必ずしもテキストは必要でない!取捨選択できる眼力を養おう!

  • 投稿者:yamato8さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月

 貴サイトにはお世話になりましたので、2級の合格体験記を書かせていただきます。参考にしていただければ幸いです。

テキスト無しで勉強を開始

 私は3級の受験経験がなく、今回もいわゆる基本書は使用していません。簿記の知識が多少あったのと、インターネットで探せば、簿記、原価計算の基礎を解説しているサイトがたくさんあるので、それを見て基本を押さえました。大学の先生が公開している授業のレジュメも便利な教材です。

 9月の5連休の初日に書店に行って、大学受験のときの「〇〇の実況中継」のような参考書がないものかと探したところ、「日商簿記2級問題演習(TAC出版 滝澤ななみ著)」を発見し迷わず購入。5連休はほとんどどこにも出かけず、この本で勉強しました。今回の合格は本当にこの本のおかげです。第1問対策から第5問対策まですべてが素晴らしいのですが、とくに、第1問対策で、一連の取引の流れをすべて仕訳させて理解させる「フィードバック問題」が良いと思います。

過去問を解く際に気をつけたこと

 過去問演習は「出題パターンでマスター過去問題集(TAC出版)」を使いました。目に優しい色使い、シンプルな構成などが気に入って選びました。問題量は本試験の10回分くらいですが、直近の過去問を10セットこなすよりも、幅広く出題パターンをおさえられて良かったと思います。

 平日は仕事で疲れていて勉強する気になれなかったので、土日に集中して過去問をこなしました。必ず時間を計って記録し、完答できた問題でももう1回取り組んで、時間の節約ができたか検証しました。(私はサッカーが好きで、いつもテレビのサッカー中継をチラチラ見ながら勉強してました。前半で第4・5問、ハーフタイムに第2問、後半に第3問を解くのがいつもの流れでした。)

仕訳問題対策と大原の予想問題を利用

 簿記検定ナビで無料配布している仕訳問題対策(3級)をプリントアウトして仕訳の過去問対策に利用しました。2級の第3問では、3級の復習のような仕訳が必ず出題されるため、3級の勉強をせずに2級の過去問だけやっているとここで足を掬われることに気がついたからです。

 これ以外では、本番の1週間前に大原簿記学校の予想問題をダウンロードして、2時間計って解きました。この予想問題は、今回の第3問にかなり有効だったと思います。

試験日当日の1日の流れ

 試験会場は、家から歩いて10分の高校なので、たっぷり寝て昼食をとってから余裕を持って到着。第1問と第3問の過去問をコピーして裏に正解の仕訳を書いた自作カードで最後の復習。(問題文を見れば反射的に答えが思い出せるくらい繰り返したので、似た問題が出れば何も考えずに仕訳できた)

 試験開始。第1問は下から順に簡単そうに見えたので逆順に回答。工簿へ標準原価計算も直接原価計算も出題されずにがっくり。工簿は序盤の計算ミスが怖いので、慎重に計算を繰り返してたら結構時間を取ってしまい、65分を残して第2・3問へ。

 第2問は「絶対解ける問題演習」にあった、問題用紙の伝票の横に「現金|」「|現金」「仕入|」「|売上」と書きこむテクニックを使って見やすくしてから回答。ひたすら数字を拾い上げるだけのつまらない問題だけど今日までの我慢と言い聞かせる。

 そして第3問。未達商品の12,000円 に「(振替価格)」と付記してなかったので、過去問にあった通り、内部利益を加算して14,400円に。表中の「?」も推定でき、貸借もぴったり合ったので、合格を確信して帰宅。

 TACの解答速報を見る。第2問で売上が5,000円ずれたせいで6失点。ここは見直しをするやる気もなかったので問題なし。問題は第3問が全然合ってないこと。減価償却費、前払費用などの他と連携していない数値は合ってるので、例の14,400円が原因ではないかと、全部12,000円にして計算し直したら合っていたので、大勘違いに気付く。結局これのせいで10失点。

 合格通知に記載されていた問題別の得点が、TACの解答速報での自己採点と一致してしました。ですので、TACの問題集に書かれている予想配点は信頼性があり、試験の作戦を考えるうえで参考になると思います。

管理人からyamato8さんへ追加の質問

 今回の試験勉強で電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 Canon HS-1210TUです。打ちやすく、画面も見やすく、検定にも仕事にも最適の電卓です。これを使い始めてからは、これ以外は使う気になれません。
 yamato8さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は、減価償却、社債償還、標準原価計算など、覚えることが少なく、数直線やグラフを書いて考えて解ける問題です。

 苦手なのは、第2問の伝票問題で、ただ集計するだけでつまらないので勉強する気になれず、本番でも嫌々やったのでやはりミスをしました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 簿記2級は、「絶対解ける問題演習(滝澤ななみ著)」で問題を解く道筋を理解し、過去問集で演習すれば必ず合格できます。

 アドバイスするとしたら以下の3点くらいです。

過去問を解くときは、解答用紙だけなく問題用紙もコピーして書き込みすべき
②工業簿記で仕訳問題が出たら、すぐに問1から回答せずに、全体の流れを計算してから回答すべき。
③できなかった問題の解説を読んだら、必ずその場で自力で解くべき(それでも解けないことも多い)

 自作カードを作られたとのことですが、画像を見せていただくことは出来ませんか?
 申し訳ありません。試験終了とともに捨ててしまったので、お見せすることはできませんが、簡単なものです。過去問集の仕訳問題(第3問も)をコピーし、1問分ずつ切り取ってカードにし、裏に正解を書きこみました。

 印象の悪い問題は50回くらい繰り返したおかげで、試験前日までには、カードを見なくても問題と答えが頭に浮かぶようになったので、第1問の最初の2題は、理屈を考えずに過去問と答えを思い出すだけで正解できました。

 もし、試験本番で参考書を開いて見ながら回答できたら楽勝ですよね。しかし、それはできませんので、頭の中で本が開けるように準備すればいいのです。

 今後は簿記2級をどのように活かすつもりでしょうか?
 資格自体が活かせる機会はないと思いますが、簿記を勉強したおかげで、決算書などの用語が理解できるようになったのは良かったと思います。

管理人コメント

 yamato8さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!テキストを買わずに勉強を進められたというのは正直びっくりですが、高いITリテラシーがあればそれも可能なのかもしれません。ただ、簿記関連サイトの中には古い情報のまま放置されているサイトも散見されますので、yamato8さんのように情報の取捨選択が出来るような方以外は真似しないほうがいいかもしれません。

 yamato8さんの合格体験記でぜひ参考にしていただきたいのは「過去問を解くときは、解答用紙だけなく問題用紙もコピーして書き込みすべき」と書かれている点です。お金がもったいないから解答用紙だけコピーして、問題用紙は使いまわし…という方もたくさんいらっしゃると思いますが、使い回しですとどうしてもヒントが残ってしまいますので、出来れば問題用紙もその都度、新しいものを使うようにしてください。

 また、過去問を解く際には「必ず時間を計って記録し、完答できた問題でももう1回取り組んで、時間の節約ができたか検証しました」という点にも気をつけられたそうですが、上と同じようにぜひ参考にしてください。漫然と問題を解くのではなく、目的意識を持って問題を解くようにすると、力が飛躍的にアップするはずです。

 あと、滝澤ななみさん著作の「日商簿記2級問題演習」という教材ですが、簿記検定ナビの総合掲示板の教材スレッドでもかなり評判が良いです。管理人はまだ見たことがないのですが、テキスト選びで悩んでいる方がいらっしゃいましたら、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたyamato8さんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

yamato8さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 問題集:日商簿記2級問題演習(TAC出版 滝澤ななみ著)
  • 過去問:出題パターンでマスター過去問題集(TAC出版)
  • 電卓:Canon HS-1210TU
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