日商簿記検定は、粘り強く部分点を取りにいく意識が大事!

  • 投稿者:novaさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月半

日商簿記検定の勉強を始めたきっかけ

 30代の男。現在、失業中で職業訓練校に入学するまで、時間を持て余していました。そこで短期間で取れ、ある程度役に立ちそうな資格はないかという事で日商簿記3級を取ろうと思いました。お金はあまりかけたくないという事で独学。簿記のボの字も知らない人間だったのでまずはNetで情報収集しました。

 TACの書籍がオススメだったので、書店で合格テキスト、合格トレーニング、過去問題集の3冊を購入。テキストは22章に分かれていたので、1日1章やって、終わったら過去問題を解こうと簡単に予定を立てました。

最初の壁は「仕訳」

 最初の壁は仕訳でした、そして為替手形にも一苦労。決算の手続きになると1日1章では終わらなくなりました。結局理解できない所は丸暗記しました、これが独学の欠点の1つだと思います。ついでにいうと最大の欠点は集中力を欠いてしまうこと。勉強中の息抜きにTVやNetでも、というつもりが結局そっちの方に夢中になって勉強を終わりにしてしまう事が多々ありました。

 勉強の方法は合格テキストを1章分読み(途中から要点をノートに書き出したり、パソコンに入力したりして覚えました)、その章の合トレを解く、というやり方でした。1日の平均勉強時間は3,40分位だったと思います。そして一通りやり終えてから過去問題に取り掛かりました。まずあまりの出来なさにヤバイと思いました。

 合トレを解いていたときも思っていた事ですが、計算ミスは当然として、ケアレスミスが多い!あとは問題文をきちんと読んでおけば解けている問題もありました。試験本番ではこれらのミスには気をつけようと思いました。

試練の先に見えた光

 また、過去問題は過去12回分の試験が載っているのですが、それを1回分2時間掛けて解いていく集中力は自分にはありませんでした。永らく勉強する事から離れていたもので・・・結局試験前に第1問から第5問まで1度も通してやりませんでした(-_-;)

 まず取り掛かりやすい仕訳問題を時間を計りながら解いていきました。そして最後に苦手な試算表や精算表などをまとめてやりました。しかし結局最後の合計の計算が合っているのは5回やって2回位の精度の悪さ、どこかしら間違っている。加えて最初の方にやった章の問題も忘れている。

 試験1週間前になっても損益勘定の振替から財務諸表の作成までの流れはあやふやでした。もう既に職業訓練校にも入校していたので時間もそんなにありませんでした。これは合格はムリだな、試験受けるの止めようかと思った程でした。でも今までかけた時間とお金がムダになるのがもったいなく、受けるだけ受けてみよう、全くムダになるというわけでもないし、今回ダメだったら次回も受けようと思いました。

 そんな時、光明が見えたのは苦手な試算表や精算表には部分点があるという事、全部合っていなくても要所要所の記入が合っていれば合格点に届く可能性がある、という事でした。そして幸い仕訳に関しては9割以上の確率で解くことが出来ていました。諦めずやれるだけやってみようと思いました。でも不安はあり、少しでもためになればと2日前は5時間、前日は8時間の勉強しました(結局ほとんど直前にやった事は試験に出ませんでしたが・・・)。

試験日当日の1日の流れ

 朝何時に起きて何時に出掛けるという予定表は前々日に立てました。慎重派の自分は何回持ち物をチェックしたか分かりません。普通だったら試験会場に下見に行く所ですが今回はそんな余裕があったら勉強したかったので、きっちり調べておくに留めました。

 試験当日、予定通りに車で会場に着きました。早く着きすぎたので車中に30分位いて、苦手な分野の要点をまとめた自作のプリントを読んでいました。そして試験会場へ着席。試験開始まで まだ40分程あったので、またプリントを10分位読んでいました。開始前は正直、緊張はあまりしませんでした。

 いよいよ試験開始、第一問の仕訳問題の備品売却の仕訳でいきなりつまづきました。初っ端からだったので焦りました。これは落ち着いて考えれば解けた問題なのですが焦っていたのでしょう。時間配分を考え飛ばして次にいきました。

 第二問へ、とここでまた焦りました。ほとんどやった事のない問題、なんと分記法から三分法に記帳する問題だったのです。「3級では分記法は出ないはずだったのに~」と思っても後の祭り、わずかな記憶を辿り、何となくこんなではないかな~ととりあえず答えを埋めました。

 そして第4問、伝票の問題。ラッキーと思いました。伝票の問題は最も正答率の高い問題だったのです。第3問に取り掛かりました。解答用紙の見落としもあり少し焦りましたが途中で気づきました。仕訳で分からない所もなく、合計も合っていてラッキーと思いました。

 そして第5問、精算表作成、文章題の順進は苦手ながらも出来る方だったのでラッキーと思いました。しかし仕訳で数問つまづき、合計も合わず、部分点狙いに期待しました。時間をかけてしまったせいで結局、後で取り組もうとしていた第一問の仕訳問題は出来ませんでした。

 試験が終わった時点で合格の可能性は低いかな、と思いましたが、やっと終わったという解放感がなんともいえず清々しく、これで受かってたらラッキー。でも期待しすぎるとショックが大きいので自分の中ではダメだったかもしれない、という感じでいました。

 家についてからNetで解答速報を見ると、いきなり解けていたと思っていた第一問の仕訳で痛恨のケアレスミス、当座預金×→当座○ でした。問題文よく読んでおけば良かった・・・(-_-;) しかしもう済んだ事はしょうがない、試験の終わった午後は、一週間前から禁止していたゲームやNetなどを心置きなくやりました \(^o^)/

最後に

 試験を受け終わって、合格確率は3割くらいに思っていましたが、合格できてホントに良かったです。でももう少し誘惑に負けず、きちんと勉強し、直前になって焦ってやることの無いようやるべきだったと思います。今回の合格は自分の得意分野の出題も比較的多く、運もあったと思います。

管理人からnovaさんへ追加の質問

 試験で使われた電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CASIOのMS-6というカインズホームで購入した700円くらいの安価な電卓です。手の平サイズで邪魔にならないのが良いです。あと文字が大きめなのもgood.いかにも計算しか出来ないというデザインです。(実際そうなんですけど)

 難を挙げればボタンの押し具合がそんなに良くない事、早打ちには向いていないと思います。でも安いし、3級検定用としては充分使えるので、オススメします。

 novaさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意といえる程ではないですが、仕訳と伝票関係です。苦手だったのは試算表や精算表の作成、決算の手続きの勘定の〆切から財務諸表の作成です。タイピングは得意な方なので、苦手な所はエクセルに入力して自作のプリントを作り、空いた時間に読んだりして覚えるようにしました。あとは問題を出来るだけ解くようにしました。
 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方に何かアドバイスはありますか?
 独学の場合、最大の敵は自分の怠け心です。自分はこの敵に勝ったり、負けたりでした。 役に立った勉強方法は、「問題を解く → 間違える → 間違えた所をチェックして、同じミスを繰り返さないように覚える」という流れ。その繰り返しだったと思います。
 今後は簿記3級をどのように活かすつもりでしょうか?
 現在パソコンビジネスの職業訓練中なので、そこで取る資格と合わせて、就職に少しでも役に立つようにしたいです。また企業に勤めてからは、ビジネスマンとしての基礎知識として活かしたいと思います。

管理人コメント

 novaさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました。無理をお願いしてかなり詳しく書いていただきましたので、とても読み応えのある合格体験記になりました。

 novaさんのターニングポイントは、なんと言っても「苦手な試算表や精算表には部分点があるという事、全部合っていなくても要所要所の記入が合っていれば合格点に届く可能性がある」という点だと思います。novaさんがおっしゃっているように、日商簿記検定の試算表や精算表の問題は0か100かという配点ではなく、各箇所に配点がちりばめられています。

 ですから、分からない取引が出てきたからと言って諦めるのではなく、自分が点数を取れそうなところから順番に、地道に点数を積み重ねていくことが大事です。これは本試験でいきなり出来ることではありませんので、練習段階から意識しておくといいと思います。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたnovaさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

novaさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • テキスト:合格テキスト 日商簿記3級(TAC出版)
  • 問題集:合格トレーニング 日商簿記3級(TAC出版)
  • 過去問:合格するための過去問題集 日商簿記3級(TAC出版)
  • 電卓:CASIO MS-6
  • 上記のリンクをクリックすると、amazonの商品詳細ページにジャンプします。