナビさんには大変お世話になりました。仕訳問題・予想問題・合格体験談と、独学の人間にとって抜けがちな部分をしっかりとフォローして頂きました。

 感謝の気持ちを込めて合格体験記を投稿させて頂きます。ありがとうございました。そして、2級合格に向けてまたお世話になります。

管理人コメント

 葉月さん、簿記3級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 私もスマホアプリの「study plus」を使っていますが、自分の勉強記録にいいねがもらえたり、他の受験生の勉強記録を見るとモチベーションが上がります。

 良い意味で他人の目を意識しながら勉強することができるので、モチベーションの維持が難しい独学受験生に特におすすめのアプリです。無料なのでお財布にも優しいです。

 また、第3問の試算表作成問題で使う「Tフォーム」に関しては、葉月さんがおっしゃっているようにマスターするに越したことはありません。

 簿記検定ナビの過去問分析ページで「Tフォーム」を使った解答手順を画像つきで詳しく紹介しています。興味のある方はぜひ一度、過去問分析ページをご覧ください。

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