自分なりの勉強スタイルを確立し、ゲーム感覚で楽しんで勉強しましょう!

  • 投稿者:RUNNERさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月

はじめに

 第138回簿記検定試験2級に合格することができたため、今後、簿記2級を目指す方々に、私の勉強方法等が多少なりともお役に立てればと思い、投稿させていただきます。

簿記2級を受験するに至った経緯

 FP1級の学科試験に合格後、ずっと勉強せず放置していたため、気が付いたら一部合格期限である【H27/3月末】がすぐそこに来てしまいました。

 妻にちょっと責められまして…急遽FP1級の実技試験(資産設計提案業務)を受験することにして勉強を開始したのですが、学科に比べると楽すぎて、正直ちょっと「物足りなさ」を感じました。

 そんな時、偶々、書店で簿記の本を見て、学生時代(もう10年以上前ですが…)、簿記3級には合格していたこともあり「当時にはなかった面白そうな本も出てるし、簿記の勉強を久々にやってみよう!」とふと思い、受験することにしました。

勉強開始時の知識レベル

 私は金融機関で「企画・調整系」の仕事をしております。仕事上、法律関係の知識は多少ありますが、簿記については3級を取得後、一切触れておりませんでしたので、知識レベルは「ゼロ」からのスタートでした。

試験までの準備(使用教材)

 ネットスクール株式会社のもので統一しました。理由は「気に入った」から。実際に手に取り、自分に合うものを選ぶ形で良いかと思います

テキスト

  • すいすい♪簿記 マンガ見てGO! 日商2級商業簿記 860円(税別)
  • すいすい♪簿記 マンガ見てGO! 日商2級工業簿記 860円(税別)

 個人的にはオススメできます。FP1級時にもテキストを読まず、過去問だけで学科・実技をクリアできたので「いらないかな」とも思ったのですが、簿記については専門外でしたので、念のため、テキストを使用することにしました。

 サイズ・分量的にも通勤時間(朝・夕:計1時間)を使えば5日間で一回転できる内容ですし、読み物としても楽しんで読むことができました。簿記2級で理解すべき内容を大枠で把握するには十分だと思います。なお、試験までに結局5回転しました。

問題集

  • 日商簿記2級過去問題集 出題パターンと解き方 2014年11月対策 1,800円(税別)
  • 第138回試験11/16を完全予想! 日商簿記2級ラストスパート模試 1,250円(税別)

 過去問は3回転しました(使用方法は後述)。模試は試験2日前に購入し、1回だけやったのみです。模試の問題は解いてて楽しいので、やっておいた方が望ましいと思います。

参考:結局使わなかった問題集

  • サクッとうかる日商2級 商業簿記トレーニング 900円(税別)
  • サクッとうかる日商2級 工業簿記トレーニング 900円(税別)

 テキスト終了後、即時過去問に移行したため結局使用せず…。結果論ですが、問題集は買う必要が無かったです。

 なお、「簿記2級では不要」と私は思いますが、簿記1級を目指す場合、テキスト終了後に「何」をするかは検討中です。今後、テキストを読み終わってから検討しますが、こういったトレーニング問題集も必要かも知れません。

試験までの準備(勉強時間)

 私が1週間で確保できる最大勉強時間を算出した結果は以下のとおりです。

  • 月~金: 3時間(=通勤1時間+就寝前2時間)
  • 土~日:16時間(=8時間×2日)

 飲み会等もありますし、ふとした瞬間に仕事のアイデアが思い浮かぶと勉強が手に付かなくなります。結局、試験までの勉強時間は合計200時間前後かと思います。

 その分、勉強中は集中して取り組むことを心がけました。なお、やりたくない日は一切やりませんでした。結局、メリハリだと思います。

試験までの準備(過去問の使用方法)

 私の使用方法は少し特殊かも知れません。参考にならないかも知れませんが、一応記します。なお、今回の試験を終えての反省から、オススメも正直できないと思っています。

1回目

 問題文を読み、解答を確認。答案用紙に解説・解答を極小文字で記載します。このとき、「出題者は「何」を理解しているかを確認しているのか」を意識して問題文を読むこと、また、「解答・解説は「なぜ」記載のとおりになるのか」を意識して理解に努めることに重点をおいて取組みました。

 なお、作成した答案用紙は、通勤中に眺めていました。その際は、問題文を想像し、頭の中で問題を解いているイメージを持つよう、心がけていました。

答案用紙への書き込み1
答案用紙への書き込み1
答案用紙への書き込み2
答案用紙への書き込み2

2回目

 何も見ず、時間を計って解きます。この時点では2時間ギリギリかかって、得点は7~8割程度。誤りを分析すると、ケアレスミスと理解不十分が半々でした。

 正解箇所も含め、理解不十分と思われる箇所は復習し、理解に努め、ケアレスミスの傾向をしっかり認識し、自分の弱点を把握するように心がけました。

3回目

 2回目と同様に何も見ず、時間を計って解きます。平均1時間30分で終了、間違い箇所は数か所でした(ケアレスミスは完全には無くならず…)。

試験までの準備(予想問題集について)

 私は1回転しかできませんでした。平均1時間40分で終了、できは8割~9割でした。時間を捻出し、2回転はしておいた方が安心感が違うと思います。

 私は若干の不安を抱えての試験当日でしたので、2回転はしておくことが望ましいと思います。なお、簿記検定ナビの予想問題集も、第2問以外は全部解きました。

試験までの準備(問題を解く際の下書きについて)

 私は仕訳までしっかり書いて、問題を解くようにしました。今後、簿記1級取得を目指す際には頭で仕訳することも検討しないといけないですが、少なくとも、簿記2級では、仕訳を紙に書いても、試験時間が不足することはないと個人的には思います。

 スピードより正確性を重視…というより、簿記2級までは基本重視で望む方が良いと思います。あくまで個人的見解ですので、最終的にはご自身のスタイルに合う形で下書きの精度を高めていってもらえればと思います。

試験までの準備(間違いノートについて)

 一切、作成しませんでした。作った方がいいのでしょうが、そんな時間はありませんでした。

試験日の1日の流れ

前日の過ごし方

 予想問題を1回転し、終了。テレビを見て、12時には寝ました。

当日の過ごし方(試験前)

 起床時間は平日より2時間遅い午前7時。朝ごはんを食べて、出発。会場到着は一番乗りでした。これまでやった答案用紙を眺めながら「余裕だろ」とこの時点では考えてました。この時点では。。。

  • 試験開始!

 答案用紙に名前を書く際、第2問を見て「なんだこれ?」となり、一瞬、冷静さを失いました。

 試験が始まり、当初の予定(第1問から順番に解く)を急きょ変更し、第1問を焦って解いて、第3問に突っ込みました。第2問を飛ばすことは勉強中も1回もしたことはないので、結構焦っていたようです(笑)

 冷静さを欠いた脳では今回の第3問には対処できず、途中で諦め、焦った状態で中途半端に第4問・第5問と進みました。第5問を完了した時点で、1時間30分経過。

 この時点で時計を見て、逆に冷静になりました。株主資本等変動計算書は見たことが一度もなかったのですが、問題文から仕訳を行い、解答フォームを「部下が作成したわかり難い資料」と思い込むことで、資料構成を推測、埋めるだけの単純作業でOKと判断し、結局15分で解答作成完了。第2問は満点でした。

 第2問終了時点で残り15分。第4問を見ると計算がハチャメチャで、全部数字がおかしいことになっていました。何とか3問だけ修正が間に合った時点で2時間終了。

 各社の解答速報を見た結果、合格点は取れたと思えたので安堵しましたが、正直、反省点ばかりが残る2時間となりました。

試験結果と反省点

 私の点数は以下のとおりです。

  • 第1問:16点/20点
  • 第2問:18点/18点
  • 第3問:12点/22点
  • 第4問:12点/20点
  • 第5問:20点/20点
  • 合計:78点/100点

 反省点は「答案用紙だけを見て、問題文を読まず、第2問を後回しにするという短絡的な判断を下したこと」の1点に尽きると思っています。

 結局、満点は第2問と第5問のみ。第1問は間違い箇所不明ですし、第4問はラスト15分で修正した3か所がそのまま正解できたことからも、どのような状況でも冷静さを保つことの大切さを改めて感じた次第です。第3問も十分部分点が取れる内容ですし。。。

 ただ、色々な意味でいい経験にはなりました。仕事で突発事象があっても、最近は焦りもしなくなっていたのでです。とりあえず、簿記1級までは取得したいなと思っていますので、今回の反省を活かし、準備を進めていきたいと思っています。

最後に

 簿記2級は努力すれば十分に合格できる試験かと思います。これから勉強を始める方は、自分なりの勉強スタイルを確立し、ぜひ合格を勝ち取ってください!この体験記が少しでもお役に立てれば幸いです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

管理人からRUNNERさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 「CASIO DW-20ET」です。妻が大学在学中、簿記3級を受験する際に「簿記の大原」の先生に勧められて購入したそうです。他の方には…正直10年以上前に購入したものですので、今は手に入らないと思います。

 使用感は…特に不便は感じませんでした。電卓で合否が決まるものではないと思いますので、12桁電卓の中で気にいったものを使用すればよいと思います。

 RUNNERさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 今回の点数で言うのは憚られるのですが、正直苦手と感じる論点はありませんでした。

 苦手な論点がある方は、①苦手と思わないこと、②自分は絶対理解できる(理解できないはずがない)と思い込むところから始めてみてください!バカバカしく思うかもしれませんが、学習中の理解力があがりますよ。

 RUNNERさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 独学の楽しさは「試験の攻略方法を自分自身で考えること」だと思います。試験本番は自分の立てた戦略が正しかったかを確認する場だと思います。戦略を立て、実証することをゲーム感覚で楽しむことがモチベーションにつながっています。

 仕事じゃないから人に迷惑もかからないし、勉強したことは自分の血肉になるし、一石二鳥です!

 不合格になった場合は、それこそ根本から戦略を立て直す必要がありますが、結局、それを仕事に支障のない範囲内で楽しんでやってます。

 受かろうと肩ひじ張らずに、資格試験を攻略することを楽しむ気持ちが大切なんだと思います。落ちても死にはしませんし、次に受かれば良いんですから。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 思いつくものを徒然に…

 ① 「自分は●月の簿記検定で必ず合格できる!合格するに決まっている!!」と思い込んで勉強に打ち込んでください。合格するという強い信念・自分への自信を持ってください。

 ② 問題ができたときは「さすが、自分」と思い込み、できなかったときは「新しい知識を得ることができた!」と、すべての物事を前向きにとらえてください。ポジティブシンキングは物事を好循環へと促します。

 ③ 勉強できる環境に感謝を。やりたくてもできない人はいっぱいいます。

 ④ 合格率なんて気にしてはいけません!合格率30%は「10人に3人は合格する」ということです。その3人に入ればいいだけです。難しく悩む暇があったら、今できることを、コツコツ一生懸命取り組みましょう。

 ⑤ テキストは一種類のみにしてください。いくつも読むのは時間の無駄です。そんな暇があったら、遊びにでかけましょう。

 ⑥ テキストは過去問1回転後に再度読んでみてください(過去問取組中も可)。1回目に読んだときと、理解力が違うと思います。「この記載、過去問にあったなぁ。」なんて思いついたりもします。

 ⑦ 初見の問題に触れておいてください。予想問題はネットスクール+TAC、もしくは、過去問最新●回分みたいな感じで、いくつかやっておく必要があると思います。今回、とても痛感しました…。

 ⑧ 時間のない方は、過去問の理解を優先してください。その理由ですが、予想問題や模擬問題と過去問(試験問題)の問題作成者の意識の違い(問題の生み出され方の違い)にあります。

 予想問題等は「このレベルができれば、試験問題と戦えるよ。倒せるよ。」というもの。過去問を分析し、戦える状態に育成してくれる良いツールですが、プロの作る問題なので洗練されすぎている印象です。

 では、過去問(試験問題)はどうかというと、たまに「君たちこれ知ってる?知らないよね??」というものが出てきます(私は「ドヤ顔問題」と名付けています)。今回の第2問のようなものです。

 日商の講評を見ればよくわかりますが、言葉を選ばずに言うと「上から目線」な記載です。また、問題文も洗練されていません。

 同じ商工会議所の試験で、たまに難易度で比べられる「ビジ法2級」は結構理解しやすい記載なんですが、簿記は回りくどい日本語になっています。なので、多くの過去問触れて表現に慣れ親しんでおいた方が良いと思います。

 ⑨ 妻は簿記のような数字は大嫌い、かつ苦手です。でも、10年以上前に通った「簿記の大原」の先生(女性)は、とても教え方が上手で楽に理解できたそうです。時間のある方は、スクールに行くことも選択肢の一つかと思います。

 ⑩ これだけ長々書きましたが、勉強方法(独学orスクール、テキスト選択など)は最後は自分の責任で決めてください。また、その自覚を持ってください。

 「どのスクールがよいか」「どのテキストがよいか」を最終的に決めるのは自分です。「先生の教え方が悪いから」とか、他人に責任を擦り付けているうちは、何をやってもうまくいかないと思います。結果責任は他人は取ってくれません。

 ⑪ 試験勉強を楽しみましょう!自分の力を信じて、自分で選んだ方法で合格できるように祈っています。

管理人コメント

 RUNNERさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 簿記の勉強スタイルに関しては「テキスト&トレーニング→過去問→予想問題」という流れが最もスタンダードな形ですが、RUNNERさんのようにトレーニングを飛ばしたり、テキストからではなくいきなり過去問から入るという方もいらっしゃいます。

 「一般的に良いと言われている勉強スタイル=自分に合う勉強スタイル」とは限らないので、勉強を始めるさいに、自分の能力・確保できる勉強時間等と勘案して、自分の採るべき勉強スタイルを考えてみるのもアリだと思います。

 また、試験結果と反省点のところで「どのような状況でも冷静さを保つことの大切さを改めて感じた」と書いていただきましたが、この点は私も100%同感です。

 試験の独特の雰囲気の中で、一度、冷静さを失ってしまうとリカバリーすることが非常に難しくなります。冷静さを保つために…個人的には以下の3点をおすすめしているので参考にしてください。

  1. 試験開始後、すぐに解き始めない。目を閉じて2度、3度大きく深呼吸をして、気持ちを出来る限り落ち着かせてから解き始める。
  2. 試験の独特の雰囲気を予め体感するために、TACや大原などの直前対策答練を教室で受講する。1度でも受けておくと気持ちに余裕ができます。
  3. 新形式の問題・難易度の高い問題は、満点を狙わずに部分点狙いに切り替えて、分かるところからひとつずつ埋めていく。新形式の問題はパッと見が難しいだけで中身は簡単なことが多いですし、難易度の高い問題にも簡単なところは必ずあります。ある程度、金額が埋まってくると気持ちも落ち着いてきます。

 新形式の問題・難易度の高い問題は、配点が甘くなることが多いです。RUNNERさんのように、最後の1分1秒まで諦めずに粘り強くがんばってください。

RUNNERさんが使われた教材や電卓のまとめ