常日頃から「最後まで諦めずに問題を解ききる」意識を持ち続けました!

  • 投稿者:探すようさぎさん
  • 勉強形態:専門学校(通学)
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月
  • 備考:資格の学校TACに通学

はじめに

 経理補助事務として数年勤務しつつ、簿記3級は独学で3年ほど前に取得していました。そのまま、簿記2級も!と独学をしてみるものの、難しくて何回も挫折し、そのまま年月が経ってしまいました。

 このままでは良くないな、ということと、仕事を辞めたことをきっかけに、「今度こそきちんと知識を身につけた上で簿記2級を取得して、再就職につなげたい!」と強く思うようになりました。

 再就職活動をしている中で、経理をしたい場合、実務経験はあっても簿記3級だけだとどうしても条件がいまいちな会社しか見つからない・内定が取れない、というジレンマがありました。

 独学は自分の性格上、絶対無理だと結論が出ていたため、最初からTACに通学することにしました。2013年3月開講の本科生となったのが4月の頭でしたので、実際の通学は工業簿記の基礎講義からスタートしました。

 商業簿記の基礎講義は、通学と並行して、自宅でWebフォローを利用して学習する形にしました。

テキストについて

 TACの本科生になったので、『合格テキスト』『合格トレーニング』をメインで使っていました。

 ただ、この本が良いものであることは重々承知しているのですが、個人的には「もう少し分かりやすいものがいいなあ…」と思うようになり、ネットで調べて評判が良かったネットスクールの『すいすい簿記 マンガ見てGO!』『サクッとうかるトレーニング』も用意し使いました。

 その他では、簿記3級の勉強や前職のときにとても役に立った『世界一感動する会計の本です』を繰り返し読んでいました。直前期はTAC出版の『合格するための過去問題集』を活用しました。

勉強スタイル

 すぐ勉強から逃げてしまう不真面目な性格ですので、敢えて「勉強から逃げにくい」環境へ自分を追い込んでいました。

 まずは、『すいすい簿記』を自宅で読みます。これが本当に分かりやすくて、この本のおかげで勉強から逃げ出さずに済んだといっても過言ではありません。初回はまずさーっと流し読みをします。

 その次は、次回のTAC講義までにその講義の範囲のみ熟読し、テキスト内の仕訳などの問題を実際に解きました。その後で、対応する『サクッとうかるトレーニング』の問題を解きました。

 以上のやり方で、TAC講義の予習としていました。この段階で「ちょっと微妙に分からないな」というところもありましたが、そこはTACの講義で埋められるように意識していました。

商業簿記の勉強スタイル

 簿記2級の商業簿記については、Webフォローで自宅でパソコンを使い、講義を受けました。講義を受けた後は、TACの先生のアドバイスの通り、必ず復習を行いました。

 具体的には、『合格テキスト』の基本例題を解いたり、『合格トレーニング』の問題を解いていましたが、特に後者は難しい問題も含まれているので、初見で解けないことも多かったです。

 その場合はしっかり解説を読み込んでから、時間を置いてまた挑戦し、自力で完璧に解けるまで何度も復習し反復しました。問題の答えを覚えるのではなく、解き方をきちんと理解することを重視しました。

工業簿記の勉強スタイル

 簿記2級の工業簿記については、TACに通学し勉強しました。基本的な予習・復習の流れは商簿のやり方と同じです。私の場合、独学を挫折したのは「工業簿記が訳わからない!」ということが大きい理由でしたので、講義は真剣に受けました。

 工業簿記は、勘定連絡図をきちんと書ければ合格できると思います。独学のときは仕訳しかしていなかったのでイメージがつかず駄目でしたが、講義を通じて初回から勘定連絡図を書く癖をきちんとつけることができました。

 その他にも、原価ボックスの書き方など、TACの講義では効率のいい下書き用紙の書き方をいろいろ伝授してもらえたことが非常に役立ちました。

 自宅で勉強しにくいときは、敢えてTACに行き、自習室で勉強するようにしていました。静かで尚且つ電卓を叩きやすい場所はそうそうないので、非常に助かっていました。

 また専門学校の特性上、みなさん静かかつ真剣なので、そのような良い雰囲気に後押しされていました。賢そうな人たちの中に紛れて勉強していると、それだけで「自分、えらいなあ~」と前向きに思えていました(笑)

 通学は、主に週2回していました。授業一コマが2時間半(途中で休憩10分あり)で、結構長いので大変でした。それ以外で予習復習も行う、さらに自分の場合は商業簿記はWebフォローで無理やり工業簿記とペースを合わせていたため、前半のインプットの時期が一番ハードだったかもしれません。

 ただ、幸い(?)なことに離職中のため、時間はたくさんありました。そのおかげでなんとか遅れることなく、TACの通学ペースに乗れていました。もし学生だったり、仕事をしながらの勉強だと厳しかったと思います。

 日中はお忙しい方の場合でしたら、勉強期間は3か月以上に設定した方が無難かもしれません。1日フルで使える環境にある方でしたら、私のように2か月ほどの短期決戦でもなんとかなるかもしれません。

直前期の勉強スタイル

 試験1か月前くらい前~直前期は、TACの直前答練・的中答練で、実際に問題を解くアウトプットの練習をしました。このとき、答練前にはかならず指定された範囲の予習をしっかり行っていました。

 予習は、以前のやり方に加えて『合格するための過去問題集』の厳選問題を解いたり、対応する範囲の過去問をピックアップして解くようにしていました。

過去問題集
過去問題集

 「テストの範囲は知らされているのだから、絶対70点以上の合格ラインを越えてみせる!」と自分の中でルールを作っていました。大変でしたが、そのような高いモチベーションを維持していたので、最後の的中答練まで、すべてのテストで70点以上は確実に取っていました。

 この直前答練・的中答練は非常に有意義でした。自宅ではなく、外で実際に試験のシミュレーションができるというのはとても効果的だと思います。変に時間をかけて完璧主義を目指すと、解ける問題も時間が足りずに失点を重ねてしまう!ということをここでの失敗で痛感しました。

 一度失敗して70点台の不本意な得点で終わった回以降は、どんなことがあっても絶対に全部の問題を解ききる!という意識が生まれ、そのおかげでほとんどの答練で80点以上は取れるようになれる解き方・意識・力が身に付きました。

 TACの先生曰く、「答練以外での自習で過去問を解いてほしい。問題集を3周はしてほしい」とのことでしたが、自分の場合は8割くらいの範囲をかろうじて2周するので精いっぱいでした。もう少し時間があれば、あと1か月あれば全体を3周できたのかな…というところが心残りです。

試験日の1日の流れ

 少し早起きして、普通に過ごし、受験会場であるTACに着いたのは朝9時です。自習室でお昼まで、最終チェック代わりの問題演習をしました。具体的には、『合格するための過去問題集』の第1問、仕訳問題の厳選問題と、過去問で間違えた仕訳問題の見直しをしていました。

 11時過ぎにいったん会場を出て、外でお昼ごはんを取り、12時前には試験会場教室に行きました。12時前ではまだ人もまばらでした。周りはあまり気にせず、ここまで直前になると疲れることはやめようと思い、『合格するための過去問題集』の厳選問題の解説を流し読みしていました。特に、自分が間違えたので問題集に書き込みを加えたところを重点的に見ていました。

 13時過ぎになると、会場にどんどん人が集まりました。15分前にお手洗いを済まし、もうテキスト類は閉じてカバンに入れ、荷物も片づけました。机の上に必要なものだけ用意し、少しの間目を閉じて静かに休んでリラックスしていました。周りは、直前まで勉強する方もいれば、音楽を聴いてリラックスしている方も見受けられました。

  • 試験開始!

 試験開始と同時に、問題用紙・答案用紙を一通りさーっと確認しましたが、「第2問と第5問がなんだか見慣れない形式だ!!」と焦ったので、まず第一問から解こうと思ったんですが…1問目から直接法の減価償却に少しとまどい、手に汗をにぎりっぱなしで本当に落ち着きませんでした。

 試験直前期にTACの先生が「焦った時は、いったん手を止めて目をつぶってください。そうすれば落ち着けます!」と仰っていたことを思い出し、数秒かけて実践したあと、もう一度がんばりだしました。

 時間はややかかりましたが、20分くらいで第一問はすべて解いて見直しもし、「たぶん全問正解できてる」と確認を終えたことには、少し冷静さを取り戻していました。

 その次に、思い切って第5問に挑戦し、用語や数字を埋めました。正直なところ、後半の解答には自信を持てませんでしたが、ここで粘ると絶対後に響くのが分かっていたので、潔く諦めて次に進みました。

 第4問は、勘定連絡図をきちんと書き、材料費・労務費・経費、直接費と間接費の区別がきちんとつけられれば確実に解ける!ということが問題を見て分かったので、安心して取り組めました。途中、緊張のあまりいつもはしないような電卓計算ミスを連発してしまいましたが、最終的には「これは満点取れた」という手ごたえはありました。

 その次は第三問の精算表を解きました。答案用紙を見た時点で「精算表だ!やった!」と思っていたので、あえて後半戦に回していました。こちらはソツなく解けて、本試験の中でいちばん楽しんでいる時間でした。

 売上原価についてはきちんと内容理解を深めていたので、とまどうことなく解答できました。「この問題も満点もらった、この試験、微妙なとこもあるけどたぶん合格できる」と思えていました。

 最後に、残り13分というところで第2問に取り掛かったんですが、かなり手ごたえがなく、少しへこみました。簿記3級の知識が残っていればもう少し得点できそうでしたが、度忘れしているところも多いので潔く諦めました。

 周りでは途中退席する方がちらほらいたので、「諦めたのかな…」という印象を受けつつ、「今回の問題、けっして簡単ではないから、諦めたい気持ちも分かるなあ」と感じました。

 ただ、自分としては、第1問・第3問・第4問で得点できた自信があったので、第2問と第5問に手ごたえはなくてもたぶん大丈夫だから不安ではありませんでした。

試験を終えて

 今回、私は過去問を完璧にすることより、「できる限り苦手分野を減らす」努力をすることに重点を置いていたので、その作戦で合格を勝ち取れたように思います。結果は84点でした。

  • 第1問:20点
  • 第2問:12点
  • 第3問:20点
  • 第4問:20点
  • 第5問:12点

 ちなみに、TACの団体受験者は80人ほどでしたが、その中でも合格者は私を含め10名ほどしかいませんでした。今回の試験は本当にハードだったことを痛感する結果でした。

管理人から探すようさぎさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
『すいすい簿記』

 90点。導入には最適です。簿記に抵抗がある人におすすめしたいです。

『サクッとトレーニング』

 80点。本試験レベルの問題が、いきなり難易度急激にUPという雰囲気になったり、微妙に取扱いのない論点(1も)があるので、この本だけだと苦しい箇所もあるのでこの点数としました。ただ、挫折はしにくい本だと思うので、その点では素晴らしいと思います。

『合格テキスト』

 75点。私にはなんとなく難しいままでした。ですが、想定されるすべての論点を抑えている良い本です。個人的に思うのは、自分に合って読みやすいテキストをメインにし、細かい論点はこの合テキを使うという、メインとサブの使い分けをしていったことがプラスになったように思います。

『合格トレーニング』

 90点。難しい問題もあり、初見で完璧に解ける問題の方が少なかったんですが、過去問のアレンジ問題もあるので、やはりこの本を繰り返すと非常に効果があることを実感しました。この本をやり遂げるには非常に時間とエネルギーが要りますが、そのリターンは十分にあると思います。

『合格するための過去問題集』

 95点。厳選問題にかなり助けられました。また、論点別の一覧表もあるので予習復習に役立ちました。解説も丁寧なのでとても使いやすかったです。

『世界一感動する会計の本です』

 95点。たまに初心にかえりたいときに読みました。三分法ではなく分記法での説明がメインだったりで、日商簿記に直結しない箇所もありますが簿記一巡のインプットにはもってこいです。非常に読みやすいので、簿記につまづいている方や初心者さんにおすすめしたいです。

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 10桁なのでおすすめはできませんが、SHARPのEL-133Hを使っていました。これから電卓を用意する方には、12桁のものをおすすめいたします。また、日商簿記1級も目指す方には√キーなどもそろっている電卓をおすすめいたします。
 探すようさぎさんの勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 「あまりがんばりすぎない」「さぼりすぎずに毎日コツコツ進めること」の2つです。

 調子が良い日は、ついついどんどん進めたくなるのですが、がんばりすぎると翌日がしんどくなったり、前日あんなに進めたのだから、とサボってしまいがちなので、やはり「今日は調子よくても○時間までで止めよう」と意識していました。

 逆に調子が悪い日は、「最低この問題はやろう」と意識して最低限の量はやるようにしました。結果として、毎日コツコツバランスよく勉強が進み、モチベーションが保たれました。

 また、過去問演習や答練などで、なるべく良い点を取れるように努力していたので、実際に結果を出せて90点台だったときには達成感があり、これもモチベーションにつながりました。

管理人コメント

 探すようさぎさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!TACの通学講座を有効活用されていますが、比較的時間がある方や、どうしても1人ではだらけてしまうという方には特におすすめです。

 通学講座のメリットは、「カリキュラムにそって勉強していけば、自然と合格に必要な力が身につく」や「分からないところは先生にその場で質問できる」等ありますが、個人的には「自習室を利用することが出来る」が一番大きいメリットだと思います。

 会計士・税理士・簿記1級受験生のように高い夢を掲げ、人生をかけて勉強している人たちと同じ部屋で勉強すると、「自分もがんばらなきゃ!」という気持ちになりますし、緊張感のある空間では意外なほどに集中して勉強することができます。

 あとは、「直前期の勉強スタイル」のところに書いていただいた「どんなことがあっても絶対に全部の問題を解ききる!」という姿勢も素晴らしいと思います。ぜひ見習ってください。

 ちょっと分からないとすぐに答えを見てしまう方がいらっしゃいますが(受験生時代の私がそうでした)、すぐに諦めずにじっくり考えることによって初めて力がつくので、どんなに難しい問題でも、どんなに苦手な問題でも、必ず自分なりの解答を導きだすことを心がけてください。

探すようさぎさんが使われた教材や電卓のまとめ