テキストで簿記の基礎を理解し、過去問で合格に必要な応用力を身につけよう!

  • 投稿者:綾瀬さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約2か月半
  • 備考:勉強期間は2回目の受験時の数字

はじめに

 まずは私がどのような人なのかを知っていただこうと思います。なお、以下「簿記」「二級」「三級」とあるのはすべて日本商工会議所主催の簿記二級・三級試験を指すこととします。

  • 経歴…現在大学四年生。
  • 時間…大学の授業も少なく、可処分時間は人より多め。二か月半、ほぼ毎日3~4時間程度費やした。
  • 知識…簿記に関する知識はゼロからスタート。高校でも大学でも簿記を習ったことは一度もありません。

 簿記の受験歴は以下のとおりです。

  • 大学一年生の2月に三級をすっとばしていきなり二級を受験→不合格
  • 大学四年生の6月に三級を受験→合格
  • 大学四年生の11月に二級を受験→合格

 このように、一度不合格となった経験があるので、合格体験記だけでなく不合格体験記も書こうと思います。

まずはここから-不合格体験記と敗因の分析

 「はじめに」でも書いたように、私は以前二級に落ちました。そこで、今回受験するにあたって、まずはなぜ前回不合格となったのか、その敗因を徹底分析しました。

 その結果、以下の二つが敗因であることを自覚しました。

  1. 基礎的理解がおぼつかなかった→簿記の基礎(三級の範囲・主に仕訳)の知識不足
  2. 勉強時間が圧倒的に不足していた→問題演習量の不足

1.基礎的理解がおぼつかなかった→簿記の基礎(三級の範囲・主に仕訳)の知識不足

 1.については、無茶な勉強をしたことが背景として挙げられます。三級の基礎的な仕訳についての理解も三級の範囲の問題演習も圧倒的に不足したまま二級の勉強をしてしまい、何が何だかわからないままに本番を迎えてしまったのです。

 三級の合格方法については他の方の三級の合格体験記に譲りますが、一つ言えるのは、出題されるすべての仕訳を完璧に切れるようにしておくことの重要性です。第三問・第五問といった大部な問題だって、仕訳を正確に切れないとお話になりません。

 私は三級を受験する際、こちらの簿記検定ナビ内にある仕訳問題対策のpdfファイルをiPadにダウンロードしてすべての問題を正解するまで繰り返し解きました。結果、6月に三級を受け98点で合格することができました。

 もし過去の私と同じように三級をとばして二級を受けるあるいは二級三級の同時受験をなさる方がいらっしゃったら、必ず三級の仕訳を完璧にし過去問で合格点を取れるレベルになってから二級の勉強にとりかかることを強くお勧めします。

2.勉強時間が圧倒的に不足していた→問題演習量の不足

 2.は、独学者特有の過ちです。私ははじめテキストを読むのに精一杯で、問題演習はテキストをすべて理解し終えてからだ、まだわからないところがあるから過去問には手を付けないでおこう、と問題演習を後回しにしがちでした。

 しかし、はっきり言います。簿記は問題演習して初めて勉強のスタートラインに立てます

 これから学習を始める方は、テキストを読んだら、やった範囲・解ける範囲で構いません、せめて第一問や工業簿記第四問の仕訳問題だけでもいいので過去問に手を付けてみてください。

 むやみに過去問を消費してしまうのが嫌だという方は、簿記ナビの仕訳問題対策ファイルで演習しても構いません。また、分野別に問題を解きたいという方は、後で紹介する「プラス8点のための問題演習」を使ってもいいでしょう。

 まずは問題演習をしてみて、わからないところがあったらテキストに戻ればいいのです。ただ平板にテキストをぼーっと読んでいるよりそっちのほうが断然覚えますし、気付きも多いです。テキストを読んだら、とにかく早く問題演習をしてください。

本題-使用したテキスト類の紹介と勉強の流れ

 私が簿記二級受験にあたり使用したテキストは以下の通りです。これが全てだし、これ以上のことは絶対に必要ありません。はっきり言ってこれでもオーバーワークなくらいだと思います。

サクッとうかる日商3級 商業簿記テキスト(ネットスクール)

 100点。三級でお世話になったテキストです。6月の受験後少し間が空いての勉強開始だったので、復習のためパラパラめくりました。

 「資産は借貸どっちか」等、万一何か基礎的知識でわからないところがあれば、恥ずかしがらずにすぐさま手持ちの三級範囲のテキストを参照しましょう。基礎的知識の重要性は不合格体験記のところで述べた通りです。

サクッとうかる日商2級 商業簿記テキスト(ネットスクール)

サクッとうかる日商2級 工業簿記テキスト(ネットスクール)

 100点。自分にとって分かりやすいものなら何でも構わないと思います。私は書店で自分の目で確認して、引き続き二級でも使用して大丈夫そうだと判断したのでこれを選びました。

 本書はこれで必要十分だし、これ以上のものは要らないと思いました(今回試験で初登場した株主資本変動計算書は載っていませんが、本書掲載の知識を活かせば十分に解けたと思います)。

 何を選ぶにせよ、書店で選びに選んだうえで、一度これと決めたならそのテキストと心中する勢いで頑張ることです。浮気は禁物です。

 勉強当初、まずはこれらを読むことから始めました。注意したのは、必ず理解したうえで覚えること。丸暗記はすぐ忘れますし応用が利きません。「10の丸暗記より1の本質的理解。1がわかれば10わかる」をモットーに勉強していました。

日商簿記2級 プラス8点のための問題演習(TAC)

 80点。仕訳のところでもうすこし網羅性があったら100点です。簿記2級はとにかく覚える仕訳の種類が多いので、頭を整理するためにまずこの問題集を使いました。

 はじめは量の多さに挫折するかもしれませんが、せめて仕訳のところだけは全部やりましょう。(私も第二問以降は全部解く前に過去問に移ってしまいました)使用時期としては、テキストの各単元を読み終わった時です。解ける問題が出たらすぐに解く、という感じで使っていました。

「プラス8点のための問題演習」での書き込み
「プラス8点のための問題演習」での書き込み

合格するための過去問題集2冊(TAC)

 100点。私は、最新版を1冊、それから古いものを1冊古本屋で買ってきて、合計2冊(計24回分)解きました。とにかく簿記は演習量がものを言います。特に出題範囲の広い簿記二級において、過去問はある程度の量(最低12回分)を解かないと全てのパターンの問題に触れられません。

 使用時期としては上記「プラス8点~」と同時期でした。「プラス8点~」に飽きたらこれ、という風に使っていました。

 ちなみに私はすごく変則的な解き方をしていて、今第一問を勉強しているなら第一問だけ24回分、工業簿記を勉強しているなら工業簿記だけ24回分解くということをしていました。管理人さんもおっしゃっている「まとめ解き」です。簿記二級は範囲が広いため、まとめ解きをしないと記憶に残りにくいように思います。

 それから、当たり前ですが、解いたら解きっぱなしにせず、答え合わせと間違いチェックをしてください。私はズボラなのでノートのたぐいは一切つくりませんでしたが、解説の文章の要点に蛍光ペンでマークをして暇があればそこを拾い読みするようにしていました。

サクッとうかる日商2級 商業簿記トレーニング(ネットスクール)

サクッとうかる日商2級 工業簿記トレーニング(ネットスクール)

 過去問をやっていて「このタイプの問題は基本的な解き方すらわかってないな」と思ったときに基本に戻るために解きました。全部解いたわけではないので点数はつけないでおきますが、基礎の確認をする意味では良書だと思います。基礎が覚束ない方へ。

第138回をあてるTAC直前予想日商簿記2級(TAC)

 80点。予想があたってないので80点。ただ力にはなるのでやって損はないです。

 ある程度過去問演習が終わったら、予想問題集に手を付けました。結局今回予想があたったかといえばそのような印象はありませんでしたが、やるのとやらないのとでは試験直前のメンタルが違うのでやっておいたほうが良いにこしたことはありません。

 …と、ここで終わると今回のイレギュラーな出題に困惑している各予備校が可哀想なのでフォローしておきますが、三級のときは予想問題集の問題が当たって救われたこともありました。なので、時間がある方は是非ともお守り代わりに4回分解いてみてください。

日商簿記2級網羅型完全予想問題集(TAC)

 65点。理由は下記。少々オーバーワーク。使いどころに悩む教材。

 直前期、なにもかもやり終わって問題が尽きてしまったので買いました。管理人さんは教材のページでオススメなさっていましたが、解ききった感想としては、近年の簿記二級と比べると少々オーバーワークだと思います。

 難易度が本試験よりほんの少し高いように感じますし、ここまでやらなくて良いと思います。やや高めな難易度のせいで、直前期にやると落ち込みます。過去問集3冊目が手に入るならそっちを買っていたかもしれません。やる問題が無くなった方はどうぞ。

究極の仕訳集日商簿記2級(TAC)

 100点。直前期に使用。特殊売買の仕訳など、頭が混乱していたところを整理する教材がほしくて本屋に行ったところ最適な教材を発見して購入しました。価格も800円と手ごろです。

 すべての仕訳がきちんと切れるかの確認に使いました。直前期だけでなく、基礎力養成期に使用してもいいと思います。

使用教材一覧
使用教材一覧

試験日の1日の流れ

 二級の試験開始は午後ですし、起床から会場到着までは省きます。ここまでで言えることは時間に遅れないように早めに出発することくらいです。

  • 到着後試験開始前

 テキスト(サクッと受かる~の商業・工業簿記テキスト)を持って行って一ページ目から最後までパラパラめくるということをしていました。工業→商業の順に確認しました。第四問で工業簿記の基礎的な流れがわかっているかを問う出題があったので、ここで確認していたことが活きたと思います。

 教科書のパラパラ読みはお勧めです。直前まで基本の確認を怠らないでください。周りは気にせず、自分の今できないことをできるようにすることのみに集中して、浮ついたりせず平常心を保つことです。

 答案用紙が配られた瞬間、例の株主資本変動計算書があるのを見つけました。やや焦りましたが、難しそうなのは見た目だけかもしれない、きっときちんとした誘導がある、と心を落ち着けながら名前・受験番号の記入を行いました。この時点で第二問を最後に回すこと決定していました。

  • 試験開始!

 まず第一問を解きます。普通に解けました(後で採点すると問五が間違っていたのですが…汗)。

 次に工業簿記に行きます。第四問は普通の難易度ですがこういうところで差がつくのだろうなと考え問題用紙の「第四問」の印字のところにグルグルと丸印をつけ自分に見直しを課しました。第五問はあまりに簡単だったのでその場で見直しまで済ませました。

 次に第三問(第二問を飛ばすことはすでに解答用紙配布時に決定済)。問題文の日本語が難解で焦りましたが、わかるところから計算用紙に記入していきました。次第に建物・備品減価償却など見慣れた問題文が出てきてすこし落ち着きを取り戻したところで、日本語の意味が取りにくいところは意味を汲み取り推測して入れていきました。

 ここはもう部分点を稼げれば受かると思ってとにかく落ち着いて一つ一つこなしていきました。実際、後で採点したところ部分点を半分程度稼げていました。勝因は、日ごろの大量の問題演習により培った応用力と何があっても動じない精神力だと思います。

 最後に第二問。見たことない問題形式でしたが、分解していくとただの普通の会社関係の仕訳です。おまけに、ご丁寧にも解答欄の記入すべき箇所に「( )」という記号がついています。この丁寧な誘導の御蔭で結構な部分点をもぎとることができました。

 全問解き終わったらまず第三問のわからなかった仕訳に取り掛かりました。しかし何度頭をひねってもわからないところはわかりません。ここにあまり時間をかけるのは得策ではないと思い、そのあとは、まずは事前に見直しの丸印をつけた第四問を見直し、その後比較的簡単な第一問、第二問、第五問を繰り返し繰り返し見直しました。

 何か難しい問題が出て、そこを何度見直ししてもあまり得点が取れない、時間の無駄だと思ったときは、早々に諦めて簡単な問題を確実に取りに行く方針に切り替えるのは試験で大事なテクニックです。参考にしてください。

本番の書き込み
本番の書き込み

試験後・採点結果

 試験後は「難しかったな」と思いつつ、さほど無茶な難易度とは思いませんでした。ツイッターで「簿記二級」で検索をかけて受験者の様子を探ると阿鼻叫喚といった感じでしたが、そこまで言うほど難しくはなかった印象でした(実際、私の商工会議所の合格率は27%前後で極端に低くはありません)。

 しかしそうは言っても、解答速報で採点したところ、75点前後とかなりボーダーギリギリの点をとっていたので、採点後はかなり不安になったものです。自己採点の結果は以下の通りです(※配点などは各予備校の予想に基づいているので実際の点と乖離している可能性があります)

  • 第一問 16/20
  • 第二問 14/18
  • 第三問 12/22
  • 第四問 12/20
  • 第五問 20/20

 感想としては、第一問の1ミスと第四問の2ミスが痛かったなと。今回落ちたらここを反省して次に活かそうと思っていました。どんなに難しい回でも基本的な問題をきちんと取れば受かるし、逆に基本がおろそかだとすぐに落ちます。

 この試験は減点法の試験です。30点なんてあっという間に失います。4点配点を8箇所間違えただけで不合格になるんです。ちょっとした基本的なミスがすぐに不合格につながります。私も人のこと言えませんが、浮ついて足元を掬われないように、どんな難問奇問に出会っても、”基本を大事にする”、これを忘れずに頑張ってください。

総括-勝因の分析

 過去問を解いていない方のために説明しておくと、私の受験した138回は、第二問で株主資本変動計算書という見たことのない出題形式が出され、第三問では解読するのも嫌になる難解な文章で貸借対照表作成問題が出された回です。

 しかし、のちに説明しますが、私はそんなときでも両問ともに半分は点をもぎとることができました。この勝因を分析すると①基礎を理解し、②十分な問題演習をして応用力を身につけていたことの2点が挙げられます。

 要するに不合格時に分析して分かった敗因をきちんと反省し勉強に取り入れたことが勝因だと思います。
上でやたらテキストを列挙したので「ここまでやらないと受からないのか」と思った方もいるかもしれませんが、実際のところここまでやる必要はないと思います。

 しかし、①テキストを読んで基本を理解し、②基礎的な問題を演習し、③過去問を十分な量(最低12回分)解くというのはどの合格者もやっていることだと思うので、どんなに時間のない方でもこれだけは欠かさないようにしてください。

管理人から綾瀬さんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CASIO JW-122CLです。私の電卓選びの基準は①大きさが程よいか②キーの高さ・打鍵感は良いか③太陽電池がついているか(重要です。試験本番で電池切れ、なんてことの無いように!)の三つでした。

 この機種はこれらの条件をすべて満たし、また色もパステルトーンで好みにあっておりましたので、店頭で一目惚れして購入しました。

 日付計算機能がないので、日付計算が苦手な方にはお勧めできませんが、そのほかの方にはおすすめできる機種です。

 もっとも、自分が好きなものを使うに越したことはありません。

 勉強へのモチベーションって、案外、「電卓のデザインがスタイリッシュ!」とか「パチパチとした打鍵音が心地良い!」とかそういう単純なところからググッと上がったりします。

 時間が許す限りなるべく店頭に赴いて、自分の好きな一台を見つけてください。

 綾瀬さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は伝票会計です。ああいった作業的なことが好きなもので、過去問演習を始めた頃は伝票が来ると砂漠にオアシスが現れたかのような面持ちで嬉々として解いていました(笑)

 それから、苦手な論点についてですが、お恥ずかしい話、論点単位で特定することができないくらいに工業簿記全般が苦手でした。

 商業簿記は結局のところ仕訳がきちんと切れればあとはその積み重ねで8割方対応できてしまうと思うのですが、こと工業簿記は、「工業簿記」というシステム全体を俯瞰できるようにならないと、“今自分が何を求めるためにどういう作業をしているのか”が見えなくなって、合格ラインに達しないように思います。

 私も初めは「この原価計算は何のためにやってるんだ…」と、まるでコンパス無しで樹海に放り込まれたような状態でした。

 工業簿記が苦手、辛い、やりたくない…この三重苦を克服するために私がとったのは、とにかく問題演習に次ぐ問題演習でした。

 具体的には、①どれだけ嫌でも一日一問は工業簿記の問題を解くことを自らに課し、②今日解いた問題に関しては完璧に解けるようになろうと決めて問題集の解説とテキストを熟読する、ということをしていました。

 勿論、忙しい日はお休みすることもありましたが、何だかんだで、「嫌だ、もう嫌だ」と言いながらも毎日最低6題(2題×3回分)は解いていたように思います。

 前述のとおり、工業簿記で合格ラインに達するには、“「工業簿記」というシステム全体を俯瞰できるようになる”ことが必要です。

 別にすべての問題について勘定連絡図を描けるようになれとまでは言いませんが、“今自分が何を求めるために何の数値を用いてどういった作業をしているのか”を把握できるくらいの力は必要です。そのためには、ある程度の演習量が必要です。

 沢山の問題に触れ、その正しい解き方を学んでください。そうすれば、脳内に自然とパターンの蓄積がされていき、ちょっと応用的な問題を出されても動じなくなっていきます。何事も経験です。

 最初は辛いかもしれませんが、慣れてくれば、簡単な問題に関してはパズルのような面白さを感じながら解けるようになります。頑張ってください。

 綾瀬さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 前述した工業簿記のように、苦戦した点も多かった試験勉強期間。

 そんな中私のモチベーションとなっていたのは、第一に、学生には馬鹿にならない検定料でした。税込4630円というのは、(運営側の苦労はお察し致しますが、)学生には結構痛い金額です。豪勢な飲み会が一回開けます。

 そんなわけで、私は、試験勉強に挫けそうになったら、家族や友達に「検定料を無駄にしてたまるか!」「絶対に一回で受かってやる!」となんともケチ臭いことを言いながら自分を鼓舞していました。

 勿論お金の話だけではなく、簿記の重要性を実感していたこともモチベーションの一つになっていました。私は大学四年の4月に某企業のスタッフ部門に内定を頂いたのですが、その過程で先輩社員の方から、「スタッフ部門の業務には、業界知識だけでなく、簿記・会計等の知識も必要だ」ということを教わりました。

 そこで、入社後役に立つ知識を身に着けるべく、内定を頂いた直後から簿記の勉強を開始しました。結果的に6月に三級・11月に二級と順に合格することが出来たのは、(決してお金の力だけではなく(笑))、ひとえに、その勉強の重要性を感じていたからだと思います。

 …最後に、唐突ですが、皆さんに一つ質問をします。皆さんが簿記を受験する理由は何ですか?単位のためでしょうか、就職活動のためでしょうか。或いは、業務に活かしたいからでしょうか、それとも資格手当が出るからでしょうか。どうでしょう、きちんと何か思い浮かびましたか?

 何故こんな質問をしたかというと、試験勉強の最中は、「なんでこんな勉強してるんだろう」と思う瞬間が必ずやってくるからです。その時、あなたは自分にちゃんとした答えを用意してあげられますか?

 ここからは私見ですが、資格は、必要に迫られないと取れないと思います。何のために勉強しているかわからないでする勉強は、つまらないし、続きません。そんなことに時間を使うくらいなら、趣味に時間を使って気分をリフレッシュさせたほうがよっぽど有益だと思います。

 もっとも、そうはいってもあんまり高尚で立派な理由はすぐには思いつかないものです。「何もない」という方もいらっしゃることでしょう。

 実際のところ、本当に何でも構わないのです。「そんなこと言われても、もう申し込んじゃったよ!」という方もいらっしゃるでしょうし、そういった方は、最初に書いたように、「受験料が勿体ないから!」という単純な理由でも構わないのです(笑)

 何か一つでもいい、「合格を勝ち取りたい理由」を自分の胸に思い描いてください。そして、それを実現するために、全力で頑張ってください。私も全力で応援しています。皆様の合格を心よりお祈り致します。

管理人コメント

 綾瀬さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 テキスト選びに関して、綾瀬さんからいくつかのアドバイスがありましたが、一番参考にしていただきたいのは「書店で選びに選んだうえで、一度これと決めたならそのテキストと心中する勢いで頑張ること」というところです。

 「人気教材=万人に合う」というわけではありませんので、可能なかぎり書店等で中身を確認して、自分に一番合いそうなものを選ぶようにしてください。

 あとは、勉強を進めていくと「このテキスト・問題集だけで大丈夫かな…」と不安になるかもしれませんが、市販テキストの内容自体はどれも似たようなものなので、綾瀬のおっしゃるとおり、浮気をせずにはじめに選んだ教材を信じて勉強を進めてください。

 なお、過去問対策に関しては私は1冊(12回分~16回分)で十分だと思いますが、綾瀬さんのように2冊使う方もいらっしゃいます。昔の過去問を使う場合は、勘定科目や会計基準、試験範囲等が現行とは異なる可能性があるので、その点に留意して利用してください。

 最後に、本試験で新形式の問題が出題されたら…まずは落ち着いてください。綾瀬さんも「やや焦りましたが、難しそうなのは見た目だけかもしれない、きっときちんとした誘導がある、と心を落ち着けながら名前・受験番号の記入を行いました。」と書かれています。

 ここ最近、新形式の問題・パッと見て難しそうな問題の出題が続いていますが、これらの問題は必ず配点が甘くなっているので、まずは心を落ち着かせて仕訳を考え、分かるところから金額を埋めて部分点を積み上げていきましょう。

綾瀬さんが使われた教材や電卓のまとめ