2級の勉強は「質」と「量」の両方をバランスよく整えられれば合格できます!

  • 投稿者:じゃがりこ好きさん
  • 勉強形態:通学→独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約5か月

はじめに

 はじめまして、じゃがりこ好きと申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 前々から「簿記=つぶしが効いてコスパも良い資格」ということを聞いていたので、今回、簿記の勉強をはじめることにしました。まず資格予備校(大栄)に通い始め、146回で簿記3級に合格しました。

 その後、3か月半くらい勉強して147回で簿記2級を受験したものの、結果は46点と惨敗でした。せっかく勉強を始めたのだからきちんとした知識を身に着けたいと思い、さらに1か月半くらい勉強して148回で2級を再受験し、合格することができました。

148回の勉強で使用した教材・電卓

  1. 大栄のテキスト(計4冊)
  2. 大栄の問題集(10回分)
  3. 第148回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級(TAC出版)
  4. 楽しくわかる! 原価計算入門(日本実業出版社)
  5. CASIO JW-122CL

 1.と2.の「大栄のテキスト・問題集」は、147回対策で使ったものをそのまま流用しました。見やすいテキストでしたが、市販のテキストでも十分だと思います。

 問題集は10回分のうち8回分を2~3回ずつ解きました。いろんな問題が網羅的に載っています。内容は市販されている問題集とだいたい同じだと思います。


 3.の「第148回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級」は、連結精算表目当て&優先的に対策するテーマを探るために購入しました。4回分の問題が収録されてましたが3回分(基本的には各1回ずつ、気になる問題は2回ずつ)を解きました。

 解かなかった1回分は、「解かなかった」というよりは「解く時間がなかった」というほうが正しいです。収録されている問題はかなり難しいので、合格点が取れなくても落ち込む必要はないと思います。

 なお、試験本番では類似の問題がたくさん出ていました。例えば、148回の仕訳の5問目は為替取引でしたが、ほとんど同じような問題がこの教材にも載っていました。

 また、有価証券や連結精算表も載っていましたし、商業簿記のほうはかなり的中したのではないでしょうか。個人的にはこの教材がなければ合格できなかったと思います。


 また、4.の「楽しくわかる! 原価計算入門」は、工業簿記の概要を把握するために図書館で借りて学習しました。


 5.の電卓「CASIO JW-122CL」は、なんとなく選びましたが使いやすかったです。

簿記2級の全体像とわたしの勉強方法

 私は工業簿記→商業簿記という順番で勉強しました。

 勉強する順番についてはいろんな意見があると思いますが、完成度が多少低くてもいいのでとにかく早い段階で簿記2級の試験範囲すべてをひととおり勉強しておくと後が楽になると思います。

 ひととおり勉強したら、論点ごとにもう一度テキストを読み直したりして細かい知識を入れていけば良いと思います。苦手な部分についてはもう一度じっくり攻めるなりして、対処していけばいいでしょう。

 私が147回を受験した時は予備校に通っていましたが、2級は内容をなかなか理解できなかったにもかかわらず、理解にこだわリすぎてしまった結果、問題演習が足りない状態で試験に臨んでしまいました。

 148回の受験にあたっては、まず試験範囲すべてをひととおり勉強したうえで、理解が不足していた部分を優先的に勉強しました。

 その後は問題集の問題を解き、分からなかったところ・間違えたところをノートにメモし、解き方を覚え理解する……というサイクルで勉強しました。

まとめノート1
まとめノート1

まとめノート2
まとめノート2

工業簿記の勉強方法について

 私が147回で落ちた原因は、苦手意識が最後まで抜けなかった工業簿記にあると思っています。いつまでたっても内容が理解できず、問題文を見ても何をすればいいのか分からない状態でした。

 148回では同じ間違いを繰り返したくなかったので、まずは原価計算の基本的な考え方をマスターしてから問題演習に入ったほうが良いと考え、図書館で「楽しくわかる! 原価計算入門」を借りました。

 1月の中旬ぐらいに何回か通しで読んで、基本的な考え方をマスター…とまではいきませんが、勉強したうえで問題を解き始めました。なぜこうなるのか、と考えながら解くことにより、少しずつ力をつけることができたと思います。

商業簿記の勉強方法について

 147回では工業簿記の勉強が思うように進まず、結果的に商業簿記の点数も低くなってしまいました。ただ、147回の難易度の高い仕訳問題も内容的には理解できていたため、なんとなく商業簿記は上手く行きそうな感じがしていました。

 とりあえず、普段の学習から仕訳の考え方や前後の仕訳との関係、簿記上の取引にあたる事実の抽出、勘定科目の表示区分とグループ、その他の細かい知識(テキストに出てくる用語の定義、付随費用の範囲、償却方法、時価替え等)を意識し、内容を把握するように努めました。

 連結以外はスムーズに勉強を進めることができたので、ひたすら過去問を解いて、間違えたところや気になったところをノートにメモしていきました。

 連結は最後の最後まであんまりよく分かっていなかったのですが、テキストに載っているレベルの連結修正仕訳をひとつひとつやっていきました。連結精算表や連結財務諸表もとりあえずはやってみて、分かる範囲で内容を理解するように努めました。

 最近の連結の出題状況を考えると全くのノータッチだとかなり危ないと思うので、連結精算表や連結財務諸表まできちんと対策することをことをおすすめします。

試験日1日の流れ

8:30

 起きる。とりあえず少しダラダラ。連結精算表とかが来ませんようにと祈るなどする(結局出たけど)。

9:00

 テレビと朝ごはん。前日が鍋だったので消化しやすい雑炊を作って食べる。ニュースを眺めながらこたつにてのんびり味わう。

9:30

 とりあえずテキストを見直す。

12:00

 残っていた雑炊を食べ、受験票を確認して忘れ物は無いか確認したうえで試験会場へ向かう。

12:30

 試験会場となる地元の大学に到着。車で向かったため駐車場を使えるか心配だったが無事に駐められた。試験まではまだまだ時間が空いていたので、車の中でまとめノートを眺めたりスマホを見たりしてリラックスする。

13:00

 教室に入る。室温は暑くもなく寒くもなくといったところ。

13:30

 解答用紙が配られる。名前を書く時間に連結精算表が出ていることが判明しガッカリする。有価証券や総合原価計算も嫌いなほうだったので嫌だなぁと思いながら待つ。

13:40 試験開始!

 試験開始。開始5分くらいを使って全ての問題を確認。

 2問目が嫌いな有価証券、3問目が連結精算表だったので商業簿記の簡単な問題と、やりやすそうな工業簿記を丁寧に解く作戦でやっていくことに。「1→4→5→2→3」の順番で解いた。

 とりあえず1、4、5を丁寧に解き、2問目もそこそこにこなす。3問目は連結2期目の処理が問われているにもかかわらず、1期目のS社の当期純利益が分からなかったため、開始仕訳が一部組めない。のれんや債権債務消去、土地の売却益の消去を中心に埋める。

試験結果

  • 第1問:20点
  • 第2問:12点
  • 第3問:10点
  • 第4問:20点
  • 第5問:20点
    • 合計:82点

最後に

 2回目の今回は1回目の反省を活かして勉強しました。

 2級の勉強は「質」と「量」の両方が求められますが、試験日までにどちらもバランスよく整えられれば合格できる可能性は高いと思います。ご拝読頂きありがとうございました。

管理人からじゃがりこ好きさんへ追加の質問

 資格予備校(大栄)を選んだ理由を教えてください。また、他の方におすすめできますか?
 大栄を選んだ理由は職場の近くで便利だったからです。オススメできるかどうかは人による…というのが正直な印象です。

【向いている人】

動画で講義を受ける事に抵抗がない人
→ほぼ動画で講義を見て学習していくスタイルなので。

大量のカリキュラムを処理できる人
→節目節目の確認テストの量が結構多いです。きちんとこなせば合格可能性は高いと思いますが、私のように途中で挫折してしまう可能性もあります。

【向いていない人】

誰かに教えてもらいたいと思っている人
→上述の通りほとんど動画を見て学ぶ事になるので。ただし分からない点を質問したい時は常駐している先生(チューター)がいます。私も何度か質問しましたが、分かりやすく教えてもらいました。

理解に重きを置いて勉強したい人
→テキストや問題集の内容、講義の進め方が「きちんとした理解」に重きを置いていないように感じました。例えば、148回の1問目(3)は資本利益区別の原則についての理解が多少要る問題だったと思うのですが、株主資本の係数変動についてまとめたテキストの該当ページを見ても、細かい点についてやや説明が不足していたように思いました。

 大栄の講座を受けて感じた事はこんなところでしょうか。あと、受講費用がやや高いと思います。(3級+2級のコースで14万ほど)

 勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 147回の受験時は仕事がボロボロでモチベーションの維持どころではなかったのですが、148回の受験時は仕事が落ち着いていたので、苦労せずにモチベーションを維持することができました。

 「美味しいものを食べる」「たまに休む」「とりあえず試験で70点とれればOKなので、模試の点数が悪くてもへこたれない」と考えるようにしていました。

管理人コメント

 じゃがりこ好きさん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 「簿記2級の全体像とわたしの勉強方法」のところに書いていただきましたが、早い段階で試験範囲を1周するのはとても大事なことだと思います。

 試験範囲を1周すると簿記2級の全体像を把握することができる…言い換えますと、簿記2級の全体マップを手に入れることができます。

 マップがなければ今自分がどこにいるのか、また、合格までの距離も分かりませんが、マップを手に入れることによって、現在の自分の状況やゴールまでの距離を俯瞰で随時確認することができます。

 具体的には、例えば…1周目で連結会計や課税所得の計算が難しいと感じたら、他の論点よりも時間をかけて問題演習をしたり、まとめノートを作って対応することができますよね。

 逆に、試験範囲を1周するタイミングが遅くなってしまうと、個別に対応する時間が取れず、苦手意識を持ったまま試験日を迎える…という厳しい状況になってしまいます。

 1周目は理解に固執せずにスピード重視で。分からないところがあっても立ち止まらずに、まずは全体像を把握することを優先しましょう。これから勉強される方はぜひ見習ってください。

じゃがりこ好きさんが使われた教材や電卓のまとめ