Tフォームをマスターして解答時間を大幅に短縮することが出来ました!

  • 投稿者:TKさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月半

はじめに

 受験動機は会社で個人の目標設定です。年度毎に個人のスキルアップを目的に何かしらの目標を決める制度があります。業務と直接的に関連がないことでも構わないのですが、せっかくなので営業として知っていても損はないもの、また資格として取得出来るもの、また簡単そうなものを吟味した結果、日商簿記3級に決めました。

 4月初旬に決定するのですが、ただその時点で簿記がどのようなものか、どのような試験を行うものは全く知らないまま会社提出の用紙に「簿記3級取得」と書いて提出しました。私の中では「1~3級まであるくらいだからきっと入門編で簡単に違いない」と勝手に想像していました。

勉強開始まで

 会社で決定した目標とはいえ、試験勉強は業務時間中には出来ません。新たな担当業務が増えたこともあり、仕事が終わるとクタクタで帰ってきてから机に向かう気分になれません。どこかのサイトに勉強時間は約3週間(1日1時間程度)でOKとあり、安心しきっていました。

 当初の計画では11月実施の第129回を受験するつもりでしたので余裕をもって9月ごろからと考えていましたが、意思の弱さからダラダラと毎日を送り、気が付けば年末になっていました。そこで初めてテキストを買いに書店へ出掛けました。

使用教材・電卓

  • 解いて覚える!日商簿記3級合格ブック/成美堂出版

 訪れた書店で吟味して選んだ書き込み式のテキストです。各項目に解説があり、確認問題があります。タイトル通り「解いて理解する」タイプとなります。

 実際に勉強を始めてから気が付いたことですが、詳細な解説は少なく、解答にそれまでに見たことのない語句があり混乱することもありました。簿記の基礎つくりにはなったと思いますが、テキスト選びとしては失敗していたのかも知れません。

  • 日商簿記3級 第130回を完全予想!ラストスパート模試/ネットスクール出版

 上記テキストには試験問題が1回分しか付いていませんでしたので試験の約2週間前に購入しました。試験当日まで、全4回の予想問題を必死に繰り返し何度も解きました。今になって思うと問題難度は高めでしたが、それが緊張感へと繋がりかえって良かったように思います。

 また、このテキストで初めて「Tフォーム」を知ることとなりますが、その他問題の解き方などの解説があり目から鱗でした。

  • 本気で学ぶ LECで合格る DS日商簿記3級/スクウェア・エニックス

 寝る前にベッドの中でゲームをする習慣があったので、その時間を勉強に使えないかとネットオークションで購入しました。ただ内容が内容なだけにすぐに眠くなり、ほとんど使えませんでした。

 勉強後期には覚えたことを整理するのに、また仕訳問題の練習に役に立ちましたがこれだけで合格するのは難しいと思います。気晴らしになりますので副教材にはお勧めです。(プレイしながら寝てしまいましたので、ゲーム音楽が未だに耳について離れません・・・)

  • 電卓 EL771-HX [10桁用]/SHARP

 特筆すべきことはないですが、普段から電卓を使用しており、使い慣れているものを使用しました。お勧めポイントは「00」キーがあることと「←(バックスペース)」キーがあることです。700円程度でした。

 2月に入ってから検索で発見してから、本当にお世話になりました。勉強方法から試験範囲・傾向、過去問題、また当日の迎えかたまで何でも知ることが出来ました。また独学でしたので、一緒に頑張る仲間がいるというのは心強かったです。もっと初期の頃に見付けていれば、もう少し楽に準備が出来たように思います。

 特にお世話になったので簿記クイズです。前述の任天堂DSでも同じような簿記トレーニングのゲームがあるのですが,流石に仕事中には出来ないために時間が空いている際にはよく練習をしました。

電卓
電卓

教材と電卓
教材と電卓

勉強方法

 平日は自宅に戻って、夕食の後片付けを終わらせてから入浴して寝るまで間内、約1~2時間を勉強時間として充てました。休みの日は5時間を目安に午前中を中心に勉強しました。勉強期間が短いものありますが、勉強期間に我慢したのはTVドラマと寝る前のゲームくらいです。

 具体的な勉強方法としては繰り返し問題を解くことを基本としました。前述テキストには書き込むスペースがありましたが、書き込むと同じ問題に取り組めなくなるため自宅のインクジェットコピーを活用しました。

 最初はその方法に気が付かず、定規を使って解答欄をメモ用紙に再現していたのですが、時間が掛かり効率的ではないために考え、その方法を思いつきました。当たり前過ぎてあまり紹介はされていないようですが、この方法なら何度でも同じ問題に取り組めるため、繰り返し練習にはお勧めです。

 理解が浅いと感じた問題や間違えてしまった問題にはチェックを入れておき、間違わずに解答できるようになるまで繰り返しました。その結果として、手持ちの過去問題は少なくとも3回は繰り返し解いています。まとめノートは作成していませんが、不得意分野を確認するという目的では同じような効果があるのではないでしょうか。

スケジュールと進捗

  • 1.5ヶ月前

 テキストを購入してもすぐには始めずにいましたが(余裕だと思って正直舐めていました)、さすがに準備が必要と思い、テキストを使用して勉強を始めました。見たことのない単語が並び怯みましたが1~2時間を目安にキリがいいところまで進め、翌日に繰り越しました。

  • 4週間前

 思うように勉強が進まず、焦りだしました。(解らないことは理解できるまで取り組むため、進度が遅い)不安になり、他の人はどのように勉強しているのか調べようと思い、簿記検定ナビに辿り着きました。

 不安が完全に払拭されるまでではなかったですが、勉強方法や合格体験記を読み励みにしました。テキストは半分程度まで消化していました。

  • 2週間前

 最初に購入したテキストが模擬試験を残して終了しました。付属の試験問題に挑みましたが3時間近く掛かり、結果は60~70点程度でした。(部分点の記載がなかったため正確な点数は不明です)

 特に試算表に時間が掛かっており、初回はこれだけで1時間半程掛かりました。とにかく練習が必要だと感じ、こちらで紹介されていたラストスパート模試を購入しました。

  • 10日前

 テキスト付属の試験問題は何とか2時間で解けるようになっていましたが、それでも試算表パートは1時間近くも掛かってしまう状態でした。また注文していたラストスパート模試が届いたため、早速兆戦してみましたがこれも2時間半も掛かってしまいました。(内,試算表パートは約1時間)しかも点数は70点。

 何とかしないといけないと考えながら、解答の評価をしていると解答集に「Tフォーム(T勘定)を使う」とありました。今までは借方・貸方を書き出してから集計するという方法をとっており、非常に時間が掛かっていました。慣れた方法でしたが、試してみると約40分程度で解くことが出来ました。

  • 前日まで

 試験問題をそのまま解いていると2時間近く掛かってしまうため、問題をバラして行うようにしました。目標タイムは第1問:10分、第2問:15分、第3問:40分、第4問:15分、第5問:35分。

 この頃にはTフォームをマスターして試算表パートは30分程度で解答出来るようになっていました。平行してサイトから頂いた過去仕訳問題を行いました。これまでと同じように間違った問題のみ繰り返し行い、練習しました。

 また問題を解く達成感から、勉強が楽しくなり必然的に勉強時間が増えました。(平日:3時間、休日:8時間以上)

  • 前日

 確認の意味でこれまで解いたラストスパート模試の予想問題を今度は第1~5問まで通して解答する模擬試験を3回行いました。それぞれ1時間半程度で解けるようになっており、安心しました。(初見の問題ではないので当たり前ですが・・・)

解答順について

 いろいろと議論が尽きないようですが、私はラストスパート模試に書いてあった 1→5→3→2→4の順で解答するようにしました。自分的には得意な順番で解答している、という感覚でした。

その他

 くだらないことですが、勉強中はチョコレートが食べたくてしょうがなくなりました。また普段よりも食べている(チョコ分)にも関わらず、勉強期間中に体重が5kgも落ちました。脳がカロリーを消費するのは本当なんですね。

試験日の1日の流れ

  • 前夜・当日

 思う存分問題を解いて疲れていたのか、22時には就寝しました。当日は5時前に目が覚めたので軽く朝食をとり、ウォーミングアップとして過去仕訳問題と問題の中でも大好きな精算表(穴埋め)を解きました。(どちらも散々解いた問題です)

 会場は自宅から自転車で10分程度でしたので、遅刻の心配はありませんでしたが自宅に居ても落ち着かないため早めに自宅を出ました。会場には8時15分頃に到着しましたが、サイトに書かれている情報とは違い、数名も受験者しか到着していませんでした。

 会場へはラストスパート模試の仕訳カードのみ持ち込んでいましたので、暇つぶし程度にやっていました。今思うとかなりリラックス出来ていたように思います。

  • 試験開始

 9時より試験開始かと思っていましたが、9時より説明が始まったため、試験開始は9時10分からでした。事前に決めていた順番通りに落ち着いて問題を進めていきました。ラストスパート模試と比較すると簡単で、拍子抜けしてしまいました・・・。

 開始1時間後に希望者は退出の許可が出ましたが、数名が直後に退出しましたが、事前に情報して聞いていたので「問題取得のバイトかな?」、「ああ、諦めて帰ったのか」と冷静でいられました。もし知らなければ、少しでも焦ってしまったかも知れません。

 試験は開始時間から約1時間15分で終了しました。途中退席はするつもりではなかった(30分早く帰ってもお昼には早いし、そもそもやることがない)ので、じっくりと見直しと自己採点のための解答の複写をしました。

  • 試験会場について

 会場は少し肌寒く、ポケットに入れていたカイロが役に立ちました。また凄まじい勢いで電卓を叩いている方が居ましたが、後日発表を確認すると残念ながら不合格のようでした。電卓の勢いは全く関係ないようです。

  • 帰宅後

 昼過ぎにネットスクールのWEBページを確認すると既に解答速報が掲載されており、驚きました。すぐに自己採点をしましたが、満点での合格でした。

おわりに

 振り返ると、心配性な正確から勉強をし過ぎたように思います。特に後半は精算表のパズル的な要素,また借方・貸方の金額が一致したときの達成感に取り付かれてしまったのも、その一因かと思います。

 また当然ながら反省する点として、もう少し早い段階から、余裕を持って取り組むべきだったように思います。来年はビジネス会計検定試験の3級に挑戦しようと思っています。その翌年、簿記2級に挑戦するつもりですので、その際は再びお世話になりたいと思います。

管理人からTKさんへ追加の質問

 TKさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 ありきたりですが、手形取引(為替手形)が苦手で理解するまでに時間が掛かりました。繰り返し問題を解いたのは勿論ですが、理解を深めるのに役にたったのが、ずばり!簿記検定ナビのコンテンツ「論点別・弱点克服講座 為替手形を徹底解説!」です。

 登場人物を想定することで、取引を具体的にイメージすることが出来て良かったです。過去仕訳問題の方もそうですが、登場人物が一癖あるのも、イメージがしやすくて良かったように思います。(正直、面白くはなかったですが…

 また「裏書」に関する取引についての問題では「難波金融伝 ミナミの帝王」の竹内力さんが、債権者に裏書を迫るドラマのワンシーンが常に頭に浮かんでいました。あまり関係ないのかもしれませんが、イメージを明確にするという点では関連しているのではないかと思います。

 TKさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 それほど期間が長くありませんので、これといってはないように思いますが「試験から開放されたら、寝る前のゲームとTVドラマ!!」というようには常に思っていました。

 また途中からですが勉強を楽しめたのも良かったと思います。特に精算表(穴埋め)が楽しくて、息抜きとして精算表問題に取り組んだりしていました。

管理人コメント

 TKさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 まずTKさんが使われた成美堂出版の「解いて覚える!日商簿記3級合格ブック 解いて覚える!」という教材ですが、TKさんもおっしゃっているように、初心者にはあまり向いていないというレビューやクチコミがたくさんありますので、これから購入する方は必ず中身を確認するようにしてください。

 電卓については、TKさんは10桁のものを使われていますが、受験にあたって新しものを購入する場合は12桁の電卓をおすすめします。どれを買えばいいのか分からないという方は、簿記検定ナビの管理人のおすすめ電卓ページで紹介しているものを購入いただければ間違い無いと思います。

 また、苦手論点の克服方法については文字だけで理解しようとするのではなく、TKさんのようにイメージ化して理解することをおすすめします。一見、難しそうな論点も視点を変えることで一気に理解が進むことがよくあります。

TKさんが使われた教材や電卓のまとめ