教材は新しいものを使いましょう。あとはひたすら書く!書きまくる!

  • 投稿者:みんくるさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月半

受験のきっかけ

 社会復帰の足掛かりになればと思い挑戦しました。目標は2級取得。以前簡単な経理事務に就いていたことがあり3級程度の知識は持っていました。でも無資格でしたしブランクもあるので、まずは当時を思い出すため3級から勉強することに。

使用したテキスト・問題集

3級

  • 日商簿記3級 とおるテキスト
  • 日商簿記3級 とおるゼミ
  • 日商簿記検定 過去問題集3級 出題パターンと解き方
  • 日商簿記3級 第135回対応 ラストスパート模試

 節約したかったので、とおるテキスト&とおるゼミは友人が使い古したもの(2002年)を譲り受けました。過去問と模試は最新版を購入しました。

 すると、一通り勉強をして過去問に進んだとき「勘定科目の表記が今と昔で一部違う!」ことに気付きドキドキ。最新のテキストで勉強することが大事だと実感しました。

 そこで、2級は最新のテキストを買いました…と言いたいところですが、どうしても節約したかったので、ゼミだけは友人からの古いもの(2005年)を使用しました。

2級

  • 日商簿記2級 とおるテキスト 商業簿記
  • 日商簿記2級 とおるテキスト 工業簿記
  • 日商簿記2級 とおるゼミ 商業簿記 Ver.3.0
  • 日商簿記2級 とおるゼミ 工業簿記 Ver.2.0
  • 日商簿記検定 過去問題集2級 出題パターンと解き方
  • 日商簿記2級 第135回対応 ラストスパート模試

 とおるゼミ以外は全て最新版を購入して学びましたが、それで正解だったと痛感しました。2級は答え方自体が今と昔で違う部分(たとえば社債の処理方法)があったためです。やはり最新のテキストで勉強することが大事です。

 なお、これらの教材を使ってみて思ったのは、「とおるゼミ」は人によっては無くても良いかもしれないということです。私の場合は「とおるゼミ」で問題を解いたときよりも過去問を解いたときの方が危機感を持って学習出来ましたし、実力が付いてきたと実感できました。

具体的な勉強の流れ

9月上旬~二週間ほど

  • 3級のテキストを一周読む。(一日~二日で軽く。)
  • 軽く読めたら、翌日から一章ずつ熟読&ゼミを実践。

 ゼミが解けたら深追いせずすぐ次の章へ進むようにし、解けなかったor理解が難しい論点はテキストを読み返して再度挑戦してから次の章へ進むようにしました。メリハリつけたので思ったほど時間を掛けず学習し終えました。

9月下旬の一週間弱

  • 3級の過去問

 「出題パターンと解き方」は第1問~第5問まで問題ごとに解き方を学習するテキストなので、例えば「今日は第1問を過去10年分解こう」というかたちで行いました。

 気を付けたことは次の三点です。①問題と解答用紙は必ずコピーして使い、解けなかった問題は何度も繰り返しコピーして使ったこと。②問題に「目標Time」が書いてあるので、必ず目標時間にタイマーをセットして解いたこと。③計算用紙の使い方が載っているので、解くときは必ずそれに倣って書くようにしたこと。

9月の残り数日

 過去問を解くうちに「私は第3問と第5問に時間が掛かり過ぎる」ことが分かったので、この二つを重点的に目標時間内で解けるように練習を重ねました。

 この段階で3級に手応えを感じたので、こちらの合格体験記を拝見していたところ、私と似たようなスケジュールで3級&2級併願合格された方を見つけました。当初は、2級は次の2月試験で受験するつもりでしたが、とても勇気づけられたので私も併願受験することにしました。

10月上旬~二週間ほど

  • 2級の商簿テキストを一周読む。(一日~二日で軽く。)
  • 軽く読めたら、翌日から一章ずつ熟読&ゼミを実践。

 思っていたほど簡単にはいかず、二週間も時間を使ってしまいました。(当初の目標は一週間半でした。)毎日テキストとゼミを開くように心がけたものの、途中だれてしまうこともありました。それでもなんとか最後まで完了。

10月中旬~11月上旬

  • 2級の工簿テキスト&ゼミを一章ずつ学習。

 工業簿記は初めてなので、これまで最初に行っていた「テキストを一周軽く読む」ことはやめ、ひとまずゆっくり学び始めてみました。よく分からないなりに必ず行ったのは、テキストに載っている図を見よう見まねで書くことです。悩み過ぎず「そういうものだ」と割り切って進めました。後半にさしかかったところでようやく「分かってきたかも!」と手応えを感じました。

11/8~11/11

  • 2級の過去問

 時間も無いので一気に集中して解きました。前日まで工簿の勉強をしていたので、まずは第4問&第5問から。一回の目標時間が15~20分程度なので、案外サクッと過去10年分ほど解けました。間違えた問題は付箋をして後で解くようにして、さっさと商簿へ。

 第1問は過去12年分全て解きましたが、第2問&第3問は「最優先で解こう」とされている★4つの問題のみを解いて終わりました。3級の過去問で学んだ解き方がそのまま使えると分かったためです。

11/12~11/15

  • 3級&2級のラストスパート模試

 時間を計って実際の試験を想定して行いました。初日は3級が80~90点台、2級は40~50点台。ここで「2級がやばい!」と焦り、3級は1周に留め、2級に時間を充てました。なんとか2周して、最終的に80~90点ギリギリくらいまで点数が伸びました。

試験前日

 3級に関しては何もせず、2級の苦手な論点&試験に出そうな論点に絞って過去問を軽く解きました。ちなみに、私が苦手な論点は「特殊商品売買」と「本支店会計」と「直接原価計算」です。

 この中には「今回は出ない」とか、人によっては出るか出ないかで意見が分かれる論点もあったのですが、もし出てしまったら困るので、なんとか解けるように基本の解き方を再確認しておきました。

過去問と予想模試を解いて見つけた自分なりの解答順

3級…1→2→4→5→3

 私は第1問&第2問&第4問は変化球さえ来なければ各10分程度で解けるので、それらを先に解いてしまい、残りの大幅な時間を第5問&第3問に充てるスタイルが自分に合っていました。

2級…1→5→4→2→3

 第134回は第1問の問1から難しかったと聞いたので、第1問の中でも簡単そうな問題から解くことを心がけました。そして、私の場合、工簿さえ落ち着いて解ければ合格圏内に入れると思ったので、第4問&第5問を序盤に解くようにしました。そして残った時間を第2問&第3問に充てる。これが自分にとってベストなスタイルだと思いました。

解答手順に関するメモ
解答手順に関するメモ

試験日の1日の流れ

  • 7時 起床

 軽く朝ごはんを食べる。忘れ物が無いかを入念に確認。(ラストスパート模試に付録としてついていた「ラスパブック」内に持ち物チェックシートがあり、とても役に立ちました。)

  • 8時 出発

 電車の中で「ラスパブック」をパラ見。

  • 8時45分 試験会場へ到着

 私の受けた会場は9時着席とあったので、この程度の時間で教室入り。机に筆記用具と電卓と身分証明書を置いたら、あとはひたすら電卓を叩いて手を温めておきました

  • 9時 説明開始

 解答用紙を半分にちぎるなど、初めてのことが多くて多少緊張しました。

  • 9時過ぎ 試験開始

 練習通り1→2→4→5→3の順で解答。第4問まではそれなりに問題無く解けていたのですが、第5問で何度計算しても「当期純損失」になってしまい「本当にこれで良いのか?」とドキドキしました。その後、頭を切り替えて第3問を解答。時間は割と余ったのですが、途中退出せず、何度も解答用紙を見直して過ごしました。

  • 11時半頃~ 昼食

 しばらく「当期純損失」のことで頭いっぱいになり興奮状態でしたが、逆に「2級は何が来ても驚かないようにしよう」と思うことにして切り替えました。食べながら「ラスパブック」で最後のチェックをしたり、友人とメールしたりして気分転換しました。チョコレートを買って糖分補給したりもしました。

  • 13時 再び試験会場へ

 余裕をもってお手洗いに行き、「ラスパブック」を眺め、直前の数分は適当に電卓を叩いて手を温めました。

  • 13時半 説明開始

 3級でも経験したので、落ち着いて話を聞くことができました。3級に比べて空席が目立っていたように思います。申し込みしたけど受けない人がいるというのは本当なのだなぁと思いました。それとあまり関係ない話かもしれませんが、受験者の年齢は幅広いように感じました。男女の割合も女性の方が割と多いかな?くらいで、偏りを感じませんでした。

  • 13時半過ぎ 試験開始

 練習通り第1問の簡単そうな問題から開始。ややこしい文章が多く苛々しましたが、仕訳問題は絶対に点を落としたくなかったので少し時間を掛けて解きました。指定以外の勘定科目を使っていないか、金額の書き移しミスが無いか等、よくよく確認しました。

 第1問終了後、すぐ第5問へ。標準原価計算はどの予想者様も「出る」としていたので、本当に出て良かったとホッとしながら解きました。特に問題なし。その流れで第4問も落ち着いて解きました。ここまで特にヤバいと思うことなく、練習通り。

 そして、第2問に戻ったときです。問題と解答用紙を見て直感で「ヤバい!!!」と思いました。なので、残りの解答順を急遽3→2に変更しました。

 第3問は途中までは落ち着いて解いていたのですが、タイムテーブルを書かないと解けない問題に多少時間が掛かり、貸借が何故か合わない危機にも陥り、ひたすら電卓を叩いていた記憶しかありません。三度計算し直したら結局貸借一致しました…あれはなんだったんだろう(泣)

 ここまで予想以上に時間を使ってしまったため、第2問を解く頃には残り15~20分という危機でしたが、諦めても仕方が無いのでひとまず仕訳をしていきました。その過程で火災損失の金額は確実に判明したので、先にそれを解答。あとは残り時間で埋められる部分を埋めましたが、筆記用具を置いてくださいと言われた時点で第2問は全て埋めることは出来ませんでした。

  • 17時頃 帰宅

 真っ直ぐ帰りましたが速報会は見ませんでした。3級は合格している感触がありましたが、2級は五分五分で、私はメンタル面が強くないので、自己採点して打ちのめされるのが怖かったためです…^^;

試験後~合格発表

 私の会場は2週間後に結果が出る場所だったので「早く結果が出る会場で受ければ良かったかな?」とヤキモキしました。日を追うごとに「2級はダメかも」と気落ちしました。

 12/3の10時前に受験した商工会議所HPにて合否を確認。2級と3級両方合格でした。ようやく安心して、今更のようにネットスクールの解答速報を見ましたが、2級の第2問で先に書いておいた火災損失の金額が合っていたのが嬉しかったです。最後まで諦めなくて良かったと思いました。

最後に思ったこと等

 先にも書きましたが、古本で勉強しない。また、全ての問題においてひたすら「書く」。どんなに簡単な仕訳問題だったとしても怠らず書きました。あと、簿記知識ゼロから2級取得を目指される方は、面倒でも3級から勉強を始めると2級の勉強がスムーズになると思います。

 2級の工業簿記を初めて学んだときは「なんだこりゃ?」状態でしたが、最後は得点源に出来ました。私の場合、必ず図を書いて解くようにしたのが克服に繋がったと思います。また、身近に質問できる者がいたのがラッキーでした。試験に出る問題は基本的な内容が多いので、商業簿記で変化球問題が出たときのことを考えて工業簿記で確実に点を取っておくのが良いと思います。

 あとは、途中だれた期間が非常に勿体なかったです。ここが独学のリスクだと思います。そんななか、こちらの合格体験記を拝見することがモチベーションupに繋がり、再び立ちあがれました。「私もこの人達みたいに合格するぞ!」という気持ちになれました。

 このような場を設けてくださる管理人様、本当にありがとうございます。大変お世話になりましたので、少しでもどなたかのお役に立てればと思い投稿した次第です。ここまでお読みくださりありがとうございましたm(_ _)m

管理人からみんくるさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CASIO デザイン電卓 ms-A100。カナリ昔に購入したものです。試験では慣れ親しんだ電卓を使おうと決めていたのでこれにしました。この電卓を人におすすめできるかというと…おすすめはしません。理由は次の三点です。

・キーの大きさが普通以下(私は手が小さいので事足りたが)
・「00」のキーがないので時間短縮できない
・定数計算(CASIOは四則演算キーを二回押さないと定数計算モードにならない)

 最後の定数計算に関しては私は特に気にしなかったのですが、定数計算したいときにいちいち二回押さないといけないのが面倒でしたら他社の電卓を購入した方が良いと思います。時間短縮にも繋がるかもしれません。

 みんくるさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
★無理に予定通りに計画を進めようとしない。

 勿論、予定通りに計画を進められるのが一番良いのですが、私は一旦「計画倒れ」すると何もかも全てが嫌になることがあります。なので、いつも「計画が崩れたら、また調整すればいい」と自分に言い聞かせました。

★簡単なご褒美を自分に与える。

 例えば「おやつ」や「見たいTV」など何でもいいのでその日達成したい論点を達成したときに自分へ与えるご褒美を用意してました。

★友達や家族に勉強状況を報告したりする。(迷惑かけない範囲で…。)

 例えばなにげないメールのやりとりに「実は簿記勉強してるんだ」的なことを加えてみるとそのまま会話が繋がっていくので、それを利用して自分の尻叩きをしました。もしサボると「勉強どう?」と聞かれたときに答えにくいですよね?(笑)なので、そうやって自分をある程度追いこんで勉強せざるを得ない環境を作りました。

★お金を掛けず合格してやる!という気持ちをもっていた。

 セコい話ですが、一回で合格しても二回で合格しても合格には変わりないので、→だったら一回で合格したほうがお金が掛からずお得→そのためには今の勉強では足りない→やらなきゃ^^;という風に自分を追い込みました。

★どうしてもやりたくない日は無理にやらない。

 どんなにやりたくなくても教材を開くのが前提。毎日必ず開くようにしてました。まずは教材を開いてみて、ちょっと勉強を始めてみて、それでも「今日は無理」と思ったらダラダラやらずやめました。

★合格体験記を読む。もしくはTwitter検索する。

 独学だとどうしても自分一人で寂しいし、モチベーションが下がる日もあるので、そういうときは合格体験記を読んで自分を奮い立たせたり、Twitterで「簿記」とか適当な語句で検索して簿記勉強中の人の呟きを読みました。

 そうすると、自分以外にも合格を目指して頑張っている人の存在に気付くので自分も頑張ろうという気持ちになれました。

管理人コメント

 みんくるさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 みんくるさんもおっしゃっていますが、教材は最新のものを使うようにしてください。古い教材では社債発行差金勘定や支払利息割引料勘定など「現在使われていない勘定」が普通に出てきますが、本試験でこれらの勘定を使って解答すると当然のことながら不正解になります。

 テキスト・問題集・過去問をすべて揃えても数千円です。様々な事情でどうしてもこの数千円が用意できない場合は一度ご相談ください。管理人が力になります。

 あと、みんくるさんは試験の直前に電卓を使って手を温めていますが、特に11月や2月の寒い時期に受験される方はぜひ見習ってください。手がかじかんでいると本試験特有の緊張と相まって思うように動かせません。個人的には携帯カイロ等を併用するとより良いと思います。

 また、解答順についても「2→3」の予定を「3→2」に急遽変更されていますが、問題の難易度によって適宜修正する点も見習ってください。一番良くないのは「2の問題を見る→難しい!やばい!→パニックに陥る→強引に2を解こうとする→ドツボにはまる→3が手付かずのまま時間切れ」というパターンです。

 試験の問題は「簡単な問題&得意な問題から優先して解く」のが鉄則です。難しい問題&苦手な問題に遭遇したらひとまず飛ばして先に進みましょう。

みんくるさんが使われた教材や電卓のまとめ