誘惑の少ない朝の1時間は勉強のゴールデンタイム!

  • 投稿者:NFひるちゃんさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約13か月

私と日商簿記検定

 私は、食品会社管理部門に勤める43歳のサラリーマンです。簿記1級を受けるきっかけになったのは、会社で内部統制推進部門に着任し、業務を行う上で、財務経理知識を習得する必要性に駆られたことからでした。2008年5月に勉強を開始し、通勤電車の往復1時間30分および土曜日曜の時間を使い勉強を進めました。

 簿記2級は1994年に受験(1発合格100点でした)していましたが、簿記1級の難しさ、覚える知識量の多さはその比ではありませんでした。121回の試験を受けたものの、65点(商業簿記17点、会計学16点、工業簿記16点、原価計算16点)とあと一歩だけれどどの科目も70%取れていない中途半端な点数で不合格になっていました。

朝の1時間を有効活用して再スタート

 今年4月に会社での業務が一変し、財務経理の知識はほぼ必要のない部門に異動になりました。そのため122回の試験は受験しませんでしたが、今後財務経理部門に再度異動する可能性もあると、再度123回の受験に向けて、6月に勉強を開始しました。勉強は独学で、通勤時間と土日を使いました。また、直前2カ月は、平日も朝5時に起床し、6時まで勉強をしました。

使ったテキスト&問題集

 DAIX出版「日商簿記1級最短合格テキスト」「日商簿記1級最短合格問題集」で基礎力を養成し、121回~123回の試験予想問題集(TAC、ネットスクール)で試験形式に慣れるとともに最新の会計基準がどのように問題反映されているか、確認しました。さらには、tac出版の税理士ポケットテキスト簿記論にも時折目を通しました。昨年も簿記の教科書に載っていないことが出題されて失点していたためです。

 ただ、私が学生時代に教師より言われた「固定と反復」という軸だけはぶれないようにしました。固定と反復とは、テキスト問題集を手広く広げるのではなく、特定のものに絞りこみ、それを何回も繰り返し解くことで、間違える問題を減らすことができ、真の実力がつくという考え方です。中央経済社の「簿記検定講義」も購入しましたが、ほとんど目を通しませんでした。

試験日当日の1日の流れ

 試験会場は東京都市大学、田園調布の駅より20分のんびりと歩き、試験開始50分前に到着しました。試験前半は商業簿記と会計学でした。商業簿記では、勉強していながら、250%償却という言葉に戸惑い減価償却を誤答、会計学では、社債の問題がほぼ全滅。税効果会計も半分くらいしか解けず。

 救いは、試験終了5分前にようやく割賦販売の利益率が算出できたことくらい。繰延割賦売上利益を計算したところで終了しました。あんなに勉強したのに昨年より出来が悪いことを確信、また、会計学では10点取れていないため、足切りにあい不合格だろうと暗い気持になりましたが、 休憩時間で、「せめて後半だけは気持よく後悔しないように終わろう」と開き直りました。

 果たして後半の工業簿記、原価計算、問題を少し読んだだけで「これなら解ける」と感じました。はやる気持ちを抑えてゆっくりと問題を解き 、終了。後半だけはほぼ完璧、と救いになりました。ただ、前半の試験内容があまりに悪かったので、合格できたとは思っていませんでした。

 正月明け、そろそろ勉強を再開しようと思っていた矢先に試験結果の連絡がありました。結果は予想外の合格。得点は74点、内訳は商業簿記15点、会計学10点、工業簿記25点、原価計算24点でした。足切りにあったと思っていた会計学でかろうじて残っていました。

日商簿記検定の勉強を終えて

 また、本年見込んでいた簿記試験対策の時間が不要になり、ありがたく思うことしきり。その時間で、より実用的な財務会計の知識をつけることに向けていきたいと思っています。

管理人からNFひるちゃんさんへ追加の質問

 今回、利用された教材や電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 教材として利用したDAIXの日商簿記最短合格テキスト及び問題集、直前対策のTAC社、ネットスクール社の問題集ともに、繰り返し問題を解けば理解を進めるうえで役に立つと思います。

 電卓はカシオ社のJH-12VTを使用しました。カシオ社の製品は、たとえば、12××とするとあとは数字を入力して=を押すだけで答えがすぐ出るので、原価計算などで役に立ちました。

 NFひるちゃんさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意なのは、CVP分析や線形計画法でした。学生時代、数学は得意な科目だったので、これに相通ずる印象を受け、楽しく問題に取り組めました。

 苦手なものは、特殊商品売買でした。特に割賦販売の際の繰延割賦販売利益を算出するのはもっとも苦労した分野、とにかく1に示す問題を繰り返し解くことで克服に近づきました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 高校時代通学の汽車でゴトゴト揺れる車内で予習復習のため、書き物をしたおかげで、電車の中で問題集を解くのは苦痛ではありませんでした。とにかく隙間時間を見つけて短い時間でもいいから毎日取り組むこと、そして、勉強の際には手を動かす(書く)ことをお勧めします。

 また、簿記試験では、簿記のテキストに示された内容以外の問題が少し出題されるので、周辺知識を税理士の簿記論のテキスト等で習得するのが良いと思います。また、教材ですが、ネットスクールのとおるテキストを使用した方がわかりやすそうだったので、もう少し早く理解が進んだのではないかなあ?とも思いました。

 今後は簿記以外の資格に挑戦される予定はありますか?何か考えている資格がございましたら教えてください。
 税理士の資格取得も気になりますが、当面は受験しません。もともと本業は技術系の職種で第一種情報処理技術者試験、第3種電気主任技術者、調理師、公害防止管理者など15程度の資格を取得してきました。当面は簿記1級取得者として、会社で求められるような決算書の分析能力や事業計画立案、検証の能力を養っていくつもりです。

管理人コメント

 合格体験記のご投稿ありがとうございました!NFひるちゃんさんは通勤時間や朝(5時~6時)の時間を有効活用して勉強されたようですが、この勉強スタイルはぜひ皆さんに参考にしていただきたいです。

 通勤・通学時には、携帯しやすい自作の間違いノートや仕訳問題対策をプリントアウトしたものなんかが最適だと思います。無理に覚える必要はありませんので、とにかく何度も目を通すようにしてください。

 一方、早朝に勉強時間を確保できる方は、ぜひ総合問題を1問解くようにしてください。時間を計って総合問題を解いて、通勤・通学時に答え合わせをしたり、間違い箇所の解説を読んだりするとより効率的に時間を使えると思います。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたNFひるちゃんさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

NFひるちゃんさんが使われた教材や電卓のまとめ