本試験では各問題の難易度を見極めて、解く順番を再構築しましょう!

  • 投稿者:オレンジさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約4か月半

はじめに

 私は以前事務職員として勤務していました。経理事務としての勤務ではなかったのですが、働くうちに経理事務をやってみたいと思うようになり、とりあえず簿記3級の資格を取得しました。

 その後、簿記2級の資格取得を目指しましたが、仕事をしながらの勉強は思うようにいかず、経理事務の仕事も知識不足を理由に経験することができませんでした。退職を期に「資格を取るなら今しかない!」と思い挑戦することにしました。

教材について

テキスト

 簿記の知識に乏しいことから、わかりやすくて読むのに抵抗のないテキストを選んだ結果、サクッとうかるシリーズになりました。

 しかし勉強を進めるうちに、出題頻度の低い内容に関して掲載されていなかったり解説が少なかったりすることがあったので、追加で合格テキストを購入し、その部分を補って理解を進めました。

 ただ、試験で満点を取ることに執着しなければどちらか1社でよいと思います。

過去問題集

 解答用紙がダウンロードできるので便利でした。解説も詳しくてわかりやすかったと思います。

予想問題集

 できるだけ多くの出題形式に触れておきたかったので予想問題集は2冊購入しました。勉強する時間がなければ1冊で十分だと思います。

仕訳問題集

 この問題集が出版されたのが今年の4月だったので、それまでは「簿記検定ナビ」の仕訳問題対策問題集を利用していました。

 家で学習するにはサイト内の問題集で十分なのですが、仕訳攻略ナビの方が持ち運びしやすいですし、また仕訳の形式を確認したい時にはさっと調べることができて助かりました。

勉強スタイルについて

 正直「この期間にこれをする!」といったような明確な計画があったわけではありません。ただ、「過去問題集と予想問題集はすべて合格点を取れるまで何回も解く」ことを目標にしていました。(それでも予想問題集は難易度が高いものもあり、試験直前まで合格点がとれませんでした…)

 あと勉強を始める時には必ず最初に仕訳問題(簿記検定ナビ仕訳問題対策or仕訳攻略ナビ総合問題)をしました。試験問題の第2~5問の中でひねった問題が出た場合、合否を分けるのは第1問の正答率だと考えたからです。

 何度も仕訳問題を解いていくと解くスピードも速くなりますし、その分の時間を第2~5問を解く時間にあてられますので、やってよかったと思います。

 勉強の流れとしては、まずテキストを何度か読んで大まかな流れをつかみました。通常だとここでテキストに準拠した問題集を使用するのでしょうが、私はいきなり過去問題集を解きました。これには理由があり、実は私はテキスト準拠の問題集で問題が解けなくても「どうせこの形式では試験に出ないし~」と言い訳するタイプの人間なのです。(苦笑)

 ですが過去問題集だとこの言い訳は通用しないため、自分を追い込むべくあえてこの流れで勉強しました。ですからきちんと勉強ができる方には決してお勧めしません(汗)テキストからいきなり過去問題集だと当然ですが合格点は取れません。ですのではじめはテキストを見ながら問題を解いていきました。(1冊解き終わるのにかなりの時間を要しました

 2回目からはテキストを見ずに時間を計って解いていき、合格点を取れるまで何回も解きました。問題を解くにつれて、制限時間内に問題を解くことが課題になってきたのですが、これは仕訳攻略ナビの「過去問分析」に掲載されている下書きを参考にしました。

 過去問題集の解説に掲載されている図は詳しくてわかりやすいのですが、試験時間中に自分で書くにはあまりにも詳しすぎて、どのような下書きをすれば効率的なのかがわからなかったので、本当に助かりました。下書きの効率化を意識してからは制限時間内に解くことができるようになりました。

 過去問題集が一通り解けたところで予想問題集(2冊購入したので計8回分)を合格点を取れるまで解きました。ただ予想問題集ばかり解いていると、どうしても出題範囲が限られてしまうので、たまに過去問題集を解いて、どの範囲の問題でもまんべんなく解けるよう気をつけていました。

 基本毎日勉強することを心がけていましたが、モチベーションの上がらない日もありました。そういう日は本当に丸1日勉強をしませんでした。勉強しなかった翌日は「昨日勉強しなかったから今日はちゃんとやらないとまずいな」と思い、集中して勉強に取り組むことができましたので、向き不向きがあるかと思いますが、私にはこの方法があっていました。

試験日1日の流れ

  • 10:00 起床
  • 11:45 昼食

 当日家で勉強をしてわからないところがあると不安になることがわかっていたので、家を出るまで一切勉強はしませんでした。

  • 13:00 試験会場到着

 早くに会場に到着してその場の雰囲気にのまれてしまうのが嫌だったので、この時間にしました。会場では「仕訳攻略ナビ」の基本問題を見ていました。問題を解くという感じではなく(解けないとあせってしまうので)仕訳の形式や勘定科目を確認するような感じてパラパラ見ていました。

  • 13:30 試験開始

 試験前によほどのことがない限り1→4→5→2→3の順番で解いていこうと決めていましたが、問題を一読し、第2問が時間がかかりそうだったので、1→4→5→3→2に順番を変更しました。

 第1問は直前に仕訳攻略ナビで見ていた仕訳がなんと3問も出て鳥肌がたちました。私の今年の運はすべてここで使い果たしてしまったような気がします。(笑)

 第4問・第5問は予想していたより簡単でした。簡単だったのでここで間違えては合格できないと思い丁寧に解きました。しかしここで時間をかけすぎて、第2問は時間が足りませんでした。第2問でわからないところがあり、それに時間を費やしてしまった結果、答案用紙を見直す時間が確保できなかったことが悔やまれます。

 ケアレスミスがないか確認する時間をラスト○分と事前に決めておき、その時間になったら解けない問題にはこだわらず見直す時間にあてたほうが確実に点数が取れると思います。

  • 15:30 試験終了

 解答を書き写す時間がなかったので、解答速報をみても自分が確実に合格できている自信がなく不安でした。ただ解答速報を見る限り、考え方は間違っていなかったので、計算ミスが多くなければ合格できているのではないか思いました。

試験勉強を振り返って

 点数はわかりませんが、合格できたのでほっとしています。独学の私にとって簿記検定ナビは心強い存在でした。ありがとうございました。

管理人からオレンジさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 使用した電卓はCASIOのJF-120VBという機種です。もともと仕事でこの機種の電卓を使用していたので、使い慣れている方が良いと思い買い替えることはしませんでした。

 使い慣れていることもあり、あまり不便は感じませんでしたが、キーをタッチする時の音が少し大きいので音に敏感な方にはおすすめしません。

 オレンジさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
【得意な論点】
 「これは得意だ!」と胸を張れるところはないのですが、しいて言えば工業簿記の総合原価計算です。パターンを覚えさえすればあとは比較的単純な計算をするだけなので、点数を稼ぎやすかったです。

【苦手な論点】
 特殊商品売買はどれも似たような感じの内容に思えて混乱しました。そこで、特殊商品売買の中で自分が覚えやすそうな取引から確実に把握していくようにし、それが確実に仕訳できるようになるまでは他の特殊商品売買の勉強はしないようにしました。

 例を挙げると、まず仕訳問題で予約販売の問題が100%解けるようにする、100%解けるようになったら、試用品販売にとりかかるといった具合です。最終的にはすべての特殊商品売買を理解しなくてはなりませんが、どれも中途半端になってわからなくなるよりは、自信を持って解答できる論点を一つずつ増やしていくほうが確実に点数も取れますし、私にはこの方法が合っていたように思います。

 標準原価計算では差異分析が苦手でした。突如でてきたシュラッター図にとまどい、図の意味を理解しようとしてさらに訳がわからなくなりました。結局「これはそのまま暗記するしかない」と割り切って公式とともに丸暗記してしまいました。

 直接原価計算は全体的に苦手で、全部原価計算の考え方から直接原価計算の考え方に頭が切り替わらず苦労しました。これに関しては多くの問題を解いて徐々に理解していった感じです。CVP分析も最初は複雑な感じがして苦手意識がありましたが、公式をきちんと覚えれば問題を解けるということに気づいてからは、苦手意識はなくなりました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
【テキストについて】
 自分でテキストの内容を確認して拒絶感のないテキストを選んでおかないと、勉強を進めていくうちに苦痛になりやる気がなくなりますので、よく吟味されることをおすすめします。

【間違いノートについて】
 私は苦手な論点や間違えた論点について簡潔にまとめてあるテキストの文言や図をそのまま書き写して間違いノートを作成していました。問題が解けなかった時に、テキストからその部分を探し出す手間が省け、すぐにノートを見て復習できたのでよかったです。

 作成にあたり心がけていたのは「内容を盛り込み過ぎない」ことと「作成に時間をかけ過ぎすぎない」ことでした。ノートを作成した達成感に浸ってしまい、本来の勉強に支障が出てしまったことがあったのでその点は気をつけていました。

【電卓について】
 簿記の試験は電卓の試験ではないので、電卓を極める必要はないと思いますが、慣れておくことに越したことはないと思います。特に勉強を始めたばかりの頃はただでさえ問題が解けずにイライラしがちなのに、電卓の操作に慣れていないと疲れが倍増します。「簿記検定ナビ」サイト内に電卓の使い方が掲載されていますので、そちらを参考にされることをおすすめします。

 私は勉強のモチベーションが上がらない時に、買い物のレシートを使って、自分が電卓で計算した結果とレシートに記載された合計金額とが一致しているか(電卓の入力ミスがないか)確かめるということをしていました。一度の計算で金額が一致した時に達成感を味わうことができるので、ちょっとモチベーションが上がりました(笑)

管理人コメント

 オレンジさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 オレンジさんは「テキスト→過去問」という流れで学習されたとのことですが、やはり「テキスト→問題集→過去問」というスタンダードな流れのほうが良いと思います。

 テキストの例題と過去問はレベルが全然違うので、問題演習量が足りていない状態で過去問を解いても、結局、その都度テキストに戻って復習することになり非効率的です。

 あと、ぜひ見習っていただきたいのは、「問題を一読し、第2問が時間がかかりそうだったので、1→4→5→3→2に順番を変更しました。」という点です。

 日商簿記検定に限らず試験はなんでもそうですが、「取れるところから取る」のが鉄則です。試験開始とともにすぐに解き始めるのではなく、オレンジさんのように問題を一読して、解く順番を再構築する作業を必ず行なってください。

オレンジさんが使われた教材や電卓のまとめ