間違いノートは「作る時間を短く、使う時間を長く」がポイントです!
- 投稿者:#さん
- 勉強形態:独学
- 受験回数:3回
- 勉強期間:約3か月
- 備考:勉強期間は3回目の受験時の数字
はじめに
日商簿記2級を受験しようとしたきっかけは、就職するために少しでも役に立てばいいなと思ったからです。
高校のときに授業の一環として日商簿記2級を受験したのですが、合格できずにそのまま卒業してしまいました。それから数年、簿記にはほとんど触れることないまま事務として勤めてきました。
現在、私は仕事を辞めて就職活動をしていますが、求人票には必要な条件として「事務経験」の他に「日商簿記3級」や「日商簿記2級」が組み込まれていることが多いです。そこで、自分の選択肢を広げるために、一番近かった138回を受験することにしました。
テキストと電卓について
はじめは、3級を2級を同時受験しようと思っていましたが、2級だけにしぼって勉強したほうが効率がいいと考え、2級のテキストを購入しました。
スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第6版 [テキスト&問題集] (TAC出版)
スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第3版 [テキスト&問題集] (TAC出版)
字が多いテキストだと後で行き詰ってしまうだろうと思い、スッキリわかるシリーズの参考書を選びました。
ここがこうなるから、最後はこの形になるんだよと順序を追って解説してくれることが多くて助かりました。例題の数字の桁も少なめに設定してあるおかげで取り組みやすかったです。
日商簿記2級まるごと過去問題集〈2014年度版〉(ダイエックス出版)
簿記検定ナビの合格体験記に、とにかく簿記は過去問をどんどん解いていくことが大事とあったのですぐに探しにいきました。お手頃な価格だったのと、過去15回分ほどが掲載されていたので購入しました。
問題によっては解説がやや不親切だったので、不明な点はネットや簿記検定ナビの解説を参考にしました。
日商簿記検定模擬試験問題集 2級【改訂六版】(ネットスクール出版)
こちらは先に購入していたのですが、まずは過去問を解くのがいいと思い後回しにしました。過去問が1周した後に模擬問題のみ解きましたが、こちらも解説がやや不親切だと感じました。
MW-12GT(CASIO)
高校の時に選んだもので、10ケタよりも12ケタの方が使いやすいと判断して購入したものです。ずっと使っていることもあり、自分としては操作しやすいと思っています。ただ、よく使う数字が徐々に薄くなってきているのが少し残念です。
学習スケジュール
- 8月の終わり~9月いっぱい:商業と工業簿記の基礎
- 10月前半:商業と工業簿記の見直し
- 10月後半~11月:過去問と模擬問題、仕訳問題
1日平均5~6時間は勉強したと思います。
10月後半に入ると過去問を1日に2問(午前と午後に分けて)、合間に仕訳問題を中心に固めていきました。私は仕訳問題が特に苦手で、以前に受験したときも点数を稼ぐことが出来なかったので、今回は仕訳対策に時間を割きました。
過去問は…1週目は本当にひどい点数ばかりでした。100点中30点台を行ったり来たりで、このまま勉強を続けても合格点に届かないのではないかと心配になりました。この時点では「仕方ない、これが今の実力なのだから」と割り切って解いていきました。
その後は模擬試験問題集を1周はさんでから、過去問の2周目に入りましたが、2周目は1周目で出来の悪かった回を優先的に解きました。
商業簿記について
仕訳ができないと点数が伸びないので、簿記検定ナビの仕訳対策を使って対策をしました。
具体的な使い方は、まずひととおり問題を解いて、間違えてしまった問題・理解できなかった問題をピックアップし、解説や他の参考書で復習した後、何度も繰り返し問題を解きました。
工業簿記について
まず、材料費・労務費・経費の関連図を覚えました。費目別計算は特に苦手だったので、書いて覚えて書いて覚えて…の繰り返しでした。
差異分析で使うシュラッター図は、何も見ないでも書けるように白紙を使って練習しました。語呂合わせを併用すると覚えやすかったです。
総合原価計算は、ボックス図の数量や金額を記入ミスすることが多かったので、ボックス図をつくるときは特に気をつけました。また、仕損や減損、先入先出法や平均法、材料の追加投入などは解き方を混同しないように間違いノートにまとめました。
学習するうえで工夫したこと
- 過去問を解くときは必ず時間を計ること。
- メモ用紙を折って「問1は左上から記入する」など自己ルールを決めた。
- 勘定科目を全て漢字でメモするのではなく、自分が分かる範囲で省略した。
- 数字もメモするときに100,000ならば→100,-とカンマのあとは棒線で省略。
- (問題の)特に条件が指定されている箇所は○で囲むなど目立つようにした。
問題を解く順番は「1→4→5→3→2」が一番いいと思いました。また、90分以内に解き終えることを意識しました。過去問を解いていく中で、全体を見直すためには少なくとも30分は必要だと感じたからです。
反省点
はじめの頃、参考書の文をそのままノートに書き写していたことです。それに加えて間違いノートの作成に取り掛かってしまい、過去問に取り掛かるのが遅くなってしまったことです。
ノートの作成する場合は、何度も間違えてしまうところや理解が曖昧なところだけをピックアップして、簡潔にまとめることをおすすめします。
試験前日
簿記検定ナビの予想問題と大原簿記の予想問題を解きましたが、なんとか合格点を取ることができました。夜は少しだけ仕訳問題を解いて、明日の準備と試験会場に向かう時間を確認をしてから寝ました。
試験日の1日の流れ
9時頃起床し、身支度を整えたあと間違いノートをパラパラと見て、受験票など持ち物の確認などをして家を出発する時間までのんびりと音楽プレーヤーで好きな曲を聴いていました。
お昼は小さめのパンを1つだけ食べて、会場に向かいました。会場に着いてから試験開始までの20分間は、受験票や筆記用具を準備してぼんやりとしていました。
時間になると問題用紙と答案用紙が配られました。答案用紙に名前と受験番号を記入しているときに第2問と第3問がチラッと見えましたが、予想していなかった問題だったので一気に落ち込んでしまいました。
- 試験開始!
まず、全ての問題に目を通しましたが、時間内に解けるのか不安でいっぱいでした。ひとまず、いつもどおりに1→4→5→3→2で進めていくことにしました。
第1問
問題文の長さが、今まで解いた過去問の中でもかなり短い方だと感じました。あまりにも短すぎるので、逆に何かひっかけがあるのではないか、と疑ってじっくりと読んでしまいました。第1問は、普段とほとんど変わらない時間(15分前後)で解けたと思います。
第4問
(2)と(3)と(5)に時間がかかってしまいました。
(2)製造間接費の予定配賦額の求め方が分からず焦りました。仕掛品/製造間接費の形は分かるのに金額が分からない…と頭の中がパニック状態になったので一度飛ばすことに。
(3)製品完成高を解こうと思うも意味が読み取れず、さらに(5) 製造間接費の配賦差異にいくも(2) 製造間接費の予定配賦額が分からなければ金額が分からず…だんだんやる気が消えていきましたが、とりあえず落ち着こうと再度(2)製造間接費の予定配賦額に挑戦しました。
これはもしかしてシュラッター図を書かなければ解けないのでは…と思った矢先、分からなかった数字がパパっと埋まっていきました。そのおかげで(5)製造間接費の配賦差異も解くことができました。
残りの(3)製品完成高は数分悩みましたが解けなかったので、最後の見直しの時にもう1度考えようと思い、目立つようにマークをつけて第5問に進みました。
第5問
ボックス図の減損の処理を間違えないように気をつけました。あと、金額が細かいので答案用紙には慎重に記入しました。
第3問
初めて見るタイプの問題かつ指示も読み取りづらかったので、あれも分からないこれも分からない…と頭のなかが真っ白になってしまいましたが、せめて分かるところだけは解こうと必死に食らいつきました。
第2問
「千円単位」と「マイナスには△とつけること」の2つに気をつけたのに、なぜか△を付け忘れてしまいました。また、試験後に気づいたんですが、上下で別々に合計金額を出していました。相当テンパっていたようです。
最後の見直し
この時点で90分くらいだったと思います。ひとまず第4問に戻って(3)を考え、その後は全体的な見直しに時間を使いました。ただ、第2問と第3問の対応で疲れ果ててしまっていたので、最後の見直しは全く集中できませんでした。
合格発表
ネットで合格していることを知りました。点数は82点でした。2級を受けようと決意して勉強を始めた当初、本当に私は受かるのかと不安だらけだったのですが、最終的に無事に合格ができてよかったです。
ちょっと休憩…と言い訳しつつ勉強を休んでしまったりもあったのですが、そんな時は簿記検定ナビの合格体験記を読んで、「私このままじゃだめだな」と反省し、なんとか続けていくことができました。
試験勉強中は他の皆さんの合格体験記に支えてもらいました。本当にありがとうございました。この経験を無駄にしないようにこれからに繋げていきたいと思います。
管理人から#さんへ追加の質問
#さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。 | |
好きな音楽を聴いたり、好きなテレビを見たりしてストレス発散をしました。あとは、次の1回しか受験機会はない、と自分を追い込んでいました。
それでもやる気が出ないときは簿記検定ナビの皆さんの合格体験談を読んでました。勉強の仕方を確認したり、試験までの過ごし方を読んだりして元気がもらえました。ありがとうございます! |
ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。 | |
自分の勉強法を振り返ってみると、参考書の文章を丸々写して覚えていた時間が勿体なかったと思いました。その場かぎりの暗記になってしまったので、できるならば理解してからしっかりと間違いノートにまとめれていればよかったなと思いました。
また、なるべく早めにかつ多めに過去問を解く時間をとったほうがいいと思いました。仕訳問題も1回できたら終わりではなく、何度も繰り返し解くと力がつくと思いました。 |
管理人コメント
#さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!
#さんもおっしゃっていますが、間違いノートは要点だけを簡潔にまとめて、細切れの時間等を有効活用して何度も目を通す…つまり、「作る時間を短く」かつ「使う時間を長く」するのがポイントです。
間違いノートはきちんと活用すれば大きな武器になりますので、受験生の方は作り方・使い方を今一度ご確認ください。
また、随所で過去問対策の重要性にもふれられていますが、私も全く同じ考えです。簿記は昔も今も(たぶんこれからも)過去問対策が必須です。
最近は新形式の問題が出題されることが多いので、過去問対策の重要性は相対的に低くなった…という意見もありますが、今回の試験問題の第1問・第4問・第5問は典型的な過去問類似問題です。
過去問対策をきちんとやっていれば、60点満点取れる問題だったので、あとは難しかった第2問・第3問の40点中10点の部分点が取れれば合格できる計算になります。
新形式の問題を予想することは難しいので、(簿記2級と簿記3級は特に)確実に点数になる過去問対策に力を入れて勉強することをおすすめします。
#さんが使われた教材や電卓のまとめ
- テキスト:スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第6版
- テキスト:スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第3版
- 問題集:日商簿記検定模擬試験問題集2級【第6版】
- 過去問:日商簿記2級まるごと過去問題集〈2014年度版〉
- 電卓:CASIO MW-12GT
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