電卓に悪戦苦闘しながらも、わずか1か月の勉強期間で短期合格!

  • 投稿者:ブル太さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月

日商簿記検定3級のリベンジ

 約3年前簿記3級を69点で不合格となり、もう簿記なんて受けない!と心に誓っていたのですが、3年前に2級のテキストを購入しており一念発起して勉強を始めました。テキストは下記のテキストにて勉強しました。

  • テキスト 2冊(大原簿記専門学校)
  • 問題集 2冊(大原簿記専門学校)
  • TAC過去問 1冊
  • 124回直前模試 1冊

 まずテキストですが、商業簿記:約250頁、工業簿記:約200頁のため、平日は50頁、土日は100頁を目標に、要点のまとめをA6大のメモ帳に記入しました。特に、2級から出題される仕訳については、ここで徹底的に覚えました。商業簿記の伝票や本支店会計など第2問・第3問で出題される部分と、工業簿記はざっくりこんなものだという要点を殴り書きする程度にし、後は問題集と過去問で補完しようと考えていました(約1週間で完了)

問題集の不良消化に直面

  ところが、問題集の問題の量が半端なく多かったため、商業簿記の問題集については全て解くことを諦め(半分くらいまでは2級から覚える仕訳が主流のため解きました)、工業簿記を集中的に解きました。特にここで、注視したことは、覚えるのではなく判ることでした。

 解法についてはある程度、テキストを読んだ時点で判っていたのですが、その解法を使うのではなく、出題された問題1つ1つに自分なりの解き方を考え、解いた後に間違えた部分の解法を読み、問題集の解き方が理解できれば再チャレンジし、理解できなければ取りあえずこの段階ではその問題にマークを付け放っておきました(約10日間実施)

 そして、過去問を解く前に簿記検定ナビ仕訳問題対策を2日間で解き、間違えた部分の振り返りをしながら簿記試験の仕訳に慣れました。

過去問対策と苦手分野への対処

 次に、過去問12回分を約5日間でひと通り全て解きました。その結果、過去問の合格率は50%(6勝6敗)でした。ここで工夫した点は、B5用紙(本番よりちょっと小さい)をワーク用紙として使い、本番に近い形での模試を行いました。

 残り1週間は苦手分野の絞り込みを行い、苦手克服を実施しました。過去問12回解いた後に苦手分野の傾向分析を行ったところ、問題集を解いていた際に「放っておいた」部分がやはり苦手であることを再認識しました。苦手分野は、「直接原価計算」「標準原価計算」(特に差異分析)「財務諸表」(特に表でない奴)「特殊商品」でした。

 差異分析については自分なりの理解が出来なかったため、止む無く図を書いて差異を求める問題集の方法を取り入れました。財務諸表は、問題をこなすごとに判らない部分が無くなって行きましたので、該当する過去問を再度解き直し、自分の理解度を図りました。

 最終日に直前模試を解き、自信をつけようと思ったのですが、3回解いて全て不合格点。盲点(評価損を原価に算入するとか、合計試算表とか、雑損とか)や、苦手な部分(差異分析)が多数出題され、ここで新たに覚えることも多々ありました。

試験の直前に気付いたこと

 しかし、過去問・直前模試を解いて思ったことは、「ケアレスミス」を無くせば必ず合格できる点になるということが判りましたので、時間一杯使ってケアレスミスを無くそうと心に誓い受験勉強を終えました。

 一番のポイントは、時間が無かったためある程度の「見切り」を付けたことで、弱点克服のための時間が取れたと考えています。決して良い勉強方法では無いと思うのですが、全てを1カ月で網羅するためにはその時点での見切りも必要だと思います。因みに、勉強時間は平日3時間・土日8時間程度(飲み会2日は勉強せずに飲み倒しました。)でした。ケアレスミスは多々ありましたが何とか合格することが出来ました。

試験日当日の1日の流れ

 朝9時起床。頭をフル回転させるために、朝マックにて普段採らない朝食をとる。朝11時に出発して、12時に目的地に到着。午後1時から試験開始!と思いきや、午後2時スタートであることを知り愕然とする(後2時間どないすんねん。)

 明治大学近くの喫茶店には、電卓片手に最終追いこみをしている人が多数。自分は最終追いこみは苦手なため(試験中に力尽きる)、苦手分野(差異分析、CVP)が出た時のためのイメージトレーニングを実施する。

 午後1時過ぎに入室。もしものためにトイレに入り全てを絞り出す。午後2時試験開始。問題は、事前に1-2-4-5-3の順に解こうと心に誓いいざスタート。

 1問目…「当座預金」を探してもいないので「現金預金」を選択。前日ケアレスミスをしないようにと心に誓ったかいあり。「受託販売」費用の責任の所在がわかれている問題が判らず、取りあえず残った2000円を「売掛金」に加えておき次に進み、後で見直そうと決意。税込の消費税の仕訳。これは「租税公課」やね!4点GET!と思っていたが、相手方を多分「仮払消費税」にしていたと思われる。ここで25分経過で多少時間オーバー。

 2問目…どうしても貸借が合わず。45分を経過した段階で第4問目へ。

 4問目…新しい問題だぁと思ったが、基本に立ち返り、賃金・給料は、前月残、当月消費、次月繰越に分け、賞与は12で割ってみた。それぞれに、直接賃金・間接賃金に割り振ったところ、それぞれの勘定において差額があっていてつじつまが合う。よし、これで行こうと考え記入。ここで55分経過。

 5問目…イメトレをしていたCVPが出題。基本通りに固定費・変動費に分け方程式を作り、金額をそれぞれ記入。第3問目へ。ここで1時間5分経過。

 3問目…大好きな精算表。ここで直前模試に出た考え方が出ている。TACさん、有難う。電卓も冴えわたり貸借も一致。1時間40分で残り20分。

 2問目に戻り、再度全ての勘定を作り直し。支払手形・現金と間違いだらけ。しかし、結局貸借が合わずしまいで試験終了。試験後に答え合わせを行い、1問目の「売掛金」に仮に2000円足して置いたままであったため、4点マイナス。「受託販売」にしなければならないとの認識が飛んでいたため仕方なし。「消費税」はどうも仮払消費税と書いた気がするためマイナス4点

 2問目は、貸借が合わない部分は「受取手形」と判明。なぜか売掛金が勘定から漏れていた。マイナス4点(合計含める) 5問目は損益分岐点になぜか固定費を入れ忘れたような気がするためマイナス4点。予想点は、84点と推測。合格発表があり、予想通り84点で無事合格。

管理人からブル太さんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、その電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 無名メーカーのソーラー、電池共用の電卓です。嫁さんに電卓買ってきてと頼んだ際、買ってきてもらった300円位のものです全くお勧めできません。感度が悪く、親指の腹で抑えなければ反応してくれません。しかも、Cだけは敏感で、Cを押すとCがめり込み返ってきません。その為、必殺技を身につけ本番に臨みました。

 その必殺技は、両手の親指のみ使って電卓を入力する技です。周りを見渡しても、両手で電卓を抱えて打ち込んでいる人間は私だけでした…ちゃんと良い電卓を買うことをお勧めします。

 今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?良かったところや悪かったところなどがあれば教えてください。
 大原のテキストはすごくわかり易くお勧めします。ただ、3年前買ったテキストでしたので、微妙に勘定科目が変わっていたりしましたので、最新のものを買って1発合格を狙うのが良いと思います。

 問題集は量が多いため、1ヶ月では多分こなせません。問題集に見切りをつけ、過去問を重点的に解き出題傾向の分析を行えたのが良かったと思います。

 あと、絶対にお勧めはTACの直前模試。今回の第3問は、問題を知っていたかのようにぴしゃり的中。この問題を解いていなければ絶対落ちていました。時間が無い人は「テキスト2冊⇒過去問⇒直前問題集」をこなせば、何とか合格ラインまで行くのではないでしょうか。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 前回3級に落ちた時は問題集のこなしが足りなかったと思います。過去問をこなすこと、直前模試をお金をケチらずに買って実施することに尽きると思います。テキストを読み終わったら、取りあえず片っ端から問題をこなして2時間に慣れる事が大事だと思います。

 過去問をこなしていると、絶対にケアレスミスが発生すると思います。ケアレスミスは必ず発生するものとして、どうすれば防げるか自分自身で対策を立てると、ケアレスミスが少なくなると思います。

管理人コメント

 ブル太さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 ブル太さんの合格体験記で、一番参考にしていただきたい点は、きちんとした電卓を買うことの重要性です(笑)押したボタンがすぐに返ってこなかったり、両手の親指を使わなければ上手く入力できない電卓を使うのはメリットが何もありません。簿記検定ナビで管理人のおすすめ電卓を紹介していますので、興味のある方は「電卓の選び方・使い方講座」のページをご覧ください。

 あと、教材はなるべく新しいものを使って勉強するようにしてください。例えば、廃止されたことに気付かずに「後入先出法」の処理を勉強してしまったり、逆に新しく範囲になった部分の知識が漏れてしまう可能性がありますので、教材と電卓にはきちんとお金をかけて勉強することをおすすめします。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたブル太さんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

ブル太さんが使われた教材や電卓のまとめ