社会人受験生は「職業訓練給付制度」を賢く利用しよう!

  • 投稿者:柚葉さん
  • 勉強形態:専門学校(通学)
  • 受験回数:1回
  • 勉強期間:約2か月半

 今年8月に経理担当に異動をしました。伝票の読み方や専門用語がまるでわからず、何度も教えてもらうのも申し訳なくて、図書館で簿記の本を借りて独学で勉強しようかと思いましたが、もともとかなりの数字アレルギーでもあったこと、根性無しなのでやっぱり独学は向かないと思い、公務員試験を受験した際に通っていた学校(TAC)への通学を決めました。

 独学ではありませんでしたが、簿記検定ナビさんには、電卓の選び方や仕訳問題集、予想問題集、合格体験記で大変お世話になりましたので、少しでも還元できたらと思い、合格体験記を書かせていただきます。

私の勉強方法

 9月から通学し始めました。通学とはいえDVD講座にしたので、ある程度の自由度がありました。直前講座や答練はDVD生でも生講義が受講出来るため、それを受講できるように勉強を進めました。基本的に土日のどちらかの午前中にDVDを視聴し、その後午後4時ぐらいまで該当部分の問題を解く、そして次の授業までに問題集をもう1周解く、という流れでやりました。

 先生が最初の3回(か4回か忘れてしまいましたが…)が重要だと力説していたので、その回分はその週に完璧にするぐらいの気持ちでがんばりました。さすが専門学校だけあって講義はとても分かりやすく、勉強が進んでいくうちに仕事の伝票もわかるようになってきて、一石二鳥でした。

 各論点がだいたい終わったころから過去問を解き始めました。はじめから2時間集中するのは無理だと思ったので、第1問、第5問、第3問を制限時間を設けて解いていきました。仕訳問題は何年か分をまとめてやることもありましたが、あとは1年ごとにやりました。

 1周したあとに直近5回分を今度は時間を計って解きました。たいてい2時間しないうちに解けましたが、あまり見直しはせず、答え合わせをしていました。

 間違いノートは一応作成し持ち歩きましたが、活用できたかは少し謎です。直前答練は3回あり、それぞれ解き直しのきれいな用紙ももらえたので、それぞれ2回ずつ計6回やりました。また、直前期には簿記検定ナビの仕訳問題を持ち歩いて、通勤時間に見ていました。暗算がなかなか難しいですが、勘定科目だけでも完璧にするようにしました。

 予想問題も活用させていただきました。補助簿の問題は答練でもあったのですが、こちらの予想問題にもあり、お陰様で、第1問・第2問ともに満点を取ることが出来ました。

電卓について

 簿記検定ナビで勧められている「CANON・HS-1210TU」がちょうど地元のビッグカメラに売っていたので、それを買いました。8月からの一月は職場のCASIOを使っていたので、キー配置の違いに最初はとまどいましたが、仕事柄毎日電卓を叩くのですぐに慣れました。右手と左手で悩みましたが、毎日叩いていたら左打ちもわりとすぐ出来るようになったのでオススメです。

 また、電卓の機能そのものも良く知らなかったので、「商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳―これで楽勝合格 総得点20点アップのトラの巻」を買いましたが、結局今でもあまり使いこなせてません。(GTとM+ぐらい)簿記の勉強は性に合っていたのか、(特に精算表の推定問題ですが)パズルみたいに感じて、楽しく勉強することができました。

 私は合格体験記を読むことが昔から好きなので、3級勉強中も何度も読んで気合いを入れたり、自分が合格して書くことを妄想していました。2級までの講座を受講したので、今は2月の試験に向けて勉強中ですが、最近モチベーションが下がり気味だったで、思い切って自分の体験を投稿させていただきました。

試験日当日の1日の流れ

 専門学校で団体受験ができたので、いつもと変わらずに受験できました。

  • 6時30分

 起床。試験の時は母がなぜかカレーを作ってくれるので、朝からがっつり食べました。お腹が空くと集中できないので…食後に眠気覚ましのコーヒーも飲みました。

  • 8時10分

 自宅を出発。

  • 8時30分

 会場に到着。トイレに行き、間違いノート(といってもあまり書いてないのですが)を眺めたり、仕訳問題集を頭で解いたりしていました。

  • 9時10分

 試験開始。問題をざっと見て、第2問、第4問も含めてなんとか解けそうだと思いました。第1問→第5問→第3問→第2問→第4問の順で解くことを決めていたので、その順番通りに進めました。

  • 10時40分頃

 すべての問題を解き終えました。全体的にとても簡単に感じ、間違えた気がしなかったのですが、自己採点に備えて仕訳から軽く解き直しました。

  • 11時10分頃

 試験終了。

 実際に試験を受けてみての感想ですが、問題が簡単だったところが大きいかもしれませんが、特に周囲の電卓の音が気になったり、時間が足りなくて焦ったりということはありませんでした。試験会場が通い慣れたところというのも焦らずに済んだ要因かもしれません。結果としては 第1問~第4問は満点、いちばん得意としていたはずの第5問の精算表で2箇所ケアレスミスをし、94点で自己採点どおりでした。

管理人から柚葉さんへ追加の質問

 今回、通われた専門学校の簿記講座の授業内容・サポートは、受講代金に見合っていたと思いますか?また、他の方にもおすすめ出来ますか?
 公務員受験時代からお世話になっているTACに通いました。当初は3級の講座を申し込むつもりでしたが(キャンペーン価格で1万円してませんでした)、3級を取ってしばらくしてから2級を取ろうと思っても忘れてしまって思い出すのが大変、そのときは大変でも一気に取った方が結果的に負担は少ないという話を聞いたこと、雇用保険に入って3年ぐらい経ったので、教育訓練給付金を使ってやろうと思い、3,2級の講座にしました。(もろもろの割引を併せ、5万円弱でした)

 2級だけですが合格保証もついていますし、直前期には生講義も受けられ、DVDのキャンセルも当日その時間が始まるまでOKというのも魅力的でした。講義はとても分かりやすかったです。特に質問したことはなかったですが、DVD生でもちゃんと質問は受け付けてくれるようなので、その点も良いかと思います。お金に多少余裕があり、私のように独学する根性はないけど簿記の知識や資格が必要な方にはオススメです。

 柚葉さんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか?
 得意なのは精算表です。特に推定問題はパズルのようで、解いていて楽しかったです。勘定科目を覚えるまでは大変でしたが、仕訳もわかるところから埋めていく過程がパズルのようで面白かったです。

 苦手なのは伝票会計、勘定の締め切りです。苦手だとわかっていたので、それなりに問題演習もしましたが波があり、克服できたとは言い難いです。

 ただ、試算表にも苦手意識があったので、試算表の精度を高めるほうを優先しました。仕訳を全部切って電卓で合計するという方法を教えられたのでそれでやっていましたが、もれてしまうことも多く、検算もやりにくいので、こちらで進められているT勘定の解き方の方が良いかもしれません。

 克服しきれていないのでアドバイスするのも気が引けますが、やはり覚えるぐらいまで問題を解くのが良いのではないかと思います。

 ご自身の勉強方法を振り返っていただき、これから勉強を始める方にアドバイスがあればお願いします。
 「簿記は自分で手を動かすこと」と何度も講義中に言われたので、とにかく問題練習だと思います。初めは時間がかかると思いますが、自分で図を書きながら丁寧に解き続けていると、そのうち手が仕訳を勝手に書きはじめます(笑)そうなってからは仕訳の問題が特に楽しくなりました。
 今後は簿記3級をどのように活かす予定ですか?簿記2級や簿記1級、税理士などの上位資格に挑戦される予定はありますか?
 3級の知識だけでもだいぶ仕事が楽になりました。2級までの講座を申し込んでいるので、今は2級を目指します。簿記の勉強自体は楽しいので1級も目指してみたいのですが、受講料が高額なこと(独学は性格的に無理なので)、仕事でそこまで求められているわけでもないので悩み中です。

管理人コメント

 柚葉さん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!柚葉さんは、「職業訓練給付制度」をうまく利用して勉強されていますが、これは大雑把に言いますと「一定の基準を満たした講座を受講して勉強した人には、国が、試験の合否に関係なく受講料の20%をキャッシュバックしてあげますよ」という制度です。

 TACだけでなく資格の大原やLEC東京リーガルマインドなどの簿記講座も給付対象になっていますし、通学講座だけでなく通信講座でもOKですので、興味のある方は厚労省の「教育訓練給付の支給申請手続について」ページをご覧ください。

 あとは…「専門学校で団体受験ができたので、いつもと変わらずに受験できました。」と書いていただきましたが、これも通学受験生のメリットの1つだと思います。試験会場までのアクセスやトイレの場所など、一般受験生が気にしなくてはいけないことから解放されるわけですから、その分だけ当日の試験に集中することが出来ます。

 日商簿記検定3級・2級につきましては独学でも十分合格可能ですが、金銭的な問題をクリアできるのであれば、専門学校を賢く利用して、より合格可能性を高めるという選択肢もアリだと思います。

柚葉さんが使われた教材や電卓のまとめ