オンとオフの切り替えが大事。メリハリを付けて勉強すべし!

  • 投稿者:ジュキさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

はじめに

 簿記を勉強しようと思ったきっかけは転職を考えていたからです。一般企業への転職を考えているのですが、学歴が動物系の専門学校卒、その後の4年間動物病院に勤めており、一般の会社の仕事内容とは程遠い業務内容で、何か転職に役立てる事を・・と考えた結果簿記の資格をとろうと思いつきました。

 しかしその時は日商や全商はおろか、簿記というものが何なのか全く知らず、「とりあえず友達から就職に有利と聞いたから」というほとんど思いつきで決めたという、動機は本当に適当な感じでした(苦笑)簿記を勉強するにあたってどの程度就職に有利なのかを調べた結果、就職では2級を持っていないと難しいというのを知り、2級目標に勉強することにしました。

テキストについて

 9月頃から勉強をし始め、11月の試験では3級を、2月に2級合格を目標に勉強を始めたのですが意外とすんなり勉強がはかどり、3級は1か月ほどでマスターできたのでその延長で2級も勉強しました。

 勉強ですが、あまりお金をかけたくなかったのと時間の都合から独学を選び、テキストについては友人がTACの3級テキスト・問題集を持っていたのでそれを借り、2級はネットスクールのサクっと受かるシリーズ(テキスト2冊・トレーニング2冊)を揃えました。また、試験前は過去問集とラストスパート模試で試験対策をしました。

 サクっとシリーズを選んだ理由ですが、色々なサイトでお勧めされてたというのと、本屋でいろいろ試し読みした結果、自分に一番合っていると思ったし、価格もお手頃だったからです。これは本当に分かりやすかったのでオススメです。

 また、3級に関してはインターネット上の「わかりやすい簿記」というサイトも使わせていただきました。名前の通り、わかりやすく簡潔に説明されておりこれだけでも十分理解できました。あと、古本屋で数年前の問題集が安く販売していたので購入したのですが仕訳が改定前のものも多数あり、逆にややしくなったので全く使わず勿体ない思いもしました。やはりテキスト類は最新版の方が良いです。

勉強スタイル

 私は何よりもプライベートを大切にしたい派なので、勉強で遊べなくなるのは本当に嫌で、自分の時間はほとんど犠牲にしないよう勉強してきました。勉強は仕事後の平日の夜メインで、休日のお昼はよく出かけていました。そのかわり、どこへ行くにもテキストを持参し、電車の中では勿論、美容室や友達を待っている間のたった5分でも空き時間があればテキストを読み、「今わたしは試験勉強中!」という気持ちはいつも忘れないようしていました。

 さすがに試験が近くなると外出は控えましたが実際その分勉強するというわけでなく、気持ちの問題だけだったと思います。しかしその分、勉強するときはテレビも付けず音楽もかけず、かなり集中してやりました。まず、内容を理解するのにテキストを読んで一通り読み終わったらまとめて問題を解いていったのですが、実際机に向って勉強したのは問題を解くときだけで、テキストを読むのは電車の中だったりランチ中だったり、と空いた時間を利用していました。

 ですので本気で勉強したのはテキストを読み終わって、ある程度知識がついたあとの問題を解くときで、平日の夜は約4時間、休みの日の夜は約6時間ほど×3週間ほどです。だいたい3級マスターが2週間、2級の商業簿記1か月、工業簿記1か月、過去問対策に2週間かかったと思います。やはり勉強は量より質だと実感しました。

具体的な勉強の流れ

  • 8月下旬~9月上旬

 3級の仕訳をマスター、決算処理に苦労するも何とか這いつくばる。

  • 9月上旬~1週間ほど

 3級の問題を解く!ここでようやく決算処理についても徐々に理解出来てきました。仕訳に関しては意外と間違いが少なかったので復習に時間をかけることなく2級の勉強に進む(仕訳等の間違いは少なかったですが、計算ミスや転記ミスは大量でした。 )

  • 9月中旬~下旬

 商業簿記のテキストを読み終わる。

  • 9月下旬~10月中旬

 平日の夜にかなり集中して商業簿記の問題を解く。電車の中等、まとまった時間がない時は工業簿記のテキストを読む。

  • 10月下旬

 商業簿記もだいたいは理解でき、工業簿記のテキストも読み終わる。

  • 10月下旬~11月上旬

 時間のなさに焦りながらも苦手な工業簿記をひたすら解く。

  • 11月中旬~下旬

 ひたすら過去問対策とラストスパート模試で試験対策。時間をはかって時間配分等の本格的な試験対策をする。間違った問題は当日のうちに復習!

  • 試験1週間前

 出来る問題はやらずに苦手な問題だけを完全克服!といった感じです。私の場合、テキストは軽く内容を理解して「ふむふむ」と読み流す程度でした。身につけるには問題を解くことが一番でした。やはり間違えた方が身に付きます!テキストで読んだ覚えがあるけど忘れてしまった!!という問題もたくさんありましたが、その時にもう一度テキストを読むと、「あぁ!これこれ!!」と感動も体感でき、余計に身に付きやすくなると思います。

まとめノート(間違いノート)について

 私はまとめノートは作ってなく、とにかくノートに問題を解いていって、間違えた問題は赤ペンで答えの記入と同時に何故間違えたのか?と、きちんと間違えた内容を示していきました。そうすると読み返した時に問題文を読まなくても「あぁ。これはこうしてしまったから間違えたのか。これはこうすべきなんだな」と分かるからです。

 これが間違いノートの役割も果たしてくれたので時間のなかった私には大助かりでした。決算処理の問題については、さすがに表をノートに書き写すわけにもいかなかったので仕訳を徹底しました。仕訳さえ合っていたら後は表を埋めていくだけなので…。

 問題を解くときは答えを書くだけなのではなく、その答えが導いた過程を書くことが重要だと思います。後で読み返した時にも、どこで間違ったのかが一目瞭然です。

簿記3級&簿記2級を勉強して思ったこと

 3級レベルの仕訳はそこまで苦労せず学べたのですが、2級の帳簿組織・工業簿記は本当にさっぱりで、勉強中かなりイライラして泣きたくなる夜もありました。正直自分の不甲斐なさに泣いた日もあります。2級工業簿記の問題は、1度目はほとんど答えを写すだけといった感じで全く訳が分かりませんでした。

 しかし、数を重ねるうちに、なぜ今まで出来なかったんだろうと思えるほど解けるようになっていき、問題にも慣れてきました。また、最初は計算ミスや数字の書き写し間違い等のケアレスミスが本当に多かったのですが、問題をこなすうちにそれも減っていったのでやはり問題を数多く解くことが大切なんだなと実感しました。

 商業簿記は仕訳がキーポイントだと思うのでひとまず仕訳を完璧することが重要だと思います。前払費用や繰越商品、貸倒引当金、株式については最初、テキストを読んだだけでは出来ませんでしたが、決算処理の問題を解いていくうちに身に付いたので、最初の時点で無理して理解しておく必要はないと思います。

 前払処理等は決算表をイメージすると何が借方貸方にくるかが分かると思います。今回の試験は第二問で前例のない特殊仕訳のオンパレードで解けなかった方が多数おられたようですが、私は逆に独学だったので解けたんだと思います。

 スクールではあまり出ないため省略されたところもあるようですが、私の場合は、まったくまっさらな知識からの勉強だったのでどの問題が出やすいとかが分らなかったので得意苦手はあるものの、どれも均等に勉強したのが今回のポイントだったのだと思います。そこは独学のメリットだと思います。

 簿記の勉強は解ければ楽しいけど分からなければ本当に苦痛でした。今となっては達成感も味わえ、本当にやってよかったと思えますが勉強中は本当に大変でした。落ち着いたら1級にも挑戦していきたいですが、あの大変さが再びのしかかることを考えると少し躊躇ってしまう自分も居ます。しかし、自分の為の勉強なので挑戦していきたいです♪

試験日当日の1日の流れ

 私は朝が本当に苦手で、勉強もずっと夜にやってきたので本当に心配でした。簿記検定ナビの日商簿記検定 前日・当日マニュアルにも書いてある通り、前日の夜は徹夜せずにいつもより早めに眠りにつきました。朝も特に早起きするわけでなく、いつも通りに出発の1時間前に起きて朝ごはんを軽く食べて試験場へ。

 3級と2級の同時受験だったのですが2級にかなり力を入れていたため、3級のテキストは持っていきませんでした。というより2級の事ばかりを考え過ぎていたので忘れていました(苦笑)教室に入ると皆がテキストを読んで最後の復習をしている中、3級のテキストを持ってきていない私は「なんて間抜けなんだ」と思ってちょっと笑えて来ました。

 ただ特に焦るわけでもなく、落ち着いていられたので会場の入り口の前でスクールの方が配られていたチラシを眺めつつ、ぼーっと開始時間を待っていました。そして試験監督の方がやってき、説明を聞いていたのですが試験監督の方も慣れているのか、落ち着いていらしたので安心感がありました。

 問題が配られたのでとにかくミスのないよう気をつけながら問題を解いていきました。と、ここで簿記検定ナビさんが無料配布していた予想問題とほぼ同じ問題が出ていて、「はっ!同じ問題!私はこれ間違えたんだよなぁ。でも今は大丈夫。しめしめ。」と思いつつ問題を解いていき、意外と時間が余ったので見直ししているとちょうど時間終了になり、3級の試験は終わりました。

 苦手な帳簿組織が出ることなく、私にとってはけっこう簡単な内容だったように思います。試験後、応援してくれていた親にも「いい感じ♪」とのメールを送り、昼食をとりに近くのファーストフード店へ。そこは試験を控えているであろう受験者でいっぱいでした。

 2級の試験時間までけっこう時間があったので復習をしようと思ったのですが、なかなか集中出来ず、「今更あがいても仕方ない。逆に分からなくなって焦るのも嫌だし」と思ってあえて勉強せず、今まで間違えたところをさらっと読み返す程度でした。

 この時、限定メニューが販売されていて、テンション上がってそのセットを注文したのですが、意外に量が多く食べ過ぎてしまったのが誤算です。飲み物の飲み過ぎたので試験中トイレに行きたくならないか心配でした。そして余裕をもって試験会場に戻り、3級の時と同様、ぼーっっと開始時間を待っていました。

 そして試験監督の方がやってきたのですが、この方がちょっと頼りない感じで心配になりました。問題用紙を配る際も手がすごく震えてて紙の枚数が数えられず、配り終えないまま試験開始時間がやってきてかなり不安でした。遅れた分、時間は延長されたのですが隣の部屋は時間通りに試験が終了し、ざわついていたので集中出来ませんでした・・。やはり試験監督の方も重要だなと思いました。こればかりは運ですね・・。

 さて2級の問題ですが、第一問は絶対落とせない!と意気込みつつ問題を読むと「え・・意外と難しくない?」とやや焦りました。「これで良いのかな・・?」と不安になりつつも時間もないしなんとか答えを埋めて第二問へ。ここで一気に戦意喪失しちゃいました。「え・え・え・え・意味がワカラナイ・・。」オワッタ。私の中では100%伝票会計の予定でした。

 とりあえずとばして最後の問題へ。ここではシュラッター図の問題が出るとばかり思っていたのでここでも予想外。「ドウシヨウ・・」と思い、またもやとばして一番得意な第3問へ。この時点でかなり衰弱しきっていました。と、ここでやっと今まで勉強しなれた問題が出てきて一安心。

 ただ、比較的簡単な内容だったので逆に何か裏があるのでは?!と思い心配になりつつも、そんなことを考えている暇はない!純粋に問題を解くんだ!と思い第3問を解きました。

 そして工業簿記の方へ手をかけました。この時には時間もかなりカツカツで焦りました。工業簿記は本当に苦手で、特に表を埋めるタイプの問題はかなり苦戦してきていて、試験当日までに完璧にマスター出来ているわけでもなかったので自信もなく、かなり泣きそうでした。

 でも受かりたい!との執念から必死に答えを埋めました。次に第4問も「とりあえず」答えを埋め、第二問へ。分からない言葉は考えても無駄なので無視し、特殊売買のわずかな記憶を頼りに仕訳をしていき、答えを埋め・・。本当にこれで良かったのか?!と問題を読み返すと同時に試験時間終了。

 家で模試をやっている時も時間は30分以上余っていたのでこんなにギリギリなのは初めてでした。第一問も第二問も第四問も第五問も、答えに自信がないものがほとんどだったので絶対落ちた…と落ち込みつつ試験会場を後にしました。でも今更嘆いても仕方ないし、終わったことは気にせずその日は羽を伸ばして遊びました!

 そして夜に帰宅し、自己採点へ。3級はトントン拍子に○のオンパレードでやっぱり!といった感じでかなりテンションあがりました!次に問題の2級の採点へ。ドキドキしつつ答えを見ていくと意外や意外、全く自信のなかった答えが合ってたりします。だんだんテンションが上がってき、自己採点80点でした。

 そして試験後の受験生の声を読んで共感しつつ、応援してくれた親と試験中の話に花をさかせました。私はかなり勉強が嫌いで、高校受験の時もロクに勉強してこなかったのですが今回かなり勉強をしてきました。恐らく人生で一番集中して勉強してきたと思います。それでも分からない所が未だにたくさん残っていて、今回受かることが出来たのも運が良かったからだと思います。

 でも、これだけ勉強出来たのはやっぱり自分の意思があったからだと思います。誰の為でもなく、自分の為に勉強出来たからだと思います。動機は適当なものでしたが今心から言えることは簿記に出会えてよかったです。

管理人からジュキさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 私が使ったのはCanon LS-Smartという機種です。特にこれと言った特別な機能があるわけでなく、いたってフツーの電卓で、これにした理由は普段から職場で使っていて使い慣れていたからです。

 使い慣れているからだと思いますが私的にはボタンが押しやすくそんなに大きくないのでかさばらず便利でしたがオススメ出来るかと聞かれると難しいです…電卓はとにかくご自身の使い慣れた電卓が良いかと思います♪ちなみにこの機種にはメモリ機能やらが付いてますが使い方が分からず使った事がありません(苦笑)

 ジュキさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は精算表と伝票会計です。精算表は仕訳さえ完璧にしていればあとは表に書き込むだけなので…。最初は表のどの場所に書いていけばよいか分からなかったのですが(損益計算書の方なのか貸借対照表の方なのかとか・・)問題を解いていくうちに自然とすぐに身に付きました。伝票会計も特に頭を使う事なく伝票を仕分けしていき表に書き込むだけなので比較的簡単のように思いました。

 苦手なのは本支店会計がややこしくて苦戦しました。克服するにはやはりひたすら問題を解いて慣れていくことだと思います。最初はよく分からないまま問題を解いていたのですが、答え合わせをしていくうちに本店と支店の仕組みも理解していけました。

 また、損益計算書等の項目を覚えるのにも苦労しました。特別損失の項目や法人税等の計算、繰越利益剰余金等…こちらも問題を解く数をこなして身につけていくことが重要だと思います。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 問題を解く時のノートはただ答えを書いていくのでなく、分かりやすく記入していくと便利です。間違えた問題はきちんと赤ペンで間違えた理由(例えば間違えた答えに矢印をつけて「生産高比例法の減価償却は月割計算しない」等)を添えておくとどの問題がどのように間違えたのかが分かりますし、それだけで十分間違いノートの役割を果たしてくれるからです。

 書き込み式の表問題等は何度も問題を解いていくことを踏まえて印刷して使う事がオススメです。私の使っていた教材では無料ダウンロードサービスがあったのでとても便利でした。

 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 最初は就職活動の為に簿記2級合格を目的で勉強し始めたので目標は達成されたのですが、簿記の魅力にハマってしまい今は税理士も視野に入れて1級の勉強に励もうかと考えている途中です。1級となるとレベルがかなり違うと聞きビビっているのですが一度自分の力試しも兼ねて本気で勉強していきたいと思います!

管理人コメント

 ジュキさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!勉強方法や試験日当日の様子を書いていただきましたので、参考になる部分も多いかと思います。

 追加の質問に対する回答のところで「私の使っていた教材では無料ダウンロードサービスがあったのでとても便利でした」と書いていただきましたが、「サクッとうかるシリーズ」だけでなく、同じネットスクールから出版されている「とおるシリーズ」や、TACから出版されているよくわかる簿記シリーズなども、解答用紙を無料でダウンロード出来ますので、こういう便利なサービスはぜひうまく使いこなしていただきたいと思います。

 あと、電卓については、メモリ機能ぐらいは使えるようになったほうが良いと思います。簿記検定ナビ電卓の選び方・使い方講座でメモリ機能やグランドトータル機能の使い方、貸借が合わなかったときの電卓テクニックなどを詳しく紹介していますので、興味のある方は一度チェックしておいてください。

 また、トリイ書房から出版されている「日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳」という参考書は、管理人自身も購入して読んでみましたが、簿記を勉強する上で知っておくべき実践的な電卓の使い方が多数紹介されていますので、電卓の使い方がよくわからない方にはおすすめです。

 電卓テクニックは、ちょっと練習するだけでマスターできるものですので、食わず嫌いはもったいないです。

ジュキさんが使われた教材や電卓のまとめ