ただ問題を解くのではなく、苦手部分を分析しながら進めていくのが大切です!

  • 投稿者:さっちさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約5か月

はじめに

 私は現在26歳社会人です。仕事で経理関係の業務もなく、簿記を勉強したこともありませんでした。転職に活用できればということと、経理関係は勉強していて損はないと思い受験を決めました。

 私の性格上、モチベーションの上り下りが激しく、全く勉強が手につかない時もあり、正直スムーズに勉強はできませんでした。しかし今までやってきた勉強の中で一番楽しい分野だったことは間違いありません。

  • 2015年02月:139回3級合格
  • 2015年11月:141回2級合格

 これから勉強&受験される方の少しでも役に立てればうれしいです。

教材 ※利用した順に

Livoo!(リブー!) ★★★☆☆

 無料オンライン学習サイトの「日商簿記3級コース・2級コース」にて学習しました。無料会員登録をすれば無料で動画の講義を見ることができます。とても分かりやすく、導入としては助かりましたが一日中PCの動画を見るというのは辛いものがあり、途中でやめてしまいました。

サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト ★★★☆☆

 雑誌感覚で書かれているので、読みやすいです。3級の復習も少し入ってるのでお勧めです。

パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 日商/工業簿記 テキスト&問題集 ★★★★☆

 最初に四コマで簡単なストーリーがあり、その後解説、最後に練習問題、と、とても分かりやすいです。他のテキストに比べて情報が少ないという指摘も見ますが、初心者にはとっつきやすくお勧めです。

パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 日商/工業簿記 総仕上げ問題集 ★★★★★

 この問題集はかなりお勧めです。分野ごとに分かれていて、解答解説もすぐ読めます。過去問30回分を分析して作られたものなので、過去問題集の代わりにもなります。

TAC 合格するための過去問題集 日商簿記2級 ’15年11月検定対策 ★★★★☆

 このシリーズは、解答用紙をダウンロードできるので何度でも解けるところが魅力です。解説もわかりやすいと思います。

その他

 「簿記検定ナビ」や「パブロフ簿記」のサイトも参考にしました。

勉強の流れ

 おおよその流れはこんな感じです。

 テキストを読む→練習問題を解く→問題集&過去問を解く→ミスノートに間違った問題をメモする→苦手な分野を分析する→苦手分野中心に問題を解く

商業簿記

 改定の関係で出題可能性の低い「特殊仕訳帳」「特殊商品売買」「社債」等は、改定の発表があってからはほとんど勉強しませんでした。それより、「精算表」や「財務諸表」が気になっていたのでそれらを中心に勉強しました。

 勉強するうえで特に気を付けた点は以下の2点です。

  • 間違えやすい仕訳や論点はノートにまとめていつでもすぐ見れるようにしておく。
  • 似たような問題を何度も解いて実力をつける。
ミスした仕訳や問題などを書き溜めたノート
ミスした仕訳や問題などを書き溜めたノート

工業簿記

 工業簿記は、最初はなかなか理解できす苦手でしたので、まずは、工業簿記の概要をA4紙にまとめて、一目で分かるようにしました。

工業簿記の概要をまとめたもの
工業簿記の概要をまとめたもの

 その後「パブロフ流テキスト」を読んで解いてを繰り返し、全体を理解してきたら、「パブロフ流 総仕上げ」と「TAC 過去問題集」を解いて問題に慣れました。

 勉強するうえで特に気を付けた点は以下の2点です。

  • 間違えた問題をノートにまとめて、いつでもすぐ見られるようにする。
  • 今解いてる問題が、工業簿記の全体の流れの中でどの部分の計算なのか確認する。
工業簿記の過去問のミスした分野をまとめたノート
工業簿記の過去問のミスした分野をまとめたノート

 また、パブロフ簿記のサイトで「過去問の工業簿記の問題だけ切り取って、問題集をつくる」方法が紹介されていたので、躊躇しましたが思い切ってハサミをいれ、分野ごとに分けてホチキスでとめました。

工業簿記の過去問を分野ごとににホッチキスで留めたもの
工業簿記の過去問を分野ごとににホッチキスで留めたもの

実践・予想問題

 過去問だけでなく、見たことのない問題を解いて実力を確認したかったので、パブロフ簿記テキストの特典の6回分実践問題や、簿記検定ナビさんの「簿記ナビ模試」を解きました。

 「簿記ナビ模試」は結構難しく、70点を下回りましたが、第2問に有価証券が出てきたので、試験でも実際に有価証券が出たときは、かなり勇気づけられました。また、簿記検定ナビの2級「過去問分析」や「試験問題予想」もかなり参考にしました。

試験日の1日の流れ

  • 9:00頃

 起床。起きてから出かけるまで音楽を聴きながらミスノートを眺めたり、解いた問題集を眺めたりしていました。

  • 12:00

 早めに家を出て、コンビニで軽いお昼と糖分補給にチョコレートを買う。

  • 13:00

 試験会場に到着。先にトイレに行っておく。周りの人で、試験開始直前まで、鉛筆と電卓をたたいて何か問題を解いてる人もいましたが、ギリギリで問題を解くのは効果がないように思います。

 それよりミスノートや間違った問題の答案用紙を眺めて最終チェックしながら、できるだけリラックスすることをお勧めします。

  • 13:30 試験開始!

第1問

 なんとなく第1問の仕訳問題から解きました。1問目以外は難しいけれど、何度かよく考えれば理解できたので、応用編なのだと思います。「基礎力」+「読解力」が必要だと感じました。

第2問

 次になんとなく第2問を解きました。有価証券の文字を見たとき、簿記ナビ模試を思い出し、「大丈夫、やったことある」という気分になれたので、落ち着いて問題に臨めたと思います。でもやはり難しかったです。

第4問

 工業簿記の見慣れた「本社工場会計」の問題でした。第1問、第2問が見慣れない問題だったので、いかに冷静になって見慣れた問題に挑めたかということだ大事だった思います。簡単ではなかったので、かなり慎重に解きました。

第5問

 見たことのある「直接原価計算・CVP分析」の問題でした。こちらはパブロフ簿記の総仕上げ集に似たような問題がありました。こちらも自分にとっては簡単ではなかったので、かなり慎重に解きました。

第3問

 精算表は最後に解きました。しっかり時間をかけて確実に点数を稼ぎたかったからです。思ったよりも簡単でシンプルな問題でした。

 最後に見直しと一緒に、(試験後に自己採点をするために)自分の解答を問題用紙に書き写しました。あとカンマ「,」を正しく書けているかも念のためチェックしました。

  • 15:30 試験終了

 その後、17時半ごろにネットで解答速報を探して自己採点しました。

試験の反省点

 解く順番は、1→2→4→5→3でしたが、今回は1と2が難しかったので、それらを後回しにしても良かったのかなと思います。ぱっと見て難しいか簡単かを見分けられるようにしておいた方が良かったと思います。

 仕訳問題は5問中4問は正解しましたが、(1)の源泉所得税の問題を間違えました。もっと139回の過去問を復習しておけばよかったと反省してます。

 仕訳に関しては、3級試験からずっと勉強しているので、自分の中ではほとんど大丈夫だと高をくくっていたところがありました。よく考えると、仕訳問題は配点がかなり高めに設定されているので、全て正解したいところでもありました。

 「パブロフ簿記アプリ」や「簿記ナビ仕訳対策問題一覧」などで沢山練習することをお勧めします。

最後に

 簿記の勉強は、とにかく根気が必要だと感じました。最初は分からないなりに淡々と問題を解いていくしかなく、少しずつ理解度を深めていきました。とくに私は忍耐力がないので、途中で飽きたり、音楽聴きながら勉強してみたりと、少し大変でした。

 でも独学だからこそ、のびのび勉強ができるし、簿記ナビさんのようなサイトから沢山情報を得られるので、結果的には独学は自分に合っていたんだと思います。

 独学でも、予備校などで勉強する方でも、結局は演習問題などをひたすら一人で学習していくのが基本だと思いますので、自分なりの気分転換方法などを実践しながら、根気良く頑張ってほしいです。

 また問題をただ解くのではなく、自分の苦手部分を分析しながら進めていくのが大切だと思います。

管理人からさっちさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 「SHARP EL-N942」(Amazon¥3,645)です。簿記ナビさんで紹介している「SHARP EL-G37」とほぼ同じものだと思います。価格は少し高いですが、かなりお勧めです。サイズがちょうど良く、 試験中も机の上で邪魔になりませんでした。

 また、指に吸いつく感じがあり、キーの間隔もちょうど良いので押し間違いがありません。簿記の勉強のために買いましたが仕事でも使っちゃってます。

 さっちさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は特にありません。苦手なのは、商業簿記では「有価証券」「財務諸表」、工業簿記では「直接原価計算」「標準原価計算」です。

 苦手な論点を克服するためにとにかく問題を解きました。間違えるたびにテキストやネットの情報で確認して復習しながら、その都度、どういう風に考えれば正解したのかを反省してから次にいきました。

 さっちさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 試験範囲改定の発表があり、141・142回を逃すと勉強が大変になるだろうと予測できたので、それまでに合格すべしと自分を追い込んだこと。

 また、自分の性格上、部屋が汚いと気持ちも怠けてしまうので、勉強する部屋を常に綺麗にしておくよう心がけました。集中力がなくなってきたら、音楽を聴いたり本や漫画を読んだり、一旦他の事をして気分転換もしました。

管理人コメント

 さっちさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 勉強と仕事の両立は大変だったと思いますが、勉強方法をいろいろと工夫されていて、私も「なるほど、こんな勉強方法があるのか…」と感心してしまいました。特に、工業簿記の概要をまとめる作業は、一巡の流れをひと目で把握できるので良いと思います。

 また、工業簿記の問題を分解して分野ごとにまとめられていますが、これは簿記検定ナビでも紹介している「まとめ解き」と同じような効果がある方法だと思います。

 練習段階では試験回ごとに問題を解くよりも、分野ごとに問題を解いたほうが費用対効果の高い学習ができるのでおすすめです。

 なお、出題範囲の改定に関しましては2016年度の試験(第143回試験~)からの適用ですので、2016年2月に行われる第142回試験には直接的な影響はありません。

 ただ、「2016年度から削除される論点の2015年度の取り扱いについて」の箇所は学習を進めるうえで大きなポイントになります。第142回試験を受験予定の方は内容をご確認ください。

さっちさんが使われた教材や電卓のまとめ