過去問対策は大事!インプットよりもアウトプットを重視しよう!

  • 投稿者:ちくわさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月半

はじめに

 自分は現在大学二年生で、簿記とは全く関係のない文系の学部に所属してます。元々大学で経済を学びたかったなどお金に関することに興味があり、また就職で使えるとのことだったので簿記をとることにしました。費用をかけたくなかったので最初から独学で勉強を進めました。

メインテキストについて(ダイエックス出版の最短合格シリーズ)

  • 日商簿記2級最短合格テキスト 商業簿記―10日30時間で受かる!
  • 日商簿記2級最短合格テキスト 工業簿記―10日30時間で受かる!
  • 日商簿記2級最短合格問題集 商業簿記―10日30時間で受かる!
  • 日商簿記2級最短合格問題集 工業簿記―10日30時間で受かる!

 テキストと問題集は同じシリーズのものを使った方が良いと思ったので、最短合格シリーズで揃えました。テキストは、イラストを使ってイメージしやすいように工夫してあり、単元の最後に簡単な確認問題があります。

 問題集は、前半が実際の試験より簡単な問題、後半が試験レベルの問題となってます。2級に必要な知識がコンパクトにまとまっているので、自分みたいに時間のない人には使いやすいです。

 ただ、時間に余裕があって、確実に合格したい人は別のシリーズを使った方が良いです。あまりいないとは思いますが、10日30時間で受かるというのは真に受けない方がいいです。

 これは商業と工業それぞれのテキストと問題集が5日分にわけられていて、10日でテキストと問題集が一周できるというだけです。簿記2級は一周すればうかる程簡単な資格ではありません。

補助教材について

  • 日商簿記3・2級 受かる勉強法落ちる勉強法
  • これだけ仕訳マスター 日商簿記2級

 独学での勉強法・計画のたて方・お勧めのテキストと問題集・直前に役立つテクニックなどが載っており、独学で勉強する人にお勧めです。独学する人の弱点である情報不足を補うことができます。

 仕訳マスターは、かなり簡単な仕訳問題が載ってるポケットサイズの本です。大きさが小さく暗算で解けるレベルの問題集なので、電車の中やちょっとした空き時間に使えます。まとまって勉強時間をとれない人の強い味方になってくれます。

過去問・予想問題について

  • 出題パターンでマスター過去問題集 日商簿記2級〈129・130回検定対策〉
  • 第129回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級

 検定の回に関係なく分野毎に過去問が並べられてるので、効率よく全ての範囲を網羅できます。問題に難易度と目安の解答時間がついているので、解く時の目安になります。弱点は実際の試験のように一回分を通して解くことが出来ないことです。

 TACの直前予想は他の予想問題と比べてないのでわかりませんが、ごく普通の予想問題集だと思います。予想問題に関してはどれも大差ないと思ったので適当にこれを選びました。これで使用した過去問の弱点を補いました。

教材についてのまとめ

 合格に最低限必要なものは大きく分けて、テキスト・問題集・過去問・予想問題集の四つです。テキストと問題集はないと勉強が始まらないので言うまでもないですが、過去問と予想問題もかなり重要です。

 たまに過去に出された問題は出されないから過去問は大切じゃないと考える人がいますが、そうではないです。確かに数字や問題文などが全く同じ問題は出ませんが、同じ考え方をする問題は出されます。

 更に言えば、出題されやすい問題の傾向を知ることで効率良く勉強することが出来ます。もちろん、それ以外にも問題を解くことでインプットした知識を自分で使えるものに変えたり、試験レベルの問題に慣れるという役割もあります。

 簿記は出題される問題にある程度パターンがあるので、予想問題は意外と当たります。ただし、過度な期待は禁物です。また、頻出の問題がまんべんなくちりばめられてるので、最後の総復習に役立ちます。

勉強期間

 10月の上旬から始めたので大体1カ月半です。大学生とは言っても丁度バイトが忙しかったり、予定がかなり詰まってたりしたので、特別勉強時間が多かったわけではないです。恐らくトータルの勉強時間は働きながら勉強してる方とあまり変わらないと思います。

計画と戦略

 勉強出来る時間が限られていたので、難しい問題は部分点を稼ぎ、基本的な問題を確実に得点できるように勉強しました。一つ一つの分野の質をある程度犠牲にしながらも、全ての範囲を最低限のレベルまでは引き上げるといった感じです。このことを頭に入れて読んでもらえると良いと思います。

 勉強を進めていく上でインプットよりもアウトプットを重視しました。簿記の勉強は頭で覚えるというよりも、体で覚えると言った方が正しいと思います。もちろん最低限の決まりや単語の意味は暗記しなければなりませんが、それよりも実際に電卓を操作して書きこんでいくことの方が重要です。

 時間がなかったので闇雲に多くの問題を解いて数をこなすよりも、標準的な問題を繰り返し解いて確実に解けるようにしました。イメージとしては量より質といった感じです。そして復習をしっかりするようにしました。

 人間は忘れる生き物なので、一度勉強しただけではなかなか記憶に定着しません。このような資格の勉強をしたことがある人なら、テキストを最後まで終わらせて最初の方を見たらほとんど覚えてなかった…ということは誰にでも経験があるとは思います。

 それが勉強をする時一番忘れてはいけない点です。2級のように覚えることがそれなりにあるものでは、一度テキストを読んだだけで全てを習得できる人はなかなかいないと思います。だからこそ早い復習が大切になります。

 一度完全に頭から抜けてしまってからもう一度覚えなおすのでは、初めて覚えた時と同じくらい大変です。しかし、頭の中に知識はあるがそれを上手く取り出せないだけの状態なら、復習するのは思い出すだけなのでそこまで大変ではありません。頭にある程度残ってる間に復習をする、それを意識して勉強しました。

具体的な勉強の進行状況

 10月上旬から中旬にかけては商業、中旬から下旬は工業を勉強しました。どちらもテキストを読んで、それに該当する部分の問題集を解くという形でしました。ただ、工業の勉強を始めてからは商業を忘れないために商業のテキストを空き時間に読んでました。机に向かう時は工業、電車の中や大学の休み時間とかに商業って感じです。

 11月に入ってからは過去問を解き始めました。本当は問題集をもう一度解いてから入りたかったんですが、それでは間に合わないと考え過去問にとりかかりました。過去問を解いていてわからない問題はテキストに戻って確認しました。

 そして過去問を解きながら繰り返し間違えたり苦手なことは小さいノートにまとめ、空いた時間に繰り返し確認するようにしました。間違えたこと以外にも本支店会計の考え方や原価差異分析の図などの重要なことは書きました。

 同時に過去問を始めてからも商業工業両方のテキストを空いた時間に読んでました。最初は読むのにとても時間がかかりましたが、理解していくうちにどんどん早く読めるようになりました。過去問に取り組んでいて苦手だと思った分野は問題集の簡単な問題で練習しました。結局、過去問は全部解きませんでした。

 応用問題は最初から部分点が取れれば良いくらいにしか考えてなかったので、まずは全ての分野の難易度が優しいか普通の問題だけ解いてそれらが完璧になるよう間違えた問題は何回か繰り返しました。その上で今回の試験で出題されると予想されていた分野だけ応用問題までやりました。

 試験の二週間前辺りから予想問題を始めました。これは総復習と2時間で問題を解く訓練だと思っていたので、正解できたりケアレスミスで間違えてしまった問題に関しては特に何回も解いたりはしませんでした。ここで出来なかった問題は過去問で似た問題を探して解きました。こうしたことで効率よく弱点を克服できたと思います。

まとめノート1
まとめノート1
まとめノート2
まとめノート2

試験でのポイント

 まず、問題にかける時間や解く順番をあらかじめ決めておいた方が良いです。これをしないと全部解き終わる前に試験が終わってしまったなんてことになりかねません。自分は一問にかける時間は20分、解答の順番は1、2、4、5、3と決めました。第3問は時間がかかる問題が多いためです。

 次に、問題文で大切なことには下線を引いたり囲んだりしましょう。直接法で計算したければならない問題を間接法で計算したりするミスを防ぐためです。こんなミスで失点した結果不合格になってしまったら泣くに泣けません。

 あとは、当然と言えば当然なのですが、なるべく冷静でいられるようにする。例えば、全く見たこともない問題が出た場合、焦ってしまうことが多いですが、焦ってしまってはいけません。焦りそうになった場合に備えて、見たこともない問題を見た時はいきなり解答し始めないで、一旦目を閉じて冷静になってから始めるなど、何かしらの決まりを決めておくと良いです。

今回を振り返って

 勉強は時間よりも質だと改めて感じました。どんなに勉強時間が多くても落ちる人は落ちますし、少なくても合格する人は合格します。この両者の違いは勉強の質の違いによるものだと思います。何も考えずただがむしゃらに勉強しただけでは合格まで遠回りするだけではなく、最悪の場合不合格になります。

 目標を定め、試験の分析を行い、合格するための戦略を練り、その上で計画を立てて、それを実行に移す。この一連の作業を最初にしっかりするかしないかで結果は大きく違ってくると思います。

 そして当然ですが、少しでも多く勉強時間を捻出することも大切です。電車の中、人を待ってる時間、ぼーっとしてる休憩時間など勉強に充てられる時間は探せば結構あります。これらの隙間時間を有効活用できると合格にぐっと近づきます。拙い文章ですがこれを読んで何かしら参考になることがあれば幸いです。

試験日の1日の流れ

  • 9時頃 起床

 前日寝たのが遅かったので遅く起きました。朝食をとって最後の確認と準備をして出発。

  • 12時半頃 会場到着

 最後はテキストで付箋の付いたページと間違いノートで勉強しました。会場に色々持っていく人がいますが沢山のことはできないので、重要なことや苦手なことを確認するために前もって準備した方が良いです。

  • 13時半ちょっと前 説明やら色々配布してる時間

 配布している間に解答用紙を確認。第3問が本支店会計だと予想していて力を入れていたので、それがはずれてちょっとへこむ。しかし、第4問が簡単な部門別なので内心ガッツポーズすると同時に、どこかに難問が来ると予想。

  • 13時半 試験開始

 まずは全部の問題に目を通して大まかに把握。第3問は時間がかかりそうだったので、1、2、4、5、3の順で回答することに決定。一問にかける時間を20分以内としていたので、新しい問題に取り掛かるたび切り上げる時間を書く。

 第1問の1、2が明らかに新しいパターンで一瞬焦る。でも、それはみんな同じだと考え落としても良いやくらいの気持ちで取り組む。他は特に問題なく第1問終了。第2問で最後の借方と貸方の合計が一致しなかったが気にせず次へ。

 第4問の原価差異の出し方がよくわからなかったので飛ばしたが、配賦表はちゃんと埋められたので問題なし。第5問は比較的得意な工程別の計算。平均法など問題文の重要な個所に印をつけて解答を始める。無事第3問以外を終えたので第3問へ。

 これが難問だったので部分点を稼ぐつもりで解答。空欄を無理やり埋めてとりあえず終わった段階で残り10分。ケアレスミスがないか確認したら3問くらい見つけました。やはり人間はプレッシャーのかかってる状態だとミスをしやすくなりますね。

  • 15時半 試験終了

  たぶん合格しただろうと思いました。夜、解答速報を見てわかる範囲で自己採点をし、よほどのミスがない限り落ちなそうだったので安心しました。

管理人からちくわさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 管理人様がお勧めしてたCANON HS-1210TUを使いました。3級をとった時は家にあったものを使いましたが、何かと使いにくかったのでちゃんとしたのを買おうと思いました。そんな時知ったのが検定ナビで紹介されてたこれです。

 これは機能や操作性など全てにおいて満足で、他の方にも胸をはっておすすめ出来ます。低価格なのも魅力の一つですね。本体が大きいので自分のように手が大きい方におすすめです。

 ちくわさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は製造間接費の配賦です。工業自体が商業に比べて簡単であり、これはその工業の中でも簡単な論点なせいもあると思いますが。

 苦手な論点は特殊仕訳帳でした。独学だったので質問する相手もおらず、ネットで調べてもいまいち理解できませんでした。苦手なとこは簡単な問題を繰り返し、間違えるたびにテキストに戻るというスタイルが一番良いと思います。

 ちくわさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 短期間だったのでモチベーションの維持に苦労することはありませんでした。でも、周りに2級を受けると言いふらして自分を追い込みました。

 浪人時代やっていたことになりますが、毎日勉強時間を正確に記録して残すということをやってました。そうすることで今までこれだけ勉強したんだから頑張ろうと思えました。

管理人コメント

 ちくわさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ちくわさんは、合格体験記の中で過去問対策の重要性を説かれていますが、これについては全面的に賛成です。

 ここ最近ですと、第126回試験の第2問(特殊商品売買のオンパレード問題)のように、新形式の問題が出題されることもありますが、基本的に過去問ベースの問題が出題される傾向は変わっていません

 事実、第129回試験の第2問(帳簿組織)も第125回・第127回と同じ形式でしたので、きちんと対策をしていれば余裕で20点が取れる問題でした。

 電卓については、簿記検定ナビでもおすすめしていた「CANON HS-1210TU」を使われたとのことですが、現在は「CANON HS-1220TUG」にモデルチェンジしていますので、興味の有る方は簿記電卓「CANON HS-1220TUG」の詳細レビューページをご覧ください。

ちくわさんが使われた教材や電卓のまとめ