仕訳を制すだけでは検定を制す事は出来ない!でもやっぱり仕訳は大事。

  • 投稿者:ピコニコフさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約4か月

はじめに

 試験2回目にて合格しました。1回目は2か月前より勉強を始めましたが、後になって若干なめてかかっていたように感じました。そのため、2回目は4か月前からスタートしました。1回目の知識があるため、2か月前のスタートでもよいとも思いましたが、正月は多分勉強できないし、正月を過ぎると直ぐに1か月~2か月たってしまうため、4か月前としました。

 勉強時間は平日は出勤前の1時間~1時間半、及び往復40分の通勤電車、休日は早朝及び午後の各2時間~3時間としました。

テキストと電卓

 電卓についてはこだわらなかった。使い慣れる事の方が重要に感じた。

基礎期の勉強方法について

 『仕訳を制すものは簿記を制す』という言葉をよく聞きますが、私的には『仕訳を制すだけでは検定を制す事は出来ない』というのが率直な感想です。なぜなら、決まった時間で様々な問題を解く検定ならではのテクニックが必要だからです。

 そのため、私は基礎期から過去問題を貪欲に解き続けました。最初は5問解くのに3時間かかったり、全く判らない問題があったりと散々でした。しかし、1回目よりは2回目、2回目よりは3回目と点数及び回答時間は少しずつ良くなっていきました。

 ここの項目は基礎期という事ですが、基礎期として強いて言うならば、簿記の一巡を見た(暗記はしていません)程度でしょう。では、私の勉強方法を細かく説明します。

  • 第1問対策

 簿記検定ナビ 仕訳問題対策〔100回から最新〕を毎日、試験前日まで繰り返していました。3回目位になると考えなくとも、問題文をよみながら自然とペンが動く問題も出てきました。この問題については『極めた』と思い4回目以降は練習しませんでした。

 しかし、中には5回目になってもスラスラ解ける事が出来ない問題もあるため、単位毎に〔見越し・繰り延べ、損益〕別の用紙に問題文を書き写して、暗記する位まで繰り返し行ないました。20回位練習した問題もあると思います。

 仕訳問題は1問あたり非常に短い時間で解答できますので、主に通勤時の車中で行ないました。往復40分の乗車時間で1問当たり2分と考えると、一日20問、10日で200問です。あまりに夢中になって、乗り過ごすと更に+α分の回答練習が可能です…!わずかな時間ですが、こう考えると大切な時間と感じますよね。

  • 第2問以降対策

 第2問以降も3回~5回は繰り返しました。ここでのポイントは3回目以降できた問題は練習しませんでした。私は各問題7割以上正解したら出来たということにしました。つまり、第1問~第5問まで全て7割以上正解すれば合格だからです。

 例えば第5問で30点満点という問題がありますよね。これであれば21点以上で合格です。ただ、間違えた部分は必ず見直しが必要です。試算表や精算表は繰り返す事により、貸借が合わなかったときの自分なりの対処法や解答欄への効率的な記入方法がわかってきます。

 また、自分の欠点が明確になってきますので、ここはしっかりと答えあわせの際の復習が必要だと思います。必要に応じて、その問題だけもう一度確認しながら行い『自分の物』にします。

 更に、この時点で電卓は無理して早くたたく必要はないと確信しました。1回目の試験でものすごいスピードで連打している方がいましたが、私には到底無理。自分がたたいた内容を都度確認する、正確さ優先のたたき方にしました。

直前期の勉強方法について

 私的には直前期は試験の2週間前と考え、ここから勉強方法をまとめ方式に変更しました。毎日、模擬試験をやり続ける事は変わりませんが、解答用紙を2枚用意して、1枚は時間を計りながら本番さながらの模擬試験をおこないます。

 自分流の7割合格を基本に『基礎期』で行なった模擬試験で、正解率の低い問題から模擬試験を行い、解答の際に間違った所はもう1枚の解答用紙に、間違った部分のみ赤字で書き写します。

 これが私流の間違いノートです。この間違いノートは前日と試験当日も見直していました。試験前日は全体の見直しを時間を区切って行ない、また、自信をつける為にあえて簡単な模擬試験を行ないました。

試験日の1日の流れ

  • 5:00

 起床。アイドリングのつもりで精算表・合計残高試算表の問題をゆっくりとコーヒーを飲みながら行なう。試験前日からはガツガツ勉強せずに、ゆっくりまったりと気持ちを落ちつかせながら勉強しました。

  • 7:30

 いつも通り、パンとコーヒーの朝食。TVを見ながらゆっくり過ごす。

  • 8:20

 いざ出陣。

  • 8:40

 試験会場に到着。

  • 8:50

 試験に関する諸注意の開始。携帯電話については、京大入試漏洩の問題があったため、特に厳重に注意された。

  • 9:05

 A4のメモ書き用紙の配布。配布されてすぐ、縦に2回折る。これは、仕訳の結果をきれいにメモすめための工夫。引き続き試験用紙と解答用紙が配られる。解答用紙の全てのページに受験番号と名前を記入する。この際に解答用紙の中身を見る事が可能である。

  • 9:10

 スタートを合図に問題用紙を一通り確認。第3問は見た事がない形式だったが、慌てずに自分が今まで練習した1→3→5→2→4の順番に解き始める。第1問は難なく解答できたが、緊張のあまり普段より時間が掛かる。次は予定では第3問だったが見た事がない問題だったため、後回しにする事とした。

 次の順番では第5問だが、ここで時間を掛けるより簡単に解答できる問題だった第2問と第4問で点を取ろうととっさに思い、こちらを先に解答することに。次に第5問を着手。なんなく仕訳を行なったが、広告宣伝費が『適当な科目で処理した。』という事だったので、文字通り適当な科目にして結局間違った。

 また、貸借が合わずに、自分の間違えやすい部分を3回ほど確認した結果、3回目に間違いを発見した。この時点で残り40分。最後の10分で見直しを掛ける予定だったため、残りは30分。少し慌てながら第3問を着手した。

 問題文をよく読むと、問題形式は異なるものの全く日頃の勉強どおりにやれば良い内容だった。しかしながら、掛け明細表を作成するための、「仕訳結果に取引先を記入する準備」を忘れてしまった。そのため、仕訳後に問題文を改めて読みながらの、取引先の記入となり、更に慌ててしまった。

 結果、掛け明細と精算表の金額が合わなかった。そんなこんなでラスト10分となり、諦めて第1問からの見直しとなった。見直しの結果、第1問でケアレスミスを発見。貸借の金額が間違っていた。緊張していたあまりの、凡ミスだった。全体見直し中に試験終了の合図があった。

管理人からピコニコフさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
 過去問題集は他の問題集に比べて、解答方法の説明が非常に親切だったので知識を深める事ができました。見た目、分厚く問題数も若干多いので、取っ付き難さもあるが、是非一度書店で見ていただきたいと思います。人それぞれ好みがあるため、全ての人に合うとは言いませんが、私的にはおすすめです。
 ピコニコフさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 最終的には苦手な論点はなくなった様に感じます。しいて言うならば、精算表と試算表の問題をパーフェクトで正解した事がありません。貸借の記入ミス、計算ミス、B/SとPLの記入違い、などなど。

 毎回傾向が異なっているので困っていたんですが、一度間違えたミスを繰り返さないようにするために、間違いノートを作成して繰り返し確認しました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 模擬試験は後回しにせずに、最初からどんどんやるべきと思います。まさに習うより慣れろという言葉がぴったり来ると思います。第3問、第5問は一度始めると40分程度時間が取られてしまいますが、途中で中断しても時間さえ計っていればまったく問題ないと思います。

 第1問の仕訳問題は大切ですが、これだけでは、第二問以降の仕訳をパーフェクトには出来ません。問題文の表現方法が第一問と異なるからです。ですので、第2問以降も繰り返し解くことが必要です。過去問題を暗記するくらいの気持ちで進めるべきだと思います。

 今後は簿記2級や1級、税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 私が簿記の勉強をするきっかけから説明します。

 私はある企業で工業製品の設計を行なっています。しかしながら、なかなか良い製品を設計する事ができません。良い製品とは、『安く造れて』『性能が良い』製品です。性能が良くても安く造れなければ利益が減ってしまいますよね。

 また、利益を確保するために高く売るとお客様に受け入れられず売れなくなってしまいます。このことは誰にでもわかる事と思います。でも実際に実践するとなるとなかなか困難なものがあります。

 安く造るアイデアはたくさん持っていますが、このアイデアを採用した場合、どの程度会社の利益に貢献できるのか?部品を購入して製品にして売るまでの諸経費を含めて、本当に利益に貢献しているのか?非常に疑問がわいてきています。この利益貢献の見方が非常に曖昧なものになっていましたので余計に疑問がわいてきていました。

 そのため、しっかりと原価計算の知識を身につけたい!というのが簿記を勉強するきっかけになりました。ですので、今のところは工業簿記、原価計算を勉強する2級を目標にしています。2級を取得した後、更に知識不足を感じれば1級も挑戦すると思います。

管理人コメント

 ピコニコフさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 まず一番最初に見習っていただきたいのは「間違えた部分は必ず見直しが必要」という箇所です。受験生の中には、問題を解きっぱなしにする人が結構いますが、たとえ90点取れたとしても「90点取れたー!よっしゃあああ!」で済ませるのではなく、「10点のミスの原因はなんだろうか?」と考えるようにしてください。

 あと、ピコニコフさんもおっしゃっていますが、簿記3級試験で電卓をブラインドタッチで打つ必要はありません。人差し指しか使わない…とかはさすがにどうかと思いますが、基本的には「入力スピード」よりも「入力の正確性」を重視するようにしてください。

 あと、試験開始前に答案用紙に受験番号と名前を記入するんですが、このときに答案用紙を見ることが出来ますので、書くついでにどのような問題が出題されているのかチェックすると良いと思います。

ピコニコフさんが使われた教材や電卓のまとめ