同シリーズのテキスト・問題集を揃え、とことん使い込むことが大事!

  • 投稿者:Naoyakawaさん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約5か月

衝撃

 2011年1月末のある朝、会社の同僚からメールで目を覚ましました。そのメールには「新聞を見てください。会社が潰れました」と書かれていたので、急いで新聞を取りに行きました。

 我が家でとっている地方紙一面トップには会社が更生法を申請したとの記事が。そして会社では再建のためのスポンサー選定に向けた資料作りが各部署で開始されました。

 私は当時、生産技術部に所属しており、その関係で工場の製造能力や製品の製造原価に関する資料作成を担当しました。その原価計算の過程で判らない事をネットで調べると、必ずと言っていいほど見かける言葉が簿記…。

 会社はどうなるか判らないし、転職するにも45歳で資格は何もなし。それなら簿記の資格を取ろうと思ったのが勉強を始めた発端です。2011年4月末のことでした。

3級受験

 丁度5月初めが128回の受験申し込み期限だったので、3級の受験を申し込みました。2級か3級か迷ったんですが、学生時代の専門は機械工学で就職後も技術系の仕事をしていたので、素人にいきなり2級は難しいだろうと3級から受験することにしました。

 3級受験では書店で比較したところ、他に比べ図が多く判り易そうにみえたDAI-Xの「日商簿記3級 最短合格テキスト」および同シリーズの問題集を使用しました。3級受験で使用したのはこの2冊だけ。時間もお金もなかったのでスクールには通わず全くの独学。

 私の勉強スタイルですが、まずはテキストを読み、あとはひたすら問題集を解くというものです。問題集の1回目はテキストや解答を参照しながら問題集を解く。2回目は何も参照せずに解き、間違えたり解けなかった問題にはチェックをしておく。3回目はチェックのついた問題だけ解く。

 解けたらマル、解けなかったらまたチェック。こうやってチェックの付いた問題が全てマルになるまで何回も繰り返しました。その結果、約1ヶ月の勉強で3級は無事合格できました。

2級受験

 3級に合格してしばらく経った7月中旬、冒頭に書いたスポンサー選定に向けた資料作りが認められ、経理グループへ異動の内示を受けました。元々は原価計算および工業簿記に興味があって始めた簿記であり、経理に異動するとなると2級は必須とのことで11月の受験を決意しました。

 2級では商業簿記・工業簿記ともにネットスクールの「サクッとシリーズ」のテキストと問題集を使用しました。3級の時に比べ試験までの期間に余裕があるので詳しく書いてある本を選びたかったこと、ネットでも多くのサイトがこのシリーズを紹介していること、「日商簿記3,2級 受かる勉強法落ちる勉強法」という本でも紹介されていることなどが「サクッとシリーズ」を選んだ理由です。

 今回も独学で、テキストの出版社は変わったものの勉強スタイルも3級の時と同じ。チェックの付いた問題だけ繰り返し繰り返し何回も解きました。ただ3級の時とは違い学習範囲も広いので7個ぐらいチェックがついている問題もありました。

 チェックが全てマルに変わったのが11月初め。その後は問題集をネットスクールの「出題パターンと解き方 過去問題集」に切り替えました。試験までの時間もあまりなかったので過去問についてはいつものチェック→マル方式が使えず、毎日試験1回分を解き、最後は難解だった124回と126回に再挑戦したところで時間切れ。試験当日を迎えました。

安堵

 2011年という年は東日本大震災だけでなく個人的にも色々なことがあり過ぎました。1月に会社が倒産、3月に父親が入院、以後土日は実家で農作業、会社では8月より経理グループに勤務…と同時に、会社再建に向けた業務を担当し帰宅が0時を過ぎるのはザラ。

 そして9月末に父親の死去。11月初めには四十九日法要。試験までの準備期間の割には勉強時間が思う様に確保できず試験に臨みましたが、試験終了間際に全問解き切った時には涙が出そうになりました。

 合格発表までの1週間は非常に落ち着かない日々でしたが無事合格することができました。幸い会社も再建への道を順調に歩みつつあり、理系でありながらも今回簿記を受験したおかげで、会社での仕事の幅も広がったように感じます。今後も勉強を続けさらに上の資格を目指して行きたいと思います。

試験日の1日の流れ

  • 試験日当日朝

 2級は午後からの試験のため、10時過ぎまで寝ていました。そして昼食を取ると必ず眠くなるので、遅めの朝食を少し多めに摂りました。

  • 試験開始までの過ごし方

 試験会場にはネットスクールがWEBで提供している仕訳コレクションをプリントアウトし、クリアファイルに収めたものを持って行き試験開始間際まで眺めていました。2問ほど直前に見ていたのと類似した問題があったので、これはツイてるなと思いました。

  • 試験中の出来事

 第3問の損益計算書作成の問題でどうしても40円という端数が出てしまいました。何度計算し直しても40円が消えず、時間も10分を切り、それでもどこかに間違いがないかと探していたところ、減価償却費の転記ミスを発見しました。慌ててそれ以下を計算し直しギリギリセーフ。

本試験の計算用紙
本試験の計算用紙

管理人からNaoyakawaさんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
[ネットスクール]サクッとシリーズのテキスト&問題集(2級)…90点。内容的には必要十分だと思われます。

[ネットスクール]出題パターンと解き方(2級)…80点。解説がやや不足気味に感じました。

[DAI-X]日商簿記3級最短合格テキスト&問題集(3級)…60点。初学者にはとっつきやすい反面、内容がやや不足していると思われます。3級の試験の際には知らないことが多く出題され、正直言って落ちたと思いました。

 ネットスクールの教材は他の方にもお勧めできると思いますが、DAI-Xの教材は使うにしてもこれだけでは不十分だと思います。

 今回、勉強に使われた電卓の機種を教えてください。またその電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 CASIO MW-22AE5。12桁表示の中では最も安いと思います。機能的には十分ですが、しかし安い分、型枠の精度が低いのか机に置いて使う際、打鍵するとカタカタ音がするので気になります。従ってあまりお勧めできません。
 Naoyakawaさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 特殊商品売買です。正直言って「到着してないモノを売るな~!!」「人に委託しないで自分で売れ~!!」と思ったものです。これらの克服のためにやったのはやはり繰り返し問題を解くことです。それとネットスクールがWEBで提供している「仕訳コレクション」の苦手な論点部分を暇があれば眺めていました。
 Naoyakawaさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 会社の先行きが不透明だったため、ここで受からなければ後がないということと、子供にいつも勉強しろと言っている手前、お父さんが落ちる訳にはいかなかったこと。
 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 テキストと同じシリーズの問題集を選ぶこと。そして一旦選んだらその問題集をトコトン使い込むこと。過去問を必ず解くこと。

管理人コメント

 Naoyakawaさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!

 Naoyakawaさんの勉強スタイルは「テキストを読み、あとはひたすら問題集を解く」というスタンダードなものですが、私もこの方法がベストだと思います。

 日商簿記検定2級の勉強は奇をてらう必要は全くありません。スタンダードな方法で地道に勉強することが短期合格&一発合格のカギになりますので、ぜひ参考にしてください。

 電卓については、お使いになった「CASIO MW-22AE5」の実勢価格は1,000円弱ですが、これに1,000円プラスするだけで右の「CANON HS-1220TUG」が買えますので、最低でもこのクラスの電卓を使うことをおすすめします。

 「CANON HS-1220TUG」については、簿記検定ナビ簿記電卓「CANON HS-1220TUG」の詳細レビューページで詳しく紹介しているので、興味の有る方はチェックしてください。

Naoyakawaさんが使われた教材や電卓のまとめ