簿記の勉強の仕方に常識は無い!自分に合った教材を使いこなそう!

  • 投稿者:Mr.Kさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:空白期間も含めて約8か月

勉強期間

 第121回に3級を合格したので、2級にも挑戦してみようと思いました。しかし、仕事が多忙になり4月からおよそ3ヶ月は簿記から離れていました。そのため、6月の試験はパスして11月の第123回に挑戦することにしました。

使用教材と個人的おすすめサイト

  • 商業簿記おさらい編…TACの日商簿記3級合格するための過去問題集
  • 入門編…TACのスッキリわかる日商簿記2級(商業・工業)
  • 学習本編…TACの合格テキスト・合格トレーニング(商業・工業)
  • 実践編…TACの日商簿記2級合格するための過去問題集
  • 直前編…日商簿記検定模擬試験問題集 ネットスクール

 休憩時にネットでなんか使えるサイトは無いか?と色々と検索していたところ、簿記検定ナビを発見し、「第1問対策」として「仕訳問題対策」をダウンロードしました。

私の学習手順

  • 「スッキリ」でおおまかな2級の内容を把握

 その結果、商業簿記は3級の延長線上だとわかったので、工業簿記から始めることに。

  • 工業簿記から始めました

 スッキリで土台を、テキストで骨組を、トレーニングで肉付を…このパターンで学習しました。このパターンは商業・工業ともに全ジャンル採用していました。「材料費・労務費・経費」とは何かがわかったところで次のステップへ。

——ここで空白期間に突入してしまいました——

  • 3級のおさらい

 間が空いてしまったので商業簿記は3級のおさらいから。3級試験の勉強に使っていた教材(問題集)をもう1回使用。試しに2回分問題をやってみたところ、ともに60点オーバーだったので大丈夫だろうと判断し、商業簿記2級編に。

  • 2級の商業簿記スタート

 もう1度「スッキリ」を読み直すところからスタート。3級の時に好きだった「伝票関連」とスッキリで興味を引かれた「本支店会計」からスタート。

  • 「工業簿記」にカムバック

 その後、適当なところで商業と工業をチェンジしながら「学習本編期」を過ごしました。

  • 実力テスト

 一通り全内容終えたところで実力テストと称して、過去問を1回やってみた。見事に玉砕。確か24点だったかな?なので、「学習本編2周目」突入しました。

  • 2周目終了後、猛特訓モード突入

 原価計算がどうも苦手だったので、違った教材で実力チェック&おさらい。「日商簿記2級マスター・工業簿記 無料問題集」を使用し猛特訓。

  • 再度実力テスト~実践編~

 過去問を再度挑戦してみました。今回は50点前後まであがったので、過去問を中心教材にした実践編に突入。問題集の最初の方にあった「総ざらい&テクニック」を参考に自分なりの攻略法を考え、それが実践できるか過去問を解いてみる。攻略法の手直し→過去問→手直し→過去問…を繰り返して、当日の試験のシミュレーションも兼ねて3度目の実力テスト。直近3回分の問題をやってみたところ平均が70点に行くか行かないかという点数。微妙だ。

  • ネットスクールの模擬試験問題集で模擬試験

 結構な時間があったのに最後まで80点オーバーはなし。大丈夫かな…? そんなこんなで、試験まであと3日。この続きは当日編で。

試験日当日の1日の流れ

  • 3日前

 最悪です。風邪引いたようです。せきが止まりません。当日までに治ることを祈りながら…

  • 試験前日

 超最悪です。風邪悪化。2時間続けてやるだけの集中力が沸かなかったので、第1問対策(簿記検定ナビの「仕訳問題対策」)を制限時間15分でやれるだけやってみよう。ただ、このチョイスは間違いだったのかもしれない。素直に寝ていたらよかったのかもしれない…。

  • 試験当日

 結局前日と体調は変わらず、最悪の体調のまま当日を迎える。まあ、できるところまでやってみよう。途中でダウンも止むを得ない…。実質2回パス!?それはちょっとな…なんて思いつつ会場に到着。ダメだ。頭が回転していない。1時30分スタートを1時スタートと勘違い。0時50分に到着してしまった。あれこれしてもしょうがない。とりあえず解答席でリラックスしてよう…。いまさらあれこれやったって疲れるだけだ。

 ただ、これが結果的に最良の選択だったのかもしれない。問題が配られる頃には「3日前」くらいのレベルに回復していた。これなら何とかなるかもしれない。そんなこんなで第123回の試験がスタートした。

 問題を見ると俄然やる気が出た。自分の好きな「伝票(第2問)」・「本支店(第3問)」。しかも「推定アリ」だ。最も自分が得意とするパターンだ。工業の方もチャンスだ。一番得意な「部門別個別計算(第4問)」がある!しかも「CVP」がない!(※工業系で最も苦手なジャンル)これは…いけるかも?しかし、この体調でどこまでいけるかな…。

 結果を言ってしまえば途中リタイヤしなくて済んだ。しかし、好きな問題と得意な問題が大半を占めるのに解き終えたのが「残り10分」。当初の予定ではこの段階であと20分から30分くらいあって、のこりの20分で見直しを、10分で自己採点用のメモを…という感じだったのに。

 さてと、急いで自己採点するために計算用紙に一通り答えを書いておきますか。見直しもできるだけやりながら。今終わった第5問・第4問・第3問・第2問…。あ…。やばい、第1問の設問を1つ残してた!

 それは第1問の4。「社債」っていう字を見るのが嫌いになるくらい、社債問題がてんでダメ。なので、それ以外の4問をやって第2問に取り組んでいたのを忘れていた。焦りやらなんやらでパニック状態。第1問に関しては全てどんな解答をしたか覚えてません。第1問-4の答えを埋めた瞬間に時間切れ。自己採点用のメモを書く時間がありませんでした。

※なお、当日は第1問・第2問・第4問・(第5問)・第3問・第5問の順に解きました。問題を見た時点では1・2・4・5・3で解こうとしたのだが、第5問が途中でパニックになったので第3問を解くことで落ち着くかな?ということで、第5問が最後になりました。

試験を終えて…

 自宅に帰ってきて自己採点をしたところ、案の定第1問ー4は不正解。ついでに第1問ー1も不正解。いずれも「多分」。しかし、のこりの4問で67点(大原とTACの平均点)。これなら何とかなったかな?と思った瞬間。倒れるように寝てました、私。都合、14時間睡眠。朝まで寝てました。月曜日。十分すぎるほどの睡眠をとったはずなのに、1日中クタクタ状態の私がいました。

管理人からMr.Kさんへ追加の質問

 今回の試験勉強で電卓について、製品名や使用感を具体的に教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CASIO DW-20CLです。使用感は、今日の段階で1年近くなるので「使用感」という感覚は無いです。「いつもの電卓」という感じです。あえて言えば。3級の学習スタート時にはポケットサイズ電卓は持っていたのですが、勉強に不便だったので大きい電卓を探しにホームセンターに行きました。そのホームセンターで見つけたのがこれでした。オススメか?ということですが、悪くは無いんじゃないですか…それ以外の電卓を触れて無いのでなんとも言えませんが。
 Mr.Kさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 体験記本編にあるように得意なのは商業会計では「伝票関連」・「本支店会計」。工業会計では「部門別個別原価計算」。

 苦手なのは「部門別個別原価計算」以外の工業簿記全般。学習のペースが、「単純総合原価計算」の段階で急ブレーキ。単純総合は何とかマスターしましたが、CVPは今でも習熟度50%?試験までの時間があって助かりました。また、第123回が「部門別個別」と「単純総合」の問題だったのでさらに助かりました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 勉強方法について私がやっていたことをまとめます。

正解を見ながら学習する】…学習当初の実力は基本問題はテキストを見ながら解くことはできますが、応用問題(本試験レベル問題)はテキストを見ながらでも解くことができません。ある程度の時間(例えば5分)考えても手がかりすらつかめない場合、正解をもう見てしまいましょう。

 5分間考えても出てこない場合、30分でも無理です。学習初期段階では特に顕著です。ただし、おさらい段階では時間を延長しましょう。初期段階で5分だったならおさらい段階では20分くらいかな?その時に躓いた箇所が自分のウィークポイントという可能性が大です。

問題ごとの攻略法(解答パターン)を探れ!】…私が好きでも得意でもあった仕訳日計表(推定)についての攻略法を紹介します。以下は私流の攻略法ですので他の人にも使えるかは保証できません。あしからず。全部紹介するととんでもない量になるのでそのうちいくつかを。

①解答用紙のチェックから始めよう

 推定問題の性質上、得意先元帳か仕入先元帳も作成することになる可能性が大。しかも、そこにも( )はいくつかあるはず。その中で、「解答用紙だけ見ても」埋められる部分をまずは埋めてしまう。問題用紙も見たくはなるが、データが多いと混乱する恐れがある。なので、最初は解答用紙しか見ない。

②まずは仕丁欄を記入する

 これは仕丁欄が「省略」となっていても、適当な余白を見つけて記入(メモ)する。特に振替伝票には多くの売掛金・買掛金という記載があることが多い。どの伝票の売掛金(買掛金)か探す時間を短縮するために最初に伝票NOを記入。仕入・売上伝票が2つ以上あるときは借方・貸方どちらに( )があるかも注目する。

③下から記入したら必ず上からも計算する

 今回はなかったが「最終残高が10万円で1個前の残高が15万円」なんて場合。その差5万円が一番下の伝票の金額だとわかるがそれで本当に正しいか、通常の記帳順に計算して15万ー5万=10万となって最終残高の一致を確認する。

 なぜならここの数値が違うと最終的な「売掛金(買掛金)」合計金額も変わってしまう。さらには最終合計の不一致にもつながる恐れがある。なので、1個埋まったらそれが本当に正しいかチェックしてOKなら次に行く。などなど。

 今後は簿記2級をどのように活かすつもりでしょうか?
 元々、「経済」について知りたいということの一環で始めた簿記学習。言ってしまえば趣味の1つ。なので、この先はどうしようと考えている今日この頃。

管理人コメント

 Mr.Kさん、具体的かつ実践的な合格体験記をありがとうございました!

 Mr.Kさんの勉強スタイルで特徴的なのは、なんと言っても「教材の選び方&使い方」にあると思います。簿記検定ナビのおすすめテキスト&問題集のページでもおすすめしている、スッキリシリーズと合格テキスト・合格トレーニングシリーズの両方を使って学習されていますが、このような使い方も出来るんだなぁ、と感心してしまいました。

 異なるシリーズの教材を組み合わせることによって、片方の教材で理解できなかったことも、説明の仕方の違いにより理解できることがありますので、経済的負担の増加というマイナス面をクリアできるのであれば参考にしてみる価値は十分にありそうです。

 あとは…どうすれば早く、正確に処理できるのか常に考えて勉強されている点もぜひ参考にしていただきたいです。試行錯誤を繰り返すのは地味で根気のいる作業ですが、いったん自分の型を確立出来れば、それは大きな武器になります。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたMr.Kさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

Mr.Kさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • テキスト:スッキリシリーズと合格テキストの併用(いずれもTAC出版)
  • 問題集:合格トレーニングシリーズ(TAC出版)
  • 過去問:日商簿記2級合格するための過去問題集(TAC出版)
  • 予想問題:日商簿記検定模擬試験問題集(ネットスクール)
  • 電卓:CASIO DW-20CL
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