TAC・大原の無料サービスを賢く利用して、3級・2級のダブル合格を達成!

  • 投稿者:ぴっぴさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2~3か月

はじめに

 こんにちは。私について簡単に説明させていただきます。

 私は現在、外国語大学4回生在学中です。今回簿記検定を勉強したのは、就職活動中に大手監査法人で面接があったことがきっかけです。

 実は、大学2回生の時に簿記3級を受験したことがあります。同じ大学の他の学部の友達が勉強していたので、私もチャレンジしてみたい!と思ったのです。

 ただ当時、勉強時間は20時間程度で、簿記がよく分からないまま受けたので、結果は確か50点ぐらいだったかと思います。不合格という結果も納得でした。

 その後、肝心の監査法人の面接には落ちてしまいましたが、せっかく簿記を勉強を始めたのだから…という思いと、悔しさで勉強は続けることにしました。

 また、これを機に会計・経理に携わりたいと思うようになり、結果として、ある企業の経理として内定を頂くことができました。

 面接時点では会計の授業を履修したこともなく、資格も何もない状態でしたがやる気をアピールし、入社までに簿記2級を取得することを約束に、試験前に内定をいただきました。

 そして、今回の試験で3級と2級にダブル合格しました。現在はBATICの勉強をしていますが、仕事が落ち着いたら米国公認会計士の資格を取得し、将来アメリカに住むか、国内ならば監査法人に転職したいと思っています。

テキストについて

 2回生の時に古本屋さんで買った、平成19年版の3級のテキストがあったので、まずはそれをもう一度読み直したりするのに使いました。その後は、「2015年度版 スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記3級」を使って、過去問を2~3周しました(予想問題は除く)。

 勉強を再開した当初は、今回の試験で2級を受験することは考えていませんでしたが、時間も余力もありましたので以下のテキストを購入して続けて勉強することにしました。

  • 日商簿記2級 みんなが欲しかった問題演習の本
  • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 商業簿記 第4版
  • みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商2級 工業簿記 第3版
  • 2015年度版 スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記2級

 試験前には、上記に加えて「第141回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級」を購入し、直前の予想大会もネットで見ました。また、大原の無料模試にも行きました。

 これ以外に簿記検定ナビ予想模試を解いたり、その他試験情報を集めるのに活用させていただきました。今回は一緒に勉強する友達や、すでに2級を取得している者が周りにいなかったので非常に助かりました。

 あとはStudy Plusで、試験前に勉強時間を管理していました。

勉強について

 上で申し上げたとおり、以前勉強したことが少しあるのにも関わらず、いざ始めてみるとほとんどすべて忘れていることがわかりましたので、今回は3級のはじめの知識からすべて勉強し直しました。

 結論から申し上げて、総勉強時間は2,3級で300時間程度だったと思います。さよなら論点に関しては試験直前に知ったので、一通り勉強はしていました(これは時間の無駄だったかも知れません)。

※編集注 さよなら論点…2016年度の試験(第143回試験~)から試験範囲外になる論点。詳細は日商簿記検定の試験範囲(出題区分)の変更まとめページをご確認ください。

 私は日頃からあまり勉強する習慣がありませんでしたので、とにかく1日すこしでもいいので勉強するところから始まりました。

 しかし勉強していくうちに、もっと色々学びたいと欲が湧くようになりました。そして後に、「1発合格するぞ!」という気持ちも出てきて、モチベーション維持にもなりました。

 私からできるアドバイスは、とにかく問題を解きまくることです。苦手な論点があってはいけません。あと、これは今後の試験でも大事になるかと思いますが、簿記一巡を理解することです。

 勉強したことはすべて、他の論点と関連づけれるようになれるといいと思います。というのも、やはりこれがわかっていないとうまく得点できない、今自分が何をやっているのか分からない、結果としてモチベーションの低下につながるからです。自分の好奇心やモチベーションを保つためにも大事なことです。

 補足ですが、私は他の方々がやっているような間違いノートは作りませんでした。その代わりに間違えたところはすぐにやり直して、分析も十分にしました。

 これにより、自分のミスする傾向などが頭に染み付いて、他の問題を解いている途中でも思い返して同じミスを繰り返さないようになりました。

 学習開始からやったことを簡単にまとめますと以下のような流れになります。

  1. 【まずは3級】平成19年の簿記3級の本で一通り確認
  2. 過去問を2,3周解いて理解を深める
  3. 【次に2級】みんながほしかった教科書(商業)2周読み
  4. みんながほしかった教科書(工業)2周読み
  5. みんながほしかった問題演習も加えてもう1周、さらに理解度をあげる
  6. 過去問2,3周ずつ
  7. 簿記ナビさんの予想問題(3級もしました)
  8. あてる!直前予想を3周ずつ

 試験直前1週間ぐらいは、何をやったらいいのか分からない気持ちになりましたが、自分にできる対策を今まで通り地道にやって試験当日を迎えました。

試験日の1日の流れ

 試験当日の朝は普段どおりに起きて、普段どおりに朝食をとり、落ち着いて準備をしました。試験会場には余裕を持って到着し、席についてからは電卓を叩いて緊張をほぐしていました。

 午前中は3級です。試験監督が説明を開始する直前に、持っていたチョコを2粒食べました。試験監督の方がとても丁寧で、心も落ち着きを保ちながら試験を開始することができました。

  • 3級の試験開始!

 問題は1から5まで順番に解きました。楽勝だと思っていたら、問3の試算表で…なんと合計が合わない。少し焦ってしまいましたが、落ち着いて見直すことで最終的にはできました。

 電卓を叩くのが異常に速い受験者がいて、「あれは電卓で遊んでるのか?」など余計な思考が頭をよぎりそうになったり、また、自分の電卓の音が他の受験者より少し大きいのが気になって「周りに迷惑かけてないかな…」など心配になりましたが、なるべく気にせず自分のペースでやることを心がけました。

 時間をかなり持て余したので、残り時間はゆっくり見直しをしました。すると、問4で間違いを発見!訂正してすべて完璧に終えて、試験終了を迎えました。

 その後、2級の受験まで時間がありましたので、近所の適当なカフェでお昼ごはんを食べました。各予備校の解答速報が待ち遠しくて、スマホの画面を何回も更新しました(このせいでデータをたくさん使ってしまい、月末に通信制限がかかってしまいました…)。

 この速報をカフェで待つ時間がかなり長く感じました。結局、96-100点ぐらいかな、という具合だったので安心して2級に臨みました。

 2級の説明が始まる前にもチョコを2粒食べました。2級も同じ試験監督で、同じように丁寧に試験の説明をして頂いたので、とてもリラックスした状態で試験を開始することができました。

  • 2級の試験開始!

 しかし、それの反動で問1の難しさにかなり焦りました。焦りを通り超して半分おもしろくなり、「構築物ってなんやねん…」と笑いそうになってしまいました。わかるところだけ適当にやって、次は問4,5に移りました。

 工業簿記は比較的易しい問題が出ると、TACの予想大会で講師の方がおっしゃっていたので、満遍なくきちんと対策した甲斐がありました。少し見慣れない問題もありましたが、これは満点を確信しました。

 次に問3。これはTACの講師がしつこいぐらいに「炸裂する!(難しいのが来る!)」とおっしゃっていたので、覚悟していましたが、実際解いてみるとなんとなんの引っ掛けもない。これも満点を確信しました。

 次に問2。これは問題用紙をぱっと見ただけで少し疲れてしまいました。しかし、取引自体はそんなに難しいわけでもなく、しっかり落ち着いて解けばいけるな、と思いました。仕訳をいちいちせずに頭の中で摘要欄などを考えながら解いていきました。

 そして最後、問1を苦戦しながらとにかく埋めました。この時点でもまだ時間がかなり余っていましたので、隅々まで見直しをして問題用紙と計算用紙をフルに活用して、自分の答えを写しました。

 この後、帰宅してから各予備校の解答速報で答え合わせをしましたが、問2の勘定記入が仮に0点でも、全体で76点を見積もれたのでダブル合格を確信しました。

試験結果

 3級は満点で、2級は「14・12・20・20・20」の合計86店でした。私の地域の商工会議所で3級満点は私だけだったので、とても嬉しかったです。また、2級の合格率は15%程度で例年に比べて非常に低かったようです。

最後に

 私は数学が大の苦手です。中学時代、高校を選ぶ時も普通科に行くと数IIや数Bがあると知っていたので、他の専門科がある高校に進学したぐらいです(数Iと数Aだけでかなり辛かった思い出があります)。

 そして大学では文系に進みました。先日、SPI(就活の一般常識試験)の対策では、「2次方程式ってどうやって解くっけ?」というところから始まりました。

 …何が言いたいのかというと、簿記は数学ができなくても、苦手でも大丈夫です。四則計算しかないですし、複雑な計算も特にありません。

 たまに減価償却の問題で固定資産の原価を求める時に、Xを使って多少複雑そうな式を組み立てる必要がありますが、基本的には簡単です。

 そしてもう一つ。2,3級は初学者でも独学でもダブル受験でも、しっかり対策すれば必ず合格できます。私は独学で、しかも分からない問題があっても周りに聞いたりできる環境がなかったので、多少孤独感があったり辛かったことがあります。でも、それにめげないでください。

 とにかく、諦めないこと。後々勉強を振り返ってみて、「もっと勉強できたのにな、すればよかったな」という後悔はしないように今勉強してください。

 私は簿記ナビさんで以前の受験者様の合格体験記を読んでとても励まされました。今回は私の体験記が今後の受験者様の励ましになれば私はとても嬉しいです。

管理人からぴっぴさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 教材はどれも良かったと思います。点数で言うと …90点ぐらいです。

 みんながほしかった簿記の教科書は図解があったり、解説はしっかり理論立ててあったので独学でも十分簿記の理解を深めることができると思います(とはいえ、一周だけでは難しいので3周読んであとは適宜確認のために読みました)。

 みんながほしかった問題演習の本はおすすめです。理論について一つずつ確認しながら問題を解くことができます。徹底的に勉強できるので、充実感もありました。

 第141回をあてるは本番形式で問題が解けるので時間配分などの良い練習になりました。

 簿記ナビさんの予想問題は解説が丁寧で、例えば私の苦手だった損益の見越しで図解がしっかりあって分数の組み立て方も書いてあり、非常に重宝しました。

 スッキリとける過去+予想問題集は良くも悪くもなく普通ですが、本自体がもう少し大きくてもいいな、と思いました。

 テキスト系は例えば電車とかで読むこともあると思うのでコンパクトでいいのですが、過去問は電車の中で解いたりする方はあまりいないと思うので…

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 電卓はCanon 12桁電卓 HS-1220TUGを購入して使いました。少し大きめですが、見やすいし使いやすいしおすすめです。

 ただ、大学2回生のときに買ったものをしばらく使っていたのですが、リュックの中にそのまま入れて持ち運んでいたせいか、小数点の答えが出てこないはずの計算で小数点が出てきたり、たまに間違った計算結果がでてきているような気がしましたので、試験前に同じものをもう一つアマゾンで購入しました。

 100 均の薄いスポンジの袋でもいいので、何かケースに入れて大切に保管されるといいと思います。

 TACの直前予想大会と、大原の無料模試の様子を教えてください。また参加して良かったと思いますか?
 TAC直前予想大会は、インターネットの動画配信で見ました。本試験にどの論点が出るかの予想とワンポイントレッスンなども見れます。

 講師にもよるかと思いますが、今回は今後の試験の傾向や出題者の意図などいろいろな話が聞けましたので、情報収集にもかなり役立ちました。

 大原の模試は、まずインターネットで事前に予約して当日参加しました。2,3級両方参加で丸一日大原にいる予定だったのですが、朝は寝坊したので午後の2級のみ参加しました。

 問題が配られてその場で他の参加者達と解いて、休憩後解説などがあります。途中や最後に税理士講座の紹介や、解答速報会の案内などがありました。

 自宅で自分でやる過去問や予想問題と違って、他の人たちと同じ場所で本試験に限りなく近い環境で模試が受けれるのはとても良かったと思います。

 本試験を想定して、他の受験者に惑わされない練習もできたと思います(後ろの席の人の鼻をすする音がすごく気になりましたが、なるべく集中を持続できるようにしました)。

 そのおかげで本試験の時、後ろの席の受験者のため息が異常に大きくて耳障りだったのですが、ストレスをあまり感じることなくしっかり問題に取り組むことができました。

管理人コメント

 ぴっぴさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 TACや大原の無料サービスを賢く利用して、見事に3級&2級にダブル合格されましたが、この「独学+α」のスタイルはぜひ他の受験生の方にも見習っていただきたいです。

 多少の宣伝時間は組み込まれていると思いますが、強引に有料講座を契約させられることは絶対にありませんし、独学だけでは得られない情報または体験をすることができます。

 第142回試験以降も実施されると思いますので、興味のある方はTACや大原の公式サイトをチェックしてください。無料サービスは賢く使う、のが短期合格・一発合格の鉄則です。

 あと、ぜひ参考にしていただきたいのは、「勉強について」のところに書いていただいたとにかく問題を解きまくること簿記一巡を理解することの2点です。

 不合格になってしまう原因で一番多いのは「合格に必要な勉強時間が足りていない」です。勉強する環境や元々の能力によって必要な勉強時間は異なりますが、短期&一発で合格する人の多くはきちんと勉強しています。

 簿記はスポーツと同様に体で覚えてしまうのが一番ですので、ぴっぴさんのおっしゃるとおり、勉強時間を確保してとにかく問題を解きまくることに力を入れてください。

 さらに、ぴっぴさんのおっしゃるとおり簿記一巡を理解することも重要です。取引が発生してから勘定を締め切るまでの一巡の流れは必ず押さえておきましょう。

ぴっぴさんが使われた教材や電卓のまとめ