合格に必要なもの…それは「合格したい!」という執念だと思います!

  • 投稿者:イルカ船長さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約5か月

簿記を学ぼうと思ったきっかけ

 仕入企画部門の仕事をしていた4年前、仕事の質を高めたいと思い、簿記を学び始めました。たまたま新聞の折り込みチラシでユーキャンの簿記講座を知り早速申し込み、到着した教材で気合いを入れて勉強開始!…ですが、残念ながら私はついて行けませんでした。

 理由はおそらく面白さを感じなかったことにあると思います。テキストの内容は充実しているのですが、教科書的な記述だったため馴染めず、次第に簿記の勉強が嫌になっていきました。テキストを半分程済ませたあたりで、挫折しました。

 昨年、配置転換で総務・経理の部署へ異動し、慣れない仕事を覚えることで精いっぱいの日々を送りながら、今度は本当に簿記の知識が無いとまずいことになると感じて、再トライを決意しました。

テキスト選び

 挫折(マイナス)からのスタートということで、とにかく簿記アレルギーを払拭することから勉強を始める状態でした。インターネットの情報を参考にしつつ、実際に書店で手に取りよく確かめて「これならやっていけそう」と思えるものを選ぶことが大切だと思います。

  1. はじめての人の簿記入門塾(浜田勝義著/かんき出版)
  2. 日商簿記3級 最短集中ゼミ(浜田勝義著/かんき出版)
  3. サクッとうかる 日商3級商業簿記テキスト(ネットスクール)
  4. サクッとうかる 日商3級商業簿記トレーニング(ネットスクール)
  5. 仕訳攻略ナビ(ネットスクール)
  6. 仕訳問題類題集(簿記検定ナビ)
  7. サクッうかる日商3級 厳選過去問ナビ(ネットスクール)
  8. 出題パターンと解き方過去問題集(ネットスクール)
  9. すいすい♪簿記3級 まんがみてGo!(ネットスクール)
  10. ラストスパート模試(ネットスクール)

勉強の流れ

はじめての人の簿記入門塾(浜田勝義著/かんき出版)

 1月中旬より軽い気持ちで読み始めました。簿記の目的から始まり、決算までの一連の流れがマンガをまじえながら読みやすく書かれているので、最後まで読み通すことができて一安心。

日商簿記3級 最短集中ゼミ(浜田勝義著/かんき出版)

 基礎を身に付けるには同じ著者のテキストがいいかな?と思い、Amazonで中古本を購入しました。少し古い内容でしたが、3級で学ぶ範囲を知るには十分な内容でした。2月下旬までの約3週間、主に通勤電車で読み通しました。

サクッとうかる 日商3級商業簿記テキスト(ネットスクール)

 サクテキはわかりやすい論点解説に加えて取引イメージのイラストが豊富で、とても理解しやすい良書だと思います。私は14日目標のスケジュールで焦らず学習しました。通勤電車の中や会社の昼休みのスキマ時間も使いながら、帰宅後毎日1~2時間程の時間をあて読み込みをしました。

サクッとうかる 日商3級商業簿記トレーニング(ネットスクール)

 前記テキストに完全準拠している基本問題中心のサクトレ。テキストの単元に沿って同時併用しました。問題の解説が詳しいので助かりました。テキストとセットで何度も復習することにより、苦手な問題があっても必ず克服できるようになります。

 基本問題を2回転した後、本試験レベル問題を3回転しました。基本問題~本試験過去問のレベルはかなり違いますが、サクトレはこのレベルの違いを上手く橋渡ししてくれました。サクテキ&サクトレを使った総学習期間は、3月~4月中旬までの約50日間です。

仕訳攻略ナビ(ネットスクール)

 「仕訳は簿記の要」とよくいわれます。私は仕訳に自信が無く、書店で良い参考書を探していたところ、この本に出合えました。仕訳に的を絞った本は「問題と解答だけ」「基本仕訳に偏っている」などの点に不満があり、適書を選ぶのに苦労しました。

 仕訳攻略ナビは基本論点はもちろんのこと、本試験レベル仕訳に至るまで一貫して理論的な解説がなされており、図も豊富なため、しっかりと取引をイメージしながら仕訳が理解できるようになります。5~6回転させた頃には、仕訳に自信を持てるようになりました。

仕訳問題類題集(簿記検定ナビ)

 管理人様が無料で提供して下さっている本試験の仕訳類題集です。問題・解答・解説の全てをプリントアウトさせて頂き、前記「仕訳攻略ナビ」と並行して勉強しました。B5の用紙に両面印刷したので、3回分程度であれば鞄に入れても重さは感じません。毎日電車の中で活用しました。

 電車の中で行う仕訳のイメージトレーニング。この効果は絶大です。特に本試験第3問を解くさいにその効果は実感できると思います。

 定番の試算表作成問題では、数多い取引を正確に素早く仕訳なければなりません。私は頭の中で仕訳をして、計算用紙にはTフォームを設けて直接金額を記入していきました。時間が短縮されるとともに、集計のスピードと精度が高まりました。

サクッうかる日商3級 厳選過去問ナビ(ネットスクール)

 この本は過去問に慣れるための準備として使いました。付属の解き方集は一読の価値があると思います。

出題パターンと解き方過去問題集(ネットスクール)

 大問ごとに出題パターンが整理されていますので、どこに注力するべきかを把握しながら効果的な過去問対策ができると思います。解き方、解説ともに詳しいです。配点比率の高い1・3・5問を中心に過去問を解き、本番まで約2回転させました。

 今思いますと、過去問は3~4回転程こなしておいたほうが良いように感じます。時間管理ができなかった反省点です。最初は解けなくても、解説を読み理解し、再度解く。このサイクルで苦手なところが少しずつ解消できました。

 出題頻度は低くても全てのパターンにあたっておいたことはよかったと思います。問題の要求は同じでも、違う角度から考えてみると理解がより深まりますし、本番での対応力の幅が広がったと思います。学習期間は4月末~5月末まで、約30日でした。

すいすい♪簿記3級 まんがみてGo!(ネットスクール)

 5月末に各論点の再確認のために読みました。著者は同じですが、サクテキの解説とは違う味わいがあります。スキマ時間だけでも2~3日あれば読めますので直前期にはおすすめです。

ラストスパート模試(ネットスクール)

 4回分の総仕上げ模擬問題でした。出題予想に特化していますが、含まれている出題パターンは、過去の重要パターンがほとんど網羅された構成になっています。この4回分で満点が取れるまで、5月末~試験前日まで必死に取り組み、4回転させました。「自分なりにやるべきことは全てやった」と思いました。

 あとは、間違いノート・まとめノートは作りませんでした。作る余裕がなかったというのが正直なところです。こちらも今思えば作るべきだったと反省しています。

使用した電卓・筆記用具・小物

電卓:CASIO JS-20WK

  • 「0キー」が私の手に馴染む位置に置かれていました
  • キータッチが気持ち良いです
  • 電卓に触るのが楽しくなりました

シャープペンシル:「クルトガ」0.3mmタイプ(芯はB)

 線幅が安定するので清算表などの小さい解答欄への記入に役立つと思います。Bは柔らかいので書きやすく、消しやすい気がします。

消しゴム:コクヨ製「カドケシ」

 角がたくさんある形のため、狭い部分だけを消したい時にストレスを感じません。

ストップウォッチ

 過去問とラストスパート模試を解くさいに使いました。計測開始とともに頭が問題に集中します。常に視野にストップウォッチを置いておき、自分にプレッシャーをかけながら問題を解きます。

 解答までに要した時間を秒単位で記録しておき、2回目・3回目と回を重ねるごとに時間の変化を確認することで、時間配分の意識が高まったと思います。

  • 5:30 起床

 熱めのシャワーを浴び、体全体を目覚めさせました。試験中のトイレリスクを回避するべく、朝食は普段より軽めにし、また水分も控えめにしました。

  • 7:30 出発

 会場までの所要時間は下見でわかっていましたが、電車遅延などがあってもあせらず対応できるように早めに自宅を出発しました。気温は少し汗ばむ程度でしたが、管理人様のアドバイスに従い、長袖シャツを1枚持参しました。服装はジーパンにTシャツと履きなれた靴です。

 電車の中ではラストスパート模試付属の仕訳カードに目を通しました。頭の栄養を与えるため、キャラメルを2個食べました。

  • 8:13 試験会場到着(商業高校)

 すでに受験生が到着していて、入室を待っている状況でした。半数以上の方がテキストなどを読んでいる様子。私は相変わらず仕訳カードで仕訳のイメージトレーニングをしていました。

  • 8:20 入室開始

 皆一斉に入室を開始しました。自分の受験室に荷物を置き、トイレへ。通路にトイレまでの案内掲示がなく、辿り着くまでに5分程かかってしまいました。

 部屋へ戻り、椅子に座ってみた感想は…「机が狭い」。学校なのである程度の覚悟はしていましたが、想像以上に狭く感じました(決して私が大きいわけではありません)。

  • 8:35 最終復習

 前日まで必死に取り組んだラストスパート模試を開き、第1予想の精算表問題を軽めに解こうと思いました。ネットスクールさんの教えに、「朝は手も寝ているので、電卓を叩いて起こしてあげることが大切」というものがあり従いました。

 しかし、私の手は寝ているどころではありませんでした。緊張で手の平が汗ばんでいることに気付き、さらに指は硬直して満足にキーが押せない状態でした。とりあえず深呼吸を数回繰り返し、解きなれた問題を見ているうちに、普段の勉強モードに戻ってくれたようで、指が動きはじめてくれました。

  • 8:50 顔の汗を拭く

 顔のベタつきが一番嫌いな私は、この時のために持参したフェイシャルペーパーでしっかり顔を拭き、フレッシュな気分を作りました。

  • 8:55 準備完了

 ラストスパート模試を鞄にしまい、机上は受験票・電卓・筆記用具のみ。目を閉じ、姿勢を伸ばし、静かに呼吸をしながら、勉強をしてきた5ヵ月間を思いました。

 「自分の実力を100%発揮して、試験に臨むことだけが今の自分にできること。今日のためにやるべきことはやったのだから、悔いはない。一度挫折した簿記に再トライしただけでも価値はある。受験できることに感謝。」このような気持ちに集中しながら、試験委員の到着を待ちました。

  • 9:00 試験委員入室

 試験にあたっての注意事項の説明を受け、問題用紙が配付されました。解答用紙に受験番号・氏名・生年月日を記入しながら、出題形式の把握。3問・5問はオーソドックス。2問と4問両方が勘定記入であることを確認。

  • 9:10 試験開始!

 全問に軽く目を通し、1→5→3→4→2問の順番で解くことを決定。1問と5問は問題なく解答しました。3問の残高試算表では、完璧にTフォームへの金額記入を行い、残高を算出したはずなのに、なぜか貸借が800円一致しない。慌てました。どうして?問題用紙をよく読み、頭の中で仕訳を最初からやり直し、Tフォームへの記入は正しいことを再確認しました。

 でもやっぱり貸借が合わない。半ば途方に暮れていると、目に飛び込んできたのは、計算用紙から解答用紙への金額転記ミス!これは勉強期間中に何度となく犯していた過ちでした。本番ではこの癖に注意しよう…そう思って臨んだ試験で、やってしまいました。背筋が寒くなりました。転記ミスを修正し、3問に費やした時間は約40分。すでに1時間を経過していました。

 残りの時間で苦手だった勘定記入問題へ。計算用紙にしっかりと仕訳を書き出し、これはこうだから、この部分はこうなる… 残りの時間を全部使い切るつもりで、一つひとつていねいに確認しながら解答しました。

 解答用紙への記入を全て終えたのは試験終了20分前。絶対に落としたくない1・3・5問を再確認し、納得。2問と4問についても確実に仕訳を追いながら解答内容を確認しました。

  • 11:10 試験終了

 解答用紙が回収され、退室。やりきったことに満足しました。

自己採点と合格発表

 ネットスクールさんの解答速報会にインターネットで参加。模範解答と照らし合わせてみた結果、満点でした。

 6月21日(木)合格発表。発表までの10日間はとても長く感じました。仕事を終え帰宅後、商工会議所ホームページで合格を確認しました。嬉しさで涙が出てしまいました。

簿記の勉強を振り返って

 まずは、管理人様を始め、ネットスクールの先生方、勉強する環境を整えてくれた家族へ心から感謝の気持ちを申し上げます。

 どうして簿記を勉強しているのか?目的を考えながら勉強すれば、きっと自分のためになるのが簿記だと信じています。「合格」はあくまで目標であって、到達点ではなく、もちろん目的でもありません。

 合格するために必要なことはたくさんあると思いますが、執念というものは大切だと思います。執念があれば、さまざまな誘惑にも打ち勝ち、努力は自然としてしまうものかもしれません。今回私の場合は、挫折した自分を覆したいという願いが根本にあり、それが執念となっていたことは事実です。

 ちなみに、挫折した時のユーキャン教材ですが、合格した今読み返してみますとなかなか読みごたえがありまして、若干古い内容になっていますが、復習に活用しているところです。今後は11月の2級合格を目指します。いつかは、1級へ…長文失礼いたしました。

管理人コメント

 イルカ船長さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!教材だけでなくシャーペンやストップウォッチ等のレビューも書いていただきましたが、こういう筆記用具・小物というのは意外に重要ですのでぜひ参考にしてください。

 また、ストップウォッチの項で「解答までに要した時間を秒単位で記録しておき、2回目・3回目と回を重ねるごとに時間の変化を確認することで、時間配分の意識が高まった」とおっしゃっていますが、これもぜひ見習ってください。なお、「下書き用紙のチェック」も合わせて行うとより効果的です。

 あとは、イルカ船長さんは、6月試験にも関わらず長袖シャツを持参されたそうですが、試験会場によっては冷房がきついところもありますので、特に冷え性の女性の方は薄手の物を1枚カバンに忍ばせておくと安心です。

イルカ船長さんが使われた教材や電卓のまとめ