自己の理解度チェックは「人に説明できるかどうか」がポイント!

  • 投稿者:もうすぐ51歳さん
  • 勉強形態:通学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約4か月
  • 備考:職業訓練校を利用

日商簿記検定との出会い

 昨年春、諸事情により会社を退職し、無職となりました。元々管理系の業務を15年以上していたので、再就職もその職種で・・・と思い、就職活動中に求人が少ない管理系でも経理の募集が多いことに気づき、経理経験はあるものの、裏付けとなる資格が無かったため、昨年11月から職業訓練校で2級取得を目指しました。

 最初は、3級の授業が約1ヶ月あり、終わる12月中旬頃から簿記検定ナビの3級の仕訳問題対策を最初から全部2度づつ解いていきました。プリントアウトして持ち歩き、休憩時間や訓練校の簿記以外の授業中もコツコツやってました。この時に、基礎が身に付いたと思います。

 授業では、結構早く進むところが多く、今日新しく覚えると昨日のことが抜けていく状態でした。復習として、「ああ、そういえば・・・」と思い出しながらの勉強で、 とても役に立ちました。

不安との戦い

 12月中頃から2級の授業が始まり、なお一層ペースが上がり、覚える内容量もどんどん増えていきました。授業修了後に数回 行われた模試は、合格レベルに届かない結果が続き、そのまま授業は1月下旬に終了したため、試験までの1ヶ月をどう勉強するものかと不安に思っているときに、簿記検定ナビのコンテンツに 簿記クイズがあるのを発見し、挑戦してみたら思いのほかいい結果が出せたので、ちょっと安心しました。どんなきっかけであっても「出来る」体験は大切だと思いました。

 その経験からか、ラスト1ヶ月間は、テキストよりも問題を多く解くことに集中し、TACの過去問題集を中心に置き、間違ったところとそれによって何点ロスしたかをノートに日記のように並べていくことで、一つのミスが何点マイナスになるかを自分の頭に刻み込んで行きました。

就職活動と並行しながらの勉強

 就職活動と平行しながらでしたので、勉強の中心は夜になりがちだったので、火曜日と金曜日は「簿記の日」と決めて、午前・午後の2時間づつで過去問題を1日2回分と決めておきました。たまたま同じ目的を持った仲間に、質問されて説明する機会が多かったので、それを一緒に考えたり自分が分かっていなかった点を気づかせてもらえたことが、すごく参考になりました。

 人に説明できるまで自分が理解できているかどうか…これは本当に助かりました。「聞いてくれてありがとう!」と言いたいです。簿記検定ナビの掲示板でもいろんな方の質問がありますので、それを自分が説明できるかどうか考えることは絶対に役に立つと思います。

試験日当日の1日の流れ~簿記3級~

 試験会場は、訓練校で通っていた専門学校の教室まで1時間。ほとんどが一緒に勉強した仲間だったので、とりわけ緊張もなく9時から3級の試験。1→3→5→2→4の順で解答しました。

 第1問・第3問はすんなり通過したものの、第5問は未払利息でつっかかり、この部分でP/LもB/Sもミス、つまり当期純利益もミス。精算表だけでなく、B/Sの作成まで何度か経験したおかげでクリアできました。レジ2台は、ミス日記帳の中でも何度か見ていたおかげで引っかかりませんでした。

 第3問は、簡単な集計ミスで売掛金の回収額を売上を見間違ったものの、左右の貸借は一致してしまたので解答中には気付きませんでした。第2問は「インプレストが怪しい」という講師の先生の予想通り。第4問は、授業でほぼ同じ問題が全くできなかった時の解答を記憶の中から搾り出してなんとか解けました。

試験日当日の1日の流れ~簿記2級~

 午後からは2級。 1→4→5→3→2の順で解答しました。

 第2問の特殊仕訳帳は予想通りなので最後にもって行きました。いつもミスの多い工簿だったのに、この日は神が降臨したのか、迷いもミスのなく通過。直接原価計算を予測してくれた多くの方々に両手を合わせました。

 第3問は、さりげなくひねってありましたが、売上債権の合計額の下書きを100万多く書いた以外は無事通過しました。棚卸減耗損の5%云々はネットスクールのトレーニング集で経験済でした。第2問は、14070分だけ貸借が合わなかった時に、普通仕訳帳に同じ金額の当座預金!「過去問にこんなのあった」と思い出しました。

 ちなみに第1問の<現金預金>はしっかりとワナにはまりました。確かにP/Lでは現金預金ですから…結果として、直近1週間に解いた問題の採点とミスの分析から閃いたことがかなりありました。

試験を振り返って

 過去問に取り組むときに注意されたのが、「分からないから・・・と解く前に解答を見るクセをつけると伸びない」と言われました。まずは解いて、間違ってからその間違いを分析することが、自分として一番役に立ったと思います。試験の結果は3級81点、2級84点でした。

 管理人さん、本当にお世話になりました。この年齢でも出来るということが証明出来て、正直ほっとしています。経験に基づくアドバイス、本当に支えになります。訓練校の講師の方の予想と、管理人さんの予想がかなり重なっていた点が多く、安心して効率的な直前勉強が出来ました。心より感謝いたします。

管理人からもうすぐ51歳さんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、その電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 機種名は「CANON LS-577TU」でしたが、正直使いづらいと思います。

 理由その1…訓練校に通うため、手提げカバンに入りやすいもので選んでいたため、通常のタイプではなく2つ折のため、平らになりディスプレーが見づらいです。

 理由その2…もともと計算が苦手で、入力が遅いため、「千」と「万」のキーがあったり、表示が3桁のコンマと億・万が切り替えできるのが計算時間が短くなると思って購入しましたが、慣れてくると位置が数字と離れているので、受験の頃には使わなくなってしまいました。類似機種に同じキーがありますが、受験には不要な機能です。

 理由その3:これも慣れてから気づきましたが、CAボタンの左隣が数字の1キーで、しょっちゅう誤って計算中に触れてしまい逆に時間がかかりました。たまたま左利きだったので、左手で計算機を操作しだしてミスは減りました。キー配置のレイアウトは、結構大事でした。

 もうすぐ51歳さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 工業簿記は全般的に馴染みやすかったです。昔、旅行会社でツアーの原価計算をして売価設定をしていた経験があり、今回の第5問のように、全体に掛かる固定原価と、一人に掛かる変動原価から、利益を含めて商品単価計算することを経験していたので、すんなり入ってきました。

 苦手は、特殊販売がごちゃごちゃのまま、受験してしまい、今回第1問の3は見た瞬間、諦めました。実際の商取引として、イメージが沸きにくいと思ってました。とりあえず、図式や、具体的に取引チャートを作ってみて、ノートにお絵かきする作戦で、徐々に理解度は上がりましたが、受託・委託については、完全に克服できないままでした。

 正直途中から、第1問は4点マイナスからスタートしても良いくらいの気持ちに切りかえ、得意な方のミス防止策に頭を切り替えました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 全体に勘違いした理解が多く、テキストでは分かっていても、実際の問題への応用がうまく出来ず、間違った後、しばらく日を置いて同じ問題を繰り返し解くこと、人に説明できるところまで理解することで解決していきました。

 今回の2級・3級とも、過去問には無いパターンが多くありとまどった方が多かったようです。運良く、訓練校の講師の方が、色々な傾向の問題を作成していただき、さまざまな引っかけ問題で戸惑った経験(3級の備品が2個、P/Lの勘定科目の穴埋め、2級の額面金額不明の社債など)のをしていたため、対処できました。

 購入前に判断するのは難しいかもしれませんが、過去問とは違う傾向のテキストなど、アドバイスをいただければ、応用力がつくと思います。ただ、そこまで時間に余裕がない方が大半ですので、過去問をひととおり済ませた後のおすすめ問題集あれば良いかと。

 精算表の練習は、数字が正しいかどうかも大切ですが、解き方について、いろんな方法を周りの方のいい点を教わって、どんどん加えて自分のやり方を固めていくことが大事だと思います。最初は仕訳を全部書かないと出来ませんでしたが、徐々に減らしてゆき特に今回はスピードが必要でしたので、仕訳の下書きを最小限に抑えて速さを求める練習は役に立ったと思います。完璧ではなかったですが、2級の第3問は計算ミス1つだけで切り抜けました。

 簿記検定ナビの掲示板にも、そういうテーマで経験を集めるのもいいのでは…「時短法」「計算力アップ法」などなど。

 今後は簿記3級&2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級や税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 簿記に関してはここで終了のつもりです。管理系の仕事で就職活動してますので、次は、労働安全衛生法あたりを勉強するつもりです。

管理人コメント

 もうすぐ51歳さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 職業訓練校を上手く利用し、見事に一発合格されたもうすぐ51歳さんの勉強スタイルは、社会人受験生の方にぜひ参考にしていただきたいと思いますが、中でも「人に説明することによって、自分の理解度をチェックする」という箇所が一番いいと思いました。

 人にうまく説明できなかったり質問に答えられないということは、その論点に関する理解が浅いことになりますし、逆に、うまく説明できて質問にもスラスラ答えられるということは、その論点を十分理解していると判断することが出来ます。

 「毎日、決まった時間にわざわざ時間を取ってやる」というのではなく、「昼休みの休憩時間の合間に説明&質問しあったりする」という感じで全然問題ありませんので、10分~15分の細切れの時間を有効活用して、知識の穴を確認するようにしてください。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたもうすぐ51歳さんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

もうすぐ51歳さんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 教材:職業訓練校の教材
  • 電卓:CANON LS-577TU
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