資格の大原の無料模試&有料模試を有効活用しましょう!

  • 投稿者:りょうさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 私は、就職前の大学4年生の時に142回(2016年2月28日)の日商簿記2級を受験し、70点でギリギリ合格出来ました。

 就職活動が終わったことで時間的余裕があり、また就職する仕事で簿記の知識が必要になることがわかっていたので受験しました。

 なお大学が経済学部であり、講義で簿記3級の内容を勉強したことがあったので、あえて3級は受験せずいきなり2級を受験しました。私の体験がこれから受験される方に少しでも役に立てれば嬉しいです。

142回の商業簿記の勉強の方針

 142回は「143回以降で削除される論点が出題される可能性が低い」という特殊な事情がありました。したがって私は、テキストや問題集に載っているけれども、143回以降で削除される論点は思い切って勉強しない方針で勉強を進めました。

 あくまでも、このような事情があったため私はテキストを隅から隅までやるのではなく、削除論点を除いて構成された予想問題集や削除論点以外の過去問を中心に勉強をしたことをまず皆さまにお伝えしたいと思います。

テキスト・問題集

  • サクッとうかる日商2級 商業簿記 テキスト
  • サクッとうかる日商2級 工業簿記 テキスト

 レイアウトが良く、導入に丁度良いわかりやすさだと思います。問題集のほうも買ったのですが、テキストに載っている例題とほぼ同じ問題が多いと思い、ほぼ手を付けませんでした。

  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級

 解説はわりとあっさりめで、基礎が理解出来ていないとこの解説だけではわからないと思います。自分がまさにそうでした。

 特に第4問の費用別原価計算等の解説がほぼ図だけとかだったりしたので、わからなくなったらテキストに戻ったり、簿記検定ナビの過去問解説を見て過去問を理解するようにしていました。

 簿記検定ナビの過去問解説は本当に丁寧で分かりやすかったので、それに気付いてからは過去問の解説は簿記検定ナビを頼りにして、この本は問題だけを利用してました。

  • 第142回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級
  • 日商簿記2級第142回を完全予想 ラストスパート模試

 「あてる」は難問がやや多く含まれてるので、難しめだと思います。一方、「ラスパ」はほぼ全部がオーソドックスな難易度の良問でした。

  • 大原の無料模試&有料の公開模試

 かなり良問だと思います。

  • 使用した電卓:Canon HS-1220TUG

 文字盤が大きくて使いやすかったです。

勉強の流れ

テキストでの1ヶ月目の勉強

 まずは、テキストで基本の理解に努めました。テキストを読んで例題を解いての繰り返しです。時間はかかりましたが商業簿記は難なく終わりました。

 一方の工業簿記はテキストを読んでも全然わかりませんでした。それでも例題を解きつつなんとか理解したり、暗記でごまかしたりして一周を終えました。

 私は早く過去問をやった方がいいと思っていたので、工業簿記は理解の浅いままテキストを一周して終えたことにしていました。

過去問での2ヶ月目の勉強

 テキストを終えてからは、すぐに過去問に手を出しました。第1問は最初は難しいと感じましたが、徐々に長い問題文にも慣れて解けるようになりました。

 第2問は今後も出る可能性がある過去問だけをやり込みました。数が少ないので難なく終わりました。ただ銀行勘定調整表等、ほぼ初めて見る問題ばかりで最初はわからないうえに過去問の解説はあっさりなので疑問は残るばかりでした。

 そこで簿記検定ナビをはじめ、ネットで質の良い解説や解説動画を見たところ、一気に理解が進み第二問の過去問を理解して解けるようになりました。

 第3問は、最近の問題が難しいですが、ここでも簿記検定ナビの解説を頼りに一つ一つの仕訳を覚えて繰り返し解いていました。

 第4問&第5問の工業簿記は浅い理解のまま過去問に手を出したのでほとんどわからず、つまづきました。理解が出来ていないので、解法と問題を結びつけることが出来ず一つ一つの問題が独立した問題のように思えました。

 そこで、工業簿記は一度過去問から離れてもう一度一からテキストをやることにして、次は問題を解くことを目的とするのではなく、問題をなるべく理解することを念頭に置き進めました。

 もちろん解法の公式は覚える必要がありますが、一度問題を理解することが重要であり、理解すると暗記がしやすくなると思います。

 しかし、私はもう一周した後でも十分な理解はできませんでした。それでも過去問に再度を挑戦して、次は過去問の問題を解きながらテキストで同じ問題を参照して、テキストの解法を過去問で使うようにしました。

 そのような勉強の仕方で問題を解きながら徐々に工業簿記の理解を深めていきました。総合原価計算・個別原価計算はこの段階で理解しながら解くことができるようになりました。

 なお、間違えた論点や覚えておきたい論点は、大きな付箋に書いて壁に貼っていつでも見れる状態にしておきました。

壁に貼っていた付箋1
壁に貼っていた付箋1

壁に貼っていた付箋2
壁に貼っていた付箋2

過去問や予想問題、模試でのラスト1か月の勉強

 ラスト1か月に入ってからは、「あてる」と「ラスパ」という2つの予想問題集を解き始めました。

 第1問はほぼ過去問と予想問題集の問題だけを繰り返し解き、似たような問題が本試験で出た時に、必ずとれるよう漏れのないような勉強をしました。

 間違えた問題に印を付けて、間違えた問題を復習しやすいような工夫をしました。結果的には過去問と予想問題の問題を2~3周くらいしました。

 第2問はある程度どんな問題が出るかが予想されていたので、今回は思い切ってその予想に頼ることにし、出るであろう5つくらいの論点はしっかり解けるよう過去問と予想問題で演習していました。

 第3問は最近の難化傾向が一番激しいと思います(142回も激ムズでした)。なので、数年前の過去問とは傾向が違うおそれがあると思い、137回以降の過去問と予想問題を繰り返し解き、最近の難化傾向に慣れるような勉強をしました。

 第4問&第5問の工業簿記は難易度が一定ですので、予想問題に加えて、昔の過去問もしっかり解きました。多い問題では5回くらい繰り返し解きました。

 多くの問題を解いたり、模試を受けることでまた新たな気づきがあり、標準原価計算や費用別計算あたりを試験から2週間でやっとしっかり理解することが出来ました。

 この2つの分野は当初からずっとで暗記で乗り切っていましたが、色々なパターンの問題を解くことでやっと理解が出来たという感じでした。

過去問への書き込み
過去問への書き込み

試験日の1日の流れ

7:30 起床

 いつも通りに起きました。出発までは第3問の問題を何問か解きなおしました。

11:30 出発

 電車の中では第3問の過去問の解説を見て復習していました。

12:45 到着

 自分の席に付いてからは、過去問で何度も解きなおした工業簿記の問題を見て解法を頭の中で確認したり、解説を見返したりしていました。

13:45 試験開始

 思ったよりアガッてしまって問題文を何度も読み返したりしながらも問題を解き始めました。最初は、工業簿記から解き始めようと計画していたのですが、第4問に苦手な標準原価計算が出ており、それは飛ばして簡単な第5問総合原価計算から始めました。

 その後まだ頭が落ち着かなったので、あまり考えずに解ける第1問にを解きました。

 続いて第2問を解きました。第3問はかなりボリュームが多そうだったので飛ばして、第4問を解きました。最後に第3問に挑戦しましたが、ほとんどわかりませんでした。。。

 それでもここで45分くらいかけてしまい、簡単に答案用紙の文字の見直しをして試験の終了をむかえました。

試験を終えてから思ったこと

わからない問題に時間をかけ過ぎない!

 私は第3問がわからないのに、45分も無駄に解き続けてしまい時間を使い方が非常に悪かったです。結局第3問は10点しかとれていませんでした。分からなかったらさっさと切り上げて、一度解いた他の問題の見直しにその時間を充てた方がよかったと思いました。

 第1問と第5問について、もう一度冷静に考えればきっと間違えなかったと思える問題が2問あり、これは点数にすると8点分でした。今回はギリギリ合格できましたが、私は合格発表までこの見直しをしなかったことで不合格になっていたとずっと思い、見直ししなかったことに後悔していました。

 なのでわからない問題でドツボにはまるのではなく、さらっと解いてしまった問題を見直すことはとても大事なことだと思います。

本試験では見たことない問題が出るけど、それ以外の問題を解ければ受かる!

 私が142回の本試験でこの問題は過去問や予想問題集で見たことがないと思ったのは、第2問で1問、第3問では数問、第4問では一部あったと思います。しかし、第1問と第5問はいずれも過去問が理解できていれば解ける問題でした。

 なので、本試験には見たことない問題が出るけれども、その問題以外の過去問類似問題をケアレスミスすることなく解答することが大事なのだと思いました。

管理人からりょうさんへ追加の質問

 大原の無料模試&有料の公開模試についてもう少し詳しく教えてください。
 今回の試験で最大限の準備をして受かりたいという気持ちがありましたので、大原の無料と有料の模試を受けました。なぜ、大原にしたかという理由は、特にありませんでしたが、結果的に満足度が高かったのでおすすめです。

 問題はいずれも本番の予想問題だったので、質はかなり高かったです。最近の難化傾向に即した問題が多かったです。

 もちろん、二回の模試の中で本試験で的中した論点もありました。問題の難易度はひっかけが多少あり、難しめでした。

 また、解説は基本的には配られた冊子を自分で参照する方法でしたが、1時間位で特に大事なポイントはその場で解説してくれました。

 無料模試より有料模試の方が講師からのその場での解説が多かったです。また無料模試は自分で採点する方式でしたが、有料模試は大原が採点してくれて当日に返却してくれる形式でした。

 その場での解説でかなり理解が深まったので、大原の講師の方には感謝しています。また、本試験の予想等の有益な情報も得られました。私が受験した会場は200人ほどが入る大きな会場であり、雰囲気は本番さながらでしたので、良い予行練習となりました。

 りょうさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 モチベーションに関してですが、とにかく今回の試験で一発合格しなければ次はないと思うことで自分を奮い立たせ頑張りました。

 何度もモチベーションが下がり、携帯をいじったりして勉強をストップしたことがありましたが、失った時間は取り戻せないので、次は時間を無駄にしないと何度も誓って自分を律するよう努力して勉強するようにしていました。

 しかしモチベーションは下がるものですので、適度に息抜きをすることも大事だと思います。息抜きをして集中力が回復させ、また勉強を再開させることが大事だと思います。

管理人コメント

 りょうさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。資格の大原の無料模試&有料模試について詳しく書いていただきましたので、受講を検討されている方にとってはかなり参考になると思います。

 また、試験を終えてから思ったことに書いていただいた2点は、本当にそのとおりだと思います。日商簿記2級は最近、難化傾向にありますが、過去問類似問題をきちんと取れれば必ず合格できる試験です。

 過去問類似問題はケアレスミスに気をつけて満点を取りに行き、新形式の問題はドツボにはまらないように気をつけながら部分点を着実に積み上げていく、という作戦で試験に臨んでください。

りょうさんが使われた教材や電卓のまとめ