不合格の原因をきちんと分析して、見事にリベンジ合格!

  • 投稿者:namaketmysさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約6か月

私が簿記検定を受けたわけ

 私は現在社会人5年目です。大学では薬学を専攻していました。その流れで今の製薬メーカーで営業の仕事をしています。私には、とある大きな目標があり、その前に先ず勉強をするという習慣をつける(或いは入社前の薬剤師国家試験「1000時間/3ヵ月」勉強して大逆転合格 したときの勘を取り戻したい)という目的のもと簿記検定に取り組みました。

 勉強を始めるにあたり、何故簿記検定?という風にお感じの方もいらっしゃるかもしれません。理由は至って簡単で「興味があったから」です。正直、今まで大学→会社とずっと医療関係のことを学んでいたので他の学問を知らないまま社会人生活を終えるのはあまりにももったいないという気持ちが根底にありました。

 他にIT系(基本情報技術者)の資格等も考えたのですが、「比較的短期間で結果が出て、その先に会計士・税理士といったすばらしい仕事もある」ということ、そして「もし先述の目標を達成できなかったとしても、少なくとも簿記1級クラスをとっていればひとつの武器になる。しかも、会社にいながらにして何年かかけて税理士等を目指すという選択肢も広がる」という点から簿記検定に取り組むと決心しました。

勝負は1年半!しかし…

 簿記検定の勉強を開始したのは2009年8月で11月の123回で3級に合格しました。その時点では「2010年2月に2級、6月に1級(不合格は必至だが試験の感覚をつかむ目的) 11月で合格」という青写真を描いていました。しかし、フタをあけてみると2月の124回で不合格。軌道修正を図らざるを得ませんでした。

勉強のために使った教材

  1. スッキリわかる日商簿記2級、商業簿記・工業簿記編(TAC)
  2. 合格するための過去問題集(TAC)
  3. プラス8点のための問題演習(TAC)

 ①②は124回の受験、③は125回受験対策として購入しました。スッキリシリーズは解説がわかりやすく、私のように簿記初心者でもとっつきやすかったです。合格するための過去問題集も大問ごとに典型的問題とその解説が多く、非常に良かったです。難点を言えば、問3の試算表対策の問題数が少ないことでした。

勉強方法(~124回受験)

 あまり飲み込みが良くないので、時間をかけてじっくり取り組むタイプです。したがって最初の1ヶ月をかけて上記①②のテキストの解説を理解するようにつとめました。2周目はテキストを見ながら巻末の問題集を解き間違った箇所をチェックするようにしました。

 2周目も大体1ヶ月位。この時点で年末年始でしたが、行事ごとや帰省したりでこの時期は勉強が一向に捗りませんでした(この時もう少し勉強していれば2月で1発合格できたかもしれませんでした)

 年明けからはテキストの3周目。3周目は解説を一切見ずに巻末の問題をひたすら解く。ここでは特殊商品・手形等苦手分野をピックアップし、個別にテキストを再度読んで理解するということをしていました。テキストの4週目は間違った問題を中心にテキスト巻末の問題に取り組み、さらに並行して過去問にも取り組みました。

 本格的に過去問に取り掛かったのは2月初旬になってからでした。このタイミングが遅かったのかもしれません。124回までに過去問に取り組みましたが7回分のうち2勝5敗という負け越し状態で試験に臨みました。

 かなり分の悪い状況でしたが、試験は何が起こるかわからないです。前回の3級受験の際は過去問を1年分(しかも50点)だけで運よく合格。試験運はあるほうと思っていました。

124回受験不合格。見えてきた反省点

 撃沈。「現金勘定」と第3問・第4問にやられ自己採点では50点位。試験に「~たら。~れば。」は厳禁ですが、仮に「現金勘定」をきちんと書けていて問1が満点であれば65点位。それでも合格点には届いていない状況でした。やはり根本的に「簡単な回であれば合格できるが、まだまだ実力的には不十分」というのが客観的に自分を見たときの学力です。

 大学受験であれば努力圏(合格率30%)といったところでしょうか。簿記3級とは違い、それなりに勉強した(モチベーション&ペース維持のために時間を記録しており試験までに150時間勉強)つもりでいたのでかなり悔しい思いをしました。

 勉強方で述べたように、どちらかというと理解重視で勉強を進めていたため、過去問はじめ問題の演習が圧倒的に足りなかった点、特に試算表はいつも計算が合わないし、問題を解くのも遅い点、工業簿記の「費目別計算」に弱いという点等、問題点も明らかになりました。

 そこで、以下のような課題をもって次の試験で雪辱を果たすことを誓いました。

  1. 試算表で高得点を取る。
  2. 「費目別計算」という苦手分野を克服する。
  3. ひたすら演習することに勉強を費やし、早く解くテクニックを身につける。
  4. 試験特有の表現に躓くことがないよう、仕訳問題は少なくとも問題を見れば直ぐに解法が浮かぶレベルになる。

再挑戦。浪人生の気分?

 2月に試験が終わった後は半月位全く勉強しませんでした。いったん全範囲の勉強が終わっていたため、そこでいきなり試験前と同じペースで勉強してしまうと6月の試験にピークを持っていくのは難しいなと思ったためです。また、スッキリわかるシリーズの巻末についている問題も、全問3回以上解いてしまい、惰性で問題を解いてしまう恐れがあったため、間をおいた方がいいなと思ったことも理由です。

 そこで、テキストを買ったからには勉強しなければ、と自分に発破をかけるつもりもかねて「プラス8点のための問題演習」のテキストを購入しました。4月に入り、スッキリわかるシリーズの問題および、簿記検定ナビ仕訳問題対策をひたすら繰り返すのと同時に、「プラス8点のための問題集」を解き、特に苦手の試算表問題および、費目別計算の分野に取り組みました。

 その一方で、得点源である第2問に関しても、「どのようにしたら速く解答にたどり着けるか」ということを意識しながら解くようにしました。以上のことを繰り返し、各分野勉強してからインターバルを置きすぎてしまわないように、いつその問題を解いたかも一緒に記入しました。

 5月のGW明けから過去問に取り組みました。5回解いて5回とも合格点を超えることができました。その後は、試算表・費目別計算などで間違った問題を中心に、またそれ以外の分野も忘れないよう、ざっとテキストを見て確認を。また、仕訳問題対策も欠かさず解きました。

試験日当日の1日の流れ

  • 試験当日

 午後からの試験であったため午前中は勉強しようかと思いましたが、テキストをぱらぱら見る程度にとどめておきました。家から試験会場までは自転車で30分くらいでしたが、試験の小一時間前には会場入りしました。試験10分前に念のためトイレに行きました。

 蛇足ですが、 緊張するとトイレが近くなる方は「試験の説明が始まる5分前位」がすいているのでおすすめです(会場入りする時にトイレの場所をあらかじめ確認しておくといいです)

  • 試験開始

 第1問。問題文が短かったのですが選択肢はやたら多い。前回のように「現金預金」のようなことがないように問題を解く毎にチェック。3問目で(A社社債を半分)の見落としを発見。また、書き終えた解答用紙に何か違和感があるなと思い見ると預金の「預」の漢字を「領」と書い てしまっており慌てて修正。この時点で20分経過。

 第4問。第2問に取り掛かろうとしましたが、普通仕訳帳および、残高試算表に関してということで時間がかかりそうだったので先に第4問に。幸い先日、問題集で解いた問題の類問だったので楽勝と思いきや変動予算の問題がありましたが、素直な問題でそれほど苦戦しませんでしたが少し時間がかかりました。25分。

 第5問。表を埋めるタイプの総合原価計算でした。包装資材云々とありましたが、落ち着いて本文を読み、取り組めました。15分でおわりました。

 第2問。プラス8点のための~、および他のテキストなどで速く解くことを意識していましたが、最後の残高試算表の合計の数字が合わなかったので、少し時間がかかり25分。

 第3問。問題の試算表です。今回は本支店会計の損益計算表および貸借対照表の作成でした。ここで少し勘違いをしてしまっていました。15時45分で試験が終わるところを30分までと思ってしまっていました。慌ててとりかかりました。

 ただ、今回は本支店会計が出る可能性が高いと聞いていたため解き方もかなり意識して勉強していたため未達事項、期末修正事項も問題なくできました。後は表に記入。何とか計算も 合いそうでしたが「内部利益は期末商品棚卸高から直接控除すること」というう表記で少し悩んでしまいました。5分ほど時間を残して問題を解き終えることができました。

試験を終えて

 試験当日の解答速報の自己採点で合格点。そして、約一週間後HPで正真正銘の合格を確認しました。約半年、2度目の挑戦で合格でき、胸をなでおろすような気分でした。しかしこれはあくまでも通過点です。現在は気持ちを新たに既に簿記1級を見据え勉強しています。

 環境的に恵まれていたとはいえやはり、予定以上に時間がかかってしまったなというのが本音です。元々人より理解が遅いということは常々感じています。であれば、「人の倍勉強してやろう」位の気持ちで取り組むことが大事だと思いました。1級はもっと大変ですが、地道に取り組んで行こうと思います。最後まで長文をご覧頂きありがとうございました。

管理人からnamaketmysさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた電卓の機種名を教えてください。また、この電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 電卓は、CENTOS DR-0210TEという機種です。電卓を購入する際は「ボタンの押しやすい、大きなもの」を選ぶと良いと思います。
 namaketmysさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意な論点は、総合原価計算とCVP分析。苦手な論点は、試算表作成問題と費目別計算です。試算表は問題をひたすら解くことで、速く解答にたどり着けるようにしました。また、一度解いた問題で、間違ったところをチェックし、どのようなところで失点したのか振り返るようにしていました。

 費目別計算は「それぞれの仕分けが何を意味しているか」そして、勘定の流れを考えるということがテキストにも書かれており、そのことを意識して問題に取り組みました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 いつまでに、どのくらい勉強するかという目標「今月中にテキスト1回目を終わらせる」等…漫然と勉強しないようにすること。「理解できなければできるまでつづけるという粘り」が大事かなと思いました。

 勉強に関しては、最初は理解につとめつつ、手を動かして問題解答のためのテクニックを磨くということも大事だなと思いました。その一方、特に工業簿記に関しては「その問題で何が問われているのかを考える」ということが大事だと思いました。

管理人コメント

 namaketmysさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!非常に分かりやすくまとめていただきましたので、とても読みやすい合格体験記に仕上がっていると思います。編集する僕も楽でした!(←どうでもいい情報)

 namaketmysさんの勉強スタイルでぜひ参考にしていただきたいのは、不合格になってしまった原因をきちんと考えて再スタートを切られている点です。「不合格の原因は?→問題の演習量が足らなかった→問題の演習量を意識的に増やす必要がある→新たに問題集を購入して、きちんと消化する」というような流れで考えていきます。

 不合格の原因を明らかにすると自分のやるべきことが見えてきますので、なんとなく勉強を再開するのではなく、必ずこの作業をするようにしてください。紙に箇条書きにして、まとめノートなどの表紙裏に貼っておくとなお良いと思います。

 

namaketmysさんが使われた教材&電卓のまとめ