子育てと勉強の両立のカギは朝勉にあり!

  • 投稿者:ぴぽぴぽさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約6か月

はじめに

 幼稚園児と未就園児がいる30代無職です。再就職を目指しています…といっても、小さな子供が2人ではすぐに就職が決まるわけでもないので、128回で3級取得後、ごく自然に2級取得を目指すこととなりました。

自分に課したこと

 無職で費用をかけられないことと、子供達が小さく外出は難しいので独学となりました。独学はさぼろうと思えばいくらでもさぼれるので、やる気の維持が鍵と思います。私の場合、時間の捻出が思うように取れないことや、どうせ勉強しても…のネガティブ思考にとらわれだらけそうな不安があったので、自分にノルマを2つ課しました。

  1. 絶対に129回か130回のどちらか1回で合格すること
  2. 費用は1万円まで(教材費、検定料、取得に関わる交通費含む)

使用教材

  1. サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト
  2. サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
  3. サクッとうかる日商2級工業簿記テキスト
  4. サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
  5. 合格するための過去問題集日商簿記2級
  6. 入門原価計算
  7. 簿記ナビの仕訳問題対策

※1から4は中古品購入、5は最新版を図書カード使用、6は図書館を利用

勉強スタイル

 勉強時間は3級取得時と同じ、夜は子供達を寝かしつけつつ自分も寝てしまい、早朝4時起床にして5時半までを充てました。下の子も少し大きくなり、朝まで眠ってくれることが多くなったので、以前より確実に勉強時間を確保できましたが、依然としてアイロンがけや縫い物など、子供がいては危ない家事をこの時間にすることも。

勉強のすすめ方

  • インプット期

 3級でも学習したなじみのある商業簿記から工業簿記の順ですすめました。テキストを読み、ひとつの論点が終わればトレーニングを解くを繰り返しました。テキストとトレーニングを一巡した段階で感じたことですが、商業簿記はある特定の論点がわからなくて苦労するということが多く、工業簿記はとっつきにくく、何のどこがわからないかさえ自分でもわからないという感じでした。

 それでも、テキストをとにかく全部読むとなんとなく全体像が見えてきて、よく言われる「工業簿記は流れをイメージして考えることが大事」ということを実感しました。

 工業簿記はテキストとトレーニングを終えても理解不足感が残っているところ、図書館で「入門原価計算」という本を見つけました。この本のおかげでいろいろなパターンの原価計算に接することにできました。

 ただし、わかりやすい図やイラストはなく、テキストが主体であること。例題や問題もあるものの、詳しい解説はないので、テキストを終えてからでなければ、わからない!と投げ出していたと思います。

 そして、この時点で129回の受験申請期限が間近となってきていましたが、過去問は手つかずの状態であり、試験までに自分の確保できる勉強時間を考えると、129回で1発合格の可能性は低い気がして130回にかけることにしました。129回の試験は見送りましたが、某専門学校の無料講義と無料模試には参加しました。

  • アウトプット期 過去問題集1周目

 129回受験者用の無料模試終了後は、過去問題集に取り組みました。1周目は時間は計りましたが、特に制限時間は設けず自力で解くことに重点を置きました。考えてもわからない時は、問題の解答解説を読みながらでも解くようにしました。

 この時、必ず手を動かして考えるように心がけました。また、理解が不足していると感じた時は、その論点のテキストを再度読みました。ちなみに、得点は記録しませんでした。計上すると、情けない得点に気持ちがへこみ、勉強を投げ出しそうでしたので…(苦笑)

 129回受験者用の無料模試でケアレスミスをしなければ合格点という結果でしたので、それを励みに「過去問に慣れればなんとかなる!」と信じて、勉強を続けていました。

  • アウトプット期 過去問題集2周目

 2周目は下記の2点を目標に取り組みました。また、得点も記録するようにしました。

  1. 過去問題集に大問ごとに記載されている目標時間内になるべく解答できるようにする。
  2. 下書き用紙をスリム化する。

 この時点での得点は、回によって合格点に達したり達しなかったりでした。下書き用紙のスリム化は、簿記ナビを参考にさせていただきました。この時期は、解答時間の長さと得点が見事に反比例していました。ケアレスミスも多かったです。試験範囲も広いせいか、スムーズにアウトプットができていないとも、感じていました。

 対策として、「まちがいノート」を作るのが最良だと思いましたが、私の場合、二人の子供が同時に静かになるのは夜の睡眠中だけであること。子供達はすでに昼寝をしない。起きている限り、数分たりとも集中することは難しく、せっかく作った「まちがいノート」を読み返すことが、まずできないことから、過去問題集の解答解説ページの余白に「まちがいノートもどき」を作ることにしました。

 そこに、ケアレスミスをした箇所や原因(計上忘れ、数字の読み違え、転記ミス)など、解けなかった問題を理解するためのメモや図などを書き込み、次に過去問に取り組んだ時に嫌でも目につくようにしました。

 特にケアレスミスの原因記入は役に立ちました。記録するうちに自分がどういうミスの傾向があるか把握でき、注意するようになります。初見の問題でも、ケアレスミスを減らせば合格できると信じて取り組んでいました。

  • アウトプット期 過去問題集3周目

 3周目は、2周目の目標にプラスして得点アップを図りました。最初のうちは同じような箇所で同じ原因のケアレスミスをして落ち込みましたが、箇所と原因を過去問題集の解答解説ページに書き込むうちに、問題を読んだ時に自分のケアレスミスのしやすい箇所を想定しやすくなり、ケアレスミスを減らせるようになったと思います。

 また、問題に指示されている数値や解答の仕方などの注目すべき箇所を、○印などで囲んで目立たせるなどの対策も練りやすくなります。ただし、過去問題集の問題ページには、何度も解くために書き込みは避けました。問題への書き込みは、問題のコピーや大原が無料配布している問題・解答集のみで。

 あと、この時期にもインプット期に参加した、某専門学校の無料講義と無料模試に参加しました。

  • アウトプット期 試験当日まで

 130回受験者用の無料模試の結果は、前回の無料模試の結果よりも悪い60点でした。風邪をひいて体調が悪いなか受験したとはいえ、試験が迫っているところにかなりの心理ダメージでした。

 初見の問題で確実に合格点を叩き出すには、自分の苦手論点を知る必要を感じました。そこで、試験までは本試験時に出そうな苦手論点の克服に力を入れることにしました。

 まず、過去問題集の得点記録から自分の苦手論点を把握した後、自分の苦手論点と簿記ナビや市販の予想問題集で取り上げられている出題予想論点を照合し、出題の可能性が高い苦手論点から順に取り組んでいきました。

 この時、トレーニングと過去問題集の苦手論点の問題をまとめ解きしました。まとめ解きは問題の比較ができて、理解を深めるのに役立ちました。なお、予想問題集は残り予算の都合で購入せず、論点確認の立ち読みですませました。

  • アウトプット期 補足

 アウトプット期の全てを通して過去問を解いた後、家事を開始するまでの半端時間に簿記ナビの仕訳問題対策を解きました。

試験日の1日の流れ

  • 4:00

 起床。最後まで苦手だった論点の問題、簿記ナビの仕訳問題のうち正解率の悪い問題を解く。

  • 5:30~

 家事。子供の世話。試験の持ち物つくり。

  • 11:30

 早めに昼食を摂り、出発。

  • 試験開始40分前

 会場着。トイレをすました後、開始時刻まで持参のお茶とチョコ2粒を食べながら、「まちがいノートもどき」を読む。

  • 試験開始直前

 問題用紙が配布されると、解答用紙に受験番号と名前を記入されるよう指示されました。記入しながら解答用紙を見て、どんな問題か推測。同様に、問題用紙も透かし見できる部分からどんな問題か推測。

 第2問が得意の伝票問題っぽそうなのが透かし見えたので、工業簿記より先に解こうと決意。下書き用紙をA5サイズに折って、表裏の各面を第2問から第5問に割り当て準備。

  • 試験開始~終了まで

 開始の合図とともに、まずは問題用紙をさっと見て解答順を決めました。基本的に1→2→4→5→3の順で解くことにし、残り時間や難易度の状況に応じて臨機応変に対処することにしました。

 第2問は最初、集計が合いませんでした。自分の得意な問題だけに焦りましたが、原因を探すのは後にして、先にまだ手をつけてない問題の解答を埋めることにしました。

 残りの問題は多少とまどうところもありましたが、落ち着いて考えられたせいか、最終的には全て解答できました。まだ時間が余っていたので第2問を見直したところ、計上忘れのケアレスミスをしている箇所を発見して修正。その後、終了時刻まで念入りに見直し、問題用紙に解答を写して提出。

最後に

 結果は自分でも驚きましたが、満点合格でした。残念ながら「2級取得費用は1万円まで」の課題はかなわず、800円超。私自身は費用を抑えるために中古の教材を使用しましたが、お勧め度は低いです。特に、短期間での合格を望まれる方には効率性が悪いと思います。(私の場合、商業簿記トレーニングが会社法改正前の内容で、少し混乱しました。)

 また、模試は、2時間まとめて時間を取れない方にとっては、非常に有意義だと思います。時間配分や会場の雰囲気に慣れておけるので、適度な緊張感を持って本試験に臨めました。皆さん、学業やお仕事で大変でしょうが、毎日少しずつでも続けて頑張って下さい!

管理人からぴぽぴぽさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
・サクッとうかる-テキスト(80点
図やイラストを多用して、わかりやすく簡潔にまとめられていると思います。ただ、全試験範囲を網羅していないので、載っていない論点は個別に調べたこともあります。

・サクッとうかる-トレーニング(75点
同シリーズのテキストと併用するのであれば、良いと思います。

・合格するための過去問題集日商簿記2級(90点
解説が詳しく、大問毎に解答の対策ページが割かれています。また、巻頭に過去数年分の試験出題論点がまとめられていて、出題傾向が一目でわかります。解答用紙をダウンロードできるので、繰り返し答練できるのもいいです。オススメです。

・入門原価計算(60点
機会があれば…というところでしょうか。

・簿記ナビの仕訳問題対策(100点
なぜそういう仕訳になるのか、背景までとても丁寧に記述されていて、丸暗記でないきちんと理解できる簿記脳になれると思います。この内容で無料というのは本当にすごいですし、大変ありがたいです。

 ぴぽぴぽさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 まずは「簿記2級を取るゾ!」と他人に宣言する!…です。宣言する人は自分を応援してくれる人にしましょう。他人に宣言して頑張らねばならない環境にしました。複数の人に宣言すると効果的かもしれません。

 またモチベーションが下がってきたら、めでたく合格する自分をイメージします。合格して、宣言した人に合格を報告する自分をイメージします。「合格」のハッピー妄想にふけり、妄想で終わらないよう、頑張ろう!と気合いを入れました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 とにかく、少しずつでもこつこつ続けること、あきらめないことだと思います。たまには勉強場所を変えて、無料講義や無料模試に出かけるのも良い刺激になりました。特に会場で、年配の受験者の方を目にするのは大変励みになりました。少し後悔している点は、新しい教材を使えばもう少し短期間で合格できたかも?!

管理人コメント

 ぴぽぴぽさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!育児と勉強の両立は大変だったと思いますが、朝の時間を有効活用して見事合格されました。朝はテレビなどの誘惑が少なく、頭もすっきりした状態で勉強できるので管理人もおすすめしています。

 また、資格の大原TACなど、大手学校が試験前に開催している無料講義や無料模試に参加するのも良いと思います。なお、参加したからといって強引に勧誘されたり、DMがたくさん届いたりはしませんのでご安心ください。

 最後に教材選びについてですが、ぴぽぴぽさんもおっしゃっていますように版が古いものはおすすめできません。特に商業簿記は基準変更の影響を受けやすいので、必ず最新版の教材を使って勉強するようにしてください。

ぴぽぴぽさんが使われた教材や電卓のまとめ