市販書籍は選び方だけでなく、買うタイミングにも気をつけてください!

  • 投稿者:よこさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約1年半

はじめに

 簿記を勉強しようと思ったきっかけは、以前から興味があったこと、会社で資格手当が出ることでした。

 第135回で3級を取得したあと、しばらくだらけていたのですが、簿記面白いなーと思っていたのと転職活動の役に立てばと思い、2級の学習を始めました。第140回試験では、工業簿記が全くできず不合格。第141回試験で合格しました。

テキスト・問題集

テキスト(75点)

  • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集(翔泳社)
  • パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級 工業簿記 テキスト&問題集(翔泳社)

 3級もパブロフのテキストを使っていたので、2級もこちらにしました。読みやすいしパブロフもかわいいのですが、説明が足りないところがあるかなと思います。

 商業簿記では、仕訳の解説に重点を置いているため財務諸表や元帳などの部分は、駆け足な感じでした。工業簿記は、シュラッター図など、図の形と公式をとにかく覚えるような解説でした。

 どうしても覚えられなくてネットで調べたら、形と図の原理がわかれば、一部の公式は覚えなくても図から割り出せることがわかって、やっと理解できました。

 なお、私が勉強を始めた時は問題集がなかったのですが、今は同シリーズの問題集もあります。併せて使うのであれば、おすすめできると思います。著者の方のブログに質問できるのもありがたいです。

問題集(80点)

  • 簿記の問題集 日商2級 商業簿記 第2版(TAC)
  • 簿記の問題集 日商2級 工業簿記 第2版(TAC)
  • サクッとうかる日商2級 工業簿記 トレーニング(ネットスクール)

 私が勉強を始めたころは、パブロフは問題集がなかったので、簿記の問題集を購入しました。少し難易度が高めですが、良いトレーニングになりました。

 しかし、工業簿記については簿記の問題集では歯が立たなかったため、サクトレを追加購入しましたが基礎固めには良いと思います。解説もわかりやすいので、工業簿記が苦手な方はまずこちらで問題に慣れると良いと思います。

 サクトレを一周回してから簿記の問題集を解いたら、ちんぷんかんぷんだったのがわりとあっさり解けるようになりました。

過去問題集等(90点)

  • 本試験型 日商簿記2級 予想問題+過去問3回分 第137.138.139回試験対応(成美堂)
  • ’15年11月検定対策 合格するための過去問題集 日商簿記2級(TAC)

 成美堂の予想問題集は、本のサイズが持ち歩けるサイズで非常に便利です。問題と回答用紙が外せるのもとてもよかったです。

 解説は、すこし硬めで理解に時間がかかりましたが、どの計算で求めた数字を答案のどこに書くのか が記載されているので、「この数字どこから出てきた!?」とならなくて済みます。

 TACの最新版の過去問題集は、140回試験の不合格を受けて買い直しました。試験範囲改定についてわかりやすく書かれていました。各問題の解き方のテクニックが最初に記載されているのもよかったです。おすすめです。

その他

  • 簿記検定ナビの無料予想模試
  • パブロフ流のサイトのダウンロード問題
  • パブロフの仕訳アプリ
  • 大原の直前答練(資料通信)&無料公開模試

 過去問題などを何回もやっていると、どうしてもなんとなく答えを覚えてしまって、意味がないなと思うようになりました。

 色々な種類の問題に触れたかったので、簿記ナビ模試やパブロフのダウンロードできる問題はありがたいです。問題と答案用紙を印刷すれば、解説はスマホで見られるのも便利です。

 パブロフの仕訳アプリは有料ですが、隙間時間の活用に便利です。毎日使ってました。おすすめです。ちなみに、工業簿記もアプリがあるのですが、工業簿記は図を書かないと解けないのでアプリには不向きだと思いました。

 さらに、初見の問題をたくさん解くために、大原の直前答練を受講しました。若干費用がかさみましたが、受講して本当によかったです。全6回の直前答練の中で新たに覚えた知識が、本試験で役に立ちました。

 無料模試は試験会場の雰囲気に慣れることもできますし、講師の方に質問ができるので、独学の方はぜひ受けてほしいです。

テキスト&問題集
テキスト&問題集
過去問題集&大原の直前答練
過去問題集&大原の直前答練

勉強方法

インプット

 テキストを読みながら、自分でまとめノートを作成。ミスノートではなく、まとめノートです。私は、自分の言葉で書いてまとめないと頭に入らないので、テキストの最初のページから、せっせとノートを作りました。

 以降、問題を解く中で不明なことや間違いやすい点を、まとめノートの該当箇所に書き足していくようにしていました。ノートは、無印良品のA5サイズ(持ち歩けるよう小さめのもの)を使用していました。

まとめノート(商業簿記)
まとめノート(商業簿記)
まとめノート(工業簿記)
まとめノート(工業簿記)

 なお、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表類はテキストをコピーしてノートに貼り、ポイントや注意点を書き足していくようにしていました。

損益計算書と貸借対照表のひな形
損益計算書と貸借対照表のひな形

アウトプット

 最初は、解説を見ながら解きました。テキストに載っていなかった論点は、まとめノートに追記していきました。また、過去問題や予想問題に取り組むときは、時間を計ってやりました。

 最終的に、問題集は3冊を3周しました。過去問題集も、最終的には2冊を2周と3分の2、直前答練は3周回しました。

勉強時間

 平日は、昼休みに問題を1~2問解きました。帰りの電車の中で、仕訳アプリやまとめノートの見直しをしました。休日は3~4時間/日程度で、過去問題または予想模試を1回、その他苦手論点の問題の復習をしました。

一度目の不合格を経て

 140回試験の結果を受けて、このあとどう勉強しようか悩みました。明らかに工業簿記ができていなかったので、まずは工業簿記をやり直すことにしました。問題集を一から解き直し、過去問題などの工業簿記の問題だけを解き直すことを繰り返しました。

 その間に商業簿記を忘れるといけないので、仕訳アプリやまとめノートで必ず商業簿記に触れる時間を作りました。また、最新の過去問題集の購入と直前答練の資料が届いた際に、時間を計って問題を解く練習に切り替えました。

 試験一週間前から、再度怒涛のように工業簿記だけを解き直していたところ、3日前くらいに突然、固定費調整をマスターすることができました。今まで、「ぜんちょくまっしゅ」の使いどころがわかっていなかったのが、急にすんなり腑に落ちたのです。

 さらに、大原の直前答練で、損益分岐点の別の求め方(固定費÷貢献利益率)を習得しました。結果的にこの求め方で141回の第5問が解けました。

試験日の1日の流れ

  • 7:30 起床

 いつもの休日と同じくらいの起床時間です。朝食は、トーストとコーンフレークとヨーグルト、青汁の牛乳割。いつもの休日のメニューです。

  • 10:30頃まで

 苦手な工業簿記の最終解き直しをしてから、出かける支度をしました。

  • 11:00過ぎ頃

 昼食。たぶん、炒飯とかだったと思います。いつもの休日のメニューです。

  • 12:00過ぎ

 出発。試験会場が近いので、なるべく自宅でのんびりしてから出発しました。

  • 12:45頃

 到着。まずは自分の席を確認。まとめノートの見直しを始める。周りは、テキストの見直しや、問題を解いている人が多かったですが、試験直前に問題を解くのはあまり意味ないかなと思います。

 試験開始15分前にお手洗いを済ませて着席。頭の中で、諸々の公式をひたすら念じつつ、開始を待ちました。

  • 13:30

 問題/答案用紙の配布開始。

  • 13:45頃

 試験開始。いつも第1問から順に解くので、その方法でいきました。第2問まで解いたところで冷や汗をかきまくりでした。

 第3問が精算表だったので、このままでは簡単な仕訳でもミスしてしまうと思ったのと、精算表の細かい文字を書く気力がなかったので、第3問は飛ばして工業簿記に取り掛かりました。

 結果的にはこの選択は正解だったと思います。工業簿記が解きやすくすんなりできたため、落ち着いて第3問に取り組むことができました。

  • 15:45頃

 試験終了。見直しと、自己採点用に答えを控えていたら、いつのまにか終わってました。

  • 帰り道

 本試験が終わったら、絶対飲むんだ!と決めていた、コンビニで買えるスタバのドリンクを購入して、お行儀が悪いですが飲みながら帰りました。

管理人からよこさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。また、点数をつけるとしたら何点ですか?その電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 シャープのEL-MN320です。電気屋さんで展示品を幾つか試し打ちして、打ちやすかったのでこれにしました。機能もシンプルで、使いやすいと思います。
 よこさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 会社で資格手当が出るので、お給料アップだー!!と思いながらやってました。
 簿記そのものがとても面白くて、モチベーションが下がったのは、ボロボロだった140回試験の直後だけでした。141回試験に向けた対策を練らないといけないので、一晩寝たら忘れました。
 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 過去問題は、テキストや問題集をやりこんでから、受ける試験の回に対応した最新版を買うこと。

 成美堂の問題集を購入したタイミングが早すぎて、136回までの問題しか含まれていませんでした。あとでTACの過去問集を買ったら、137~139回の問題に、私が140回で解けなかった問い方の問題がいくつかありました。

管理人コメント

 よこさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 よこさんには簿記検定ナビ主催の簿記オフ会に何度かご参加いただいてまして面識があるので、今回の合格は自分のことのように嬉しいです。

 さて、よこさんの合格体験記の中で一番参考にしていただきたいのは、「一度目の不合格を経て」のところに書いていただいたように、苦手の工業簿記にしっかり向き合って勉強した点です。

 人間はどうしても辛いことからは目を背けてしまいがちですが、受験勉強においては得意分野をさらに伸ばすよりも、苦手分野を克服したほうが点数が伸びます。よって、(特に直前期においては)苦手分野の克服に出来るだけ多くの時間を割くように心がけてください。

 なお、どうしても理解できない論点は、ひとまず「そういうもんなんだ」と割りきって処理等を暗記してしまいましょう。勉強を進めていくと、よこさんのようにある日突然、点在していた知識が線で結ばれて、一気に理解が深まることが多々あります。

 あとは、勉強時間に余裕がある場合は、簿記検定ナビで無料配布している簿記ナビ模試や、TACや大原の直前答練・公開模試を受講するのもおすすめです。

 簿記の問題は作問者によって切り口が大きく異なりますし、問題の解説も十人十色で思わぬ発見があったりするので、自分に合いそうなものをいろいろ探してみてください。

よこさんが使われた教材や電卓のまとめ