「暗記」よりも「理解」が大事!考えて勉強することで力を伸ばそう!

  • 投稿者:KENさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

使用テキスト・問題集

  • サクッとうかる日商簿記3級 テキスト(ネットスクール)
  • サクッとうかる日商簿記3級 トレーニング(ネットスクール)
  • サクッとうかる日商簿記3級 過去問ナビ(ネットスクール)
  • 日商簿記3級 本試験レベル問題集(ネットスクール)

勉強スケジュール

  1. 12月~1月中旬まで、テキストとトレーニングをいずれも3回転する。
  2. 1月中旬~2週間で、過去問が6回分掲載されているので、だいたい3回転。
  3. 2月~本試験レベル問題集とトレーニングの基本問題を再度見直す。

勉強のポイント

  • 基本対策

 試験を受けて感じることは、基本をしっかりと身に着けることの大切さです。簿記の勉強は全くの初めてだったので、とにかくサクッとうかるテキストとトレーニングの問題を「体に染み込むまで」やりました。また試験に臨むにあたって、直前の10日くらいはサクッとうかるシリ ーズのトレーニングにある基本問題を改めてやりました。

 過去問は模擬試験問題をあわせて13回やりましたが、基本的な部分で穴があることに気がつき、とても重宝しました。今回は小口現金が本試験で出題されましたが、これもサクッとうかるテキストにちゃんと記載があるので、漏れのないように勉強していれば得点できた問題だと思います。

  • 本質的な理解

 過去問をやるにあたり、簿記の本質的な理解をするように努めて、問題を解くようにしました。特に印象に残っている問題を挙げると、「サクッとうかる日商簿記3級 過去問ナビ」に掲載されていた、第119回の第3問です。これから3級を受ける方は是非解いてみてください。ちなみにこの形式の問題が今後の試験でることはないと思いますが、「決算の流れ」を掴むにはとても良い問題だと思っています。

 設問にはなっていない空欄には、「消耗品に関する決算整理仕訳」など、とても大切な部分もありますの で、こうした部分もあわせて勉強していくとよいと思います。124回第4問で出題された問題も、費用と収益の繰延べ・見越しや再振替を理解するにはもってこいだと思うので、是非解いてみるといいと思います。

  • 時間配分について

 解いた順番は「サクッとうかる日商簿記3級 過去問ナビ」にあった通り、1.2.5.3.2の順番です。独学で勉強していて気がついたことなのですが、3問目や5問目で出題される精算表や残高試算表の借方と貸方の合計金額のチェックはしませんでした。

 理由としては 理由としては、万が一、借方・貸方があっていなかった場合、検算に時間がかかり、パニックになってその後の2問目、4問目が冷静に解けなくなるというリスクを考えたからです。その代わり、Tフォームを作成した段階で、仕訳に間違いがないかどうか一回全体チェックをすることにしていました。

 ということで、本番では借方の合計金額だけ計算して、あとは同じ数字を貸方に記入してしまいました。検算に必要な時間を、その分2問目・4問目に使いました。

  • 筆記用具について

 参考になるか分かりませんが…筆記用具はシャープペンではなく鉛筆を使いました。シャープペンは芯が硬く、間違えて消すときに楽な鉛筆を使いました。試験会場で周りの方が皆、シャープペンを用意していたのでちょっとびっくりした記憶があります。

 また、消しゴムも普段の勉強のときはSTEADLER社の消しゴムを使いました。製図とかスケッチの文具をだしている会社です。1個150円。簿記の勉強って意外に消しゴムを使う機会が多いんです。消していてもゴムが途中でちぎれたりしないので、意外に気に入ってます。

  • 間違いノートの作成

 勉強していて、精算表とかの問題を解いたあとの解答用紙は全部とっておいて、次回同じ問題をといた時と同じ間違いをしないようにしました。問題をいっぱい解いていくと、間違えるパターンも大体決まってきます。そうしたことは、ノートに書き留めておきました。自分自身の主な注意点は以下です。

  1. 当店振り出しの約束手形を裏書譲渡されたとき → 受取手形ではありません
  2. 当期の売掛金の貸し倒れ → 貸倒れ引当金は使えません
  3. 3分法 → 「仕入・繰越商・繰越商品・仕入」と機械的に理解しないこと。今年の仕入総額と今年の売上原価のズレを補正するということが理解できているかどうか
  4. 試算表や精算表はタテではなくヨコで解いていく
  5. 雑益と対になる勘定科目に注意すること(第5問目)
  • 予想問題について

 試験直前に、予想問題を解くべきかどうか悩みました。で、予想問題はやりませんでした。理由としては、テキストと問題演習を通じてまんべんなく勉強をしてきたつもりなので、予想問題を解くことにあまり意義を感じなかったため。

 また、予想が外れた場合に精神的なあせりが発生すると思ったし、そもそも簿記に興味を持ってテキストを買って勉強を始めたわけで、予想が当たって合格してもその後2級、1級と進むうえで逆に苦労すると思ったから。

 しかし、今後は予想問題をあくまでも模擬問題を解くとか、あくまでも勉強の延長線上として解いてみるのはありだなと思ってます。ここは反省点です。ただ本試験で予想があたったとか外れたとかで一喜一憂することだけはないようにしたいと思ってます。

試験日当日の1日の流れ

  • 7:00 起床

 前日は体調の管理だけは気をつけようと早めに就寝。でも緊張で寝付けない。結局一睡もできず朝を迎える。

  • 8:00 自宅を出る

 持ち物は受験票や筆記用具の他、チョコレートとお守りのテキスト。

  • 8:30 会場到着

 やるべきことはやったと思っていたので、テキストは特に見ない。会場をうろうろと歩き回っていた。

  • 9:10 試験開始

 いつもの順番で試験をとく。2問目がちょっと分からない…飛ばして5問目へ。減価償却費の計算でパニック。「まさか落ちてしまうのでは…」の不安がよぎる。なんとか解答を出す。いつものように合計金額は借方だけ出して、検算は後回し。3問目へさくさくと解答。この時点で「なんとか受かるかもと感じた」。2問目と4問目。4問はあれほどやった費用の見越しと勘定記入、再振替の問題。でも分からない。このとき勉強不足を痛感。なんとか解答。

 2級や1級を目指すひとは「満点を狙ってください」とブログなどには書かれていたが、「満点どころか合格すら怪しい絶望感」を感じながら試験終了まで残り4分。4問目でミスに気がつくが、いかんせん時間がない。解答を消して得点にならなかったらまずいので、ミスに気がつきながらも終了を待つ。

管理人からKENさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓・教材は他の方にもおすすめ出来ますか?
 さくっとうかるシリーズは、本当に読みやすくお勧めできます。また、パタ解きと同様にネットスクールから出ている過去問集である「さくっとうかる厳選過去問ナビ」もお勧めです。この問題集は最初の3回分については、過去に出題された問題を難易度順に組み替えて、本試験形式にして、やさしいものから順番に解いていけるようになっています。

 また解答用紙にガイドがついているので、初めて過去問を解いてもあまり違和感はないです。掲載されている問題も、数多くある過去問の中から絶対に必要なものを選んで掲載してあるみたいです。さくっとテキストとトレーニング、過去問ナビの3つで、本試験合格レベルの力はついたと思います。本試験レベル問題集は、難易度としては、本当に本試験レベルです。意図的に難易度を高くしてある問題集もあるみたいですが、やっていないのでわかりません。

 電卓も1000円位のものですが、結構大きくて、使いやすいです。電卓の使い方も過去問ナビに載っていたので助かりました。

 KENさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点はあまりないですが、3分法のしくみについては理解したと思っています。苦手な論点は再振替仕訳でしょうか。テキストを読んでもとくわからなかったところは、ネットスクールの掲示板で質問をしていました。

 3級の試験勉強では、自分が分からないところは大体他の受験生も分からないみたいで、(つまずくポイントは大体同じということです)過去に同じような質問が掲示板に出ていたので、それも参考にしました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 第一に、今回は過去問(6回)を模擬試験(7回)をあわせて13回分やりました。過去問についてはどれだけ量をやればいいのか正直わからず、本番一ヶ月前からはじめた「本試験レベル問題集」で大体9割以上解けていたので、本番では余裕しゃくしゃくで臨んでしまいました…。

 今回使用したテキストと問題集だけで、本番では十分に対応は可能だと思いますが、試験範囲の勉強に漏れがないか、アラ探しをしておく、という意味で、模擬試験問題は他社の問題集をやるなど、もっと量をこなしてもよかったと思っています。

第二に、本試験の第3問と第5問については、特定の出題形式に偏ることなく、満遍なく過去問を解くようにした方がよいと思います。さくっと受かるシリーズの「トレーニング」と「厳選過去問ナビ」でも満遍なく載っていますので、きちんとやれば本試験でも
大丈夫だと思います。

 こうしたことを書く理由としては、試験後の感想を色々と聞いていると、皆様出題頻度の高い論点や出題形式、本試験の予想問題など、かなり的を絞った勉強をされているのではと感じたからです。

 そうした勉強方法を否定するつもりは毛頭ないのですが、日商のHPにある「出題の意図」を色々と読んでみると、パターン化した知識や機械的な暗記のみならずその知識を応用できる簿記能力の養成に努めてほしいと、毎回くどいくらいに書かれています。

 今回の試験では、5問目はいつもの精算表ではなくB/S・P/Lを作成させる問題だったが、上記のような出題意図を読んでいると、今後の試験も出題頻度の高い出題形式や論点だけに絞って勉強をしていくのは、リスクが高いなと感じてしまう。

 せっかく簿記というすばらしい分野に足を踏み入れたのだから、とおり一遍の勉強だけでなく、あと一歩つっこんだ勉強をしていくと簿記というものが、より面白く感じられるのではないかと思うし、実社会でも役に立つ知識が身につくと思う。

 2級を勉強して2週間しか経過していないが、2級の勉強をして初めて、3級で学んだ知識の意味が分かったという部分が本当に多くあります。簿記3級を足がかりに、2級1級も取得しようと思っている人はとくに、今勉強していることは、そもそも何のためなのか考えてみると良いと思う。ただ単に合格すればよいのか、それとも簿記3級合格に十分な実力を身につけようとしているのか。

管理人コメント

 KENさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 予想問題については、個人的には過去問対策の総仕上げとして利用すると良いと思います。なぜなら、予想問題は過去に出題された問題の中から、次の試験で出題されそうな分野をピックアップしてアレンジしたものだからです。「問題集(~試験1か月前)→過去問集(試験1か月前~試験1週間前)→予想問題集(試験1週間前~試験日前日)」の順番がベストです。

 あと、筆記用具についてはシャープペンシルの方が便利だと思いますが、芯が硬くて使いにくい・消しゴムで消しにくいといった場合は、2Bあたりのシャー芯を使うことをおすすめします。柔らかい芯であれば、消しゴムで消すのも簡単です。

 また、シャープペンシルは太いものを選んだほうが疲れにくい(細いと無駄な力が入りやすい)ですので、どれにしようか迷っていらっしゃる方には、ドクターグリップシリーズをお勧めします。ちなみに管理人は、筆記用具を全てドクターグリップシリーズで統一しています。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたKENさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

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