社会人受験生は時間の使い方がポイントです!

  • 投稿者:黒い恋人さん
  • 勉強形態:独学
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約3か月

簿記検定取得のきっかけ

 40歳も近づき、日々淡々と働く中で「何か自己啓発でもしないと」と焦燥感を感じたことが始まりです。とりあえず実績を残したい考え、資格でも取ってみようと調べるうちに巡り会ったのが「簿記」でした。

いざ勉強を始めようと思ったが・・・

 文系の私が数学に触れたのは高校1年生が最後です。数字に弱いことは仕事においても痛感していました。結果的に「数字嫌い」を克服したいという理由も簿記検定を選んだ理由になっていたかもしれません。

 ですので、簿記の勉強を始めるに当たっては、数字嫌いの私でも簿記勉強を続けることができるテキストを探しました。そのために本屋で簿記のテキストを何日も何度もチェックし、吟味しました。

 最終的には「すいすい簿記マンガみてGO!(以下「すいすい」)」シリーズの3級を購入しました。「すいすい」はマンガを上手く使っていて、他のテキストを見たときに感じた「簿記」の難解さを意識せずに読み進められました。ここで苦手意識を持つことなく、簿記のイメージを掴み、さらには簿記に興味が持てたのが大きかったと思います。

勉強スタート

 勉強を始めたのは11月に入ってからでした。テキストを吟味していたのは10月でしたので、11月受験も可能でしたが、まずは落ち着いて2月の試験を目指すことにしました。家族(妻と子供2人)がいるので、無駄な出費ができるわけもなく、自然と独学の道に進みました。

勉強方法

 とりあえず「すいすい」を仕事の行き帰りの電車で一度流し読みし、2回目は「すいすい」を読みつつ「サクッとうかる日商3級商業簿記トレーニング(以下「3級トレ」)」の問題を解いていきました。

 最初は全くといっていいほど問題が解けませんでしたが、繰り返し「3級トレ」を解くことで、“コツ”のようなものが分かってくると、解くのに時間もかかるし難しいのだけれど、「簿記って案外おもしろいかも」と思えるようになりました。

 12月中頃になると2級も受けてみたい思うようになり、「すいすい2級」を購入し、3級の勉強と平行して取り組みました。さすがに2級は難しく、2月受験は厳しいかなとも思いましたが、自分を追い込むつもりで試験に申し込みました。

 2級の勉強も3級と同じ方法で進めました。「すいすい2級」を2回読んで「2級トレ」を解く。この繰り返しでした。1月に入ると、どうしても2級の勉強にさく時間が増えました。

 3級がこのままではまずいと感じて「3級トレ」をやってみると、不思議なことに苦労していた精算表や試算表が楽に解けるようになっていました。2級の勉強が地力を付けてくれていたようでした。

 その後は、1週間のうち2級を6日、3級を1日のペースで勉強しました。2月に入ってからは「過去問ナビ」を2級、3級とも購入し、2回繰り返しました。「過去問ナビ」をやってみると、3級は1回目から大体合格点が取れていました。2級は合格点前後の点数が多く、不得意な論点(本支店会計など)はどうも苦手でした。

 直前期に予想問題集を買おうかと思いましたが、出費抑制と、これまでの勉強を確実にすることを第一として、購入は見送りました。なお、試験直前は時間を短めに設定して過去問を解きました。

偶然出会った本が役立ちました

 過去問ナビに取り組んでいた時期に読んだ本があります。それは、ネットの検索で偶然ヒットした「会計学入門 (日経文庫)」です。図書館で借りて通勤中に読んでいました。

 会計学の初歩を学びながら、簿記を学ぶ目的が理解でき、簿記が仕事にもいかせると分かったことで、簿記検定へのモチベーションが上がったのを覚えています。

勉強時間

 1日平均2時間半くらい。朝食前に30分簿記検定ナビ仕訳問題集をやり、昼休みに簿記ナビの簿記クイズで気分転換。帰宅後に1時間半程度勉強しました。試験直前は短い時間でかなり集中して勉強した気がします。

 トータルで3級は1ヵ月半、2級は2ヵ月で勉強しました。家族に迷惑をかけないことをモットーに取り組みました。

使用したテキスト・電卓

  • すいすい簿記マンガみてGO!日商簿記3級
  • すいすい簿記マンガみてGO!日商2級商業簿記
  • すいすい簿記マンガみてGO!日商2級工業簿記
  • サクッとうかる日商3級商業簿記トレーニング
  • サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング
  • サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング
  • サクッとうかる日商簿記3級 厳選過去問ナビ
  • サクッとうかる日商簿記2級 厳選過去問ナビ
  • 会計学入門 (日経文庫)
  • 簿記ナビの仕訳問題対策
  • CASIO DS-20K

 CASIOの電卓は、以前仕事で使っていたもの。GTボタンは簿記を勉強して始めて使い方を知りました。

苦手論点

 一般的に難しいと聞いていた工業簿記のほうが慣れると解きやすい感じがしました。むしろ商業簿記の本支店会計や特殊商品売買、特殊仕訳帳のほうが手強い感じでした。

 苦手な論点は何度も同じ問題を繰り返し解く中で、自然と回答にたどり着けるようになりました。答えを完璧に解かなくても、部分点がもらえるということを途中で知り、「なぜそのように記帳するのか」など簿記の考え方を理解するように心掛けました。

試験日前日~当日の流れ

  • 前日

 これまでの復習。これまでに間違えた問題をもう一度確認。ただし、知識を混乱させないように深入りはしないように心掛けました。

  • 当日
  • 簿記3級

 試験会場に徒歩で行ける環境だったので、緊張しないようにあまり早めに会場入りしませんでした。到着後、過去問ナビの「サクッとBOOK」に目を通しました。

 いつも使っているシャーペンを使用し、問題は1→5→2→3→4の順に解いていきました。解答順はパッと見で決めました。1時間10分くらいで解答終了。

 残りの時間は見直しをしながら、配布用紙に解答を書き写したりして時間ギリギリまで粘りました。ちなみに受験者は、高校生など比較的若い人が多い印象を持ちました。

  • 簿記2級

 自宅で昼食をとり、15分ほど昼寝をして、3級のときより少し早めに会場入りしました。「サクッとBOOK」に目を通すとともに、過去問ナビの本支店会計問題と解答を見て解き方を確認しました。

 試験開始後に問題をチェックすると第3問に「本支店会計」を発見。解き方は確認していましたが、自信がない論点が出ていることで動揺しました。とりあえず、1→4→5→2→3の順に解答をすることを決め、取り掛かりました。

 ところが第5問と第4問で焦りからか解答に手間取り、その後のペース配分に狂いが・・・。いよいよ問題の第3問を解き始めたころには30分くらいしか残っていませんでした。

 最後まで諦めずに解きましたが、合格点を取れる自信は正直ありませんでした。受験者は年配の方が3級より多いと感じました。

帰宅後

 解答速報を確認。3級は大体当たっていましたが、2級は合格点ギリギリの印象でした。

合格発表~現在

 職場で昼休みにネットでチェックしました。自分の受験番号を2級でも見つけたときは、心の中でガッツポーズをしてました。後日商工会議所に合格証を受け取りに行き、点数を確認すると3級は94点、2級は80点でした。何はともあれ合格するのは嬉しいものですね。

 悔やまれることといえば、「簿記ナビ」の出題予想で2級の「本支店会計」の予想も確認していたのに、きちんと理解しきれていないところがあったことです。現在は、今回の簿記検定の経験を無駄にしないよう、新たな自己啓発に取り組んでいます。

管理人から黒い恋人さんへ追加の質問

 今回、勉強に使われた教材に点数をつけるとしたら何点ですか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
・すいすい簿記マンガみてGO!日商簿記3級 <80点>

 簿記を初めて学ぶ人にはオススメ。マンガもほどよく緩いところが良いです。ただし、試算表作成などの説明は少ないので、問題をこなす必要があります。

・すいすい簿記マンガみてGO!日商2級商業簿記 <80点>
・すいすい簿記マンガみてGO!日商2級工業簿記 <80点>

 イメージを掴めるのがありがたいテキストです。3級同様細かい論点は問題をこなすしかありませんが、特殊商品売買や工業簿記の理解はしやすかったです。

・サクッとうかる日商3級商業簿記トレーニング <90点>
・サクッとうかる日商2級商業簿記トレーニング <90点>
・サクッとうかる日商2級工業簿記トレーニング <90点>

 基礎問題から試験レベルの問題へ上手く導いてくれます。解答の解説も詳しいのでとても参考になりました。

・サクッとうかる日商簿記2級 厳選過去問ナビ <85点>
・サクッとうかる日商簿記3級 厳選過去問ナビ <85点>

 解説が少ないのがマイナスですが、結果的には実試験に十分な過去問対策ができました。個人的には付属の「サクッとBOOK」が試験直前の確認にちょうどよかったです。時間節約の解き方まで載っていて実践的なところもGOOD。

・会計学入門 (日経文庫)

 2級まで勉強してから読んだので、知識の整理にちょうどよいと感じました。

・簿記ナビの仕訳問題対策

 全て打ち出してやりました。仕訳のスピードが速くなって問題を解く時間的な余裕が生まれました。

 今回、勉強に使われた電卓は他の方にもおすすめ出来ますか?
 他の電卓を使用していないので何とも言えませんが、小さすぎず機能もあり、打感も悪くないと思います。
 黒い恋人さんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。
 正直なところ、勉強し始めは「簿記は無理かも」と思ったこともありました。そんなときは簿記ナビの体験談を見て励まされたり、「自分も体験談を書くぞ!」などと考えて日々頑張りました。

 子供たちも私が簿記の勉強をしている姿を少なからず見ていましたので、親としての威厳を保つ意味でもモチベーションは維持できました。

 それから、仕事が忙しいと勉強時間がなくなりそうな日もありましたが、そんなときは通勤中にテキストを読んだり、寝る前に仕訳問題を1問でも解こうとしました。少しの時間でも1日のうち必ず簿記のことを考えることを心がけました。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 私は簿記の勉強をすることで家族に迷惑はかけたくないと考えていました。なので、週末もなるべく子供たちと遊ぶようにして、日中の勉強は子供の勉強と時間をあわせた1時間程度しかしませんでした。

 だから、学生の方や独身の方の体験談を見ていると、勉強時間があることが羨ましいなぁと思いました。ただし、結果だけをみれば合格できましたので、ようはいかに集中して勉強できるかがポイントだと思います。

 私は早朝の喫茶店や、仕事帰りに立ち寄るマックなどで勉強することも多かったのですが、結構集中して勉強できました。直前期には1時間から1時間半くらいで過去問をやったりしていました。

 後悔といえば、簿記ナビさんの予想をみていたのにもかかわらず、2級の本支店会計をとりこぼしたことです。今後受験される方は、後悔しないように簿記ナビさんで対策を怠らないでもらいたいです。

管理人コメント

 黒い恋人さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!限られた時間の中から勉強時間を捻出するのは大変だったと思いますが、仕事前や仕事帰りのちょっとした時間を有効活用し、見事に短期&一発合格されました。

 拙著「仕訳攻略ナビ」にも書きましたが、朝の1時間は「誘惑が少ない」「頭が冴えている」「おしりの時間が決まっている」と集中して勉強できる条件が揃っていますので、忙しい社会人の方には朝勉をおすすめします。

 あと、テキストの選び方についてですが、まずネットで情報収集していくつかのシリーズをピックアップし、その後、書店で実際に見比べて自分に一番合うものを買う…というのがベストです。なお、テキストと問題集は同シリーズのもので統一しましょう(過去問・予想問題集は別シリーズでも構いません。)

 合格を左右するのは「テキストの良し悪し」よりも「テキストとの相性の良し悪し」です。なんとなくテキストを選んでしまう受験生が多いですが、たっぷり時間をかけて吟味するようにしてください。

黒い恋人さんが使われた教材や電卓のまとめ