必要な情報は全てテキストにまとめる!「情報の集約化」のススメ。

  • 投稿者:サボさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約4か月

まずは情報収集

 社会人の私にとって、簿記は必要な知識と感じ、資格取得を目指しましたが、簿記というものがどういうものか理解することから始めました。具体的には、商工会議所のHPや各種WEBを検索し、概略を理解しました。それにより、勉強は独学で、市販のテキストを中心に、WEBにて公開している情報を参考に行うことを決めました。

テキストと電卓を購入

 テキストは「中央経済社 新検定簿記講義 3級」を購入しました。書店には何種類か簿記のテキストが並んでいましたが、内容が体系的に書かれていて、理解がし易いと感じたからです。

 逆に言うと、他のテキストは小手先のテクニックを披露したり、〇日間で受かるなど、「合格する」ことに注力しているものが多く、しっかり「理解」して合格したい私にとっては、いいテキストとは思わなかったからです。ワークブックも同時に購入し、いよいよ勉強を開始しました。

 電卓はCASIOのJH-12VTを購入しました。四則記号が縦一列になっている(イコールが四則記号と同じ列にない)のと、表示画面が適度な大きさであるのがその理由です。

テキスト1回転目(約1か月半)

 簿記の概略は情報収集により理解できましたが、具体的な内容は何も分からなかっため、まずはテキストを一通り勉強することに専念しました。1回の勉強で1章の半分を行うことを目標に、本文・例題・練習問題を必ず解くようにしました。また、計算や解答を書く際に紙を思ったより多く使用することが分かったので、裏が白い折込広告を意識的に貯めるようにしました。

テキスト2回転目(約1か月)

 テキスト2回転目というよりは、先に購入したワークブックの問題演習を中心に行いました。ワークブックには、単元の最初に学習ポイントが書かれていたのて、それをまず読んでから問題を解くことにしました。解答後に答え合わせをし、間違えたところの解説を読み、テキストに戻って復習を行いました。

 ワークブックから得た知識は、得た知識を集約させるためにテキストの余白欄に直接記入しました。また、簿記検定ナビさんをはじめ、各種簿記の無料講義のページを見ながら、自分に不足している部分をテキストに書き込みました。

テキストへの書き込み1
テキストへの書き込み1
テキストへの書き込み2
テキストへの書き込み2

仕訳問題演習

 ワークブックの演習と同時期から簿記検定ナビさんの仕訳問題類題をダウンロードし、1日1回分(5問)を目標に解いていきました。(試験前日まで継続 3~4回転実施)間違えた問題はワークブックと同じようにテキストに戻り、必要に応じて内容をテキストに書き込みました。2回転目以降については間違えた問題にチェックを入れ、弱点を可視化するようにしました。

過去問演習(約1か月半)

 試験問題に慣れるために、「税務経理協会 ドリル式日商簿記検定3級」という過去問を新たに購入しました。本当ならば試験時間(2時間)を計って問題を解くことが中心になると思いますが、まとまった時間を取ることができなかったので、1回分の問題を2分割して解くようにしました。

 具体的には、第1問+第5問(1時間)・第2問~第4問(1時間)のグループに分け、解答後に解説を読み、間違えたところをテキスト・ワークブックに戻り学習しました。同時に、計算用紙の使い方など、実際の試験をどのように解いていくかの研究を始めていきました。

 試験3週間前には解答時間を各グループ45~40分にし、当日見直しの時間を取れるるようにしました。過去問は、116回~126回を2回転させました。(126回の問題は大原の解答解説集を無料請求

試験日の1日の流れ

  • 5:30 起床

 起床後3時間後から脳が活発に働くため。ちなみに平日も5:30に起床しています。

  • 6:00 朝食
  • 6:30 新聞を読む
  • 7:30 身支度
  • 8:00 試験会場へ向けて出発

 起床から出発まで、時間は違いますが、平日の会社出勤までの行動と何も変わりありません。

  • 8:20 試験会場に到着

 試験会場までは車で行きました。

  • 8:30 試験会場が開場
  • 自分の席に着き、試験の準備する
  • 仕訳問題類題の確認する(チェックを入れた問題を中心に)
  • 手がかじかんでいたので、テキストにあった試算表問題を計算しながら手を温める
  • トイレに行く
  • 9:00 試験監督者の説明が始まる

 試験要綱には9:00試験開始と書いてあったのに…と思いつつ説明を聞く。

  • 9:10 試験開始!

 まずひと通り問題に目を通して、解答順番を決定させました。第1問を1番目に解くことは以前から決めていましたが、2番目に解く問題を、第3問にするか第5問にするか決めかねていたので、見比べて第5問を2番目に解くことにしました。そのあと、第3問→第4問→第2問と解くことに決めました。

  • 第1問(10分)

 償却債権取立益の出題にちょっと驚きましたが、特に難しいところもなくすんなりと解く。

  • 第5問(30分)

 通常の精算表問題でしたが、何か似たような数値が多いような気がし、気を付けながら表を埋めていく。見越し・繰延べ問題は特に慎重に解く。貸借の合計が全て合ったこともあり自信をもって次の問題へ進む。

  • 第3問(30分)

 試算表の問題でしたが、見慣れない形式であったので慎重に問題を読んでいくと「合計試算表」の算出であることを発見。「見逃す受験生が多いな」と思いつつ解答を進める。T字フォームを有効活用し、解答時間短縮を実現。第5問と同様に貸借の合計が合ってていたので次の問題に進む。

  • 第4問(5分)

 単純な伝票問題。問題用紙に仕訳を分解記入してから解答用紙に記入する。

  • 第2問(15分)

 勘定記入の問題。今思えば大した問題ではありませんが、当日はなぜか消耗品と消耗品費が混乱してしまい、解答に苦労しました。いったん解答を止め、他の解答を見直そうと思いましたが、貸借が合っている中見直しても…という思いもあり、頭をいったん白紙にして解答再開。不安を残しつつ解答終了。

  • 見直し(30分)

 思ったより時間が余ったので、もう一度問題を解くつもりで見直しを行う。特に間違いは見つけられなかったのですが、第5問の精算表の合計欄に数値を入れ忘れていることを発見。ただちに数値を入れ一安心。同時に、数字が読みにくいところを書き直したり、受験番号などに漏れがないかを確認しました。それでも時間が10分ぐらい余ったので、各問題の解答(概要のみ)を計算用紙に書き写しました。

  • 11:10 試験終了
  • 午後

 各専門学校の解答速報を自分の解答と見比べる。得点はともかく「合格」を実感する。

試験の結果発表

 3/7に合格発表があって無事に合格していました。後日、商工会議所に得点結果を問い合わせたら100点満点でした。

管理人からサボさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材・電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 今回使用したテキスト・ワークブック類は、図やイラストが少ないテキストですので、取引のイメージがわかない方や学生の方(社会経験の浅い方)には難しいかもしれません。

 内容としては各項目が体系的に書かれているのでお勧めできます。なお、他社のテキスト類で勉強されてもいいと思いますが、テキストと問題集の出版会社は同じ会社の方がいいと思います。(効率的に学習できると思います)

 電卓については、テキストほど意識はしませんでしたが、あまりに小さいものは避け、手を広げた大きさ(=ボタンが指の先とほぼ同じ大きさ)のものを選びました。ちなみに家電量販店での購入です。

 過去問題集は、価格÷問題数(何回分)により決定しました。

 サボさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は特にありません。苦手な論点は、手形取引と見越し・繰延べでしょうか。手形は簿記を勉強する以外はボードゲーム上での話でしかなかったし、見越し・繰延べは、テキストを読んでも何を言っているの分かりませんでした。(特に仕訳ができませんでした)

 手形については、図に表し、その時の商品・手形の流れをイメージできるように努めました。見越し・繰延べについても同様に、問題文から現時点での状態をすぐにイメージできるようにしました。ワークブックにて何度も解いたということは言うまでのありません。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 上にも書きましたが、独学で勉強する場合はテキストと問題集の出版会社はそろえた方がいいと思います。あとは、何といっても「仕訳」が大切だと思います。仕訳問題を何回も繰り返し解くことをお勧めします。

 実践演習として、私は過去問しか解いていません。もし時間があったら、各社から発行されている予想問題集を購入して解いていたと思います。問題のパターンを広く知ることによって幅が広がり、自信につながると思うからです。

 今後は簿記2級や簿記1級、税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 現在私は、会社で生産管理の業務を行っていますので、工業簿記のある2級は取得しようと思います。1級や税理士の資格は、今のところ考えていません。

管理人コメント

 サボさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 サボさんは、必要な情報をテキストに集約化されていますが、この勉強スタイルはかなりおすすめです。「情報の集約化」について意識せずに勉強していると、テキスト・問題集・過去問・予想問題集…といったいろんな教材に情報が分散してしまい、効率的な勉強の阻害要因になりますので、ひとつの教材に「情報を集約化」するようにしてください。

 あと、資格の大原は、最新回の全問題と解答および解説を一冊にした「問題・解答集」を無料配布しています。この「問題・解答集」には問題・解答・解説だけでなく解答用紙も付いており、過去問対策用の教材としても使える優れモノですので、気軽に無料請求してみてください。ちなみに、勧誘の電話とかは一切かかってきませんのでご安心ください。

 最後に、問題を解く順番についてですが、サボさんのように予め順番を考えておきつつ、試験開始後にざーっと問題をチェックして各問題の難易度を把握し、実際に解いていく順番を正式に決めるという方法が一番良いと思いますので、練習段階から「解く順番を正式に決める作業」も忘れずに行うようにしてください。

サボさんが使われた教材や電卓のまとめ