計算用紙は捨てずに保管!勉強した証が「自信」になります!

  • 投稿者:じょりーさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約6か月(合計)

受験のきっかけ

 私は大学3年生で主に会計を勉強しています。簿記は授業で選択必修のようなものがあったので、それをきっかけに1年次に講義で貸方・借方の概念と仕訳の方法を学んだあと独学で日商簿記3級を取得しました。

 次は2級だということで、第134回の検定を受けましたが撃沈しました。昨年のリベンジと国税専門官の仕事に興味を持ったことから、簿記2級は絶対欲しい!と気持ちが燃え上がってきたので再受験しました。

使用テキスト

 使用テキストは商簿工簿ともTACの『合格テキスト』『合格トレーニング』『合格するための過去問題集』です。こちらは合格時(137回)の受験時に使用しました。使い方としては、合テキの一単元を読む→合トレの同単元を解く。といった王道パターンです。

 一回目の受験のときは、分かり易さ重視ということでTACのスッキリわかるシリーズを使いました。こちらはイラストが入っていて説明もタイトル通りスッキリ書かれているので、簿記の流れやどうしてこの仕訳が必要なのかといったことを理解するにはもってこいだと感じました。

 結論としては、合テキ・合トレが良いと思います。スッキリわかるシリーズは確かにとてもわかりやすいのですが、簡単に読めてしまう分頭に入り難いな~と思ったのと、問題演習量が少ないことがネックだと感じました。

 もちろん人によって教材の向き不向きはあると思いますが、私は合テキ・合トレのようにじっくり読ませるテキストが向いていたのだと思います。

勉強方法

 簿記2級の勉強は、3級に比べると論点が多いので毎日簿記に触れないとすぐに忘れてしまいます。1回目受験時は4か月前から勉強を始めたのですが、ダラダラとやっていて反復をしなかったので演習の時間が足りずに不合格でした。

 なので、前回の反省を生かして今回は短期決戦ということで2ヶ月で仕上げました。そのうち1か月は復習(論点の再確認・弱い論点の叩き込み)、1か月は演習です。

 さらに1か月のうち最初の2週間は工簿、後の2週間は商簿に割り当て、合テキの計15単元を2週間で終わらすために1日平均2単元ずつ進めて、余った日を休息日や苦手単元の日に当てるというようにかなり細かく戦略を練りました。過去問演習に力を入れたかったので、合テキ・合トレは1周しかやらない戦略です。

 勉強時間は、平日は学校があるので学校から帰ってきてから平均3~4時間、休日は5~6時間やっていました。あとは、前倒しで合テキを1日3単元やることもしてました。

 商簿の最後の方の「帳簿組織」、「伝票会計」などといった決算絡みの単元が結構時間がかかって進まないので、前倒しで進めておいて良かったなと後々思いました。

 使用テキストのところにも書きましたが、論点の再確認は合テキの一単元(例えば社債)を読んで読み終わったらすぐに合トレの同単元(社債)で演習といった王道勉強です。

 商簿も工簿も、すんなり頭に入って解けるという単元とそうでない単元があると思いますが、「苦手単元こそ出来るようになるまで何回も何回も同じこと繰り返す」というのが合格するための勉強の最大のポイントだと思います。

 ここが苦しいですが、私も社債、減価償却、総合原価計算の単元は3~4回同じことを繰り返したおかげで、苦手意識が薄らぎました。

過去問演習

 『簿記2級は過去問演習に尽きる』といったようなことを簿記検定ナビの管理人様がおっしゃっていますが、本当にその通りだと思います。

 合テキと合トレを1周回した時点で過去問を解いても何もできませんが、過去問は演習本と違って問い方も難しくなってますし解けないのは正常ですので、不安になることはないと思います。(自分の場合はそう思い込みました…笑)

 ただ肝心なのは出来なかった後で、できない単元をかなり時間をかけてこれもまた解答を見なくても解けるように復習しました。

 たとえば、問1の仕訳で間違えたら解答で「どこの単元ができないのか」をチェックし、理解が曖昧ならその単元をテキストで読み直す→その場でテキストの演習問題なりを解く→もう一度間違えた問題を解く(特に引っかけに気を付ける)といった感じです。

 そうしていくと、だんだん頭が過去問に慣れてきます。過去問1周目の後半とかになると、問題を見ただけで「問4は個別原価計算」、「問3は精算表」といったようにパッとわかるようになってきます。ここまで来れたらあとは計算の手順とか計算ミスに気を付けるだけの段階になってると思います。

 あとは問1の仕訳では16点以上取る、問4・5も16点以上は絶対取ると決めていました。そうすると問2・問3で新形式問題や少しひねった問題が出たときに焦らなくて済むので、仕訳と工簿は復習にかなり力を入れてました。

 仕訳問題対策には簿記検定ナビさんの仕訳問題対策プリントにお世話になりました。あまり時間がなかったので、過去10回分をプリントアウトしてそれを2回やりました。そうすると問1でコンスタントに16点以上はとれるようになるので、こちらは絶対にやった方がいいと思います。

モチベーション維持

 モチベーション維持の方法としては、一回不合格になっているのでそのときの悔しさ(合格発表時の虚しさ?)を思い出すことが一番効果がありました。

 もう一つの方法は、勉強するときに計算用紙を家にあるいらない裏紙でやりました。そしてそのチラシは捨てないで紙袋にきれいに入れてとっておきました。

 そうすると自分が勉強した量が一目でわかるので、最初のうちは紙袋いっぱいにするぞ~とやる気が出たり、中盤でダレたりすると自分はこの紙袋に入ってる紙分の時間と労力を無駄にするのか…と追いつめられるような気持ちになりました(笑)

 試験日間近は「ここまでやったんだ!」という自信にもつながるかと思います。

 なんにせよ過去問演習の2周目とかになると、試験形式の問題もだいぶ解けるようになって楽しくなってくると思うので、モチベーション維持はそこまでの辛抱ではないかなと思います。

試験日前日&当日の流れ

試験日前日

 過去問を2回分解いて復習、といつもやっていることをしました。その後、苦手論点を再確認しました。あまり時間もないのでテキストを読むだけです。

 最後に、商簿テキスト・工簿テキストの目次を開いて、1単元ごとにその単元のページは開かずにポイントや仕訳を自分で言えるか総確認しました。たとえば、「委託販売」だったら委託販売で委託品を発送するときに使う仕訳をパッと思い出せるかを自分でチェックするといった感じです。

試験日当日朝

 朝は弱いので、9時ぐらいに起床しました。ご飯を食べ、試験日にいつもやるゲン担ぎで栄養ドリンクを飲んで支度をして、出発の12時まで自室で1時間を目安に過去問を1回分解きました。

 採点もして80点以上取れたので、安心して受験できると思いました。それから、苦手論点をテキストでざっと見直しして出発しました。

試験開始までの過ごし方

 試験当日が雨だったので道が混んでて少し遅れてしまい、試験開始の13:30の20分前に教室に着きましたが、人が少ないなというのが第一印象でした。

 席に着くとすでに私の隣、ななめ右前には同年代ぐらいの人がいて、どちらもかなり集中して勉強していたようなので私もかなり気を引き締められました。

 席に着いてすぐ受験票・免許証・シャーペン2本・消しゴム・シャー芯を出して、腕時計を机の左端に置いて、受験体勢に入りました。

 そのあとは、TACの合格するための過去問集の最初にある大問対策のページを眺めていました。あまり真剣に読むと「えっここ分かってないじゃん!」などと焦りそうなので、本当に特殊商品売買の複雑な仕訳を眺める程度です。

  • 試験開始!

 私の会場では、試験開始の合図の前に解答用紙に受験番号と生年月日・フルネームを書かされます。そのときに問2に銀行勘定調整表が見えて、去年のトラウマ再び…と目の前が真っ暗になりそうでした。

 でも問1はもちろん、問4の製造原価報告書、問5の総合原価計算の解答用紙を見て、ここで絶対点取ろうと覚悟を決めて解答にかかりました。

 問題は過去問集の解説通りにいつも問4・5の工簿から解いていたのですが、会場では試験開始の合図の後みんな問題集を裏にひっくり返す音がしなかったのでちょっとびっくりしました。

 第4、5問は過去問通りな感じですんなり解けたので、気を引き締めて問1~3を解き始めました。第2問の銀行勘定調整表単体の問題にはトラウマしかありませんでしたが、普段過去問の清算表のところでやってる調整の仕訳と同じじゃん!と思えたので、問2の仕訳、問3の金額ともにノーミスで行けました。これに関しては過去問演習を積んだおかげでかなり強くなれたと実感しました。

 第3問は、一般商品売買の棚卸減耗費と商品評価損の説明に少し戸惑いましたが、無事にクリアできました。減価償却費は、何回読んでも計算してもピンと来なかったので捨てました。

 見直しを2回したところで試験時間終了となりました。

試験後

 初見のような文章の問題と雨の湿気でかなり疲弊しながら、会場外でもらう解答速報を見たら第1問は2問しか正解していませんでした。(本支店会計と利息の計算を間違え、あとは創立費と株式交付費を分けて書いていました…。ショックでした!)

 他の問題手ごたえあったんだけどな~とがっくりしながら帰りましたが、後日見た予備校の解答で、第2・4・5問が満点だったので、ここで合格を確信しました。

 先日、商工会議所の合格発表で日商簿記2級の合格を確認致しましたので、今回長々と合格体験記を投稿させていただきました。
少しでも私と同じように学生で独学で2級取得を目指す方の励みになればいいなと思います。

 合格にあたっては、簿記検定ナビさんの仕訳対策プリントや問題予想にかなりお世話になりました。本当にありがとうございました。

管理人からじょりーさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CANONのLS-101Tです。桁数が12ケタあって、かつゼロが2つあるボタンのものだったらなんでもいいやと思って深く考えずに購入しました。

 ディスプレイのところが平面になっていて、覗き込まないと数字が確認できないので簿記の勉強にはオススメしません。私も途中で何回か買い換えようかと思いました…

 じょりーさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は伝票会計です。一番の理由としては仕訳が簡単で、推測さえ冷静にやればミスを最小限に抑えられる論点だと思うからです。

 苦手な論点は、特殊商品売買・本支店会計です。特殊商品売買は理屈が頭に入り難く、最後は仕訳だけ暗記で覚えました。

 本支店会計も、トレーニングテキストの簡単な問題はできるのですが、本番形式の問われ方だと全然点が取れず捨て論点になっていました。

 工業簿記については、得意でも苦手でもなかったです。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 勉強方法の振り返りは、合格することだけが目標だったので特にはありません!ただ、私の場合本支店会計を捨てて挑んだ試験だったのでズルかったかな…という罪悪感は少しあります(笑)なので、アドバイスするなら、捨て論点を出来るだけ作らないことです。

 あとは仕訳は何がなんでも完璧にしておくことだと思います。何回か過去問や、簿記検定ナビさんの仕訳プリントを解くとどの論点が仕訳に出やすいかということが分かると思うので、そこから苦手論点をあぶり出してなんとか対策されるのが良いと思います。

管理人コメント

 じょりーさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 じょりーさんの合格体験記で一番参考にしていただきたいのは、「苦手単元こそ出来るようになるまで何回も何回も同じこと繰り返す」というところです。

 苦手論点の勉強って苦痛ですよね。すごくよく分かります。ただ、苦手論点には得意論点よりも多くの伸びしろがあるので、がんばって克服したときの点数の伸びはかなり大きいです。

 よって、学習の直前期には、苦手論点を克服するのに効果的な「まとめ解き」をしてください。やり方はいたって簡単で、苦手論点の問題を出来るかぎりたくさん集めて、それを集中的に何回も何回も解きまくるだけです。

 この「まとめ解き」によって分からないところが具体的に分かるので、テキストに戻って復習したり、質問掲示板等を有効活用してひとつひとつ知識の穴を埋めていってください。

 また、「仕訳は何がなんでも完璧にしておくことだと思います」と書いていただきましたが、私も全く同感です。第1問の仕訳問題で20点満点を取ると、合格がかなり現実的になります。

 簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策、拙著「仕訳攻略ナビ」などの市販の仕訳対策本、パブロフ簿記などの仕訳アプリなどを有効活用して、必ず仕訳対策をして試験に臨んでください。

じょりーさんが使われた教材や電卓のまとめ