達成目標を明確に意識しながら効率的な勉強を追求しよう!
- 投稿者:ひかるさん
- 勉強形態:独学
- 受験回数:1回
- 勉強期間:約2週間
目次
はじめに
今回、第129回日商簿記検定3級(2011年11月20日実施)に合格しました。私は平成23年度の司法試験に合格しており、その過程で培った試験勉強のノウハウを生かしながら今回の試験に臨みました。勉強開始時点での簿記の知識はゼロです。
受験の動機については、かねてより簿記の知識について関心があり、試験合格を目標にして簿記の基礎的な知識を勉強してみたいと思ったことにあります。それほど難易度が高くないという評判をきいていたので、試験勉強にそれほど時間をとられる心配もないのではないかとも思っていました。
勉強期間
受験を決めたのが受験申込期間ぎりぎりだったので、勉強期間は必然的に限られたものになりました。また、他の予定等との関係上それほど多くの時間を勉強に充てることはできないと思っていました。
総勉強時間は記録していないのでわかりませんが、下記の教材に書いてあった「平均的勉強期間50~60時間」を意識しながら勉強していましたのでそれくらいなのではないかと思います。このような時間的制約がやむを得ず設定されてしまったので、効率的な勉強法を模索しながらの勉強となりました。
使用テキスト
独学だったのでテキストなどは自分で選んで揃えました。教材を選択するに当たっては、適切でない教材を選んでしまうことで時間のロスを生じさせたくはなかったので、簿記検定ナビ、アマゾンの書評、下記教材など、複数のソースを参照しながら慎重に決定しました。
- サクッとうかる日商3級商業簿記テキスト改訂第4版…①
もともと勉強期間は短くしようと思っていたので、それに適した情報量のテキストを選びました。使ってみた感想としては、3級合格に必要なことは全て書いてあり、不満な点は全くありませんでした。もしテキスト選びで迷うならこれを使えば間違いはないのではないかと思っています。
- サクッとうかる日商3級商業簿記トレーニング改訂第4版…②
試験問題に対応するには問題演習が必要不可欠なので購入しました。上のテキストと対応しているので解答法などが共通しており使いやすいのではないかと思いこれを選びました。
- 日商簿記3級 第129回を完全予想!ラストスパート模試…③
時間が余った場合には模試を解いて合格の可能性を上げておこうと思っていたので、試験5日前に買って1日1回分ずつ3回やりました。模試の問題集を選ぶにあたっては、下の教材を参考にしました。
- 日商簿記3・2級受かる勉強法落ちる勉強法…④
たまたま書店で見つけて購入しました。日商簿記検定がどんな試験なのか、学習にはどのような教材が使われているのか、どれくらいの勉強期間が標準的なのか、本番での戦略的な解答法など非常に役に立つ情報が多く、試験前日まで繰り返し読んでいました。
勉強の過程
- テキストの購入
試験の申し込みは〆切ギリギリにすることができたものの、その後試験に向けての具体的な動きがとれないでいました。この時点で簿記に関する知識はゼロでした。
ひとまず何か動き出そうということで書店に行き10月25日に①のテキストを買いました。ただ、テキスト購入後もその他の予定などが入ってしまったためにしばらく勉強を開始することが出来ないでいました。
- 勉強開始
11月に入るとさすがにそろそろ勉強しなければならないと思い、テキストを読み始めました。しばらくすると、出題形式や難易度を早めに知っておきたいということと問題演習をする必要があるということで、②を購入しました。
②の使い方については、そのような使用目的に沿って、まず巻末の模試を解きました。テキストを読んだばかりなので当然全く解けなかったのですが、解説と照らし合わせながら、時間は結構かかりましたがなんとか理解できるように模試1回分をやり込みました。
その後、②の問題集の本試験レベルにチャレンジ!編を順に勉強していきました。基本問題編は、簡単すぎて実践力養成の観点からは効果があまりないと思いやりませんでした。今から思えば典型的な出題形式を把握するという目的に沿う無駄のない問題集として「日商簿記3級厳選過去問ナビ」の方を買えばよかったかもしれないと思います。
1回できるようになったと思った問題もすぐに忘れてしまうので、最初やってできなかった問題には付箋を貼っておいて翌日に軽く復習するなどの方法をとり、確実に解ける問題の数を増やすようにしていました。このような方法をとっていたので、別にまとめノートなどを作成する必要はなく、間違いノートなども特に作りませんでした。
- 試験直前記(試験5日前から前日まで)
時間に余裕があればやろうと思っていた試験本番の予行演習をやる時間がありそうだったので、試験の5日前くらいに?の教材を購入しました。試験の4日前に第1予想を、3日前に第2予想を、試験前日に第3予想をやりました。
ウラ予想は、まさかの出題に備えるために変わった問題などが出されていると④に書いてあったのでやりませんでした。第1予想は、自分のペースで回答したらどれくらいの時間がかかるのかを知るために、時間をはかりつつマイペースで解きました。かなり時間をオーバーしたものの、何とか合格点をとることはできました。
- 第1予想…80点くらい
- 第2予想…63点
- 第3予想…75点
その後、捨てる部分は捨てるなどしながら本試験のように「時間を区切って解く練習」を、第1予想や第2予想を解きながらやりました。
その過程で、第1、2、4問はいつでもそれなりにとれるが、第3、5問はそのときの集中力によって得点率が全く変わってくるということに気づきました。第3,5問は配点比率が高いうえに現場での集中力がものをいうので、合否はここでの集中力にかかってくると思いました。
本番での解答戦略
この解答戦略を立案するには、④が非常に参考になりました。まず第1問は基本的なのでできれば全問、最低4問は正解する必要があります。
第2問、第4問は簡単な問題が出るときもあれば見たことがない問題が出ることもあり、ある程度運の要素があるうえ、配点比率もそれぞれ10点と低いので、解ける分だけは解き、もしここが低得点でも他の部分で合格できるように戦略を立てるようにしようと思いました。
第3問、第5問は配点がそれぞれ30点と大きい上に比較的出題が安定しているのでここで得点を稼ごうと決めました。
時間節約のため、一番下の合計欄は捨て、時間が余ったときには計算しようと決めました。ちなみに第5問は精算表が出ることが多いようですが、貸借対照表の問題も5回に1回くらいの割合で出ることがあるとのことなので、いずれも勉強しておく必要があると思います。
なぜなら、精算表の作成しか勉強しないで本番に臨んで貸借対照表の回にあたってしまった場合、30点のうち大部分を失うことになりかねず、その時点で合格の可能性が相当低くなってしまうからです。
合格の確実性を追求すると勉強時間はそれにしたがって増えていきます。例えば、合格の確実性を増そうとして第2問や第4問でどんな問題が出ても対応できるようにしようとすると、勉強しなければならない範囲がかなり広くなり、要求される勉強時間もそれにしたがって増えていってしまいます。
しかし、この部分に関しては、出題可能性が低いからといって勉強しないというのは誤りだと思います。
電卓について
「8桁計算 SHARP ELSIMATE EL-760T」
簿記検定ナビの電卓選びのコツには、最低11桁の計算ができる電卓がよいという記述があったのですが、あまりお金をかけたくないと思っていたのと、いざとなれば計算方法を工夫することで、桁数が足りなくなるようなことは避けられると考えていたため、値段の安さ(500円くらい)やサイズの使いやすさという観点からこの電卓を選びました。
なお、電卓はシャープペンを持った右手一方で叩きたかったのと、その場合に生じるカタカタという音が周囲の人の迷惑になるような事態を避けたかったので、電卓の下にはあり合わせのゴム製の滑り止めを下敷きとして敷くことにしました。これにより非常に打ちやすくなりました。
試験結果
先日結果通知が来ました。それぞれの問題で予定したとおりの得点の仕方が出来たと思っています。
- 第1問:20点
- 第2問: 4点
- 第3問:28点
- 第4問: 8点
- 第5問:28点
- 合計:88点
試験を振り返って
試験を振り返って思うのは、簿記3級もそこまで簡単な試験というわけではないということです。合格するためにはルールを正確に覚えることもさることながら練習問題を自分にとって充分な数こなし、その適用の方法にも習熟する必要があります。あまり甘く見ないでしっかりと対策を立てて勉強する必要があると思います。
これから受験する人へのアドバイス
達成目標を明確に意識しながら効率的な勉強を追求していけば、短期間で合格レベルに達することができると思います。勉強方法としては、問題集や模試の問題を解いて少しでも不安に思ったところは必ずテキストの該当箇所を確認するということです。
このような方法をとれば、テキストをもう一度最初から読むという効率の悪い復習方法をとらなくても、問題として問われる重要な箇所だけを自然に復習することができる上、記憶の定着にも有効だからです。
簿記検定3級をどう活かすか
前述のような動機で受験したため、これから具体的に簿記検定3級という資格を生かすということは考えていません。
試験日の1日の流れ
- 試験会場へ
朝は試験開始の3時間前には起床し、朝食をとったあと車で試験会場へ向かいました。試験会場へは車で30分くらいでしたが、試験開始40分前には到着していました。試験会場は、とにかく人が多かったという印象です。知り合い同士で試験前に雑談しているような風景も見られました。
- 試験開始までの過ごし方
テキスト等を全て持って行っていたので、その中で付箋を貼ってある復習箇所を素早く見直すというようなことをやっていました。試験中にのどが渇いたら集中力がなくなってしまうので、自動販売機で水を買ってきたりもしていました。
- 試験中の出来事
試験中のことで印象に残っているのは、退席可能時間になるや退席するという人が思った以上にいたということです。また、試験終了時刻までに退席する人は印象的にはかなり多かったです。
- 本番の手応え
第1問は全部できたと思いました。第2問はと第4問は、こうではないかという解答をしましたが、解いたことがある問題ではなかったので、これで正しいのか確信が持てず、それほど自信はありませんでした。第3問と第5問は予定通りでした。特にわからない仕訳というのはなく、練習通りだったと思います。
最後には時間が10分少々残ったので、他の部分の確認と、試算表・清算表の一番下の欄の合計を計算したりしていました。ただ、やはり合計額はあわない部分が出てきました。
全体的な感想としては、受験前に予定していたとおりの出題がされ、解答も予定通りに出来ていたので、第3問と第5問でケアレスミスを連発してさえいなければ合格しているだろうと思っていました。
管理人からひかるさんへ追加の質問
ひかるさんの得意な論点と苦手な論点を教えてください。また、苦手な論点を克服するためにどのような勉強をされましたか? | |
第3問や第5問で出題される、家賃や保険に関しての前受金未収金などの処理が混乱しやすく苦手でした。間違えた問題にチェックしておき、後で何回も復習することで間違えないようになりました。 |
ひかるさんの、勉強期間中のモチベーションの維持方法を教えて下さい。 | |
受験勉強期間が短かったからか、あまりモチベーションなどについて考えたことはありませんでした。 |
管理人コメント
ひかるさん、合格体験記のご投稿ありがとうございました!「効率的な勉強をしよう!」と提唱されるだけあって、参考になる部分がたくさん詰まった素晴らしい合格体験記に仕上がったと思います。
まず参考にしていただきたいのは「時間節約のため、一番下の合計欄は捨て、時間が余ったときには計算しようと決めました」という点です。
試算表の合計額や精算表の当期純利益(純損失)の金額は、得点可能性の低い部分ですので無理に取りにいく必要はありませんので、「時間が余った場合にのみ算定する」というスタンスで臨んでください。
あとは、「問題集や模試の問題を解いて少しでも不安に思ったところは必ずテキストの該当箇所を確認する」というのも参考にしていただきたい点です。
苦手な部分の復習は苦痛を伴いますので、どうしても後回しにしてしまいがちですが、苦手な部分の克服こそが短期合格・一発合格のカギになりますので、必ずその日のうちに理解できるようにがんばって取り組んでください。
ひかるさんが使われた教材や電卓のまとめ
- テキスト:サクッとうかる日商簿記3級 商業簿記 テキスト
- 問題集:サクッとうかる日商簿記3級 商業簿記 トレーニング
- 予想問題集:日商簿記3級第129回を完全予想!ラストスパート模試
- 読み物:日商簿記3、2級 受かる勉強法落ちる勉強法
- 電卓:SHARP ELSIMATE EL-760T
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