受験は訓練。どれだけ抜けなく仕上げていくかの勝負になります!

  • 投稿者:福さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約6か月

はじめに

 税理士法人で、クライアントの決算・日々の記帳・コンサル等を行っています。大学院までは、理系で薬の研究、仕事は製薬企業で研究⇒企画⇒品質保証⇒戦略と色々な畑で学んできました。

 働きながらMBAをとって、卒業とともに税務関係の職場でお世話になることになったので、簿記3級・簿記2級を取得することにしました。

使用したテキスト・電卓

  • みんなが欲しかった簿記の教科書 日商2級 商業簿記
  • みんなが欲しかった簿記の教科書 日商2級 工業簿記
  • 合格トレーニング 日商簿記2級 商業簿記
  • 合格トレーニング 日商簿記2級 工業簿記
  • 2018年度版 日商簿記2級 網羅型完全予想問題集
  • 第150回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級

 簿記に関してはど素人だったので「簿記の教科書」を読みながら、簿記ってこういうことをやるんだというところから学びました。

 問題集は「簿記の教科書」に対応している「簿記の問題集」ではなく、TACの別シリーズの「合格トレーニング」を選びました。

 第150回を受けた時(※3級・2級のダブル受験)に、本番では問題集の難易度を超えた問題が出ることを痛感したため、どんな問題が出ても確実に7割を取るために「合格トレーニング」にしました。

 今回の151回をクリアー出来たのは、「網羅型完全予想問題集」「第150回をあてるTAC直前予想」の2冊を繰り返し解くことで、第1~5問がどれぐらい出来れば合格できるか、という細かいそろばんが弾ける様になったことが大きかったと思います。

 なお、予想問題については毎回2時間を確保するのは大変なので、20分ほどの空き時間があるごとに大問を1問ずつ解きました。

  • 電卓 CASIO JS-20WK

 事務所の会計士さんが使っていた電卓です。デザインが良く、キーを叩いた時に一番しっくりきて、長く使えそうだったので選びました。ずっと使っていますが、使うほどに良さが分かってきます。

簿記検定ナビの活用方法

 結局のところ、受験は訓練であり、試験問題にあたるところを含めて、どれだけ抜けなく仕上げていくかの勝負になります。

 直近で出たところは出ないとか、トレンドはどうであるかという統計的なところを簿記検定ナビで確認し、出る可能性が高いところはどんな問題が出ても20点近くまでいけるように準備したら、鬼に金棒だと思います。

試験日1日の流れ

起床から家を出るまで

 今回は「連結」と「株主資本等変動計算書」が出そうな気がしたので、当日の朝、最後に見直すつもりで9時に起床。

試験までの時間の過ごし方

 普段、ロッテリアで勉強していたので、いつものロッテリアで最後の見直し。試験中にトイレに行くリスク回避するため、カフェインの摂取を控える。

 ロッテリアでは「連結」と「株主資本等変動計算書」だけを見直すつもりでしたが、思いのほか早く終わってしまい、試験場に早く行こうか悩む。

試験会場へ向かう

 試験会場は駅から30分、バスがあまり来ないという極悪環境だったので、奥さんに車で連れて行って貰いました。いい気分転換になったので、結果的に良い判断でした。

試験開始

 答案用紙に名前と受験番号を書いているときに、「第2問の株主資本等変動計算書は簡単な問題だな」「第3問の連結はややこしそうだから、最悪4~10点取れればいいかな」「第4問・第5問は簡単そうな問題だから各14~20点取りたいな」「簿記ナビさんの予想的中率、恐るべし」と思って笑ってしまいました!

 いざ、問題を開いてみて、以下の分類に約5~10分。

  1. 仕訳:ちょっと難しい
  2. SS:20点取れる問題
  3. 連結:部分点で2~10点くらい
  4. 部門別:20点狙える問題
  5. 等級別:20点取れる問題

 問題を一通り確認して、「③の連結はヘビーな問題だけど、②④⑤で20点×3をあげるから、残りで部分点を取って合格圏内に入るんだよ。取りこぼした人は落とすよ。」という、今回の試験作成者のコンセプトを理解する。

 これまでの練習で「①⇒④⇒⑤⇒②⇒③」と決めていたので、その通りに解く。

  • ①は8点は確実で、追徴法人税を含め、残り12点は絶対とは言えない状況であったが、どこが微妙なのかメモ書きしたうえで次の問題へ:所要時間10分
  • ④は解いたことがある内容だったので、比較的さらっと終了:所要時間約12分
  • ⑤は類似問題を解いたことがあったので、直ぐ終了:所要時間10分弱
  • ②は超類似問題を直前に解いていたので、3回ぐらい見直して終了:所要時間10分

 ①②④⑤を解いた段階で、②④⑤で56~60点、①の仕訳で12点取れていそうなので、③の連結は部分点を少し取れば合格できると確信する。また、残り1時間10分あったので、③を解き始める前に、③以外の問題を完璧に見直しする作戦に出る。

 20分かけて見直ししたところ、④で計算ミスをしていることに気づき修正する。①の法人税の追徴課税に関して、貸方は未払法人税等なのはすぐに分かったが、借方を法人税等で行くか追徴法人税等にするか最後まで迷い、一度も見たことがない追徴法人税を捨てる。

 万全の状態で③に進む。問題文を読むと、連結内の相殺だけで部分点が取れそうなので、確実に解答できそうなところから順番に処理する。

 ただ、10点以上は望めそうになく、不確実なところに時間を割いても今回の試験では無駄なため(高得点を狙う試験ではないため)、③の確実な解答箇所のみを見直して、再び③以外の解答のミスがないかに時間を費やす。

 ③を終えた段階でざっと計算したところ、ケアレスミスがあると68点になる恐れがあったため、確実に文字をなぞりながら解釈のミスや漢字のミスがないかを確認。

 何度も見直し、72点以上は取れているであろうことを確信。一息ついて軽い気持ちで全体を見直しところでタイムアップ。

試験結果

  • 合計:78点
    1. 第1問:12点
    2. 第2問:20点
    3. 第3問:6点
    4. 第4問:20点
    5. 第5問:20点

 自己採点との差異はなく、結果的には余裕のある点数で合格することが出来ました。

管理人から福さんへ追加の質問

 家ではなくロッテリアで勉強されていたとのことですが、外で勉強するメリット・デメリットを教えてください。
メリット
・他の人に見られているという緊張感
・身近な誘惑が無くなり勉強と向き合わざるを得ないという隔絶性
・珈琲や食事などにかかったコスト分は勉強しようという義務感
・外に出ることでいつも通りいくというルーティンの醸成

デメリット
・コストがかかる(自分にあったところを見つけるところ見つけるところも含めて)
・迷惑な人が来た場合は、家よりもはかどらない(店の客のトレンドが分かれば、問題なし)

 福さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 特に苦手な論点はなかったのですが、問題を解く周期が空いてしまって、同じミスをしてしまうことが多々ありました。苦手分野を克服するために、徹底的に問題を解きました。
 福さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えてください。
 自分の成長を見える化すること。最終的に合格トレーニングを4周しましたが、各大問ごとの点数を表紙に記載していくと、2周目以降、前回の点数と比較でき、確実にに成長していることを実感できます。

 あとは、周りに優秀な会計士・税理士の人が沢山いて、皆さん「簿記2級⇒簿記1級⇒士業」という流れでステップアップされていたので、ここでつまづいていられないという危機感がありました。

 また、簿記2級を受けると周りに公言して、やらざるを得ない状況、受かるために本気になるしかない状況に自分を追い込みました。

管理人コメント

 福さん、簿記2級試験の合格おめでとうございます。また、合格体験記をご投稿いただきありがとうございました。

 「試験日の1日の流れ」のところで、「(第3問の)問題文を読むと、連結内の相殺だけで部分点が取れそうなので、確実に解答できそうなところから順番に処理する。」と書いていただきましたが、ここは非常に重要なポイントだと思います。

 第151回の連結の問題は満点が取れる問題ではありませんし、そもそも満点を取る必要もありません。問題資料2の債権債務の相殺、問題資料5の土地売却益の相殺、あとは「当期ののれん償却」と「当期末ののれん」の金額を計算するだけで8点は確保できます。

 難しい問題に遭遇した場合は、福さんのおっしゃるように確実に解答できそうなところを探して優先的に処理し、捨てるべきところ(=時間かけて計算しても間違う可能性の高いところ)は最初から思い切って捨てましょう。

 あとは、追加の質問の「モチベーションの維持方法」のところで、自分の成長を見える化することをご紹介いただきましたが、こちらもぜひ参考にしてください。

 通常、問題演習の回数を重ねるごとに点数は上がり、解答時間は短くなっていきます。客観的なデータを通して自身の成長を確認できるため、可能なかぎり記録を残しておきましょう。

福さんが使われた教材や電卓のまとめ