ユーキャンの通信講座をデアゴスティーニばりに徹底解剖!

  • 投稿者:スミコさん
  • 勉強形態:専門学校(通信)
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約5か月半

はじめに

 会計事務所に勤めて3年になり、1年目に3級を受験しました。その後、慌ただしく日々が過ぎ、2級を受けてみようと思い立ったのは去年の4月頃です。職場にも慣れてきたのと、もう少し積極的に簿記の勉強をしたら視野が広がってもっと仕事が楽しくなるのでは…っと言う思いで受験に至りました。また、通信での体験コメントが少ないようだったので、皆様の参考になればと思い、投稿させていただきます。

使用したテキスト・電卓

  • ユーキャンの教材(詳しくは下記)
  • サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト
  • サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
  • サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト
  • サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
  • CASIO DW-20A

 大原かU-CANか迷ったのですが、教材の安さに負けてユーキャンに…ただ、通信を申し込む前に「サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト」を購入していました。申し込むと約1週間後に教材が届きます。ユーキャンのテキストは4冊です(商業簿記2冊・工業簿記2冊)その他に、練習問題が4冊(商業簿記2冊・工業簿記2冊)と、添削問題集全15回、過去問10回分です。

 ユーキャンでは学習期間を6ヶ月間としてます。テキストの各章が終わると各章ごとに練習問題を解きます。そして各章ごとに添削問題を解き、所定の封筒でユーキャンに郵送します。郵送後10日くらいでユーキャン指導部の方より「はげましコメント」と間違いを訂正・指導されて、解説冊子と一緒に返ってきます。その流れで15回まで進みます。

 ユーキャンのテキストは「サクッとうかる~」よりやや細かく用語解説されて、用語解説の他に例題があります(各章の流れはだいたい同じです)その例題に加え、練習問題が各章ごとにあるので結構なボーリュームでした。仕事終えてから夜勉強していたので、商業・工業簿記ともに2ヶ月ずつ(合計4ヶ月)で進めました。

 添削問題は小テストのようなもので、90分で解くように指示されていましたが30分程で解けます。添削問題には解答が付いていませんので解答をチラ見して郵送するっていうズルは出来ないので、解くたびに緊張感がありました。また、添削問題を解くコトで淡々とした勉強にメリハリが付きました。郵送した後は「よし!第1章終わったぞ!」っと言う不思議な達成感・充実感もあります。勉強していてとても楽しかったです。

勉強の流れと時間

  • 6月下旬~8月まで商業簿記(3回復習)
  • 8月~10月下旬まで工業簿記(2回復習)
  • 10月下旬~試験日まで過去問など試験対策。

 勉強をはじめたのは6月下旬でした。最初の計画では、3ヶ月半くらいで教材を終えて、残りの1ヵ月半で間違えやすい所の復習と試験対策をゆっくり進める予定で計画表を作っていました。ところが、意外なかたちで試練が…それは風邪です。勉強期間5ヶ月の間に3回風邪を引きました。猛暑の影響で8~9月は特につらく、10月にも風邪を引いてしまい、計画が大きく狂ってしまいました。

 勉強面でモチベーションは下がらなかったのですが、体力面で自己嫌悪でした。こんなに体力がなかったとは…焦ってしまう気持ちを抑え、「確実に勉強しよう」と思い直し勉強方法を変えました。前までは区切りがイイ所まで夜遅くなっても勉強し、疲れを引きずって翌朝出勤していました。

 改善後は毎日2時間は集中して勉強し、今日の疲れを明日に持ち越さないように12時には必ず寝る。どうしようもなく眠くなったらもう寝てしまう。その分、土日休みで挽回しようっという、かたちに変えました。

勉強方法

 私は応用力がないと思っていました。原因は基本が分かっているようで分かっていないこと。基本ルールをしっかり身に付けて反復しようと思いました。商業簿記を進めるうちに、覚える量が結構あることに気づき、特殊商品売買まで覚えた頃には前に覚えたものがうる覚え状態に…これではダメだと思いまして、自作ノートを作り、今まで何となく覚えていたものを根っこから理解することに努めました。

 「なぜこの仕訳をするのか?」「なぜこの科目を使うの?」っといった感じで、問いかけていったところ理解度がアップしました。理解度がアップした頭で復習をするとテキストに書いてあるコトがよく分かりました。少しでも覚えやすくなるように工夫したことは、とっかかりとして基本的な所を「まず絵(イメージ)で覚える」でした。

 ここで、なぜユーキャンの教材も進めつつ「サクッとうかる~」のテキストを使っていたかと言いますと、ユーキャンのテキストには図はあっても絵がないのです。活字ばかりだとイメージしにくいですよね。「サクッとうかる~」にはキャラクターなどあって、特殊商品売買の時など分かりやすかったのです。

 まず、「サクッとうかる~」を読んでイメージしてから、ユーキャンのテキストで細かい部分を補うといった感じで二度手間でしたが、それしか良い方法が思いつきませんでした。「サクッと~」のテキストをカッターで1Pずつ切り離し、穴を開けてファイリングしてその間に各単元ごとにまとめておいた自作ノートも挟んで、通勤時に見られるようにしていました。

試験直前

 教材を終えた10月下旬には「これで完璧!合格!」っと自負していたのです。あとは、間違えやすい所を復習して、過去問や予想問題をしようと。そんな時に、簿記検定ナビに出会いました。そして、無料配布されている仕訳問題対策を解いてみると結構間違えてることに気づきました。

 いつも大事なところで詰めが甘い私…「甘く見るな!」って言う簿記の神様の声が聞こえてきました。時間がないことを理由に過去問を解くのとをおざなりにするところでした。過去問を繰り返し解くことの大切さを教えてくれたのは、他でもないこのサイトです。本当にありがとうございました。

 商業簿記は自信があり過去問の第2問、第3問は特に間違っていなかったのですが、意外に第1問の間違いが多かったのです。特に「特殊商品売買」が分からない。特殊商品売買は第2~3問には出てこないので忘れてしまいがちになります。もう一度、テキストと自作ノートで見直しです。

 試験前は仕訳問題をひたすら解き、特殊商品売買の復習と工業簿記の基本的なところを復習しました。工業簿記は得意・不得意があったので不得意をなくしたかったのですが、時間がとれず試験まで1週間を切り、ジタバタしても仕方がないのと、費目計算の間違いが多かったので、材料費・労務費・経費・間接製造費をおさらいしました。ここでは、何が直接製造費で何が間接製造費かしっかり覚えました。

全体を通して感想

 第1問の仕訳問題は時間をかけて全問解けるようにしておいたほうが良いと思います。こちらのサイトの仕訳問題対策をやっておいて本当に良かったと思いました。そうしなければ、似たパターンがあることも分からなかったし、教材によってさまざまですが、今まで解いてきたものと過去問とでは雰囲気が違うことも分からないままだったと思います。問題に慣れる意味でも仕訳問題対策は絶対解くべきです。

 試験前の追い込みの時期に、5ヶ月間勉強してきた重みもあって、解けない問題に当たると自信をなくしてしまいそうになりました。でも諦めたくはなかったので、何度かチャレンジして分かるまで突き詰めて理解する。その繰り返ししかないと思います。結局、諦めることなく勉強できたのは簿記が好きだったからです。

 試験直前にピリピリしていても「簿記って楽しいな~」っと思うことが何度かありました。難しい問題が解けるようになったときは充実感と達成感があり、とても嬉しかったです。友人からは「よくそこまで勉強するね」っと言われましたが「簿記は楽しいよ」っと素直に言えることが出来たのは私にとって何よりの収穫です。簿記と出会えたことに感謝したいです。

スミコさんが利用された教材画像

サクッとうかる教材を自己アレンジ
サクッとうかる教材を自己アレンジ
ユーキャンの教材1
ユーキャンの教材1
ユーキャンの教材2
ユーキャンの教材2

試験当日の1日の流れ

  • 8:30 起床
  • 9:00 朝食

 過去問の苦手部分見直し。

  • 11:00 試験会場の駅に到着

 近くのお店で昼食。商業簿記・工業簿記テキスト流し読み。

  • 12:50 試験会場着

 自作ノート見直し。

  • 13:30 試験スタート

 1→2→3→4→5の順で解く予定でしたが、落ち着いて第1問を解き終わった後、第2問を見て頭が真っ白に…そのまま解こうとしたのですが、手が震えてどうしようもなかったので、1→3→4→5→2の順で解きました。第3問は当期純利益の額が合ったので見直しは後にして第4~5問へ。

 第4問は直前までに直接製造費と間接製造費を見直していたので、特許権使用料はすぐにわかりました。しかし、売上原価の製品の数字が分からず諦めかけた時に、隣の月次損益の数字が書いてあることに気づきました…緊張し過ぎですいません。

 思っていたよりも早めに解けたので、落ち着きを少し取り戻し第2問へ。問題の意味が分かってきたので、何とか仕訳して回答を埋めました。80分くらいで全問解けたので、また1→3→4→5→2の順で見直し。

  • 15:30 試験終了

 終わった後、いろいろな所で「第2問何?」「あんなのあり~?」「繰りのべるってなに?」などの声が聞こえました。会場の受験者の気持ちが一つになった気がしました。。。

  • 16:30 放心状態で帰宅
  • 21:00 大原の回答速報も見る気がせず就寝

後日談

 成績証明書の結果、 第1問・16点、第2問・12点、第3~5問各20点で合計88点でした。第1問は問3を間違え、第2問目は3と6の仕訳など間違えました。総評では第2問の形式が新しく出た分、他の問題は易しかったとのことですが、第2問のショックと緊張ですべての問題が難しく思いました。でも、後から見直すとすごく簡単でした。

管理人からスミコさんへ追加の質問

 ユーキャンの通信講座の点数をつけるとしたら、100点満点中何点になりますか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 …悩むところですが60点です。正直、他の方におすすめはしません。2級までなら簿記検定ナビで、紹介しているテキストや過去問を繰り返し勉強すれば大丈夫だと思います。

テキストの量と質>薄いがボリュームがある。解説が分かりやすい…と言いたいけれど工業簿記のテキストで細かく用語解説をしようとして余計分からなくなる部分もあり、思わず覚えないように「×」印をしてしまいました。

サポート体制>分からないところはFAX・メール・郵便などで質問出来ます。BBSもあり。(私は特に必要なかったので使いませんでした)口コミでは「返信が遅い」などもあるようです。そのおかげでやる気をなくしてしまう方もいるようです。

物足りないところ>ユーキャンの教材は「試験対策問題」っと言うものがないような気がします。添削問題の最後の15回目は模擬試験ですがかなり簡単でした。多分、自信をつけさせる目的ではないかと思いますが、勘違いの元なのでもっと難しくていいと思います。

 もう少し用語解説などの量を減らして、試験対策に力を入れて欲しいです。もしかしたら、私のように過去問や試験対策が後手後手になってしまう方もいるのではないでしょうか。なので、こちらのサイトの予想問題など非常に助けられました。そう考えると2級ならば独学でもなんら支障はないと思います。

 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級、税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 今はまだ上位資格をとる気持ちはないです。簿記2級を勉強してもまだまだ会計について分からないことがあり、もっと実務に添ったものを身につけたいと思いますので、全経の税務会計能力検定試験(所得税・法人税・消費税各1~3級)を受けてみようと思います。

管理人コメント

 スミコさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!ユーキャンの通信講座の良いところ、イマイチなところを分かりやすく解説いただきましたので、これから勉強を始めようと考えている方には、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

 さて、早速、合格体験記の中身のほうに入っていきたいと思いますが、受験生の方にぜひ参考にしていただきたいのは、「勉強の流れと時間」の項に書かれている「今日の疲れを明日に持ち越さないように12時には必ず寝る」という点です。一見、当たり前のことのように感じられるかもしれませんが、実際に勉強してみるとなかなか難しいです。

 疲労を蓄積してしまうと、一番がんばらばければいけない直前期に息切れしてしまいますので、疲労を翌日に持ち越さないように規則正しい生活を心がけてください。個人的には夜はなるべく早く眠るようにして、頭がクリアな状態の早朝に集中的に勉強することをおすすめします。

 あと、仕訳対策は簿記検定ナビの仕訳問題対策を使って、なるべく早い時期から行うようにしてください。目安としては、テキストと問題集を1回転させたぐらいのタイミングで始めると良いと思います。

 最初は分からない問題ばかりだと思いますが、勉強が進んでいくにつれて少しずつ分かってきますので心配はいりません。全ての問題を正答できるレベルまでもっていけば、本試験でも最低4問(20点中16点)は取れるはずです。

スミコさんが使われた教材や電卓のまとめ