やっぱり過去問対策は大事!間違いノートは作り方にも気をつけよう!

  • 投稿者:janさん
  • 勉強形態:独学+学校
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約10か月

衝撃

 第123回3級合格。合格さえすればいいと考えていたので、一緒に受験した知人が満点で合格した時の衝撃・敗北感は忘れられません。払拭するには2級合格しかないと思いました。5ヶ月半勉強し第125回2級を受験、けっこうやったつもりが「わかってなかった」ってことで、試験当日に不合格(58点)を確信。

 7月から126回に向けてまた猛勉強再開しました。2回目の受験ということで、多少は余裕があるのと次は絶対受からなきゃというプレッシャーがないまぜの日々でした。記憶がうすれる前に体験記に残したいと思います。

計画

 計画は必要ですが、綿密なものは計画倒れしかねないので、大雑把にいつまでにこれを終わらせる、その程度でした。

勉強時間

 夜遅くが苦手で昼型。仕事の合間に勉強ができる環境の中で仕訳、帰宅してからほぼ毎日2~4時間過去問に費やしました。休日は8時間ぐらい。集中力が切れると以前解いた問題もミス、そのダメージのほうが大きかったので、思い切って休憩しました。そうすると自然にまたやろうという気がおきました。

苦手科目克服

 休日など時間がある時は、仕訳以外の苦手な科目をひとつひとつ退治すような気持で取り組みました。テキストにのっている簡単な問題から始め応用が理解できるまでしつこく。苦手なものは克服できると得意なものに化ける可能性大です。

  • 克服出来たもの…本店支店会計の内部利益・伝票記入・差異分析
  • 克服出来なかったもの…特殊商品売買(委託販売・委託買付)

慣れた頃が要注意

 簡単な問題をど忘れしたり、月初月末のちがいで計算ミスしたり、有価証券の端数利息の計算を固定資産の売却や購入の問題に取り入れて不正解。期間の計算が伴う問題は下書きが不可欠、省略すると凡ミスを招きました。卸減耗と商品評価損のBOXと標準原価計算の差異分析のBOXの形のちがいをはっきりさせるまで混乱していました。「あれ?」と思ったら即効調べた方がのちのち楽です。

期間別勉強方法

  • 7~9月 ひたすら仕訳と過去問

 仕訳は1問4点と点数が高いので出来不出来で明暗が分かれると125回で実感したため、まずはひたすら仕訳をすることにしました。簿記検定ナビでダウンロードした第100~124回の仕訳問題を千本ノックのように、繰り返しやりました。これでもかってくらい。

 不要になったコピー用紙A4を半分に折りミニノートを手作りし、三分の一あたりで横線を引き、下は計算に使用。必ず採点し、まちがった箇所には赤字で大きく正解を書きました。問題用紙にも印をつけ、一周し戻り正解すると進歩している実感がわいてきます。何周しても同じまちがいをしてしまう問題があったので、間違いノートをつくり、その都度テキストに戻って確認しました。

 さくっと受かるシリーズは125回時に購入。とっつきやすく、要点を押えているため最初に取り組むのに適していると思います。ダイエックスのまるごと過去問題集は第110~124回とたっぷり掲載。始めるといかに問題慣れしていなかったことに気づきました。最初は時間を計ってやるレベルに達していませんでした。落ちるのも当然です。

 過去問をなぞった学習の仕方に難を示す商工会議所のコメントがありましたが、時間内に問題を解くことに慣れるためには、過去問が一番だと思います(そのしっぺ返しが126回の第2問目に)

  • 9~10月 過去問 2時間以内

 時間を計ると一人でやっていても緊張感があり効果的で、慣れると解く時間が短くなってきました。簡単な採点表を作成し、日付と問題別の点数・合計点を記録しました。ラストスパート予想問題を購入。ちらちらのぞいては「まだ早い」としばらく暖めました。

  • 10~11月 予想問題

 勉強の仕方はこれでいいのか、選んだ教材はこれで良かったのか、迷いが生じ、そんな時は仕訳問題に没頭することにしました。ラストスパートに挑戦。合格点には達するものの、初めて取り組む問題は投げ出したくなるような点数で、途中でギブアップした問題もありました。

 125回時に通っていた学校経由で受験を申し込むと、直前ゼミや模擬試験に参加でき、10回分の直前ゼミ問題集をもらいました。その頃には過去問に慣れ学校の問題集が難しく感じました。各スクールには教え方に特色があると何かで読みました。

 10月最後の日曜日から学校のセミナー、直前ゼミに参加しました。同じ受験者からの刺激や情報、先生のアドバイスは貴重ですが、仕事終わりで週2回3時間、体力的にきついことを知っていたので体調を考慮しながら参加しました。風邪をひいている人もいるのでマスクをするなど体調管理も大事です。

 本番2週間前に模擬試験を受験。他に簿記検定ナビで本試験予想問題をゲット。ほぼ同じ予想。今回は簡単なのかも……これが当れば満点合格も夢ではない!しかーし、自分が本試験の出題者なら、そうはいくかと絶対に思います。出回っている予想が当ればだれも苦労はしません。

試験日当日の1日の流れ

  • 9時頃:起床

 いつもと同じような行動でしたが、何度もトイレに通いました。家族にまだやるの?とちゃかされながらも残された時間はまたもや仕訳に費やしました。もはや精神安定の処方ですらありました。

  • 11時頃:昼食

 頭を使うために食事は絶対必要。菓子パンとバナナ、チョコレート。そしてトイレ。

  • 12時過ぎ:会場到着

 早すぎたかも、と思いきや先に来ていた人たちが必死に勉強していました。他人の電卓の音・咳払い・消すときに出る音などに過敏なタイプですが、3回目ともなると日頃からそれを想定してやっていました。

 ですが、そこの会場はとにかく机が小さい。3回目となってもイラッとしました。トイレに行ってから席についても仕訳のみ。ぎりぎりまで必死にやっている人もいましたが、自分は試験官が教室に入ってからは全部しまいじっとその時を待ちました。

  • 13時:試験開始

 パッと見ただけでも予想問題とはちがう事がわかり、解く順番を1→3→4→5→2変更してみるが、実際は解けるところを手当たり次第行ったり来たりという感じでした。


  • 第1問

 一見簡単そうでしたが、心臓がバクバクしている状況ではけっこう手ごわかったです。ここだけは1問も落としたくなかったので必死でした。手形の更改は新手形に利息を含む問題が圧倒的だったので、支払利息を思い出すまで時間を要しました。火災の問題では平成8年4月に取得、平成22年8月31日火災とあり、ターンテーブルを刻んでいて「長すぎ!」とキレ、22-8=からやり直し。


  • 第3問

 精算表が簡単だったことでやや気を取り直しました。


  • 第4問

 これも過去問にはなかったと思います。ラッキーだったのは、学校の直ゼミに参加した際に「外注加工費と特許権使用料は直接経費!」という先生の言葉が耳に残っていたことです。


  • 第5問

 標準原価計算は差異分析に重点を置いていただけに拍子抜け、逆に凡ミスしました。前期繰越も標準でやっちゃいました。連動しているため、結果8点落としました。パターン化したものも吟味しないで通り過ぎると痛い目に合う悪い見本です。なぜ本番に吟味しなかったのか?悔やんでも悔やみきれませんでした。「もうダメ、落ちた」と思いつつも時間いっぱいまで粘りました。何問かはそれで助かったと思います。


  • 第2問

 変な問題に当たったことに打ちのめされました。過去問にこんな変なのあったなと後で調べると第112回の社債発行、買入償還、購入の問題以来です。克服しきれず危惧していた特殊商品売買が満載。苦手な人も多いと思います。

 簿記検定ナビのクイズは何回も挑戦したのでなんとかなりそうと思っていたのに、残高試算表まで出てきて難易度を上げていました。勘定科目も冷静になればわかることがどれも始めて見るような気がしました。意地悪すぎる。部分点を拾うことで精一杯です。これをスラスラ解いた人はいるのでしょうか?

試験を終えて

 猛勉強したわりには力を出し切れずまたもや敗北感。知人が満点合格した時の比ではありませんでした。基本は仕訳。問題数をこなす。問題をよく読む。冷静でいられない本番では、当たり前のことができなくなってしまうことを実感。合格とわかり、これで開放される!さっそく勉強道具を押入れにしまいました。が、どこか物足りない、寂しい気さえしています。

管理人からjanさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
 おすすめします。さくっと~の基本問題は数字のケタが小さくて、同じ内容でも理解しやすいと思います。過去問題集はクリアすると自信がついてくるのでかかせないと思います。

 1回目の受験が不合格だった原因は、過去問題を知らなすぎたことでした。15回分を繰り返しやっていると重要な箇所が見えてきました。電卓については、無駄のない計算をするには機能が少ないためおすすめしません。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 自分なりのルールを作ること。それを早めにみつけることは大事だなと思いました。仕事をしながらは無理とか新しいことを覚えるにはちょっと年齢が…関係ありませんでした。やる気次第ということがわかりました。同じように思っている方々にがんばって取ってほしいです。

 勉強が嫌になった時も、短くてもいいからとりあえず毎日かかさず簿記にふれることで一歩前進、昨日より今日、今日より明日と根気良く積み重ねてほしいと思います。

 それと独学の人はとくに簿記検定ナビをフル活用してほしいです。私の場合、1回目の受験時は学校に通っていたことで、他に頼らなくても別に…と変に意地を張ってしまいました。このたびは本当にお世話になり、管理人さんありがとうございました。

 2回目の受験勉強で後悔したのは、せっかく作った間違いノートが、見直したい箇所がすぐにみつけられなくなってしまったことです。あとからも書き込めるようなスペースを空けノートをケチらないこと、探しやすいような工夫をすること(見出しシールなど)が大事だと思います。

 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 これまでも見よう見真似で職場の財務諸表を作成していましたが、今年からは理解したうえで作成に臨みたいと思っています。11月21日試験が終わってから勉強をしていません。今、問題が解けるかどうか疑問です。覚えるのは大変だけど忘れるのは簡単だな~さらなる上はおいそれとは手が出ません。

管理人コメント

 janさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!まずはリベンジおめでとうございます!社会人の方が平日2~4時間、休日8時間の勉強時間を確保するのはかなり大変だと思いますが、janさんは強い精神力で乗り越えられたとのことで…社会人受験生の方に大きな勇気を与えてくれたと思います。

 過去問についてですが、以前に比べて重要性が落ちた…という話しも耳にしますが、個人的には昔も今もこれからも「日商簿記検定3級&2級は、過去問重視の勉強方法で全く問題ない」と思います。第2問で新形式の問題が出題されて大騒ぎになった第126回試験も、第3問・第5問などは過去問対策をきちんとやっていれば短時間で満点(40点)取れる問題でしたし、第1問の仕訳も最低3問(12点)は取るはずですので、残り40点のうち18点取れば合格できたわけです。

 新形式の問題が出てきたときは、とにかく最後まで諦めずに部分点狙いに徹するようにしてください。今回の第2問の特殊商品売買の仕訳も、個々の難易度的には第1問の過去問と大差はなかったはずです(一部を除いて)問題を見て、「もうダメだ…」と思った瞬間に終わりですので、「自分だけでなく周りも面食らっているはずだ。完答する必要はないから、部分点を狙っていこう」と咄嗟に頭を切り替えることが大事だと思います。

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