妥協せずに「自分に合う教材」を探すのが大事!

  • 投稿者:K戸さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約5か月
  • 備考:1回目の挑戦は通学講座を受講

はじめに

 昨年11月に友人に誘われ簿記3級の講座に通いはじめました。思っていたよりも面白かったので、年明けから簿記2級の講座もとりました。途中からはじめたためスケジュールが厳しく、結局2級の簿記講座は工業簿記と答練のみ受講して本番ということになりました。

 2月の試験では簿記3級は合格、簿記2級は不合格という結果でした。その後2月からは独学で、6月に再び2級を受け無事合格することができました。

前回使用したテキスト

 授業で使っていたテキストです。姉妹書にトレーニングという問題集があるのですが、苦手意識があるところの問題を解くくらいでほとんどやらずじまいでした。この2冊のテキストは独学にはあまり向いていない気がします。

 商業簿記の授業を受けることができなかったので、商業簿記はこの本で独学でした。3日間くらいで突貫で読みました。

  • これだけ仕訳マスター 日商簿記2級

 空き時間用に買ってみましたが、あまり活用できませんでした。基本を確認する感じで本試験レベルではないと思います。

 これはかなりいいと思います。すべて印刷して何回か解きました。他の2級の仕訳問題集は簡単すぎるものが多いのですが、内容も本試験レベルに近くかなりいいと思います。(しかも無料!)

 予備校の予想等を参考に時間を計って解いていきました。

今回使用したテキスト

 この二つの本試験レベルにチャレンジ!というところだけを何週かまわしました。正直本試験レベルには達していない気がするのですが、量が少なくてすぐできるということから繰り返しやすく愛用していました。

 この参考書はかなりよかったです。上の二冊の問題集よりも本試験レベルに近く、材料副費や高低点法等の論点についての解説もあってかなりおすすめです。一番メインに使っていた教材です。

 予想問題集は結局やりませんでした。簿記検定ナビや予備校の予想にあがったところを過去問から探してきてやる、という感じで使っていました。

2級に(なるべく短時間の勉強で)受かるには

 工業簿記がカギだと思います。割とすぐ高得点が狙えるので(一方で崩れると総崩れの可能性もありますが)工業簿記はどこが出てもそこそこ得点できるようにしておくのが近道だと思います。慣れると手早く解けるので他の問題に時間がまわせるようになるというのもメリットです。

 商業簿記は歴史科目、工業簿記は数学科目のような印象を受けました。自分の場合は第1問・第4問・第5問で50点前後とり、確実に点が拾える問題が多い第2問・第3問で残り20点をとるイメージでやっていました。第3問なんかは完答を狙うと試験時間あたりの点数効率が悪い気がするので、よっぽど時間が余らない限り完答はしない戦略でした。

役立つかもしれないゴロあわせ?

  1. 税込み(ぜい『こ』み)の時は租税公課(そぜい『こ』うか)
  2. うけばらい(借方・借受消費税 貸方・仮払消費税)
  3. 外注加工賃は直接経費(外注加工賃を問う問題多いなーと思ったので)

まとめノートのご紹介

 どういう知識が足りなくて間違えたのかを、商簿工簿関係なくひたすら小さめのノートに1問1答で書き出して、電車の中等でちら見していました。これは作るのが楽な割に役立つのでおすすめです。

まとめノート(小さいノート)
まとめノート(小さいノート)

 次に、答練等で間違えた問題は、大きめのノートを買ってきて左に問題、右に解答を貼って重要なところに線を引くということをしていました。この方法自体は荒川英輔さんという方が著書で薦めていた勉強法で、知ってはいたものの今までやったことがなかったので試してみようと思いやってみました。

 感想としてはノート一冊で復習できる、本番に近い問題文で復習できるというメリットもありますが、作るの自体が結構めんどくさいので、時間がない方は上のまとめノートにまとめてしまってもいいと思います。やる気が出ないときはこの教材を作る作業をしていました。

まとめノート1(大きいノート)
まとめノート1(大きいノート)
まとめノート2(大きいノート)
まとめノート2(大きいノート)

試験日の1日の流れ

 9時ごろ起床して仕訳問題の見直しをしました。前回同様、近所の高校なので余裕がありました。

  • 試験開始

 まず工業簿記を取る!と決めていたので工業簿記から。第5問が簿記ナビさんやネットスクールさんが予想した通り、総合原価計算だったので問5から解き始めました。第4問も特に難しいところはなくサクサクと解きました。この時点で25分経過していたと思います。

 次は第1問を解きました。個人的に第1問は自信がない問題は悩まずささっと終わらせた方がいいと思います。時間をかけない。仕訳問題なので考えればなんとかなりそうな気がするのですが、結局間違っていて時間損というパターンが私は多かったです。

 「第1問に時間をかけすぎてしまうことが多いから気をつけよう!」と思っていたのですが、今回も時間をかけすぎてしまいました。第4問・第5問で手ごたえがあったのでここで合格を決めておきたい、という欲が出ていた気がします。

 今回も、第3問に時間をかければ拾えた問題があったのでもったいなかったなと反省しています。第2問は伝票問題でした。簡単だったんですが、推定を埋めるのに時間がかかってしまいました。伝票問題は簡単と思っていてあまり解かなかったせいもあると思います。

 数字がぴったりだったので安心して第3問へ。この時点で1時間30分ほど経過していたと思います。第3問は精算表。満点はあきらめて細かく点数を拾っていこうと考えました。未処理事項を解いたあと、減価償却や消耗品等のすぐできそうな問題からとりかかりました。

管理人からK戸さんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 「SHARP EL-N862X」を使っていました。(それまできちんとした電卓を使ったことがなかったからかもしれませんが)個人的に打鍵感・音が静かなところ等大変気に入っています!もう1台買ってしまいました。

 この機種にした理由は2つあります。1つ目は「簿記会計専用電卓つき受験必勝電卓操作の本」に付属しているのと同じ電卓だったこと。2つ目は「000キー」がついているものがいいなと思ったからです。

 ただ「000キー」も良し悪しで、友人は「100万円って打つときに100+00+00(ひゃく・まん・えん)と打てるから00キーの方がよい」と言っていてなるほどと思いました。

 K戸さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は標準原価計算・CVP分析あたりです。苦手な論点は(みなさんそうだと思うのですが)特殊商品売買でした。2級の場合、間違いなく第1問に1問は出てくるので仕訳問題集等で集中的にやりました。
 不合格だった回と、合格した回の違いはなんだったと思いますか?
 (点数がわからないのでなんとも言えないのですが)前回ももしかしたらいけてるかも!というくらいの点数だったと思います。前回より今回の方が劇的に実力伸びてるという感じはしませんでした。

 今回は前回より問題が素直だった気がするので、運が良かっただけかもしれません。何回も受けるのもコツだと思います!あえて1つあげるなら、前回よりは工業簿記を解く早さが多少早くなった気はします。

 K戸さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 僕がやっていたのは、100ます計算帳を買ってきて、上の方に参考書の名前を書いて1問やるたびにマスを埋めていくというのをやっていました。このへんは個人差がありそうなのでなんとも言えないのですが…結構埋めてやろうという気になります。あと新しい文房具を買う、とかも(僕は)やる気が割とでました。

 勉強している中で飽きてきた時は、あまり頭を使わなくていいような仕訳問題をやっていました。簿記の場合、過去問演習的なものは机と電卓がないと厳しいので、そういうものが用意できるときは問題演習を、間違えた問題の復習やインプットはベッドの中やネットサーフィンの間にちら見するお風呂の中で読む等していました。

 あと、やる気が出ないときはPSPの簿記3級用のソフトで遊んでいたりしました。このソフトは講義部分は正直微妙かなという感じだったのですが、ミニゲームの仕訳アクションは役立ちました。

 勘定科目を資産負債純資産費用収益に割り振っていくだけなのですが、後半は時間制限がきつく反射的に答えられないと間に合わないので、数秒考えればわかるから見た瞬間にわかるようになった気がします。やる気があるときはちゃんとやる!やる気でないときはだらだらやる!というのがいいと思います。

管理人コメント

 K戸さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!K戸さんは、2回目の挑戦時に教材の一部を買い換えられていますが、なかなか合格できない受験生の方にはぜひ参考にしていただきたいポイントです。

 「人気教材=自分に合う教材」とは限りませんので、どうもしっくりこない場合は買い換えたほうが良いと思います。教材を買い換えるお金をケチって受験が長引くよりも、なるべく少ない回数で合格できるように柔軟に対応したほうが賢いです。

 あとは、「第3問なんかは完答を狙うと試験時間あたりの点数効率が悪い気がするので、よっぽど時間が余らない限り完答はしない戦略でした」と書いていただきましたが、この点も頭に入れておいていただきたいポイントのひとつです。

 日商簿記検定は100点中70点以上の得点で合格出来る試験ですので、1つの問題に固執する必要はありません。株式投資の格言のひとつに「頭と尻尾はくれてやれ」がありますが、簿記の試験も全く同じですので、「必ずしも完答する必要はない」「取れそうなところから取る」ということを忘れないようにしてください。

 あと、100マス計算用のノートや、簿記検定ナビでも無料配布している勉強予定表などを使って、終わったところを塗りつぶしていく作業もモチベーション維持には効果があると言われています。「これだけやったんだ」というのがひと目で分かるようにしておくのがポイントです。

K戸さんが使われた教材や電卓のまとめ