最後まで諦めずにがんばった者に「合格」のチャンスは与えられます!

  • 投稿者:yuttiさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約6か月半

 私は46歳の、中学生と高校生の母です。3級を昨年11月に受験し、満点合格したことに気をよくして、続けて2級も受験することに。最初は2月受験を予定していましたが、勉強を始めてすぐに3級とのレベルの差に驚き、受験料ももったいないし2月はあきらめ、6月合格を目標に独学で勉強しました。

使用したテキスト

  • 「日商簿記3級2級 受かる勉強法 落ちる勉強法」洋泉社
  • 「すいすい簿記マンガ見てGO 日商2級商業簿記」「同 工業簿記」ネットスクール
  • 「サクッと受かるテキスト」「同 トレーニング」ネットスクール
  • 「合格するための過去問題集」TAC

23年12月から24年1月

 3級の勉強の続きとしてとっつきやすい商業簿記から取り掛かりました。「マンガ」を読みイメージを作り、「テキスト」を読み仕訳を手を動かし書いてみて「トレーニング」を解くという感じでした。

 商業簿記を一通り理解できた時点でもう2月受験の申込時期に。この時点で工業簿記が間に合わないと判断し2月受験はあきらめ6月を目標に。

24年2月から4月

 工業簿記も勉強方法は基本的に商業と同じでしたが、なかなか理論が自分の頭に入ってこない感じでてこずりました。そこで途中からはほとんど「テキスト」は使わず、何度も何度も「マンガ」を読み「トレーニング」を解くという感じでした。

 大変私事ですが、離婚調停と離婚の手続き、息子の高校受験に私の仕事をしながらの転職活動。おまけに息子の高校入学資金の調達に走り回らないといけないなど、肉体的にも精神的にも時間的にも非常にヘビーな毎日で、思うように勉強も進みませんでした。

 うまく時間が取れるときは1日3、4時間は勉強し、取れないときは1週間勉強できないときもありました。なんでこんな時に受験と思われるかもしれませんが、離婚に関係して転職しないといけないことになり、転職活動の中で大した資格もない46歳の女性が事務職を探すことの大変さを痛感し、簿記を受験することにしたのです。

 毎日勉強する時間が取れる日ばかりでもなく、思春期の子供とのいろいろな日々の中で勉強することは、大変といえば大変でしたが、でもこのころはなんだか勉強することが精神安定剤のようにもなっていました。勉強していればなんだか少し自分が前に進んでいるような気持になれたんですね。

 そんなこんなでやたらと工業簿記のインプット期に時間がかかってしまいましたが、とにかくマイペースで頑張りました。

24年4月後半から前日

 このころに本屋さんに行き過去問を購入。簿記ナビなどで紹介されていたTACの「プラス8点」問題集も一緒に購入して苦手な工業の対策をしようと思っていましたが、思いのほか頁数が多く、残り期間を毎日勉強にかけれる時間を考えてあきらめ、過去問だけを購入しました。

 過去問は時間を測って1回分120分通して解くことは結局一度もなく(仕事と家事の合間の勉強時間のため120分まとまった勉強時間が確保できなかった)1問ごとを目標時間内に解く感じでした。

 この時点で自分が理解できたと思っていた工業が、実際には全然解けないことに愕然。気分の落ち込むときは商業に逃げたりしながら何とか工業の問題を見て、まったくわからないときは解答と解説を読み、自分の手を動かして解いてみて、翌日にまた同じ問題を解き、また同じ個所がわからないことにまたまた愕然としながらもう一度解説を見て手を動かし…の繰り返しでした。

 また4月から運よく11社目に受けた会社に事務員として勤め始めたばかりでしたので、仕事から帰るとその日に覚えた仕事をノートにまとめて復習したりしていて、簿記の勉強も1週間に2日くらいしかできなくなっていました。

 過去問も掲載されている12回分すべてするのは無理だなとこの時点であきらめ、半分の6回分に焦点を定め同じ問題を合格点取れるまで何度も解くことにしました。

 こういう場合新しい回からさかのぼって6回分するのが良いように言われていましたが、私は敢えて古い6回分(第118回~123回)をしました。忘れたころに出題パターンが出るのかなあと思ったもので。結果苦手な工業簿記の119回に似た問題が今回出題されたので、私の予想もあながちダメではなかったのかなあ、なんて。

試験日1日の流れ

 前日は中学生の娘のダンスイベントがあり、一日出かけていて帰りも娘の友達を家まで送ったりしてまったく勉強する時間がありませんでした。夜遅く帰宅してぐったり寝てしまい、当日も8時くらいまでぐっすり寝ていました。起きてからはいつもの休日通り洗濯したり一週間分の掃除をしたりしてると、あっという間に10時過ぎに。

 それから、直前になって相当自信喪失していた工業簿記を少しでもやっておこうと思い、何度か解いた過去問の復習をしました。過去問はこの時点で最近7回分は手つかずでしたが、ここであせってやってないところを見てもちんぷんかんぷんで余計にやる気をなくすだけと思い、何度かやり直した回の特に低い点の問題を3問、解答用紙を消しゴムで消してまたやり直しました。

 お昼ご飯を途中で食べながら3問やり直し、とにかく今回は工業簿記の勉強が間に合わなかったなあと変に冷静に考えながら、本番は商業簿記をできる限り満点めざし、次回の勉強につなげようとあきらめの境地でした。

 明日から「プラス8点」問題集を買い、工業を中心に2か月ときまくり、過去問12回分を3回はやり、簿記ナビの仕訳をどんなに忙しい日も毎日こなそう…などと次回の試験に向けての予定まで考えるという始末で。

 自宅から車で10分ほどの会場でしたので、12時50分くらいに自宅を出発、会場へ。席を確認し(ちなみに受験番号は3級の時と同じ1番だったため席の位置も同じ。何となく落ち着きました。)トイレへ。あとは席で午前中赤ペンで過去問題集の解答用紙に間違えやすい個所を記入していたので、それを見直したりしてました。

 13時30分からスタートかと思いきやその時間から説明が始まり、開始時刻は13時36分。終了は15時36分となりました。3級受験の時もそんな感じで、同じことなのでしょうが、時計見ながらの時間配分が微妙にやりにくく、できれば30分にきっちり始めてほしいですよね。どこの地方でもそうなのか、会場によって違うのでしょうか。

 開始前に解答用紙に受験番号と氏名を記入するよう指示があり、その時に解答用紙を見ながら「損益計算書」だなとか心の準備しました。どの試験開始するまでは、工業簿記にまったくの自信がなかったため、先に4問5問に取り掛かると気持ちの切り替えができなくなる気がして、王道ではありませんが今回は1,2,3問の順に取り掛かるつもりでいました。

 しかし、試験開始し問題用紙を見ると唯一自分のものにできていた総合原価計算表が5問にでており、しかも午前中に見直していた過去問と(第119回4問)とほとんど同じ問題が4問に!「試験の神様が微笑んでくれた~!」と急に強気になり、やはり王道の順で1,4,5,2,3と解くことにしました。

 4問(5)差異の勘定を解きかけ図の作成に自信がなく、さっと閃かなかったため、(5)はあきらめ、4問と5問の他の解答に計算ミスがないか確認。その時点で試験開始から45分。まだ半分以上時間が残っていることを確認し、落ち着いて2問と3問へ。

 一通り解き終えた時点で終了5分前。今から2問3問の計算を見直してる時間はないし、変に計算ミスを見つけると余計に焦るだけだしと思い、計算の確認はあきらめ、帰宅してから解答速報の時のためにと思い、答えを問題用紙にできる限り書き写すことに最後の5分を使い、一通り書き写したところで試験終了。結局4問(5)以外は一通り解答できた状態でした。

 帰宅してから夕方解答速報を簿記ナビで確認。4問(5)以外に仕訳を1問間違えたのと、損益計算書に計算ミスがあり、86点の自己採点で、ほっと一息。1週間後に合格通知をいただき点数は自己採点と同じ86点でした。

 それから、当日は6月とはいえ曇り空で涼しい1日であったのに、会場には冷房が入っており、長そでティシャツ1枚の私は途中から咳き込んでしまい、他の方の迷惑になってるのではなどと思い集中力がとぎれました。運よく咳も治まりましたが、カーディガンをはおってくればよかったなあと後悔しました。

試験勉強を振り返って

 半年という長い期間かけて勉強していたものの、実質には家庭のことや新しい仕事に追われ、なかなか思うように勉強時間を確保できずでした。試験数週間前にはほぼ今回はあきらめていました。

 それでも「せっかく受験料払って受けるんだからできる限りのことはしなくちゃ」との主婦根性で当日の午前中に背水の陣で見直していた過去問が予想的中し、本当に運が良かったとしかいえない合格でした。でもこの運も最後まであきらめずにしがみついた結果かなあと、少し自分に甘いですが今はそう思います。

 46才の事務職の転職をかなえるための簿記2級受験でしたが、途中転職先も見つかり、プライベートなこともいろいろありなかなか勉強時間を確保できず、時には「無理して2級受けなくてもいいかなあ」なんて思った時期もありましたが、「やりかけたこと途中でやめたらきっと後悔する。」「なぜ受けたのかは受かってから考えよう」と半年間なんとか頑張りとおすことができ、この年齢で少し自分に自信を持つことができ、本当に良かったと思います。

 離婚・転職に重ね、体力や行動、外観に自分が齢いったなあとと実感することが多くて少し落ち込みがちな毎日に、今回の合格は大きな自信が生まれました。1級を受けるつもりはありませんし、年齢的に今から2級を武器に何かが変わることがあるとは正直思いませんが、この自分の自信こそが今回の受験の大きなプレゼントだと思います。

 独学の間何度も何度も簿記ナビの合格体験記を読み、参考にし、励みにさせていただきました。本当にありがとうございました。

管理人コメント

 yuttiさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 仕事・家庭の事情・育児の中で勉強時間を確保するのは大変だったと思いますが、うまく時間のやりくりをして見事「合格」を勝ち取られたyuttiさんの合格体験記は、同じような環境で勉強されている方にぜひ読んでいただきたいです。

 特に参考にしていただきたいのは「過去問も掲載されている12回分すべてするのは無理だなとこの時点であきらめ、半分の6回分に焦点を定め同じ問題を合格点取れるまで何度も解くことにしました。」という箇所です。

 時間がない場合、12回分を1回ずつやるよりも6回分を2回ずつやったほうが効果的です。簿記の勉強にはある程度の「深さ」も必要になりますので、確保できる勉強時間を考えて取り組んでください。

 あと、試験当日の服装ですが、暖房や冷房の設定は試験会場や座る席によっても大きく異なりますので、脱着しやすい薄手のものを重ね着しておくと調整しやすいです。

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