簡単なところは絶対に落とさない!難しいところは部分点を狙いましょう!

  • 投稿者:kさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月

はじめに

 第139回の試験で受かったので、役に立てればと思い投稿させていただきました。今回二級を受けた理由は現在転職活動中で、営業を志望しているのですが、自身のスキルアップのために簿記をとっておくといいというアドバイスを受けたのがきっかけでした。

勉強開始時の知識・スキル

 お恥ずかしながら、社会人でもあるにも関わらず売掛金・買掛金という単語すら知らない、真っ白な状態でのスタートでした。逆に社会人としてこれはいけないと思い、勉強に身が入ったというのもありました。

使用したテキスト・問題集

簿記3級

  • 合格テキスト日商簿記三級(TAC)
  • 合格トレーニング日商簿記三級(TAC)

 今回、初めて簿記挑戦するということで3級・2級同時併願をしていて、まず初めにTACの合テキ・合トレが非常に丁寧な解説がやりやすいと思い購入しました。

 合格テキストに関しては、手形の実物をテキストに載せていたりなど非常に説明が丁寧で、3級の範囲全部を網羅的に勉強するにはいいと思います。

 しかし、合格トレーニングに関しては少し難しい問題が各項目の最後にあり、いきなり全部の問題をやろうと思って取り組んでしまうと泥沼にはまってしまうと感じました。

 私は、勉強機関の3週間を3級に費やしましたが合トレの量があまりにも多く2級の勉強が間に合わなくなると感じ、途中で2級の勉強に切り替え3級は結局受けませんでした。

 ただ、この二つのテキスト・問題集のおかげで2級の商業簿記にすんなりと入って理解できたのはよかったです。

簿記2級

  • サクッとうかる日商2級 商業簿記 テキスト(ネットスクール)
  • サクッとうかる日商2級 工業簿記 テキスト(ネットスクール)
  • サクッとうかる日商2級 商業簿記 トレーニング(ネットスクール)
  • サクッとうかる日商2級 工業簿記 トレーニング(ネットスクール)
  • サクッとうかる日商2級 厳選過去問ナビ(ネットスクール)
  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC)
  • ラストスパート模試 日商2級(ネットスクール)

 3級の勉強では合トレ・合テキを使いましたが、2級に関してはサクッとシリーズで統一しました。

 理由としては、3級の勉強に思った以上に時間を取られてしまい、このままでは2級の勉強が間に合わなくなると感じたので、短時間で理解が出来ると評判のサクッとシリーズに乗り換えました。

 ちなみに、簿記2級の勉強時間だけで言えば一か月しか期間がなかったので、サクッとシリーズでなければ絶対に2級の範囲すべてを勉強できなかったと思います。

 テキストは最短1週間で出来ると書いてあるだけあって、短い文章ながらわかりやすく説明しているので、独学の方には合テキよりも挫折せずに進めることが出来ると思います。個人的には図やイラストの説明が本当にわかりやすく素早く学習出来た理由だと考えています。

 トレーニングは基礎問題と過去問に似た問題で前半・後半でわかれており、合トレに比べると量は少ないですが必要事項に絞って問題を作ってあるので、短時間でマスターするにはおすすめの問題集です。

 量が少ないと不安に感じるかもしれませんが、その分の時間は全部過去問に回すと考えれば大丈夫です。

 過去問ナビは正直数年前に出版されていらない改訂されていないため、問題が少し古くこれだけやれば過去問対策は充分とは言い切れないと感じます。過去問の入門編としてはいいと思いますので、気になる方はやってみても損はないと思います。

 合格するための過去問題集は、サクッとシリーズの過去問ナビを終えた後「これだけでは絶対に過去問演習が足りない」と感じ購入しました。

 使い方としては一つの回を2時間でまとめてやらずに、学習したい単元ごとに絞ってまとめて勉強するようにしました。工業簿記に関して言えばこの過去問題集のおかげで本番の得点源となり、非常に助かりました。

 ラストスパート模試は最後の1週間にまとめてやりました。第二問の固定予算の個別論点はここにある予想問題のおかげで20点満点をとれたので、非常に満足しています。

 また、各問題ごとに第何回の過去問をやるとさらに理解力が増すとというチャートも書いてあり、TACの過去問題集と併用しつつ過去問対策に打ち込むことが出来ました。

使用電卓

  • CANON HS-1210TU

 父親が持っていたのでそのまま使わせてもらいました。Canonの一世代前の電卓ですが、機能は十分にそろっていたので、特に問題はなかったです。

 電卓についてですが、2級までだったら変な機能を使わずに普通に計算するだけで時間は普通に余ります。電卓の使い方を学んでる暇があるなら仕訳を一つでも多く解いた方がましです。

勉強方法

 勉強機関は、年明けから試験日までだったので…厳密には一か月と3週間くらいです。3級に3週間、2級に一か月という割合で勉強しました。すでに離職して時間はあったので、一日大体4時間最後の週は一日6時間位勉強しました。

 流れとしては「テキストの一つの単元を読む→トレーニングの問題をやる」王道ですがやったことはこれだけです。ただ、3級に時間を意外ととってしまったため、急遽、サクッとシリーズに教材を変えました。おかげで効率的に勉強できることが出来ました。

 あと、もう一つ短期間で全範囲を勉強するためには「一回目で解けた問題は二度とやらず、間違った問題のみに絞って勉強を進めること」が一番のコツだと思います。

 人間の心理的に自分が得意としている分野をやろうとしてしましますが、それでは前に全然進みません。苦手な部分にどれだけ時間を費やすかが、勉強範囲の多い二級の必勝攻略法だと思います。

 特に工業簿記が苦手という人は、絶対にそのままだと合格は出来ないと考えた方がいいです。問4・問5で30点以上とらないと、最近の商業簿記(今回は仕訳までもが難易化)の傾向を考えると厳しいです。

試験日の1日の流れ

 試験当日は朝6:30位に起床し、予想問題で間違った問題を復習し、最後は過去問題集の仕訳問題で間違った仕訳をひたすらに暗記していました。

 試験会場には試験開始時間30分前の13時に到着し、後は問題次第だと割り切ってトイレに行ったりなど、とにかく落ち着くように努めました。

  • 試験開始!

 まず、解答用紙を見て問2が固定資産の個別論点であることが分かりました。予想問題をやっておいてよかったと思うとともに、これはいける!と思いました。

 しかし、問3はまさかの3回連続で財務諸表…しかも貸借対照表と損益計算書の複合だと?と思い少し不安になりました。工業簿記は特に問題はなさそうに感じました。

 そして、試験開始。まずは問1の仕訳からで、ここで12点は取ると決めていたのですが…まさかのわけがわからない問題のオンパレード…教室の中がペンの音も電卓の音もならない時間がしばらく続き怖くなりました。

 結局4問目しか解けず、正直ここで落ちたと確信しました。ここで大体10分くらい時間がたちました。

 しかし、前回の試験では問1・問4・問5が得点源であったというのを知っていたので、もしかしたら工業簿記が満点前提の試験なのでは…と思い直し、すぐに問4に移りました。

 今回の試験はこの判断がすべてだったと思います。問4・問5を合わせて25分くらいで解いて「ここで40点はいけたから、あとは問2次第だ」と思い、問2に移りました。

 問2は予想問題をやっていたおかげで、一つ一つの仕訳は簡単であるということがすぐに解りここも特に問題なく進めました。

 200%定率法が難しいという人たちが多くいたみたいですが、カッコ書きで「年償却率25%」と書いてあったので、ここを見逃さない人はちゃんと解けたと思います。

 問3は案の定、最初あたりから訳のわからない決算仕訳が3つくらい…この時点で損益計算書の答えは完全に無視し、部分点狙いに頭を切り替えました。

 しかし、(あとから冷静になって考えてみると)もう少し考えていれば解けたところもあったので、そこは反省です。問1に時間をかけたいという思いがあったので、無意識に少し焦ってしまったのかもしれません。

 最後の30分を問1に注ぎ込み、二問めの資産の切り替え項目が長期前払い費用であることに気づき、なんとか8点は確保できた…と確信できたところで試験は終わりました。

試験の結果

  • 問1:8点
  • 問2:20点
  • 問3:8点
  • 問4:20点
  • 問5:20点
  • 合計:76点/100点

 簿記検定ナビの過去問分析ページにも書かれていましたが、今回の試験は問2・問4・問5で点数を稼がないと厳しい試験だったと思います。簡単なところは絶対に落とさない、難しいところは部分点を狙うというスタイルで試験に臨むといいと思います。

管理人からkさんへ追加の質問

 サクっとシリーズの他にもボリュームを抑えた教材(ex.TACのスッキリシリーズ)がありますが、サクっとシリーズを選んだ決め手はなんですか?
 一番の理由は本のレイアウトです。個人的にスッキリよりもサクッとの方が文章と図面が読みやすく理解しやすいと感じました。独学で初めて簿記をはじめるなら間違いなく買って損はないシリーズであると感じました。
 kさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は総合原価計算です。パズルを当てはめて解いていくような感じでとても楽しく学ぶことができてよかったです。工業簿記の中では結構簡単な分野だと思うので、ぜひとも試験では満点をとれるように勉強した方がいいと思います。

 苦手な論点は本支店合計と財務諸表です。この二つに関してはとにかく決算整理仕訳を数多く解くことがカギだと感じます。具体的な対策としては過去問題集の問3の問題に関して決算整理仕訳だけを解く練習をしていました。

 本支店の仕訳に関しては内部利益はわかりましたが本店と支店の損益一致に関してはなかなか理解ができず、試験においても最後の2点や4点しか配点がないことがわかっていたので、勉強期間が少ないこともあり最初から捨てることにしました。

 kさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 転職活動をする中で「転職期間中に努力したこと」を聞かれる機会もあると思ったので、資格を取得して結果を残しておきたい、という思いが一番でした。

 あとは、答え合わせをして数字があっていたときの「快感」が自分に合っていた…というのもあって、モチベーション的には特に苦労することなく勉強できました。

管理人コメント

 kさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 「「勉強方法」のところに書いていただいた「人間の心理的に自分が得意としている分野をやろうとしてしましますが、それでは前に全然進みません。」という一文が、受験生時代の私に言われているような気がしてグサッときました…。

 kさんのおっしゃるとおり、苦手分野をひとつひとつ潰していくことが短期合格のカギになりますので、簿記検定ナビでも紹介しているまとめ解きなどを参考して、粘り強く取り組むように心がけてください。

 また、「試験の結果」のところに書いていただきましたが、最近の「商難工易(商業簿記が難しくて工業簿記が簡単)」という出題傾向を考えますと、合格するためには第4問・第5問の工業簿記で9割以上(40点中36点以上)取る必要があります。

 工業簿記は2級から始まるということもあって基本的な問題が出題されることが多く、しかも過去問対策がまだまだ有効なので、出来るかぎりたくさんの問題を解いて準備しておきましょう。

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