最後まで諦めずに粘り強く挑戦することが大事!

  • 投稿者:あやめさん
  • 勉強形態:専門学校(通学)
  • 受験回数:3回
  • 勉強期間:約8か月

日商簿記検定を受験することになったきっかけ

 会社で経理のような仕事をする事になったため、勉強をすることにしました。この会社に入った時に3級を勉強するように、と簿記学校へ派遣され、5日間(前日)の講習を受け、ひたすら問題集を解いて満点合格しました。この時に、2級も引き続き勉強して受験をしたのですが、40点代での不合格でした。

 その後、仕事が忙しく、いったん勉強をやめてしまいました。この時から10年のブランクがある状態だった事、会社ではあまりお目にかかることのない工業簿記に苦手意識があったため、簿記学校へ行くことにしました。選んだのは3級の時に派遣されたのと同じ大原です。

2回目の挑戦も…

 だいたい週2~4の夜の講座でしたが、仕事を持っているため、途中、出られない講座もありました。(ビデオ補講をしました)また、10年のブランクは思っていたよりも重く、勘定科目・計算方法等の変更が多く感じられました。2,3年のブランクは簿記学校でも想定していて、その分については講義中に説明がありましたので、助かった感があります。

 問題集は大原でもらったテキスト・問題集・試験直前の総まとめ・直前答練・模擬試験のみを使用しました。第122回試験前は問題集を1.5回、総まとめはあまり解けていませんでした。第122回試験ではまだ仕訳が苦手で、とうとう本試験までひきずってしまいました。そのため工業簿記で点をかせいでも68点…惜しい不合格でした。

三度目の正直

 第122回試験の後、簿記学校の特典で、次回試験までの基礎講座と直前対策まで全てもう一度受けられる、ということで、この特典を活用しました。得意科目の工業簿記については基礎講座に出席せず、苦手科目の商業簿記は全て出席しました。ほとんどが前回試験の時に出席できず、ビデオ補講をした部分でした。

 最初に苦手意識のあった工業簿記については、自分の解いている位置を確認することで随分楽になりました。こんな事が分からなかったのかな?と思うくらいでした。反対に、商業簿記は仕訳から始まり、伝票問題も苦手でした。伝票問題については慣れる事でスピードも速くなり、また正解率も飛躍的に高くなりましたが、最後まで仕訳が苦手でした。

 とにかく「考えながら解く」の繰り返しだったように思います。第123回試験前は総まとめも解けるようになりました。試験1か月前に直前対策という形で授業がありますが、こちらは酷い時は40点台、よくて50点台、模擬試験のみ70点を取りました。あとはひたすらこの解き直しに徹しました…が、仕事が建て続いたりしたため、この大切な時期にほとんど勉強は出来ていません。

 解き直しも第3問はできないままでした。簿記の勉強に関しては、一度始めたら、時間をあけない事が重要な気がします。2年程度ならともかく、5年以上経つと色々と変更点があるようで、そこを直していく勉強のほうがまっさらの状態より重い気がします。

試験日当日の1日の流れ

 試験当日は、普通通りに起床して軽く朝を食べ後に受験会場へ行きました。試験開始1時間前だったので、会場付近のカフェでカフェオレを飲みました。少しお腹が空いていましたが、むしろ食べてしまうと集中できない感じがします。

 試験開始と同時に問題をざっと見て、【第4問→第5問→第1問→第2問→第3問】という順番で解きました。第4問は簡単で、第5問も何も考えずに解き、第1問に気が急いていたのでしょう、第1問を丁寧に解きました。第2問は楽勝になっていました。第3問も無事に埋められて、残り10分。

 見直してみると第5問が、何かおかしい。あれ?っと解き直しました。さらに第3問を見るとかなり間抜けなミスを発見、そこを訂正したところで…タイムアウトでした。第5問と第3問に不安が生じたため、今回もだめかな?と思いましたが、 前回のハガキ通知とは違う形で送られてきて驚きました。合格証も一緒に発送なんですね。解き直しが効いたのか、結果は86点でした。

管理人から~さんへ追加の質問

 今回、利用された資格の大原の講座や、使用された電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 大原の講座はオススメでした。特に、数年のブランクがある場合には、色々と変更点があるので、そこを全部独学で見落とさずに勉強していくのは結構大変です…。あとは、ちょっとしたコツを教えてもらえるところでしょうか。

 2級講座の場合は合格サポート制度という特典があり、一定の出席をしていれば、初回の受験で不合格でも次回受験までは全ての講義(基礎、総まとめ、模擬試験)がもう一度受けることが出来ました。社会人で全てに出席できなくても、この制度を使うと結果的には全て通うことが出来ました。また、1回目で不得意科目がわかるので、その部分だけを潰す余裕もできます。

 電卓は、会社で支給された物でカシオのJ-20のエコタイプです。学校で売っているのも購入しましたが、いまいちしっくりこなかったので、購入した電卓を会社用に変えたくらいです(笑)3級の時はそんなに感じなかったのですが、2級になると、計算量が増えるので、慣れたもの(出来れば電卓見なくても打てるくらいに慣れているもの)が良いように感じました。

 あやめさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意だったのは工業簿記です。何故かCVPが少し苦手でしたが、これ以外はほとんどが得意でした。反対に苦手なのは商業簿記。当初苦手だった伝票はとにかく慣れることで得意になりました。

 最後まで苦手だったのは、仕訳問題のうち、社債の償還や特殊商品売買。一見、「なんて初歩的な!」と思われるかもしれませんが、10年前のおぼろげな知識とかなり変わっており、この計算法を理解して定着させるのに時間がかかりました。一旦納得して、そのことを定着させることで、試験前1週間前に得意になりました。

 とにかく工業簿記は自分の解いている立ち位置、商業簿記はきちんと仕訳が出来る事が重要かと思います。仕訳が出来ないと全ての問題に響きますから…。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 社会人の場合は、かなり勉強時間が限られているので、いかに効率よく勉強できるかが大きいと思います。3級と比べると2級は、問題集を解くだけでも2倍以上の時間が必要だと感じました。通学の場合なのか、大原の場合なのかは分かりかねるのですが、2級では支給されたテキストと問題集、これだけで十分でした。

 あと、私は10年の間に変更された勘定科目を自分なりに整理するために、大原から出されている仕訳問題集を購入しました。これは仕訳が苦手な人には良いように思います。書店で他から出ている仕訳帳も見たのですが、個人的に見やすかったのと、電卓がなくても計算できる内容でまとめられていたので。少しだけ暗算が速くなるという副産物もつきました。出張や年度末に全く勉強の出来ない時期は、焦らず、この仕訳問題集だけでも頭の片隅で思い出すのが重要かと思います。

 後は、分からなくなったらとことん反復。テキストを読んで理解して問題を解く、でしょうか。大原では問題集を3巡解くように、と言われましたが、年度末の忙しい時期には、これは不可能でした。なので1.5巡(笑)残りの0.5巡がまさに商業簿記の特殊商品のところにあたり、その事を考えると2巡は必要だと思いました。

 中には分かっているはずなのに、何故か混乱していて答えられない場合がありますが、テキストを読んで、問題の回答を読んで、しばらく全然違う問題を解く事で、一旦置くと自然と整理され、不思議なように解ける事が何度かありました。

 今後は簿記2級をどのように活かす予定ですか?簿記1級・税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 会社では2級程度で大丈夫だと思いましたが、若干特殊な会社でもあるのと、年に3か月だけ、社内監査に関わっていることから、会計に興味を持ち始めました。

 少しのインターバルを置いて、今年夏から1級に向けて勉強をしたいと思っています。(春は年度末と年度初めの仕事に追われるため、ほとんど勉強どころか通学も不可能に近いので…)可能なら、税理士試験も視野に入れて勉強したいと思っています。

管理人コメント

 あやめさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました。仕事と簿記の勉強の両立は本当に大変だったと思いますが、最後まで諦めずに挑戦することで合格を勝ち取られた精神力はさすがだと思います。

 個人的にいいなと思ったのは、「考えながら解く」ことを常に意識して問題演習をこなされた点です。試験勉強も終盤になりますと、どうしても機械的な勉強になってしまいがちですが、特に工業簿記を解く際は「何を計算しているのか?」「今の計算はどの段階なのか?」ということを意識してやると力が付くと思います。

 今回の工業簿記も「半製品」というあまり見かけないワードが出てきてびっくりされた方も多かったと思いますが、最近は少し捻られた問題が出題される傾向にありますので、なんとなく計算問題を解くのではなく、目的意識を持って取り組むようにしてください。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたあやめさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

あやめさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 教材:資格の大原の講座を受講
  • 電卓:CASIO J-20