「仕訳を制する者が、日商簿記検定を制する」は本当でした!

  • 投稿者:かにかにさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月半

はじめに

 私は子育ても一段落ついた40代半ばの専業主婦ですが、再就職のため簿記の資格を取っておこうと勉強し始めました。求人募集には「簿記2級以上の方」という記載がそこここにあり、当初はいきなり2級を受験しようかと考えたのですが、どの程度の知識を要するのか調べるうちに、簿記検定ナビさんと出会い大変参考にさせて頂き、全くの素人である自分は3級からに決めた次第です。世間ではおばさんと呼ばれる世代ですが、まだまだいけます!集中力を要するので、一日平均1時間程度の勉強で合格できました。

使用テキスト・問題集

  • 簿記検定日商3級基礎編に面白いほど受かる本 改訂新版
  • 大原出版の過去問題集

具体的な勉強の進め方

  • 10月初め

 テキストを読み、内容を理解する。簿記検定ナビのTOPページにありますように「仕訳を制する者が、日商簿記検定を制する」ので、正確に仕訳できるよう繰り返し読みました。最初は借方・貸方もよくわかりませんので(汗)とにかく「現金が増加する時は左、減少の時は右」この 1点を軸として仕訳を考えるようにしました。

 また、練習のために数多くの仕訳問題に取り組みました。台所にノートパソコンを置いて、料理を煮込んでいるちょっとの時間に簿記検定ナビさんを開き2~3問解いたりしました。そうすることで、自然と勘定科目を覚えられましたし、貸借を逆にしてしまう間違いも無くなくなりました。

  • 10月終わり

 簿記検定ナビで無料配布された予想問題や過去問題集を繰り返し解きました。その際、自分は以下の2点について特に気をつけるようにしました。

  1. 残高試算表、合計試算表、合計残高試算表の違いを理解し、問題は何を求めているのか間違えないようにする。問題には合計試算表が書かれているのに、答えには残高試算表を書かされるという引っかけ?もありました。また、一度で計算が合わない時があるので、与えられた取引一つ一つについて仕訳を書き残しておくとチェックが非常に楽になりました。見直しの際、仕訳そのものに間違いがあった時も発見しやすいです。
  2. 精算表は損益計算書欄に入れるか、貸借対照表欄か迷うことがありますのでその辺を重点的に勉強しました。消耗品と消耗品費は要注意でした 。

合格へのポイント

 試験でより多く得点を稼ぐには、多くの問題に取り組むことがよいと思いました。一度やった問題を何度も繰り返し練習するのも有効です。わからないことや、間違いをすぐに見つけられ克服しておけるからです。また、仕訳さえ正確にできれば、試算表は単純な集計作業なので毎日1問ずつでもやっておくと、慣れて速く正確にできるようになれると思いました。

試験日当日の1日の流れ

 朝6時半に起床し、いつもどおりに家事(朝食作り・洗濯)をこなし8時30分頃会場入りしました。トイレを済ませ、その後は着席して静か に試験開始を待ちました。いつものとおりに行動することで、あがらずリラックスしてのぞむことができました。試験が始まりざっと問題を見ると、どれも過去問題集にあったのと同じ形式であったので第1問から順に解き始めました。

  • 第1問

 仕訳問題5題で配点は20点です。練習した問題の類題ばかりでしたので20点獲得です。

  • 第2問

 どの補助簿に記入するかを問う問題5題でした。こちらのサイトさんに頂いた予想問題にばっちり載っていた類題ですね!配点10点のところ8点獲得です。

  • 第3問

 残高試算表の作成で配点は30点です。当初計算が合わず、仕訳メモをチェックしてポカミスを発見し30点獲得しました。

  • 第4問

 伝票を書く問題2題で配点10点です。これも仕訳をした後に書くと間違えがなくていいと思います。10点獲得しました。

  • 第5問

 精算表の作成で配点30点です。当期純利益の金額が違っていたので、どこかミスをした箇所があったようですが24点獲得しました。

 ひととおり問題を解いた後も20分程度時間が余りましたので、もう一度はじめから見直しをしました。今回も?過去に出されたパターンどおりの問題形式でありましたので、落ち着いて取り組むことができました。

管理人からかにかにさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。また、その電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 使用した電卓は「Canon LS-121TU L」です。数字キーや液晶部分が大きく使いやすいと思いましたが、「億・万・千」のキーが「クリア」ボタンのすぐ上にあるため間違えて押してしまうことがあり他の方にはおすすめ出来ないです。実は私はそろばん派でして、電卓は使い慣れないのであまり参考になるお話はできないです。

 そろばん派と言っても掛け算割り算は電卓の方が速いので、試験申し込みの際に電卓とそろばんの併用は可能かを聞いたところ、そろばんは弾く音が他の方の迷惑になるかもしれないので好ましくないと言われ、(一応使用可となってはいますが)急ぎ家電量販店にて数字キーの大きく打ちやすそうな機種を選び、慣れない電卓で受験するに至った次第です。実際、試験会場でそろばんを使っている人はおらずちょっと寂しかったです。

 かにかにさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は仕訳、苦手な論点は補助簿全般と精算書です。わからないことが出た時は、再度テキストに戻りじっくり読み直し、また過去問題集の解説を読むなどして何日か後にもう一度問題をやってみました。それでもだめならまたテキストからの繰り返しで3回目くらいにどうにか覚えられたと思います。

 また、精算表の損益計算書欄に書くのか貸借対照表欄かについては、迷った勘定科目を個別に暗記するようにしました。この点も、何度も繰り返し問題を解いて練習することで理解ができたと思います。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 補助簿は何種類かありますので、おのおのの記入方法や個別の取引についてどの補助簿に記載するのか等、取っ付きにくさを感じ苦手意識がありましたが、私が読んだテキストは初歩的なものでしたので、その辺の記述がもう少し詳しいものも用意して勉強すれば良かったと思いました。

 しかし、素人にも非常にわかりやすく書かれたテキストなので、1から勉強を初める方にはお勧めしたい1冊です。併せて簿記の過去問題集(大原出版)もとても役に立ちますので強くお勧めしたいです。

 今後は簿記3級をどのように活かす予定ですか?簿記2級や簿記1級、税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 できれば経理関係の仕事につきたいと思っておりますが、この歳になりますと実務経験がないと非常に難しいようです。現に、試験では大切な当期純利益の金額を間違えたのですがそれでも合格しました。実務で間違えたらかなりえらいことでしょうけどね。職探しと並行しながら、スキルアップのために2級にもチャレンジしようと思っております。

管理人コメント

 かにかにさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!電卓とそろばんの併用について、商工会議所に問い合わせたとのことですが、使用不可と規定されている日数計算付きの電卓がOKで、使用可と規定されているそろばんがNGっていうのもなんだか変な話しですよねぇ。ただ、電卓とそろばんの併用は…場所をとってしまうだけであまり意味がないように思いますので、これから勉強される方は最初から電卓で計算するようにしてください。

 電卓の機種についてですが「Canon LS-121TU」は「「億・万・千」のキーが「クリア」ボタンのすぐ上にあるため間違えて押してしまうことがあり…」と書いていただきましたが、簿記検定ナビでおすすめしている「CANON HS-1210TU」は「億・万・千」キーと「クリア」キーも離れていますし、評判も上々ですので、興味のある方は簿記検定ナビの管理人おすすめの電卓ページで詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひ一度チェックしてみてください。

 あと今回、簿記検定ナビで無料配布した本試験予想問題は、作った本人が一番びっくりするぐらいの的中率で、多くの受験生の方からお礼のメールをいただくことが出来ました(まぁ、2級のほうは思いっきり外してしまったんですけど…)かにかにさんにも有効活用していただけたようで良かったです。今後も、何らかの形で本試験予想問題を無料配布させていただく予定ですので、興味のある方はぜひ無料請求してください。

 最後に、かにかにさんもおっしゃっていますが、経理の仕事は「実務経験」が非常に重視されますので、未経験者が採用される可能性はかなり低いといわれています。が、確率がゼロということはありませんし、簿記2級まで合格できれば何らかのアドバンテージにはなりますので、最後まで諦めずにがんばっていただきたいと思います。

かにかにさんが使われた教材や電卓のまとめ