あれこれ手を出すよりも、1つのものをしっかりとマスターしよう!

  • 投稿者:ねーぜさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約1か月半

使用テキスト・問題集

  • スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記
  • スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記
  • 合格するための過去問題集 日商簿記2級

勉強方法

 あれこれ手を出すよりは、1つのものをしっかりとマスターする方が大切だと思っていました。まず、スッキリわかるシリーズのテキスト2冊を一通り読み、巻末に付いている練習問題を解きながら、わからないところや間違ったところをテキストで読み直して基礎を固めました。

 そのあと過去問題集に取り組み、解けなかったところは解説を読むと同時にテキストに戻って復習しました。テキストだけ読んでわかったつもりになった部分でも、過去問で間違えてから見直してみると、また新たな発見があるというか理解が深まるんです。テキストは本当にひっきりなしに見返していたので、1か月半でかなり使い込んだ風体になりましたね。

勉強スケジュール

 試験まで時間がなかった上に平日は仕事があるため、毎日空き時間を見つけては集中して勉強しました。1日のスケジュールですが、平日は朝の出社前に約1時間、仕事から帰ってから約2時間勉強しました。休日は休憩をはさみつつ5~6時間ほど勉強しましたね。テキストに約3週間、過去問に約3週間かけました。

 過去問は結局2回しか繰り返すことができず、当日不安をかかえた状態だったので、もっと時間をかけて復習できればよかったなと思います。

商業簿記を振り返って

 はじめ勘定科目があまりに多くてくじけそうになり、特殊仕訳帳がわからなくてくじけそうになり、本支店会計がわからなくて…といった具合で、とにかく最初が苦しかったというのが本音です。こればかりは慣れしかなかったですね。それでも我慢して続けて多少わかってくると、応用がきいてきたのかグッと楽になり、どの問題も小手先ではなく理解して解けるようになったと思います。

 また個人的な興味で、有名企業の決算書を印刷して持ち歩いては眺めていました。これは簿記の得点にどの程度効果があったかはわかりませんが、決算書を見慣れるという点ではよかったのかな、と思います。

工業簿記を振り返って

 工業簿記は「勘定体系」を理解すること…これに尽きると思います。材料、賃金、仕掛品、製造間接費、売上原価、等の流れですね。はじめはその理解があいまいなまま問題を解いていたので、基礎的な問題は解けても少しひねった問題が出るとお手上げという、安定した得点が期待できない状態でした。

 勘定の流れを理解した後は、どの問題も(例え解けなかったとしても)解説を見ての理解が早かったように思います。あとは、工業簿記では表や図を描くことが多くなりますが、いい加減ではなくしっかりと丁寧に書くことが大事だと思います。解いてみてよくわからない問題でも、とりあえず書いた表や図をじっと眺めてみることで「あっ、そうか」というひらめきが生まれたりしました。

試験日当日の1日の流れ

 前日は早めに寝て、起きてからたっぷりと朝ごはんを食べて電車で会場へ向かいました。正直に言って不安な気持ちはありましたが、試験当日に限っては「ダメだったらまた今度頑張ればいいさ」という楽天的な気持ちで臨みました。

 試験開始直後ざっと問題を見渡してから、30秒程ぼーっとしていました。この間、全体的な解き方をぼんやり考えながら周りの人を見渡していたのですが、これで無駄な力が取れてリラックスできたと思っています(結局後半は必死になって無我夢中で解いていたのですが)

 リラックスの仕方は人それぞれだと思いますが、当日は自分なりにリラックスをすることが何より大切だと思います。試験が終わって帰る途中に解答速報が出ていましたが、なんとなく受け取らずに帰りました。合格は5分5分だと思っていたので発表日はとても緊張しましたが、自分の番号を見つけたときは嬉しくて思わず声をあげてしまいましたね。

最後に

 とにかく基礎が大事だと考え、テキストを何度も何度も見直したことが合格につながったと思います。特に124回の試験は他の回と比べて難しかったように思いますが、基礎をしっかりと固めていなければ、難しい問題に対応できずに終わったかもしれません。

 また、実は色々なサイトでいくつか小技も仕入れていました。たとえば、精算表で使える「まみちゃんはブス」(前受前払・未収未払はB/S貸借対照表)などですね。当然基礎固めが前提となるのですが、そういうちょっとした小技は面白くて覚えやすいので非常に役に立ちました。

管理人からねーぜさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、その電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 シャープ製のEL-N802です。自分の場合は形から入りたいタイプなので、どちらかといえばデザイン重視で選びました。アンサーチェックや早打ち、GTがついているので2級の電卓としては十分でしたが、簿記1級や会計士を目指される方には少し物足りないかもしれません。
 今回、勉強に使われた教材は他の方にもおすすめ出来ますか?良かったところや悪かったところなどがあれば教えてください。
 はい、とてもおすすめできます。テキスト、問題集ともに説明や解説が丁寧に記載されているので、独学にはもってこいです。ただし、簿記初心者向けの説明が非常に豊富に載っているため、少しかじったことがある方やサクサク進めたい方には不向きかもしれません。

 また、ネコのキャラクターが一貫して登場して親しみやすい内容となっているのですがもしかしたらそういったものが苦手な方がいらっしゃるかもしれませんね。

 ねーぜさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意分野は、商業簿記では伝票制度や本支店会計、工業簿記では総合原価計算でした。苦手分野は特にはなかったのですが、商業簿記では特殊商品販売の仕訳、工業簿記では直接原価計算の理解には苦労しました。

 克服方法は、同じことを繰り返すようですが、やはり基礎固めですね。過去問の該当部分を解いてテキストに返り、わからない点やあやふやな点をきっちり解決することです。テキストを読み返しても、どうしても分からないときもありましたが書店で別のテキストを立ち読みしたり、インターネットで調べたりして勉強しました。

 テキストにしても過去問の解説にしても、万全なんてことはありませんから、よく分からないところは別のソースでみてみると理解が深まったり疑問が晴れたりします。また、自分が分からないところは結構他の人もわからなかったりするもので、インターネットでまったく同じ質問をしている人がいたりしておもしろかったですね。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 やはり、もっと時間に余裕をもって計画的に勉強できればよかったと思いますね。先も述べたとおり、過去問を解く時間が十分にとれませんでしたから。

 あと他の方の体験記にもありますが、満点を取るつもりで勉強するとよいと思います。自分は満点というか、苦手分野を一切なくすつもりで勉強していました。苦手分野がないということは精神的な自信にもなりますし、簿記の内容は色々と関連していることが多いため、全範囲にわたって理解することは、簿記の理解の深さにつながると思います。

 今後は簿記1級や税理士試験・公認会計士試験などに挑戦される予定はございますか?
 専門職になりたいということではなく、会計の基礎を学ぶつもりでしたのでこれより上級の試験に挑戦する予定は今のところありません。

管理人コメント

 ねーぜさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 ねーぜさんは、勉強期間わずか1か月半で、しかも3冊の教材だけで短期合格されていますが、このように短期合格を狙う場合は「狭く・深く」…つまり、出来るだけ教材を絞って、それを徹底的にやり込んだほうが良いのかもしれません。

 網羅性を考えるといろんな教材に手を出したくなってしまうのが心情ですが、勉強時間が少ないと結果的に「広く・浅く」という状態になってしまい、どの教材も中途半端…ということになりかねませんので、特に短期合格を狙う方は、ねーぜさんのように教材を絞り込むのもひとつの手だと思います。

 あと、工業簿記に関して「工業簿記は「勘定体系」を理解すること…これに尽きると思います」とおっしゃっていますが、これについては管理人も完全に同じ考えです。工業簿記は勘定の流れを理解できないと、途中で必ずつまづくことになりますので、常に勘定の流れを意識して問題を解くようにしてください。

 なお、勘定連絡図については、眺めているだけではなかなか頭に入ってきませんから、手を動かして体で覚えるようにしてください。勘定の流れを意識できるようになると、工業簿記が一気に得意になりますので、理解できるまで諦めずに根気強く取り組むようにしてください。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたねーぜさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきます。本当にありがとうございました。

ねーぜさんが使われた教材や電卓のまとめ