簿記の非常識合格法を極める。超短期合格を目指すなら範囲を絞れ!

  • 投稿者:チンQさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:2回
  • 勉強期間:約6か月

はじめに

 私はある大手金融系の会社で、昨年から経理業務を所管する担当の主任として働いています。さすがに日商簿記検定3級では内外に示しがつかないので、せめて…ということで日商簿記検定2級受験を決めました。この2月で合格できましたが、これからの内容をお読みいただくと、もう1回受けて合格するとはとても思えませんし、ましてや工業簿記の勉強も終わっていない現状では、日商簿記検定1級受験なんて有り得ないでしょう。

 でも、資格が取れてしまいました。自己採点の結果は96点です。「簿記検定ナビ」の管理人様、合格させていただいて本当にありがとうございました。どのように合格できたか、私と同様、勉強することの努力自体が苦手な方は、是非参考にしていただければと思います。

テキストなどは使わずに勉強開始!

 私はNewton社のeLearning「日商簿記2級(合格保証つき)」を9月に開始しました。テキスト等は購入していません。eLearningは全部で5章あるのですが、さぼりさぼりで11月の時点では半分しか終了せず初めて受験…惨敗。

 12月から再開して勉強に取り組むもどうにも集中できず、結局6割しか終了できずにとうとう受験2週間前まで。商業簿記の仕分問題と精算表、それに工業簿記の原価計算までは勉強したけど、あとは全然。特に工業簿記は原価計算以外、まだ勉強したことすらない状態でした(^^;

 大慌てで2月2週末あたりでネットスクールの「出題パターンと解き方」(過去問題集)を購入。ところが仕分け問題以外は手をつける時間すらせず、とうとう試験まであと1週間をきってしまう。そんな絶望的な状況で、このサイトの第120回試験の「試験問題予想」がとても的中していることに気づき、第121回試験の「試験問題予想」にすべてを託すことしました。

 いわゆる「山勘」ですね。この時点で、Newton社のeLearningを使った学習は中止。予想と一致する部分の過去問題集のみに注力することとしました。幸い、この過去問題集は過去問を「パターン別」にまとめてくれています。例えば商業簿記の帳簿問題「試算表」であれば、109回・117回の第2問、といったように整理されています。

出題可能性の高い過去問だけに絞って追い込み

 そこで、「簿記検定ナビ」の管理人様による第121回試験の「試験問題予想」に記載のあった、「帳簿組織、精算表、財務諸表、費目別の分類、個別原価計算、直接原価計算、総合原価計算」のみの過去問に絞って対応することとしました。

 それでも過去の問題すべてを解く時間がなかったので、この過去問題集でその分野における特に参考になる問題には明記があるので、その問題のみ(つまり予想された項目1つにつき、過去問1問のみ)をがっちり勉強しました。結局のところ私が勉強したのは過去問7問だけ、と言えるかもしれません。

 何せテキスト勉強を一度もしていないので、過去問題集はまったく解けません。解説を見てもチンプンカンプン。サイトの単語帳検索や仕分け問題を何度もじっくり読んで、なんとか理解した感じでした。

 こんなでも合格できるとは不思議としか言いようがないのですが、これから受験を受けるどなたかのお役に立ちたいと思い、感想文を書かせていただきました。本当に「簿記検定ナビ」の管理人様、重ね重ねありがとうございました。

管理人からチンQさんへ追加の質問

 日商簿記検定3級はいつ頃取得されましたか?また、その時の勉強方法を簡単に教えてください。
 日商簿記検定3級の取得は就職した年でした。年がばれますが、平成9年なので12年前となります。就職する前に、会社から大原の教材一式が届き、3ヶ月ほど勉強しました。
 利用された電卓について、種類や購入価格、使い勝手などを教えてください。
 実は電卓は会社用の1つしか持っておらず、試験の際は電卓を会社に忘れてきたので、急遽借りたものです。返したのでもうメーカー等が不明ですが、小さいし使い慣れないし、てとても使いにくかったです…。
 大手専門学校の教材ではなく、Newton社のeLearningを選択されていますが、何か理由がありますか?
 上でも書きましたが、私は勉強に集中できないタイプです。とくに「とりかかり」のハードルが高く、テキストを目の前にしてもなかなか開きません。ただ、家に帰るとパソコンだけはつける習慣があるので、だったらeLearningなら自然と勉強するのでは…と。
 試験日当日の様子や、実際に問題を解いた順番などについてもう少し詳しくお聞かせいただけますか?
 当日は試験予想にしたがって勉強した過去問の解説を眺めているうちに試験開始。ヤマが外れたら解けないだろう、と思っていた工業簿記(問4・5)をチェック。私にはヤマが外れているように見えました(^-^;
勉強不足なので、予想が当たっているようにすら見えず、すみません。

 絶望しながら念のため商業簿記の問2、問3をチェック。問3はバッチリ自信ありの問題形式でニンマリ。そして問2でまたも絶望。120回(昨年11月)の受験時に、まったく歯が立たなかった「伝票形式」に問題が見えました。試験予想でも「伝票はない」となっていたので、結局1度も勉強しないままにしてあったので、問4・5と合わせて、もう今回は無理、とあきらました。

 そこで、なんのひねりもなく問1から順番に解くことに。簿記検定ナビには「1⇒4⇒5⇒2⇒3」が良いと書かれていた気がするのですが…。なのに自信があった問1でも「債務保証見返」の問題で借方に「立替金」の科目が選択肢になく動揺。結局、ここだけがこの試験で間違っていた箇所となりました。

 予想以上に問1に時間を使ってしまってから、問2に移り、試しに解き始めたところなぜかパズルのように結構解ける!でもいくつか空欄が残った状態で煮詰まってしまったので、気を取り直して問3へ。これはバッチリ。問4・問5に移ると、あれれ、あっさり解ける!

 直前に勉強したヤマ張り勉強と一致している!という強い実感はないのですが、実は何かしら関係していたということでしょうかね?ここまできたとき、問3が間違えていなくて、問2ができれば合格できるかも?と俄然心が躍る!問2をもう一度解きなおし、残り1分のときに最後の空欄がうまり、見直す間もなく終了、という、もう偶然としか…。

 サイトには本当に助けられました。とにかく勉強したくなくて1週間前になってもダラダラとしていましたが、サイト管理人への100の質問(でしたっけ?)を見たりしているうちに、少しやる気が出たりしました。「こんなに頑張って他の人のためのサイトを作るなんて…」と。膨大な時間と手間がかかっているのに、ほとんどボランティアなんて!と、まさか個人サイトとは思っていなかったのでとても感動したのを覚えています。本当にありがとうございました。

管理人コメント

 チンQさん、詳しい合格体験記のご投稿ありがとうございました。論点を大幅に絞り込む点など、かなりリスキー(?)な勉強方法ですが、短期間の勉強で受験に臨まれる方にはとても参考になる合格体験記だと思います。

 第121回の日商簿記検定は、第120回でボリュームの重い本支店会計と標準原価計算が出題されたこともあり、思い切ってヤマを張ることが出来た回ではありましたが、これらを完全に切るというのはかなり勇気が要る行為だと思います。ただ、直前期になっても合格ラインに全く達していないという自覚がある場合は、チンQさんのように大胆な賭けに出ることも考えるべきです。

 つまり、「広く浅く」という勉強方法ですと、全ての論点が中途半端になってしまう可能性がありますので、「広く深く」が無理なのであれば「狭く深く」という勉強方法に切り替えたほうがベターだということです。(もちろん「広く深く」勉強するのがベストなのは言うまでもありません)

 あと、試験問題予想についてですが…第121回予想は、ほぼ完璧だった第120回予想と比べると…あまり的中しているとは言えませんでした(汗)ですから、チンQさんが試験問題を見て思ったことは、ズバリその通りだと思いますm(_ _)m 次の第122回予想はもっと精度の高いものに出来るようがんばります。

 とても参考になる合格体験記を投稿していただいたチンQさんには本当に気持ち程度ですが、amazonのギフト券を送らせていただきました。本当にありがとうございました。

チンQさんが使われた教材や電卓のまとめ

  • 教材:eLearning「日商簿記2級(合格保証つき)」(Newton社)
  • 過去問:日商簿記検定過去問題集2級出題パターンと解き方(ネットスクール)
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